鏡面のシャングリラ~クソゲーストリーマー、神ゲーに挑まんとす~   作:岩木伊吹

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マガシャンのボルテージが上がってきたので初投稿です


1人7役に脳は耐えれれない(アンデット)

 

 

 多分私よりも先に進んでいるであろうルストちゃんの攻撃で一気に削った感触があったし、何よりこの明らかに「有効なアイテムを使い分けましょう」と運営から告げられているこの奥古来魂(おうこらいこん)渓谷(けいこく)で、ボスに聖水をかけて何も起こらないはずがない。というか毒状態(うんこたれ)の蛇といい、パーティーの大切さ(ソロ殺し)を教える土竜といい、しっかりMMOのチュートリアルはクリアしてくれてる気がしてきたなシャンフロ……もしかしてこの大陸全体がチュートリアルステージだったりする?まさかね……。

 

 そんなことを考えながら相手を伺う中、歌う瘴骨魔(ハミング・リッチ)の握る骨杖にゆらりと炎が灯る。それは決してただ火が憑いて燃え上がるものでなく、下顎で表現された最悪の花弁それぞれから湧き上がる。炎はまるでドス黒い血のような色に染まり、杖を包み炎の髑髏(しゃれこうべ)をいくつも形作る。

 

「グギガ、ギギギギギ……」

 

「クケケケケケケッ! ケケカッ! カカッ!」

 

「グゴォォォォァァァァァァァアアアアアアアア!!!」

 

「イイィィィィィィ!」

 

「ゲガガガッ! ガガグッ、ガガガガガ!」

 

「アガ————ラァ—————!」

 

 (ウメ)キ、(ワラ)イ、()エ、(サケ)ビ、(ワメ)キ、そして(ウタ)ウ……成る程、七重奏(セプセット)というわけだ。そしてそれぞれ違う武器を持っている。本体であろう奴は杖。そして新しく形作られた面子は騎士剣に斧、槍と双剣、盾、そして弓。更に元が一体だから連携も恐らく取れるだろうという予測。

 

「なるほど、ここからが第二ステージ、PVPの訓練でもさせられるのかな?」

 

「盾持ちが少し厄介。前線で炎のブレスを撃ってくるから注意」

 

「お、おーし!やったるぞサンラクサン!弓のヒト!」

 

 

 私が思う対パーティー戦の基本その壱、反射できたり軌道を逸らせる攻撃は全部弾く。相手の範囲攻撃に巻き込まれず、なおかつ味方のフォローも出来る場所に位置取るのがパーティーの基本であるが、だからこそ味方に任せる場面が出てくる。その味方が対応している相手が全体攻撃をするときは知らせてくれるし、それ以外なら任せるという流れになるわけだ。では自分の攻撃が逸らされた時に攻撃の行き先まで気を配って声かけをするかというと、出来る奴は滅多にいない。相手に集中している時にそこまで出来る奴がいたらそれは純粋に盤面把握が上手い人か、攻撃に集中できてない奴なわけで……っ!

 

無二の剣による生活術(ワンソード・ハック)弾け(パリィ)』!」

 

 後方から射ってくる矢を弾いて双剣持ちの髑髏へと飛ばす。羽の付いた矢なら空気抵抗で上手く返せないが、ただの矢ならまだ弾ける。

 

「さあ飛ばしてくよ!スキル【ドリフトステップ】」

 

 うお……戦闘中に使うの初めてだけどこれ重力の感覚動くんだね。重力変えられるのは後で悪さに使えるかも……と、そんなことは後で良い。今はただ道じゃない場所を道に変えるのが重要なわけで!

 

「さぁこっちを見て!スキル【ハンドオブフォーチュン】!」

 

 物理攻撃が通らないなら魔法を加えて反応を見る!反応があるならヘイトがこっち向いてるし反応が無いなら聖水ぶっかけて全員溶かす!

 

「カカカッカカカカカッ!」

 

 よしこっち向いた!ダメージはまともに通ってないけどヘイトが来たなら……!

 

「『魔法弓』『(フェオ)』『(ダエグ)』『(エオロ)』……いい仕事。『回生無封(カイセイムフウ)』」

 

 ルストちゃんの魔法の矢が歌う瘴骨魔(ハミング・リッチ)の群れを囲み、ゆっくりと浄化するような光を放つ。

 

「ラァーーーーーー」

 

「イィ!」

 

 最後まで抗おうとする歌う瘴骨魔(ハミング・リッチ)の影。斧を持った髑髏と槍を持った影だけど……

 

「それは」「通さないけぇ!」

 

 一人と一匹で絶対に通さない。

 

無二の剣による生活術(ワンソード・ハック)」「ディアレ流決戦魔法」

 

 それは自分を守るための技術。

 

弾け(パリィ)!」「パラベラム・ルーティーン!」

 

 剣を持って槍を弾き、杵を以て斧を突く。

 

「『魔法弓』「 (ウイルド)」「落七星」……これで終わり、『魔法矢(シュート)』」

 

 ルストちゃんに火力任せ過ぎた疑惑はあるけど、それでも今回はいいだろう。なにより優先しないといけないことが来週にあるのだ。それには絶対に間に合わせたい。

 

 霧がゆっくり晴れる中で、私たちは次の町へと向かうのであった。




がんばってかく深夜三時の平日
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