ワイルド・スピード/X(クロス)ファイア   作:タチガワルイ

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昨日はすみませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
毎日チャレンジ記録も10日で途絶えることとなりました。
なぜかと言うと、簡単です。

なんて書いたらいいか分からなかったからです。
私レースシーンは好きですけど車は分からないんです。どんな部分がなんの挙動に影響するのかサッパリだったんです。だからラリーゲーム買って今日1日ずっとドリフトしようと壁にポルシェをぶつけてました。ランエボも、インプレッサも、ヤリス君も廃車にしました。そんな感じでひりだした11話です。どうかお納めください。
そして車に詳しい方がいらっしゃったら、どうか間違いの指摘をしてください。お願いします。ホントに。


登場人物
ワイルドスピード
・ドミニク=トレット(ヴィン=ディーゼル)
・ジゼル=ヤシャール(ガル=ガドット)
・ショーン=ボズウェル(ルーカス=ブラック)
・スタートラインの男(妻夫木聡)

・コールガール

頭文字D
・武内 樹(CV.岩田光央)

登場車輌
・NISSAN GT-R R35
・トヨタ AE85 カローラ・レビン


チャプター11.

立体駐車場の真ん中に引かれたスタートラインに、二台の車が並ぶ。

 

一台はシルバーの厳ついスポーツカー、GT-R R35。直線的な加速に優れた『日本のスポーツカー』の代表格にして、"最速"を謳われる車種のひとつ。ブライアンのお気に入りのひとつであり、今回のレースでドミニクが操る車である。

対してその隣に並ぶのは、白い直線的なボディのスポーツクーペ、AE85 カローラ・レビン。

AE86カローラレビン/スプリンタートレノの下位グレードにして廉価版として発売された、悪い言い方をすれば『パチモン』であり、トレノとレビンよりも非力で平凡な足回りのせいでついぞ人気のでなかった不遇車であった。

 

観衆の中では賭けすら起きない。

最強の車に最強のドライバーが乗ってるのだ。

それの相手がぽっと出のハチゴーなど、誰がみてもGT-Rに賭けるのだから、賭けが成立しないのだ。

 

スタートラインに黒スーツの男が煙草をくわえてやってくる。

煙草をおとし、足で揉み消した。

 

「───ようこそ」

 

飄々と男はレースのドライバーに笑いかけた。

準備は終わっている。

あとはスタートの号令だけだ。

男は右のライン脇に立つ女を指差す。

 

「レディー!」

 

女が応えた。男はついで左に指を指す。

 

「セット!」

 

女がはしゃぐように声を張る。

それを聞いた男は頬を歪めて、正面の二台の間へ歩む。

両腕を掲げ───前へ。

 

「Go」

 

シルバーの巨体と白の矮駆が同時に煙を吐きながら飛び出した。

開けた直線に対して、最初に差し迫るのは柱一本を軸としたヘアピンだ。

ショーンはシルビアでいきなり柱に激突したのを思い出す。

 

GT-Rは躊躇しない。カーブに差し迫る手前で後輪が滑り、急制動をかけながら進む流麗なドリフトターン。

何度も魅せてきたドミニクの独壇場だ。

ハチゴーの位置を確認しようとバックミラーを確認して、眉を潜める。

いない。どこだ?

答えはその一瞬後にわかる。 

 

ハチゴーとGT-Rが並んでいた。

直線では差をつけていた。なのにコーナーを抜けたとき、二台は並んでいた。

それが意味するのはひとつ、

 

ハチゴーはGT-Rのさらに内側を、更に速く駆け抜けたのだ。

ドミニクは不敵に笑う。

なるほど、大口を叩くだけはある。

 

GT-Rとハチゴーは一瞬並ぶも、やはり先にコーナーに到達したのはGT-Rだ。

ドミニクも最早容赦はしない。

さらにインを攻めてGT-Rがコーナーを滑る。

追いすがるハチゴーはしかし、速い。

立ち上がり....と言うよりも、ほぼ減速無しでコーナーから車体が持ちなおる。

 

コーナーを出たところで減速したGT-Rを、ハチゴーが抜き去った。

観衆がどよめく。残るコーナーは残り三つの90°カーブと、広いストレート、そして螺旋の上り坂だ。まだまだレースは読めないとはいえ、"あの"ハチゴーが、"あの"GT-Rを抜いたと言う事実に誰もが驚愕した。

続く連続90°コーナーも、ハチゴー先行のままレースが進む。

GT-Rはハチゴーのテールランプの後を追いながらコーナーを攻めるが、ハチゴーに進路を阻まれて上手く行っていないようだ。

ドミニクがこんなレース展開を見せるのは初めてだった。

 

「.....あれ、ハチゴーじゃないわね」

 

「そうなのか?」

 

レースを見守るジゼルの一言に、隣のショーンが聞き返す。

 

「元々ハチロクとハチゴーの違いはエンジンと足回り、内装くらいで、ボディは細かなデザインの違いだけ。あの車は、デザインこそノーマルだけど.....エンジンはまるで別物ね。ハチゴーからはあんな音は出ない」

 

「....なるほど、となると...やっぱりあのハチゴーは」

 

えぇ、とジゼルは首肯する。

問題は『ドミニクにハチゴーがどう勝つのか』ではなく、

『ドミニクはこのハチゴーをどう攻略するのか』へと変わっているのだ。

 

「....性能面では、フルチューニングされたハチロクか、それ以上。このコースとの相性で言えば...あのハチゴーは、独壇場ね」

 

 

コーナーでは抜き切れない。

ドミニクは既にそう悟っていた。

前を走るハチゴーは、ガワこそハチゴーをしているが、中身は全くの別物だ。

そしてドライバーの腕も、その性能に相応しいものを持っている。

向いている車で、向いているコースを、得意なやり方で走る。

まさにこのハチゴーは、このコースを駆け抜けるために在るようなものと言っていい。

残るコースは180°ターンのヘアピン一本と、螺旋坂。そしてその間のストレート。勝負を掛けるにはそこしかない。

90°の直角カーブをハチゴーが抜ける。

GT-Rはハチゴーの通ったルートをなぞるようにコーナーを抜けきった。

ストレートでアクセルを全開。ハチゴーの横につく。

並んだまま、180°ヘアピン。

ドリフトの煙が二台の車から吹き上がり、エンジンの轟音が過激なセッションを掲げる。

立ち上がりは、ハチゴーの方が速い。

しかしGT-Rの伸びの方が、強い。

長い直線。そこから螺旋坂へ先に突入した方が実質的な勝者となる。

ハチゴーとGT-Rが並び、競り合う。

螺旋坂がますます近づく。

減速しなければ曲がりきれずに、螺旋坂の壁に激突する。それを両者分かっていてもここで先にブレーキを踏んだ方が負けると確信していた。

だから加速する。

壁にぶつかるのが先か、相手を先に行かせるのが先か、そのチキンレースに折れたのは──ハチゴーだった。

ドリフトに入るため、わずかにブレーキを踏んだのだ。

ハチゴーより先にGT-Rが鼻先をだす。

しかしその数瞬後には螺旋坂の壁が待つ。

 

ハチゴーのブレーキタイミングは完璧だった。そこで減速しなければ激突する。

低馬力のハチゴーですらそうなのに、カーブでは膨らみがちなGT-Rでは激突は必至。

しかしジゼルは余裕の笑みを浮かべた。

このGT-Rに乗るのが、一体誰なのかを知っているから。

 

「勝ったわね」

 

ジゼルが呟く。ショーンもうなずく。

結果が出る。

壁へ激突するその刹那。その間にドミニクはすべての操作を済ませた。

GT-Rの後輪が滑る。進行方向がわずかにそれ、壁から──坂へ。

 

ゴールラインを切ったのは、立体駐車場のレースが始まって以来、最速でゴールラインを切った、GT-Rだった。

そしてその後ろをハチゴーがゴールする。

まさに大接戦。

賭けは成立しなかった。

しかし、賭けた方が面白かったと皆後悔した。

 

「───速いな、お前」

 

ゴールに沸き立ち駆け寄る群衆を掻き分けて、ハチゴーのドライバー....武内イツキの前に立った。

対するイツキは.....泣いていた。

 

「俺のハチゴー....獲るんだろ!やるよ!持ってけ!」

 

勢いよく、車のキーを突きつけてくる。

涙の正体は惜別と、敗北への悔し涙だった。

ドミニクは黙ってその鍵を見つめると、不意に視線をハチゴーに向けた。

周囲は黙ってドミニクの言葉を待つ。

ややあって、ゆっくりと口を開いた。

 

「......この車に乗って、何年になる?」

 

イツキは泣きじゃくった顔のまま、意味が分からないまま素直に応えた。

 

「...10年以上。俺は、コイツで速くなる、そう決めて走ってきた」

 

「カスタムは自分で?」

 

「少しは。けど、手伝いみたいなもんで.....ほとんどは、仲間たちが」

 

「『本物』、か」

 

ごちるように呟いて、ドミニクはハチゴーから、イツキへと視線を戻す。

 

「.......今日はいろんなヤツと走った。遅いヤツ、荒いヤツ、色々いたが、渡されたキーは全て新しかった。代わりを...."次"を取っ替え引っ替えした証だ」

 

腕を突きつけたまま固まっているイツキのキーを手に取る。

 

「ロゴが見えない。このキーと、車とお前は歩んできた。いい仲間を持ったな、イツキ。この車は....そしてお前も」

 

キーから手を離し、拳を握ってイツキの腕を押し返す。

 

「───"本物"だ。コイツと共に、もっと速くなれ」

 

キーを返された。そう理解するのにイツキは数秒要した。ややあって目を見開いたままドミニクを見つめる。

乾いた涙腺が再び決壊すると、「いいのか?いいのかよ!?」と涙ながらに聞き返す。

 

「あぁ。俺にコイツは勿体ない。それに....小さすぎる」

 

その裁決に、イツキは勿論。

周囲の観衆も湧いた。

賭けたキーを返すのは、最大の慈悲であり、尊敬だ。

ハチゴー乗りのイツキは、それをドミニクから勝ち取ったのだった。

詰め寄る観衆にもみくちゃにされるイツキを尻目に、ドミニクはそっと群衆から離れる。

 

「いいの?アレ、結構いい車よ」

 

ジゼルが近寄りながら話しかけるが、ドミニクは鼻で笑った。

 

「馬力が低すぎる。最高速度はいいところが130かそこらだろう。コーナーが速いと言うことはそう言うことだ。だが....」

 

車をおおうほどの群衆を見やって、ドミニクは目を細める。

 

「....あの車を作った連中には興味がある。イツキも言った通り、アレは間違いなく『本物』ってヤツらが作った代物だ。そいつらなら或いは」

 

「....キーを貰わなかったのはその布石か?紹介しろって言う」

 

ショーンが壁に寄りかかったまま、そうからかう。

ドミニクは応えなかった。しかし、人一倍、『ワルい笑み』を浮かべただけだった。




今回はワイスピ『東京ドリフト』のDKvsショーン戦成分がかなり強いお話なりました。妻夫木さん出てきたし。
なのでドミニクとイツキが走ったコースは、あの立体駐車場DK戦と同じコース。そこを頭文字Dが混ざったらどうなるか?
そんなことを考えながら書いてみました。

頭文字D完結(19XX年)からFMゴースト世代(202X年)へと変わっているので、イツキ君もそれに合わせて腕をハチゴーと共に磨いていた、と言うような設定(解釈)をつけてみました。
解釈違いの方がいたらごめんなさい。そして『くぅ~!』を言わせられなくてすみません。

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