ですが話は既に折り返しを過ぎております、ワイルドにかっ飛ばすぜ!!という意気込みで頑張って調子を取り戻します。
今回はショーン君が初めてカースタントする話です。それでは、どうぞ!!
登場人物
ワイルドスピード
・ドミニク=トレット(ヴィン=ディーゼル)
・ジゼル=ヤシャール(ガル=ガドット)
・ショーン=ボズウェル(ルーカス=ブラック)
・レイコ(北川景子)
バックトゥーザフューチャー
エメット=ブラウン(クリストファー=ロイド)
車輌
トヨタ・AE86-"D"スプリンタートレノ(タイムマシン仕様)
通常"ハチロクD"
フォード・マスタング67年式
NISSAN・フェアレディZ S30
その他
エティオン装甲車
エティオンバイク
(それぞれワイスピ/スーパーコンボオリジナル)
追記:ハチロクでデロリアンなんてイメージ合うの?って思ってるそこのあなた!!
俺も思ったので作りました!!
結論:想像以上にデロリアンになった。
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【挿絵表示】
ハチロクDが早朝の路地を静かに爆走する。派手なエンジン音はしない。だがそのスピードはまさに狂気の一言だ。
「さきほど標識に『20』とあったが、私の記憶が正しければ、この路地の法定速度は20km/hだ!───なぜ80km/hで暴走しとるのかね!?」
「早く出たいんだ、この窮屈から道からな」
そういうや否や、再びスピンまがいの四輪ドリフトで直角の角を曲がる。
車も魔改造されたハチロクと狂暴だが、真に恐ろしいのは、この短時間で操作性の違うEVの滑らせ方を身に付けているドミニクの方だろう。
『この先、100m先、左折。都道311号線です』
東京都道311号線、通称環八通り。
エメットが調べた湾岸線へ向かう最短ルートだった。
「ここは日本なのだぞ、一時停止は守りたまえ!」
エメットの主張は安全運転と言う観点から見れば極めて正論だ。
ただ悲しいかな。状況とドライバーの十八番は、『危険運転』ど真ん中だった。
「捕まってろ」
エメットの必死の制止を、ドミニクは気にも止めずにアクセルを踏み込む。
ハチロクDは狭い路地を飛び出し、環八通りに乱入した。
ここまでやっておいて未だに事故らないのが不思議でならないエメットだったが、この時不意にドミニクのポケットが震えた。
「出ろ」
ドミニクは正面を向いたまま、そう命じる。
動いたのはジゼルだった。
器用に細い手を伸ばしてドミニクのポケットからスマホを抜き取ると、名前を確認する。
ショーン=ボズウェル。
あちらも何かあったのか?スピーカーモードにして電話に出た。
「ショーンからよ。.....もしもし」
『ジゼル?ドミニクは?』
戸惑った声が受話器から漏れてくる。ジゼルは素早く打ち返す。
「運転中。話は聞いてるわ。そっちの状況は?」
『緊急事態だ、そっちはどう?』
「平常運転ね。カーチェイスの真っ最中よ。それで?」
ジゼルの調子を聞いたショーンは、電話のむこうで安堵の溜め息をついた。
『それはよかった。俺達も現在鬼ごっこだ。合流できそうか?』
「敵が分かるか聞け」
ドミニクが横合いから声を差し込む。ついでにハンドルを切ってトラックを避ける。
もうすぐ湾岸線入り口だ。
「敵がどこの連中か分かる?」
スマホはしばし沈黙した。
「ショーン?」
『....わからない。俺の知らない名前の連中だった』
「名前は知ってるのね?どこだった?」
『だから、"どこか"ってのがわからない。米軍にそういう組織があるのか、スパイみたいな連中なのか、或いはロシアのマフィアかはたまた別か....とにかく、場所の所属はわからない』
聞き方が悪かったか。ジゼルはもう一度内容を咀嚼しながら、問い直した。
「質問を変えるわ。敵の名前は?何て名乗ってたの?」
『.....『エティオン』。連中の防弾服にはそう縫い付けてあった。あと、なんかやたら変わったヘッドライトの車と、トランスフォーマーみたいなバイクを使ってる....っと、まずい。レイコっ、続きを応対しろ、俺は───』
ぶつん、と何かの衝撃音と共に電話が切れる。
ジゼルは戸惑いから来る一瞬の沈黙を破り、呼び掛けた。
「ちょっと、ショーン?ショーン?ショーン!.....だめね、完全に切れてる」
「....."エティオン"とはなんだ、新手か?」
乗用車を追い越しながらドミニクが問いかけてみるが、当然ながらそんな組織を知ると言う人物は誰もいなかった。
「政府の新しい
既にこの車はデロリアンではなくなっている。
装飾の数々が面影を継いでいるのでそれが目印と思わなくもないが.....偽物、と判断する要素もあったはず。にも関わらず真っ先にこの車を奪おうとしてきた。
俺の知らないウラがある。
アメリカと言い、日本と言い。この爺さんの車を拾ってから状況に流されっぱなしだ。いい加減反撃に出たいところだが。
「.....日時のセットはしてるな」
ドミニクはジゼルにではなく、エメットに問いかけた。
「しておるが....湾岸線で飛ぶのか?」
「そうだ。2015年で決着をつける」
湾岸線は国内最高速エリアと呼ばれているらしい。142km/hなど一瞬で叩き出せる。
しかしエメットの意見は厳しいものだった
「湾岸線はやめたまえ。いくらなんでも向こう見ずすぎるぞ」
「....何が言いたい?」
「三次元的に考えて欲しい。湾岸線は高速道路、公道だ。つまり、ランダムに車が行き交いしておるわけだ。そしてこの時空転移装置は、裂け目から脱出する際、突入時の速度をそのまま保存する。君はそれを利用して滑走路でジゼルを助けたのだからそれは分かるな?」
「.....それで」
「簡単なことだ、飛んだ先が渋滞だったらどうする?そうでなくても車が走っていたら?....我々は一瞬で激突、お陀仏だ!そして飛んだ先の交通状況など、我々が事前に知ることは不可能だ。.....危険すぎる、もっと車通りの少ないところでやりたまえ」
「..........」
正論も正論だった。
ドミニクはやや憮然としながらも、短く嘆息して白旗をあげた。
「湾岸線に入る。そこで撒いて....ベイカインド寮で飛ぶ。それでいいな」
「よろしい」
エメットの満足げなgoサインがかかるのと、湾岸道路から首都高湾岸線へと続く料金所を潜ったのは同時だった。
しかし、その僅か数秒後、紺の悪魔──フェアレディZ S30が、獲物を見つけた狼のように、ハチロクDを追って料金所を駆け抜ける。
戦いの場は、日本最高速エリアへと突入する。
※
一方、ヘッドライトの装甲車と二台のバイクが、一台の黒に白ストライプを走らせたスポーツカーを路地で追い回していた。
黒塗りの外車は他にモデルを見ない妙な外観で、緑色に光る縦のヘッドライトを瞬かせる。
追い回されるスポーツカーは、いささか古いがマッスルカー世代を牽引した一台、フォード・マスタング67年式。
ショーンの父親が拾い、そして息子へ譲り渡したショーンの愛車だ。
そんな車が現在、日本のど真ん中で銃弾に囲まれながら天下の大通りを逃げ回る。
「くそ、繋がらないか!?」
ショーンは助手席で応答を待つレイコに怒鳴り付けた。
しかしレイコは負けじと怒鳴り返して画面を突きつけた。
アンテナが一本も立ってない。
「そもそも圏外なの!繋がるわけない!」
「東京でか!?冗談言うな、取り損なって落としたときにSIMカード抜けたんじゃないのか!?」
「確認したよ!再起動もっかいする!?」
「ああ、わかった、わかったよ!...なら別の可能性だ」
ショーンは忌々しそうにバックミラーを覗く。薄々わかってはいたのだ。
カーナビが裏路地へ飛び出した辺りで砂嵐になってる時点で。
「連中がオイタしてるって訳だ」
だがそれがわかったからと言ってどうしたものか。
大規模な電波妨害となると、それこそ電磁パルス爆弾かなにかが必要だ。それも妨害じゃなく破壊になるのだが。
だがカーナビは壊れてないし、スマホも圏外になってるだけで、機器にダメージが及んだ形跡はない。
本当に妨害してるだけなのだ。ジャミング波か?
思考を巡らせてる時間は一瞬のはずだった。
だがそれは車、と言うステージでは数秒の油断に等しいときがある。
車は急には止まれない。飛び出し事故が多いのは何故か。
目の前に黒いバイクが降り立つからだ。
「まっ、ず...くはないな!!」
一瞬一般車輌と思い込みかけたが、よく見ればエティオンの手先だ。ショーンは慌ててブレーキどころか、
喜んでアクセルを踏み抜いた。
鈍い激突音と共に、バイクごと撥ね飛ばすフォードマスタング。
黒服のライダースーツはマスマングの屋根を乗り上げて後方へと弾き飛ばされる。
普通ならば無様に地面に転がり、後続を巻き込んで派手に炎上したことだろう。
しかし、エティオンという連中は一筋縄では行かないらしい。
ライダースーツは空中で体を捻りながら、バイクのハンドルを握り込む。
すると、バイクは形を崩して変形し、上を泳いでいた姿勢が、見事に着地体制へと変わる。
そして猫のように地面に着地すると、何事もなかったかのように再び追跡班に混ざるのだ。
轢いたモブを使い回すなど前代未聞である。
「なんだあのバイク!レイコ分かるか!?」
「分かるわけないじゃない!カワサキでもあんなの作らない!!」
スマホは圏外のまま、どの車が妨害電波を出してるか知らないが、何とかして振り切らねば。
フォードマスタングはゴミ箱や、自転車、植木鉢などを蹴散らしながら路地裏を突っ走る。
目的地は路地の出口、大通りだ。
一旦停止などやってる暇はない。
祈るようにクラクションを連打しながらアクセル全開で左向きに車を滑らせながら、通りへと躍り出る。
早朝とは言え東京の車通りは川のようだ。
しかしフォードマスタングは魚の群れを掻き分けるように、大通りの車を追い越していく。
しかし振り切れない。
バックミラー越しにバイク二台、そして装甲車一台。
着実に近づいてくる。
ジャミング波をだしてると言えば確実にあの装甲車だろう。あれをどうにか出来ないか、と考えたとき。ショーンに天啓が降りた。
「ねぇ、ショーン。まだ追ってくるよ」
「わかってる。....なぁ、レイコ」
「っ、なによ?」
改まった呼びかけに戸惑うレイコに、ショーンは殊更悪い笑みで言い放った。
「レースをやる。"アレ"の点火を準備してくれ」
「アレって....え、アレを?最悪この車吹っ飛ぶわよ!?」
「大丈夫だ、なんたってアール謹製の試作品だからな。計算は完璧だ」
「"試作品"の意味わかってる?取り敢えず作ったって意味だからね?」
「細かいことは...っと!」
目前に迫っていたトラックを右に避けて追い越す。
話し込みすぎた、邪魔なバイクが二台、取りつこうと間近に迫っている。
「スパナあるか?」
ショーンは唐突にレイコに尋ねた。
しかしレイコはその意図を完全に理解していたようで、平然と返す。
「殴れるやつ?あるけど」
肩に背負ったのは巨大な58スパナ。遠心力をつければバットとしても使えそうな代物だ。
迫ってくるバイクを注視しながら、ショーンは慎重に言った。
「....チャンスを作る。まずはあの二台を片付けるぞ」
「りょーかい。本命はラストってことね」
「あぁ。準備してる?」
「トゥインキーと違って私は仕事が速いのよ」
「アイツもやるときゃやるぜ?」
まるで緊張感のない会話は、ある種のルーティーンだ。
バイクはマスタングを左右後方から挟む形で迫る。
手にはマシンガン。遠くからも狙えるのにここまで接近したということは、確実を狙ってのことか。しかし、既にマシンガンの間合いにはいっている。得物が振り上げられる。
普通に撥ね飛ばすのではあの変形でかわされる。
故に。
「窓を開けろ」
ショーンはそういうや否や、シフトを下げ、ブレーキを踏む。
それはまさに一瞬の挙動だった。
追い付かれそうだったフォードマスタングが──急減速。
咄嗟の挙動に速度が合わず、バイクはマスタングを追い越そうとしてしまう。
それが隙だった。右側から攻めていたライダーが気配に気づいて前に意識を振る。
目の前にスパナが伸びていた。避ける暇も、防御の余裕もなくヘルメットバイザーを砕き割る勢いでスパナがライダーの顔面にめり込んだ。
「まず一人目!」
レイコが縦に回りながら後ろへ吹っ飛ぶライダーを見送りながら、嬉しそうに声をあげる。
ショーンはそれに応じずに更なる挙動に出る。
急減速したのは相手を追い越させるためもあるが、もう一つ。
今度は急旋回。
マスタングがその場で180°ターンし、バック走行に切り替わる。
左側にいたライダーは、その時振り回された車のケツに後輪を抉られ派手に真上へと舞う羽目になった。
そして、追走してくる護送車と正面から一瞬睨み合う。
距離は射程内。イケるな。
更に車を振り回し、360°、一周する。
しかし何故か、マスタングのトランクが半開きになっていた。
「レイコ」
「オーケー」
「──かっ飛ばす。撃て!」
「あいさー」
ショーンの掛け声と共に、レイコが親指をインパネの赤いボタンを押し込んだ。
マスタングの後部が炸裂した。
後輪が跳ね、トランクからなにかが飛び出した。
一抱えほどの円筒が、まっすぐ護送車へと飛んでいく。
試作型ジェットエンジン。
アール曰く『動く模型』とのことで、ニトロジェット以上の出力はない。
だがそれごと飛ばす分には....ミサイルとそう変わらない。
装甲車は反応どころか、それがなにかを考える暇すらなかった。
運転席の真っ正面から無誘導ミサイル化したジェットエンジンが突っ込み、爆裂する。
装甲車が内側から爆発する。
真上に跳ねた炎上する鉄の塊が、隣の乗用車の真上に叩きつけられ、交通は大混乱に陥った。
それを尻目に、尻から火を吹くマスタングは逃げるように加速する川に紛れる。
カーナビも現在地の井の頭通りへと表示が戻る。
やはりあの装甲車がオイタしていたらしい。
「スマホ、復活した」
レイコが得意気にスマホ画面を確認した。
ショーンはハンドルを転がしながら端的に言った。
「よし、ドミニクに繋げてくれ。合流しなくちゃ」
アクションpart2、となりました!
お察しの方がいるかどうかは不明なんですが、ドミニクを追いかけ回してるフェアレディZは、『悪魔のZ』と同車種です。ブラックバードは雑魚車なのにZは中ボスって扱いに格差ありすぎって?私もそう思った。
タグに湾岸ミッドナイトもつけた方がいいのかしら