ワイルド・スピード/X(クロス)ファイア   作:タチガワルイ

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明けまして、おめでとうございます!!!!

いやー、はじまっちまいましたね、2022!そしてすみません、三ヶ日更新サボりました!!
というのも全く車について無知なので、色々知っていかなきゃなと調べてまして。それでわかったのがですね。
うん、とんとわからんな、と。
なのでやっぱり結局ふわとろ食感のまま突き抜ける羽目になりました!
ですが、デロリアンが、ついに!生まれ変わります!!
刮目してください!!!
....果たして受け入れて貰えるのだろうか。

登場人物
ワイルドスピード
・ドミニク=トレット(ヴィン=ディーゼル)
・ジゼル=ヤシャール(ガル=ガドット)
・ショーン=ボズウェル(ルーカス=ブラック)
・レイコ(北川景子)

バックトゥーザフューチャー
・エメット=ブラウン(クリストファー=ロイド)

頭文字D
・藤原拓海(CV.三木眞一郎)

車輌
トヨタ・GR86 NB8 RZ
トヨタ・AE86 スプリンタートレノ
スバル・インプレッサ WRX typeR STi versionV
スバル・フォレスターadovance






チャプター14.

翌朝。───秋名山山麓の下町。

 

ドミニク、エメットの両名は、メモを片手にある店の前を訪れていた。

 

「ここが.....本当にそうなのかね?」

 

「住所によれば、そうだ」

 

拓海に『明日の朝来てほしい』とメモを渡された時、ドミニクもエメットも、てっきり地元のカスタムショップか、整備工場に行き着くと思っていた。

しかし行ってみればそんなものはこの近所にはどこにもなく。

 

あるのは目の前の寂れた───豆腐屋だけだった。

店の屋根は『藤原とうふ店』と書かれている。

店の前には昨日戦った、白と黒のパンダカラーのGR86が停まっていた。

 

どうやら拓海の実家らしいことは伺えるが、違和感が先行するせいか。イマイチ着いた実感が沸かない。

しかしそんな不安は長くは続かなかった。

不意に店の中から音共に人影が動く。

 

ドミニクとエメットが注目するなか、人影が扉を開いた。

 

「.....あ、おはよう。ドミニク、エメットさん」

 

「あぁ、おはようタクミ」

 

「よく眠れたかね?」

 

出てきた拓海に、ドミニクは小さく手を上げる。

 

「ここがお前の家か?」

 

「まぁ...そんなところかな。実家だよ。親父はまだ寝てるからあんまり大きな声は」

 

「わかった。....なら早速、行こうか」

 

ドミニクが親指で外を指すと、拓海は頷いた。

 

拓海は店から出ると、「こっちだ」と言って歩き出す。

そして店の前に停めた86の脇を通りすぎ、さらに店舗の脇へと向かった。

車に乗らないのか?ドミニクとエメットは互いを見合わせるが、とりあえずついていくことに。

拓海は店脇の駐車スペースで立ち止まる。

一台は、深い蒼のカラーリングが特徴のスポーツカー、スバル・インプレッサWRX typeR STi version V。

 

世界に誇るラリー4WDの中でも名機とされる一台だ。

しかし、拓海が立ち止まったのはそちらではなく。

 

「....こいつは.....」

 

黒いボンネットに、白と黒のツートンカラーの直線的なボディ。

しかし色が明らかに褪せていて、隣のインプレッサと比べると明らかに整備がされていない、いや放置されていると言った方が正しい状態だった。

 

二人が追い付いたタイミングで、拓海が口を開いた。

 

「AE86、トレノ。....所謂『ハチロク』だ。最後にエンジンブローを起こしてから、一度も動いてない」

 

エメットは、帽子を外して拓海に向き直った。

 

「....これが、君の紹介すると言った車かね?」

 

「あぁ。エンジンは死んでるけど、足回りは親父とか涼介さんがセットアップした時のままメンテナンスは続けてるし、触媒やオイルも定期的に帰ってくる度に換えてるから、多分載せ換えさえすれば、コイツは走る」

 

「....なんでエンジンだけは変えないんだ」

 

ドミニクの問いに拓海は僅かに目を細めた。懐かしそうな、寂しそうな。

 

「俺は....こいつと峠を駆け抜けた。俺の青春はコイツと共にあったんだ」

 

褪せた、しかし決して汚れてはいないボンネットをそっと触れる。やさしく穏やかに。

 

「仲間の走り屋達と、峠レースの遠征に行った。色んなヤツと、色んな車と、色んな峠で走った。どんな無茶にもこのハチロクは応えてくれた。最後のバトルの、最後の無茶で....コイツは逝った。そこで思ったんだ...."コイツの意思が、最後の一乗りをくれたんだ"って」

 

それは感謝であり、同時に惜別であった。

 

「だから俺にとっては、あれが"最後の一乗り"だったんだ。一緒にいたいからメンテはしてる。だけど、走れるようにしたら、俺はきっとまたこいつで走って、また無茶をやらせる。.....エンジンを換えないのは、その最後の一線だ」

 

拓海にとってハチロクはその後の"今"を決定付ける原点であった。

彼の感情は、遠い日に亡くした友への追憶に似て。

 

ドミニクは静かにハチロクを見やる。

 

「.....こいつは、墓標か」

 

「ある意味そうかも。ただ....もうあれから10年以上経つ。だからさ」

 

拓海はドミニクを見る。

あの運転スキルと、思いきりの良さだけではない。無茶はやらせるが、車を最大限信頼し、限界以上を叩き出す"俺と似た者"。

 

「もう一度走らせてあげてもいいかもって思った。...でも、バトルでは使うなよ?メンテも修理も終わってる。セッティングは完璧だ。けど、ハチロクはもう....過去の車だ」

 

「あぁ、バトルには使わねぇ。レースにもな。だが....無茶はやらせるがな」

 

ドミニクの返答に、拓海は小さく笑う。

 

「そうか、てっきりコレクションにでもしてガレージでショールームするのかと思ってた。展示物って」

 

「この車を?それこそ墓場送りみたいなものだ。老いていようと弱っていようと、車ってヤツは走らないと調子が乗らない。走らなきゃ死ぬ生き物、それが車だ」

 

そうかもな。拓海は小さく頷いて、車の回りをぐるぐる見回るエメットに声をかけた。

 

「エメットさん、どうです、この車」

 

返ってきたのは高く突き上げられた親指だった。

 

「完璧だ。車高はやや高いが小型で、形も似ている。エンジンは死んでいる、そうだったな?」

 

「まぁ...そうだけど」

 

「うむ」

 

頷くと、エメットは拓海の前に出た。

 

「....なんとお礼を言っていいかわからん。この車は....私の希望通り、そのままだ。だが良いのかね?これは君の....相棒だ。こう言ってはなんだが、我々は他人だ、なぜ目的を聞かない?」

 

「聞いてほしかったのか?」

 

ぐ、とエメットは目を逸らした。

 

「.......答えられんが」

 

「だと思ったよ。そう言う雰囲気だ、アンタ達は」

 

「そんなに怪しかったか?」

 

ドミニクの茶々に、拓海は「あぁ」と即答した。だが、と付け足す。

 

「走りを見て思った。信用できる。だから渡すんだよ。.....こいつを頼みます、エメットさん」

 

拓海はエメットにハチロクのキーを差し出した。すっかり表面が擦れてロゴが消えた年季の入ったキーを。

 

「ありがとう....約束は守る」

 

エメットは息を呑んで、しかししっかりとキーを受けとる。

 

「.......まるで奇跡のようだ」

 

「こういうのを"縁"って言うのさ、エメットさん」

 

拓海は笑っていた。

 

 

レッカー車でガレージに持ち込まれたハチロクに、ドミニク達はすぐさま修理──否、『改造』をはじめた。

 

途中、出張査定から帰ってきたという従業員のレイコも混じって作業をはじめる。

作業はガレージの面々総出で行われ、パーツも2021年現在で代用できそうなものに交換、或いは小型化を果たした。

 

「やはり技術の進歩とは素晴らしいものだな。ボンネットにビッグチップを載せたあの頃が懐かしい。....っと、レイコ、その部品はそちらに組みたまえ」

 

「はいはーい」

 

エメットの指示で赤い円筒のコンデンサを車体後部に取り付けていくレイコ。

 

「お前は...ここに勤めて長いのか?」

 

ドミニクが肩に大型のスパナを載せてレイコに尋ねた。

レイコは手を止めて、ドミニクをじっと見た。

 

「それ、今関係ある?」

 

「無いな」

 

答えたくないか。ドミニクは肩を竦めると気にするな、と手を振って部品を取りに行こうとする。

 

「.....ハンに拾ってもらったの」

 

ドミニクは、思わず振り返った。レイコはコンデンサと格闘しながら、ぽつりとこぼし始めた。

 

「私の趣味は車弄り。それで....ちょっと、学校が嫌で。そんなつま弾きものが流れ着くのは決まって掃き溜めでしょ。....そこでハンと会った」

 

ドミニクはタコメーターをテーブルから取り出す。

入れ換えに、ジゼルが話を引き継いだ。

 

「彼が誘ったの?」

 

突然声が変わったように感じたのか、レイコはきょとんと振り返ると、タンクトップのジゼルがにこりと笑う。ドミニクは別の作業台へ移ったのかいなくなっていた。

話相手が変わったらしい。

 

「.....まぁ、誘われた、と言うよりも。売り込んだ、かな。...ハンがレースした後、エンジンに異音がしたから、それを教えたんだ。後で開いてみたら、エンジンが寿命だった。それで認めて貰って」

 

「...それで住み込むようになったわけね」

 

「うん。彼のそばは居心地が良い。気がついたら、私と同年代のコ達が彼の周りで勝手にたむろしてた」

 

赤いコンデンサのボルトを閉め終えた、レイコは続いていくつかのケーブルを手にする。

一方ジゼルは隣で排気口の組み立てに入る。

 

「彼は....このガレージでどんな暮らしを?」

 

レイコはんー、と空を見上げて考えた。

 

「.....大体はガレージの隅で私たちを眺めながらコアラのマーチ食べてたり、寝てたり、たまにお金の勘定してたり?」

 

「車は弄ってなったの?ガレージの経営でしょ?」

 

「あんまり記憶にないかな。自分が手を入れてたのは自分の車くらいで.....大体外注してたし」

 

ジゼルが眉を潜める。それなら...何で稼いでいたのだ?

 

「....ねぇ、レイコ。ハンは何で稼いでたの?」

 

「ヤクザの甥とつるんで、みかじめ料の半分をピンハネしてた。このガレージもそれで差し押さえたのを私物化したみたいだし」

 

ジゼルの手がピタリと止まる。

ヤクザ...ジャパニーズヤクザとつるんでみかじめ料のピンハネ?静かに暮らすどころか、危ない橋のど真ん中じゃないか。

 

「....その話、詳しく聞かせて?」

 

ジゼルはレイコに向き直って、極めてにこやかに言ったつもりなのだが。

目が笑っていなかったらしい。レイコは青ざめながら、小さく小刻みに頷くのが精一杯だった。

 

 

───そして数週間。

その"怪物"は再誕した。

 

ベース車はAE86トレノ.....いわゆるハチロクなのだが、この車をを見て果たして何割の人間がハチロクだと気付けるだろうか。

カラーリングは白黒のパンダカラーから、銀黒へと代わり、フロントサーキットや、リアサーキットなどの設備をデロリアンから移植、そして一番の変更点は、車体後部。

そこへエメットが独自改良を施した原子炉を搭載している。

加えて原子炉と直結していたエンジンは──まさかの全廃。

代わりに、元々エンジンが積んであった車体前部のボンネットの空間にEVの大容量バッテリーとモーターを搭載し、RR内燃機関車から、FR電気自動車へと生まれ変わった。

通常走行ではボンネットのモーターを駆動させ、原子炉のエネルギーロスを減らす。エメットの手によってMr.フュージョン原子炉の一部パーツが小型化および高性能になったため、出力はそのまま、しかし一部エネルギーを熱変換することなくバッテリーを通じて車の駆動系へとダイレクトに送れるようになったため、タイムトラベル時に必要な142km/hへは、切り替え後わずか2.2秒で到達できるように。

しかもエンジンを廃したことでトランスミッションは不要となり、かつてのハチロクから操縦性は大きく変わった。

ドミニクはその点に関しては不満げだったが、通常時でも最高速度310km/hを叩き出せると知ったら顔色を変えていた。

 

ついでにインパネも一新、タイムサーキットに追加のメーターは無論のこと、新設した特大ニトロ燃料のメーターと、GPSカーナビまで追加したため、インパネの雰囲気はハチロクとも、デロリアンとも呼べない独自のものへと化けてしまった。

 

「完全EV(電気自動車)のデロリ....タイムマシンだ、ハチロクは形も似ておるから必ずハマると確信しておった!」

 

エメットは完成したタイムマシンを前に腕を組んで満足げに頷いた。

しかしそれに水を差したのはショーンだ。

 

「このデロリアンで、本当に飛べるのか?」

 

「私の計算が正しければな!」

 

「デロリアンじゃないよこれ」

 

ショーンのデロリアン発言にレイコは冷静にツッコむが、ショーンはあまり気にしていない。

何故なら、もうそういうイメージでしか見られないからだ。

 

「...でもこれ、デロリアン以外になんて言えば?結局ガルウィングドアにしちゃったし」

 

「タイムマシンでガルウィングは必須だ、当然だろう!」

 

「....頑なに『タイムマシン』呼びしてる爺さんが一番デロリアンに引っ張られてるし、もうデロリアンで良いじゃん?」

 

ジゼルはため息と共にその意見を一蹴した。

 

「これはハチロクよ、ハチロクを譲って貰ったんだからハチロク。....というか、呼び名は必要?」

 

異を唱えたのは東京組だ。

 

「タイムマシン・ハチロク?なんかダサい」

 

「レイコ、その気持ちすごくわかる。俺もダサいと思う。名乗るならタイムマシン・デロリアンだ」

 

「いーや、これは『タイムマシン』で良いだろう、ハチロクだろうとデロリアンだろうと、どちらでも構わんのだ、未来があるからな!」

 

「エメット爺さん....デロリアンもハチロクもどっちも80年代のビンテージカーなんだよ。夢も未来も、とっくに埃被ってる」

 

「今さらタイムマシンって呼んでも味気ない。....ドミニク、アンタはどう思うの?」

 

レイコが唐突に水を向けた相手はドミニクだった。

ジゼル、エメット、ショーン、レイコ。その場にいた全員の視線がドミニクに集まる。

ドミニクはしばし考えて、名付けることにした。

 

「....この車の持ち主は、伝説を作った。『プロジェクトD』、という最速伝説をだ。DはDrift(ドリフト)、...そしてDream(夢)。ここにもうひとつ加えよう。Delorean(デロリアン)のD。こいつの名前は、AE86-"D"。タイムマシン=トレノだ。....どうだ?」

 

全員はその名前を咀嚼した。

AE86-"D"、タイムマシン=トレノ。ふむ。

全員は目配せし、頷いた。どうやら意見はみな同じらしい。

 

「「「ダサい、却下」」」

 

 

───別れの日。

ドミニクはショーンと握手した。

 

「世話になった。...恐らく、これからも世話になるかもしれないが」

 

「俺こそ。.....タイムマシンなんて、そう弄れるもんじゃない。面白いものを見せて貰ったよ。開発の糸口になるかも」

 

「開発?」

 

「あぁ、ドイツのケルンで昔のツレとジェットエンジンを開発してるんだ。車に積めるくらい、ちっさいやつをね」

 

「.......速いのか?」

 

「ゼロヨン2秒さ。──成功すればだけど」

 

 

一方、ジゼルとレイコは車に荷物を積み込んでいた。

 

「アンタ達は、この車でどこ行くの?」

 

レイコの問いにジゼルは考える素振りを見せたが、首を振った。

 

「さぁ、ね。どこに行くのかしら。私も知らない」

 

「知らないのに、ついていくの?」

 

「違うわ」

 

ジゼルはレイコを見つめた。惜別か、郷愁か。

この時代では『死人』である自分がどこへ向かうのか、どこへ帰るのか。ふわふわとした正体の掴めない不安に、けれど。

"どこか"へは繋がっていると信じたくて。

 

「知りたいから、ついていくのよ」

 

 

ガレージを出たハチロクDは、ゆっくりと東京の大通りへ出た。

ハンドルを握りながら、ジゼルを膝の上に載せる助手席のエメットへ、ドミニクは尋ねる。

 

「2015年の何日に飛ぶんだ」

 

「9月の2日だ。12日にマーティは消息を絶った。その日までに彼の生活と動向を確認し、誰に狙われ、いつ襲われるのかを確かめねば。であれば準備に10日程は置くべきだろう」

 

「9月2日?.....ハンの命日は9日だ」

 

「確かなの?」

 

ドミニクの言葉に、エメットの膝の上に乗る形で助手席に収まるジゼルが聞き返す。

 

「あぁ。葬儀をやったから覚えている。その後遺品も取りに行った」

 

「遺品....」

 

理解していても、受け入れたつもりでも、突き付けられれば辛いものは辛い。

ジゼルの細い呟きに、ドミニクは敢えて取り合わずに決を出した。

 

「.....もう一度飛ぶ手間が省けたな。それで行こう」

 

「本当にハンを助けるつもりかね?彼はジゼルとは違う、完全に『死んだ』人間だぞ、滑走路での論法は通用せん」

 

「それについては言ったろ、爺さん。この世界じゃ....死人が生き返ることは、よくあるもんだ」

 

「エメットさん、ドミニクの言う通りよ」

 

エメットの膝の上で身じろぎしながら、ジゼルは続けた。

 

「私に限らず、世の中には『どう見ても死んだし、死んだことになってるけど実は生きてた』って人はそれなりにいるわ。まぁ大抵、そう言うのは表に出られないヤバイ人、ってことだけど」

 

「それは書類上の話だろう、私が言いたいのは──」

 

「助けた後『死んだこと』にすれば、それは"事実上死んでる"のと変わらない」

 

エメットの繰り返しになる反論に、ドミニクはついに切り札を切った。

 

「な、それは....」

 

「秘密を守るもの以外の、世界の誰もが『死んだ』と思っていれば、ソイツは死んでいる。世界に影響を与えることもなく、矛盾も産まれない。ほとぼりが冷めてから『実は生きていた』としても....案外簡単に人は受け入れるもんだ」

 

俺の場合、レティがそうだった。ドミニクはそう続けた。

 

「なんと、レティが....彼女も死んでいたのかね?」

 

「そう思っていた。だから墓も建てた。...だが、記憶をなくして生きていた。それで、俺は学んだ。人の生死は.....結局、ソイツを知るものがどう思うかで決まる、とな」

 

「.......人の生死は、遺族の心持ちで決まる、か。.....ふむ。しばし考えさせてくれ」

 

「わかった。....飛ぶ場所は、世田谷でよかったな?」

 

「あぁ、そこにマーティのいた寮がある。この年では、手がかりが少なすぎて集め切れなんだが....マーティは12日までは確かにそこで生活していたところまでは分かった」

 

「そのマーティって男に、2日の時点で会うわけには行かないのか?」

 

「それはハッキリダメだと断言しておこう。君の仲間の救出とは訳が違う、その行為はれっきとした『矛盾』へ即繋がる、最も回避すべき事態だよ」

 

「...........なるほど」

 

線引きがよく分からない。ハンが救えればそれでいいドミニクは曖昧に返事した。

片側3車線の大通りの信号で、異形の車、ハチロクDが停車する。

その時だった。

隣に黒い車が並ぶ。妙にゴツく、大きな車はスバル・フォレスター。

ドミニクは我関せずと乗っていたが、不意にフォレスターの窓が開き、中から覗いたものにぎょっとした。

銃口。この平和な日本ではまず見ない、黒々しい穴に、ドミニクは目を見開く。銃口を向ける男が、口の開きかただけで言った。

 

『車から降りろ』

 

信号は赤だ。目の前は大量の車が往来している。

こいつが何者なのかは重要ではない。

降りればどうなるか、その方が遥かに重要だ。

どうするか───ドミニク、人知れず唾を飲み込んだ。




こ、これが書きたかったぁぁぁぁぁあ!!ってところまでたどり着きました。
僕デロリアン好きなんですよ、形が。でハチロクも好きなんですよ、形が。
なんで好きなんだろって考えたら、デロリアンとハチロクって車体の形似てるじゃないですか。たぶんそれだと思って。
じゃあハチロクをデロリアン化させれば最強なのでは?

このSSのすべての出発点はそこです。物語上ハチロクをデロリアン化させるにはどうすればいいか?
そんな言い訳の集大成がこれです。ハリウッドだつってんのに頭文字Dをぶちこんだ理由もこれです。全てはハチロクをデロリアンにするためにありました。
ちなみにそれを元に模型も作ってるので、完成したら挿し絵としてアップロードしたいです。
とはいえ、ワイスピクロスファイア、面白くなるのはここから!忘れてたって人は、ちゃんと思い出してください。
そう、ドミニク達は現在───"世界の警察(アメリカ)"から追われる身なのですよ!!

面白い!続きが気になる!って方は投票、または感想、あるいはその両方をいただけますと作者喜んでゼロヨン2秒で走ります。


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