ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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0章
第1話


マサラタウン。

 

カントー地方の一角にある田舎町。

生まれつき体が弱いためにこの町に引っ越してきてはや2ヶ月。空気がキレイなぐらいでなにもない。

町外れには研究所があるらしいんだけど、そもそも両親が外に出るのを許してくれないためまともに外出すらしていない。

お陰で肌の色も薄いし、髪の毛も真っ白。まぁ、髪の毛は生まれつきだけど。

そんな退屈な毎日と病弱な体に苦笑いをしながら今日もいつものごとく、窓から外を眺める。

すると今日はいつもと違い、一人の女の子が外を歩いている。

女の子が1人で歩いているのはこの2ヶ月で初めてな気がする。

おつかいかな?

私はおつかいどころか外出すらまともにしてないけど。

そのまま眺めているとふと、その女の子と目が合った。

お互いに数秒固まった後、てくてくと近づいてきて、窓越しに向こうから話しかけてきた。

 

「こんにちは!」

「こ、こんにちは···」

 

元気よく挨拶をされて、私は少しどもりながら挨拶を返す。

 

「あなた、見たことないけど最近引っ越してきたの?」

「えっと、引っ越してきたのは2ヶ月前なんだけど、体が弱くてあまり外に出られなくて・・・。」

 

おずおずと、そう話しながら目の前の女の子を見る。

するとその子は私の言葉を聞くと、目を輝かせながら前のめりになりながら話しだした。

 

「え!?どこから来たの!?ここよりも都会?どうしてこの町に引っ越してきたの?」

「えっと、前に住んでたところはヤマブキシティでビルがたくさんあって、ここよりも都会・・・かなぁ。この町に引っ越して来たのは私は体があまり丈夫じゃないから、田舎の方が体にいい、らしいから。」

「ふーん、都会のほうが住みやすいと思うけどな・・・。それより!ヤマブキシティってどんなところ?アタシ、この町から出たことなくって、他の町の様子とか聞きたいな!」

 

どうやら都会に憧れてるみたいだけど、私は体が弱いから外出もしなかったかし、都会の様子も大体しかわからないんだけど。

 

「私、こんな体であんまり外に出たことないからあんまり詳しくないよ?」

「いいのいいの!それでも行ったことのないアタシよりは詳しいでしょ?」

「まぁ、そうかな・・・?」

 

都会って、そんなにいいところって訳でもなかったけどなぁ。私の体が弱いからそう思うだけかもしれないけど。

 

「それじゃあ窓越しの立ち話も疲れるし、上がっていかない?」

「いいの!?おじゃましまーす!」

 

そう言うと、素早く玄関に回っていく女の子。ちょうどお母さんは出掛けてるから、自分で玄関に向かう。今日はぜんそくも出てないし、調子がいいかな?

自分の体調を気にしながら玄関を開ける。

 

「おじゃましま~す!」

「どうぞ。こういうの始めてのだな。」

「え?友達とか、家に来たりしないの?」

 

私がそう呟くと、女の子は首をかしげる。

 

「私、今まで誰かを家に呼んだことないから。」

「ん?友達はいなかったの?」

「うん。私、体が強くないから仲間に入れてくれなくて。まぁ、外に出れない子と一緒に遊んではくれないよね・・・。」

「そんなのひどいじゃない!だったら、アタシが遊びに来るよ!」

 

そう言って私の手を掴んだと思ったらそのまま上下にブンブンと振る。

 

「あなたは、アタシに、ヤマブキシティの事を教えて?アタシはあなたにこの町のこと教えるから?引っ越してあまり外に出てないんでしょ?」

「うん。話で聞いたことがあるぐらい・・・かな?」

「じゃあ決まりね!あなた・・・、じゃなくて。アタシはブルー!あなたの名前は?」

「私は、マシロ。」

「よろしくね、マシロ!これで、アタシ達友達だね!」

「え?」

「ト・モ・ダ・チ!あなたと、アタシが!って。ち、ちょっと、なんで泣いてるの!?どこか痛いの!?」

 

そう言われて私は自分の顔を触る。その時始めて自分が泣いてることに気付いた。

今まで、体が弱かった私に友達になろうなんて言ってくれる人はいなかった。むしろ近づかれることすらなかった。そんな私に友達になってくれるって言われて。

 

「ううん、痛くないよ。ただ、すごく、嬉しくて。」

「そうなの?なんかよくわかんないけど・・・。」

 

そう言って女の子は私の頭を撫でてくれた。気恥ずかしさを感じながらも、私が泣き止むまで、ずっと、撫でてくれた。

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