ワイルド・スピード/X(クロス)ファイア   作:タチガワルイ

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毎日チャレンジが、10日目を記録したァァァァァア!!
車の知識も経験もない、そんなにわかなワイスピSSもついに日本編へ突入だ!!!正直ここまで来ること無くエタると思ってた。
ちなみになんですけど、車の内部構造とか、スペックとかに関してはすごくボカしてる上、デロリアンの購買事情もかなり脚しています。
一応調べましたよ?調べたんですけどね?どこもここも売るのに必死で「買えますよ!納車できますよ!!見積り作れますよ!!!」しか書いてなくてですね、デロリアンが今日本でどれだけ出回ってるかって分からなかったんです。ごめんなさい。ゆるして。
ワイスピ東京ドリフトみの濃いお話になりました。
(東京ドリフトのガレージや、ショーンがシルビアをぶっ壊した立体駐車場などロケ地も登場)。しかし、それだけじゃ終われねーぜワイスピX!!




登場人物
ワイルドスピード
・ドミニク=トレット(ヴィン=ディーゼル)
・ジゼル=ヤシャール(ガル=ガドット)
・ショーン=ボズウェル(ルーカス=ブラック)

バックトゥーザフューチャー
・エメット=ブラウン(クリストファー=ロイド)

頭文字D
・武内樹(CV.岩田光央)

登場車輌
DMC-12デロリアン(タイムマシン仕様)
※廃車

NISSAN
GT-R R34
スカイラインGT-R BRN32
シルビアS15
フェアレディZ Z34

三菱
ランサーエボリューションⅣ

マツダ
FD3S RX-7

トヨタ
トヨタ86
AE85 カローラレビン

ポルシェ
ポルシェ911




チャプター10.

「結論から言うと、修復は無理だ」

 

東京下町のガレージにて、ショーンは断言した。

銀色の廃車は現在、元ハンが経営していたガレージの真ん中に鎮座していた。

周囲に並べられた丸焦げの部品郡は、さながら航空機事故の現場検証のような有り様だ。

 

「爺さんが言った通り、デロリアンは本国ですら嗜好車だ。特に日本なんかじゃその台数は目に見えて少ない。後釜のDMCが認定中古車販売を始めてたり、新車を製造していたりしていても、需要に供給が全く追い付いてないのが実情だ。どこに頼んだって納車に半年はかかる」

 

ショーンは黙って聞いているドミニクに言い募った。

 

「今回のコイツは.....ヘッドランプは右側全損、トランクカバーもへしゃげて、バンパーは大根下ろしみたいに消滅、内部フレームまで歪んでる。前輪は....もう削れてサスペンションごとなくなってるじゃないか。一体なにをやったらこんなに跡形もなくブレーキドラムが消えるんだよ?」

 

「.......前輪のタイヤをとっぱらって滑走路でドラッグレースをすればこうなる」

 

「ドミニク、冗談に聞こえない」

 

「あながちそうでもないのが辛いところだな....」

 

横で聞いていたエメットの思わぬ追加攻撃に、ショーンの脳内で「?」が気泡のように大量発生する。

ホントに滑走路でそんなアホなことをやったのか?この人たちは?

しかしショーンは、ある意味先達とも言えるドミニクにはそんな口は効けなかった。

 

「....ンン、とにかく、取り寄せなきゃいけないパーツも桁違いに多い上に、ドナーカーの即時納車も効かないとなれば、一月以内に走行状態に持ってくって言うのはどう頑張っても無理だ。.....それに問題はまだある。コイツがカスタムカーだってこと」

 

エメットは重いため息をつく。

しかしため息をつきたいのは間違いなくショーンの方だろう。

 

「ノーマルなら最悪アメリカに持ち込んで突貫工事、も出来たかもしれないけど変な装飾一杯つけてるじゃないか、これじゃ手の出しようがない」

 

「装飾ではない。これはれっきとした....」

 

「わかった、ありがとうショーン」

 

これ以上行くと、ショーンもエメットもただの愚痴になりかねないので、ドミニクは一旦説明を止めた。

デロリアンの『修理』が不可能なら、別の糸口を探るべきだ。

 

「ショーン....ここの道具はどこまで自由に使える?」

 

「え?どこまでって....」

 

ショーンはぐるりと見渡す。

車を持ち上げるリフトに始まり、パーツ作成用のボール盤や汎用フライス、大型エアーコンプレッサーに、大小さまざまなレンチ、スパナ、モンキー等の工具、果ては再塗装用のブースなど、まさに『車をカスタムするための設備』が一通り揃っていた。

それらを見渡して、ショーンは大して考えることもなく答える。

 

「全部だ。そのつもりでアンタに場所を貸すんだから」

 

「そうか、ありがとう。......爺さん」

 

「なんだね」

 

難しい顔で悩み続ける老人に、ドミニクは水を向けた。

 

「アンタが"コイツ(タイムマシン)"を作った時に、使った道具はここにどれだけある?」

 

言われて、エメットは顔を上げた。目に留まる道具をひとつひとつ記憶と結びつけながらガレージを見渡す。

やがてポツリと、結論を出した。

 

「.....およそ82%、と言ったところか。原子炉を作る道具類だけが丸々ないな」

 

「原子炉?......ここは確かに原発大国だけど、車屋が原発を作る訳じゃないぞ」

 

ジョークかと思ってツッコミをいれるショーンに、ドミニクは「気にするな」と手を払う。

 

「Mr.フュージョンに関してなら、そのまま乗せ替えれば良い。あそこじゃ工具が乏しくて応急処置と足回りの効率化しか出来なかったが、ここでなら文字通り『オーバーホール(解体改装)』が出来る」

 

「......君は一体、なにをする気かね?」

 

エメットはドミニクの考えが読めないまま、怪訝そうに尋ねた。

ドミニクは不敵に笑うだけ。

しかしその笑みに、何故かエメットは嫌な予感を感じた。

 

「爺さん、いっそのこと車を換えないか?速い車にな」

 

 

この立体駐車場へやってきたのは、ハンの遺品を受け取りに来た時以来だ。

6年前と変わらず、今日もアングラな夜の賑わいを見せている。

「D.Kだ!D.Kが来たぞ!」

 

ショーンの登場に、駐車場は大いに沸いた。

続いてドミニク、ジゼルが姿を表す。エメットは『興味がない』とガレージで留守番することになっていた。

 

「ここの賭場は現役か」

 

ショーンの後ろからドミニクは辺りを見渡した。

 

「あぁ。俺はもう滅多に来れないし、半分引退してるようなものだけど....俺は未だにD.Kだ」

 

「ほう...なら俺に勝てるやつはいないな」

 

「ガラパゴスだと思ってバカにしないでくれよ。レベルは上がってるさ、周りも、俺もね」

 

ショーンは賭場を仕切っているディーラーと握手を交わし、軽い挨拶をすると、参加者に呼び掛けた。

 

「こんばんわ、野郎共!今日はエキサイティングなゲストが降臨した!あの、命知らずのアメリカ人だ!!」

 

堰を切ったような雄叫びが方々で響き渡る。

この熱気が、東京の『アングラ』を色濃く象徴していた。

 

「紹介しよう!レース場荒らしのドミニク=トレットだ!!」

 

どよめきが起きた。どうやら六年前の顛末は未だに記憶に新しいらしい。

ドミニクは、抑揚と両手を広げて挑発した。

 

「以前俺は、ここの"キング"と勝負した。....島国の限界を感じたよ。俺は失望した。だが、今夜、もう一度チャンスをくれてやろう。この俺を、"キング"を引きずり下ろした猛禽を、お前たちは引きずり下ろせるか?」

 

一瞬の沈黙の後──飛んできたのは興奮混じりの怒号だった。

誰も彼もが自分のキーを掲げて「俺がやる!!」と口々に叫ぶ。

ショーンは堪らず叫んだ。

 

「賭けるのはお前らの持ってる車だぞ!その鍵を賭けるんだ!それでもやるかぁ!?」

 

答えは三割増しの怒声だった。

ジゼルもこれには肩を竦めて、ドミニクに言う。

 

「100人斬りで足りそう?」

 

さぁな、ドミニクもまた苦笑する。

 

「日本人はしぶといからな。100回斬るので足りるかどうか」

 

 

「アンタは自分の車じゃないんだ、丁寧に扱ってくれよ」

 

ショーンは車の鍵を手渡すと、車を顎でしゃくった。

NISSAN GT-R R35。ブライアンのお気に入りのひとつだ。

ドミニクはついぞ乗ったことのない日本車だった。

 

「ドリフトしやすいようにあちこち弄ってるし、パーツも日本製で....まぁなにより日本車だ。ダッジと比べてかなり滑ると思う。慣らして行くか?」

 

「問題ない。ドライバーは車を選ぶと思ってるが、実は車がドライバーを選んでる。走れば分かるさ」

 

自信ありげにキーを空中に投げてキャッチするドミニクに、ショーンは苦笑する。

 

「そう言うと思った。.....ちなみにだけど、俺は似た感じで初めてのレースの時、ハンに車を借りたよ。『壊すな』ってさ」

 

「走れたか?」

 

まさか。ショーンは大袈裟に肩を竦めた。

 

「ベコベコにして、修理費をカサに子分にされた」

 

「彼も寂しかったのよ、きっと」

 

そういってGT-Rのボンネットに腰かけたのはジゼルだ。

 

「あなたを試したの。車を一台潰して、見るべき価値のある人か」

 

ショーンは驚いたように目を見開いて、やがて柔らかく微笑んだ。

 

「.....ハンも同じこと言った」

 

それは懐かしさか、或いは惜別の哀しさか。

ジゼルとショーンの胸中には、確かにハンが生きていた。

ドミニクはそんな二人をみつめつつ、空気を切り替える。

 

「さぁ、レースを始めよう。....相手は誰だ?」

 

そこからは怒涛のドミニク無双だった。

第一戦:

NISSAN GT-R R35

vs

三菱 ランサーエボリューションⅣ。

 

ドミニクは始めて乗るクルマ、始めて走るコースで最初の方こそ苦戦したものの、エボ使いのミス連発により追い越し、勝利を収めた。

 

第2戦:vsNISSANシルビアs15

NISSAN対決となったが、既に調子を得たドミニクの相手にはならず。

 

第3戦:vsフェアリディZ Z34

第4戦:vsRX-7 FD3S

第5戦:vsスカイラインGT-R BRN32型

第6戦:vsトヨタ86

と続くもそれらを全て撃破、

中にはポルシェ911などどこから沸いたかも分からない図抜けたクルマも登場したが、ドミニクはそれら全てをぶち破った。

そしてドミニクは吐き捨てた。

 

「ゴミばかりだ」

 

乱雑に束になった車のキーを投げ捨てる。

 

「チューンもカスタムもこちらと比べて二流ばかり。ドライバーの腕も、まだゼロヨンを走ってた頃の俺程度だ。レベルが上がっただと?落ちたよ、ショーン。ここにあるのは全てラジコンだ」

 

「.......良いのはないか?」

 

「無いな」

 

ジゼルも嘆息する。

彼らが今更になって賭けレースに身を投じたのは、デロリアンの『代わり』を探すためだった。

しかし、どの車を覗いてもドミニクが満足することはなかった。

 

「他はないのか?」

 

「ここしか知らない。俺はここでのしあがったし、この"外"へ行くのはシマを持つ"組"が許さない」

 

「....ジャパニーズマフィアってヤツね」

 

「そう。一度揉めたから怖さはよく分かってる」

 

となると、半年予約待ちコースとなってしまう。

ドミニクが本気で考え込んだときだった。

 

「つ、次は俺とレースだ!!」

 

そんな一声がドミニクに投げつけられた。

不機嫌なまま、視線だけ声の主に突き刺す。

一見見るからに小市民な、おどおどした男は、うぐっ、と喉をならしながらも声を張った。

 

「あ、アンタの走りを見てた。確かに速い。けど、それだけだ!本物の『走り屋』ってヤツを見せてやるから、かかってこい!」

 

「..................車は?」

 

ドミニクはそれだけ問うた。

男はポケットから鍵を取り出すと、それを一台の白い車に向けた。

 

AE85カローラ・レビン。

 

並みいる日本製スポーツカーからは余りにも、そう余りにも平凡な廉価車だった。

ドミニクは鼻で嗤う。

 

「ハチゴーだと?そんな貧弱な車で俺に挑む?お前はチーター相手に徒競走を挑むのか?」

周囲で失笑が漏れる。しかし男は退かなかった。

 

「そっ...それを言うなら!アンタもGT-Rでポルシェに勝ったろ!それと同じだ!それにな、これはな!」

 

男はハチゴーにかけよって、ボンネットを叩く。

まるで見せつけるかのように。

 

「この車は、俺と、その仲間が最高の状態にカスタムした──『本物』って呼ばれる奴らが作り出した、最強のハチゴーだ!弱そうに見えるからってな、舐めんなよな!」

 

「...................」

 

「やったら?どうせ満足できる車はないんでしょ?」

 

黙り込むドミニクにジゼルはそう投げ掛けた。

 

「俺もアイツは初めて見る。ハチゴーは見るからに弱そうだけど....アイツの自信の源は見てみたいな」

 

ショーンにも同調されて、ドミニクは暫しの瞑目。

やがて目を開くと、立ち上がった。

 

「...いいだろう、勝負してやる。お前...名前はなんだ?」

 

「名前?俺の?」

 

「そうだ。無いのか?....ならは"ハチゴー"と呼んでやるが」

 

男は顔を真っ赤にしたが、精一杯胸を張って答えた。

 

「武内樹。俺は『秋名スピードスターズ』の武内樹だ」




はい、というわけでいよいよ頭文字D編へとクロスオーバしていきます。元々ワイスピXは頭文字Dとワイスピのコラボだったはずなのに、いつのまにかこんなことになってた。

ちなみにネタのせつめいですが、
ドミニクが乗ったGT-RはブライアンがメガMAXの最後でドミニクとレースしたのに使ってた車です。
シルビア、RX-7、スカイラインGT-Rは頭文字Dで登場したライバル車、フェアレディZは東京ドリフトで先代DKが乗ってた車種です。

ポルシェ911は完全にネタです。『湾岸ミッドナイト』の"ブラックバード"と呼ばれるカスタムカーのベース車になります。ぶっちゃけモンスターマシンだそうで、ドミニクはこれに勝った上で『ゴミ』と断言したことになります。おかしい。

感想と投票頂けますと、作者嬉しすぎて小躍りします。それではまた明日!
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