ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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10話

ゲームセンターにやって来た。

一応中を回ってみたけど、スロットがあるだけ。

特に変わったところはない、なんてことはなかった。

本棚の後ろに行き止まりの通路とか、意味がわからないんだけど?怪しすぎでしょ。

とりあえず、壁に注意しながら行き止まりの通路を歩く。

ポスターの裏にスイッチがあるんだっけ?

これかな?剥がした後がすごいんだけど、とりあえず、剥がしてみよう。

ポスターを剥がすと話に聞いていた通り、スイッチがあった。ポチッとな。

ボタンを押すとウィーンと隠し扉が開き、地下への階段が出てきる。

なるほどね、ここがロケット団の研究施設か・・・。

とすると、ゲームセンターはロケット団の資金源なのかな?

まぁ、今はどうでもいいか。とりあえず、降りてみよう。

 

「きらら、お願い。」

『りょーかい!』

 

ゲームセンターに入るとき、ボールに戻したきららをもう一度外に出しておく。

ロケット団のテリトリーだから、用心するに越したことはないでしょ。

 

 

 

階段を下りた先は、なにかの研究室みたいになってた。

大きなフラスコの中に見たことのないポケモン。半身が溶けてるような、よくわからない状態。

なんか、かわいそうだな・・・。

そのフラスコの隣に、髪の毛がない髭の生えたおじさんが1人 。

どうやら、他のロケット団は出払っているらしく、ここにいるのははげたおじさん1人みたい。

 

「君は・・・?」

「通りすがりの正義の味方、かな?そんなことより、ここってロケット団の研究施設?」

「そうだか、こんなところに何か用事かね?」

「ちょっと人探しにね。ここの人達、ブルーって女の子を探してるらしいじゃない?私もその子に用があって、居場所を知ってたら教えてほしいかなって。」

「その子なら、もうタマムシにはおらんだろう。見ての通り、全員出払っても捕まえた報告がない。」

「そっか。それともう1つ。ブルーの事諦めてくれないかな?無理ならここを吹き飛ばす、つもりで来たんだけど・・・。この子は?」

 

フラスコの中のポケモン(?)を指差す。

このまま吹き飛ばしたら、この子も巻き込んじゃうよね。それは嫌だな。

 

「私が・・・、私達が作り上げたポケモン。名をミュウツー。それより、正義の味方・・・か。ここがロケット団の研究施設だと知って乗り込んで来たのかね?」

「そんな感じかな。私、ポケモンを道具みたいに扱う人嫌いだから。」

「そう、だろうな。私もそう思うよ。」

 

ん?そう思うのにロケット団に手を貸してるの?

何か訳有りかな?

 

「なにか人質とか?そんな感じ?」

「そんなやむおえない事情、という訳ではない。私も始めは好奇心だけでポケモンを実験材料に使っていた、ただの科学者だったよ。」

「研究者の風上にも置けないね。心配して損したよ。」

「その通りだ。」

「それで、今更心変わり?」

「そう・・・だな・・・。先日、ロケット団の格好をして忍び込んできた少年がいてな。その少年はとても真っ直ぐな目をしていた。」

 

多分その少年ってレッドのことだよね?

ロケット団を改心させるなんて、結構やるじゃん。

グリーンは見習うべきじゃないかな?

 

「そして、その少年はロケット団からミュウを守る為に戦い、守りきった。それを見て私は自分が恥ずかしくなってね。言われるがままにイーブイや、他のポケモンを実験材料にしか見ずに、ただただ好奇心のままに実験を行っていた。

だが、そんなことはやめだ。ロケット団も抜ける。」

 

まぁ、やめるやら抜けるやらは勝手にやってくれればいいや。今までポケモンを実験材料にしか見てなかった人の話なんて信用できないし。

 

「そう。それで、この子はどうするの?なんか、体が半分しかないけど?」

「申し訳ないが、このまま処分するしかない。さっき私の細胞を移植したが、なんの反応もない。」

 

この言葉を聞いたときは、流石に頭に血がのぼった。

 

「勝手に作っておいて処分するとか身勝手にも程があるんじゃない?」

「耳が痛いな。だが、私にはもうどうしようもできん・・・。」

「だったら。」

 

私はフラスコに近づく。

フラスコ越しに治すのはやったことないけど、大丈夫かな?

 

「私が手を加えてもいいよね?」

 

フラスコに手を添える。

すると、フラスコの中のポケモンを光が包み、ゆっくりと半身を形成していく。

 

「これは・・・!?」

 

はげのおじさんが呟いた時には五体満足のポケモンがフラスコの中にいた。

 

「信じられん。君はいったい・・・?」

「いつの間にか、人やポケモンのケガを治せるようになってた、って言ったら信じる?」

「目の前で見せられた以上、信じるしかあるまい。」

「とりあえず、私ができることは終わったかな?後はこの子次第・・・っとと。」

 

話ながら少しふらつく私。

流石にフラスコ越しで、治したことのないような状態を治したからかな?かなり疲れたみたい。

 

『ましろ、だいじょうぶ?』

「ほんとはこの場所を吹き飛ばすつもりで来たんだけど・・・。ちょっと予定外、かな。」

「無理はしない方がいい。ミュウツーも、私が何とかしよう。信じられんかもしれんが、今は私を信じてほしい。」

 

きららにも心配されてるし、はげのおじさんを信じるしかない、か。

 

「それじゃ、はげのおじさんに任せるよ。」

「は・・・。ああ。他の者が戻ってくる前に帰るといい。」

 

おっと、思わずはげって言っちゃった。

ま、いっか。はげって言われるよりひどいことを沢山してきてるだろうし。

そんなことよりも。すごく疲れたから、さっさとポケモンセンターに行って休もう。

イーブイの捜索は手伝えそうにないや。レッド、ごめんね。

 

 

ー研究者視点ー

 

行ってしまったか。

通りすがりの正義の味方・・・か。名を明かさないのはロケット団を警戒しているからか、自信の表れか。

どちらにせよ、あの子のおかげでミュウツーは処分せずにすんだ。

戦うことだけを考えて作られたポケモンが生まれることが、いいことなのかは分からないが、勝手に作っておいて勝手に処分するのはあの子の言うとおり身勝手すぎるだろう。

なら私は、ミュウツーが生まれたとき。こいつが自由に生きていけるように準備しておこう。

フッ。せめて、名前を聞いておけばよかったか・・・。

 

そう思ったとき一瞬、右腕が痛んだような気がした。

 

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