鏡面のシャングリラ~クソゲーストリーマー、神ゲーに挑まんとす~ 作:岩木伊吹
「にしても猫の人おめぇここ最近で急に出てきていきなり夜の王に挑んだらしいなぁ!いやはやほんとすごい話じゃわ。ワシはきょーだいの中では若いほうじゃけぇあれやめとけこれやめとけ言われるんじゃけどいやぁ改めて魂感じる一刀だったわ!ありゃあカシラが呼び出すのも当然のヴォーパル魂が込められてたと姉貴も言ってたし先にワシが話せてほんまうれしいわ」
先ほどから私の横で無限に喋っているこの兎、ダブリュアというらしいが非常にキラキラした目でこちらを見て話してくれる。王道のようなジャパニーズホワイトの毛並みに赤目、背中には月で餅突いてる時に使ってそうな杵。そして魔法使いのようなローブに袴という属性迷子を現実にしたような兎獣人(ケモ度3~4)が私のことを嬉しそうに話している様子はとても微笑ましい。視聴者のケモナーも大喜びだと思われる。個人的にスクショも撮っておくか……
「どうしたんじゃ猫の人?」
「いや、なんでもないよ。少し装備を確認してただけだから。あと猫の人じゃなくてサンラクって呼んでくれると嬉しいな。」
「おう!宜しくなぁサンラクさん。……っと着いたわ!」
和風ローブ兎のダブリュアに連れられて辿り着いた先にあったものは、所々に兎の意匠が施された純和風建築のおやしろ。ここまでの道のりでもヴォーパルバニーやその幼体が歩いていた様子もあったし、私がいまいる町は別ゲーで言うエルフの隠れ里みたいなものなんだろう。
「ここがオカシラたちの住む『兎御殿』じゃ!開拓者で入るのはワシの知る限りじゃとサンラクが初めてじゃからこっちとしても慣れとらん所もあるじゃろうが……まぁ兄貴達も姉貴達も良い奴ばっかじゃけぇ気楽に過ごしてくれると良いけぇのぉ」
……今こいつ初めてって言ったか??????
「ちち……オカシラ!例のヴォーパル魂のある人間サンを連れてきたけぇ!」
「おうダブリュアが連れてきたのか、ようやった」
兎御殿の名に相応しい和風な作りの通路を抜けた先、謁見の間にそれはいた。これこそがハーレムであると言わんばかりに雌兎を侍らせた、夜襲のリュカオーン程ではないにしろ相当の力を、殺気も無しに感じさせる一匹の兎。
他の兎と違い、プレイヤーと同じくらいの大きさでありながら、円らな瞳や全身を覆う白い毛並みはドスの効いたバリトンボイス*1と激しく噛み合わない……かと思いきや、片目を潰すように刻まれた傷跡や、手触りが悪そうなゴワゴワとした毛という要素で不思議と違和感なく威圧感と愛嬌を両立させている。
「
一応中世ファンタジー的な舞台のはずのシャンフロにおいて、あまりにも極道なボス兎……ヴァイスアッシュがにまりと笑みを浮かべる。おおう、草食動物のくせに下手な肉食動物より怖い顔してるねぇ。
「聞いたぜ、あのワンコロと殺り合って
あれおしっこ扱いなんだ……とヴォーパル魂ってなんだ……という感情が混ざり合って微妙な表情をしてしまう。これは認められている、というより期待をかけられている状態だろう。つまりこの後の回答で
「おめぇらはすぅぐ強くなってヴォーパル魂を無くしちまうのが気に食わなかったんだがよう、こうも将来有望な奴がいるなら俺直々に鍛えるのも一興と思ってな……っつーわけでどうだい?
「……なるほど、そいつは良い話だねぇ」
一度目を閉じ、前を見据える。これは特訓クエストの導入。何も無くても普通にクリアは出来る、だが回答次第で更に上のクリアも出来る。しかもこれはシャンフロだ。そこから繋がる
ここは彼の町。彼こそが王で、彼こそが強者。そして彼から教わるのなら、彼のことをこう呼ぶべきであろう。
「あぁ、こちらからも頼みたい。センセイ、アタシにその技を教えてくれやしませんか」
先に進み、生きる存在に、敬意を払わぬ理由などない。教わった技でアタシは道を拓くのだから。
assnbotの方のツイートで15日更新予定って書いてますがミスなので普通にこれからも16日投稿です
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