ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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14話

「行くよ、ミスタ!」

 

私が選んだのはミスタ。相手は地面タイプ使い。相性は抜群。それに、一番槍ほどこの子に似合うものはないしね。

 

「ニドクイン、お前からだ。ひっかく!」

 

相手はニドクイン。ひっかくから使ってくるってことは、相手はミスタが接近戦が苦手なのを知ってる?

 

「ミスタ、迎え撃つよ。ハイドロポンプ!」

 

ニドクインが近づいてくるのを待ち、ハイドロポンプを撃ち込む。吹き飛ばされたニドクインはサカキの横で止まった。

 

「流石にこの距離で受けたら起き上がれないでしょ。」

「あぁ、その通りだ。だが・・・」

 

サカキが呟きニドクインをボールに戻した瞬間、ミスタがふらつく。

 

「ミスタ!?」

 

ミスタにかけよって見てみると、体に一本のトゲが刺さってる。

 

「やられた・・・。どくばり、だね?」

「その通り。その毒はじわじわとスターミーの体力を削っていく。さて、いつまで持つかな?」

「そんなの、私が・・・!」

 

治す!と言おうとしたとき、きららの声を思い出した。

 

(これいじょうはからだによくないよ!)

 

そうだ、能力を使ってミスタを治しても、また私が倒れるかもしれない。そんなことになったら迷わずトレーナーを狙ってくる。

だとすると、能力は使えない。

こんなことになるならもっと道具を買っておくんだったよ!

 

「毒で倒れる前に、あなたを倒す。」

「できるかな?そら次だ。ダグトリオ!」

 

次はダグトリオか。素早いポケモンだから、ハイドロポンプは当たりにくいけど・・・。

毒のせいで悠長なことはやってられない。

 

「ミスタ、もう一回!」

「あなをほるだ。」

 

ダグトリオにはあなをほるで逃げられる。

でも、地面から出てくるなら!

 

「ミスタ、上に飛んで!出てきた瞬間を叩くよ!」

 

ミスタは上に飛び上がり、ダグトリオが出てくるのを待ち構える。

 

「そんな悠長にしても大丈夫か?こっちは別に、潜ったままでもかまわんのだぞ?」

「ちょっと!それずるくない!?」

「勝つためには手段を選ばないのが、我らロケット団だ。」

 

あぁ、もう!これじゃじり貧でミスタの体力が尽きちゃう!こういう時は交代するのがセオリーなんだろうけど・・・。

私は袖にしまってあるボールをちらっと見る。

目が覚めてからきららは一度もボールから出てきていない。

つまり、きららの調子はかなりよくない。

そういえば、私が能力を多用した時はいつも寝てた気がする。

もしかして、いつもきららが寝てたのって、私のせいなの?

 

「どうした?考え込んでいたらスターミーが倒れてしまうぞ?こちらは一向に構わんが。」

 

あぁもう!

状況はかなり悪くなってきてる。

それも全部私のせいかもしれないなんて笑えないし!

でも、今は考えてるときじゃないよね!

 

「ごめんねミスタ。こんな状況になったのは私のせいみたい。少し無茶させるかもしれないけど、頑張ってくれる?」

「ーーー」

 

返事はいつもの機械音。それでも、任せろって、言ってくれてる気がした。

 

「考えはまとまったかな?」

「まぁね。派手にいくけど、ケガしないでよね?ミスタ、全部掘り返すよ!」

「ム?」

 

その言葉を受けて、ミスタは光を集めだす。

いつの間にか、空には月が輝き、星は綺麗に見えている。

きららいわく、星の綺麗な日はエネルギーがたまりやすいとのこと。

つまり・・・。

 

「つまり今日は、この技を使うのにうってつけってことだよ、ミスタ!すごいはかいこうせん!」

 

その瞬間、ミスタから一筋の極光が放たれる。その威力はきっと、ニビシティできららが使ったときと同じぐらい、それぐらい凄まじい威力だった。

その光は地面を貫き、地中に隠れていたダグトリオごとえぐりとった。

 

「ぬおおぉぉぉ。」

 

余波が吹きすさぶ中、サカキは顔の前に両腕をあげてこらえる。

私も顔を背け、片手で顔を庇う。

静まり返ったときには、抉られた地面とサカキの横で目を回すダグトリオ。

そして、苦しみながらも未だに健在のミスタ。

 

「凄まじい威力だ。とても鍛えられている。」

「それはどうも。」

 

サカキはダグトリオを戻し、残りの4体も戻した。

 

「あれ?他のメンバーも戻すの?」

「あぁ。他のやつらではハイドロポンプを止める手段がない。避けられる速さがない以上、撃ち抜かれて終わるだけなのは目に見えている。」

「それじゃ、大人しく捕まってくれる?」

「そう急くな。ジムリーダー、大地のサカキとしての敗北は認めよう。受け取れ。」

 

そう言って何かを投げてくる。

パシッ、と手のひらで受けとる。

これは・・・バッジ?

 

「そして。これからは1トレーナーとして、マシロ。お前に挑む。ゆくぞ、スピアー!」

「ミスタ、もう少しだけ頑張って!」

 

突っ込んでくるスピアーを迎え撃つミスタ。

 

「その根性は買うが、弱ったスターミーでは私のスピアーは捉えられんよ。貫け、ダブルニードル!」

 

左右に動く、的を絞らせない動きなのに高速で接近してくるスピアー。

 

「それは速すぎじゃないの!?ミスタ、十万ボルト!」

 

速さに対応するために、こっちも早い技で対抗する。しかし。

 

「言ったはずだ。」

 

高速で動くスピアーには当たらずに、スピアーの針に貫かれる。

 

「手負いのスターミーでは捉えられん、と。」

「ミスタ!?」

 

スピアーの技を受けたミスタはそのまま倒れこむ。

流石に三連戦はきつい・・・か。

私はミスタをボールに戻す。

 

「ありがとミスタ。ごめんね、私がしっかり準備していなかったから・・・。」

「さて・・・。次はどうする?いるのだろう?とっておきのポケモンが。」

 

確かに。ミスタがやられた以上、手持ちはきららだけ。

でも、きららはまだボールの中で寝て・・・。そう思った瞬間。

 

ポンッ

 

『よくねたよ~』

「きらら!」

『ん~?どういうじょうきょう?』

「そいつが、お前の相棒か。では、決着をつけようか。どうやら上もクライマックスのようだ。」

 

そう言って上を見上げるサカキにつられて上を見る。

そこには、網目状の蔓の上に立つ3人の人影。

そして、3人と対峙する3体の鳥ポケモン。

 

「あれは、レッドとグリーンと・・・

。ブルー!?なんでここに?あぁもう、そんなことは後でいいや。とりあえず助けないと!」

「あれに手出しはさせんよ。スピアー!」

 

きららに飛びかかってくるスピアー。

きららはその針をヒラヒラとかわす。

 

『すごいすごい!ましろ、このぽけもん!いままであったなかでいちばんはやいよ!』

「ちょっときらら!?遊んでる場合じゃないよ。ブルーを助けないと!エネルギーはたまってる?」

 

珍しく楽しそうにスピアーの攻撃をかわしているきららに思わず叫ぶ。

 

『からっぽだよ~』

「から・・・え!?なんで?」

『ましろがぜんぶつかっちゃった~』

 

あ、やっぱり私のせいなのね・・・。

予想はしてたけど、実際に聞くと少し落ち込む。でも、今は落ち込んでる場合じゃない。

 

「スピアー、こうそくいどうだ。やつとのスピードの差を詰めていくぞ。」

 

サカキもきららとのスピードの差をじわじわと詰めてくる。

 

「のんびりしてる暇はないか・・・。きらら、少しの間だけでもいいから、スピアーを押し返せる?その隙に上の鳥ポケモンにあれを撃ち込むよ!」

『むり~。えねるぎーがたまってないから、どっちかしかできなーい。』

「えぇ!?」

 

それじゃあ、上を助けるか、スピアーを倒すかのどっちかしか選べないってこと?

私は上を見上げる。

上では鳥ポケモンに対してリザードン、フシギソウ、カメックスで対抗している。

けど多分、フシギソウのパワーが劣ってるのかな?押し負けそう・・・。

 

ガシャアン!

 

私の横に瓦礫が落ちてくる。

このままだと、ビルが崩れるのが先かもしれない。

目の前にのサカキを見据え、もう一度上を見あげる。

このままじゃ、私もビルの下敷きになるかもしれない。きっと、避難した方がいいと思う。でも・・・!

 

「上を・・・ブルーを助けないなんて選択はありえないよね!きらら、危ないやつその2を上に撃ち込むよ!準備して!」

『できないよ~。このぽけもんがじゃま~!』

「大丈夫。合図したら一気に飛び退いて!」

 

ちらりと、視界の隅で上を確認する。

3・・・2・・・1・・・

 

「今!きらら、用意して!」

「させん!追えスピアー!」

 

一気に飛び退いて技を撃とうとするきららに一直線に飛んでくるスピアー。

でも残念だけど・・・。

 

「そこは通行止めだよ。」

 

呟いた瞬間にはスピアーは落ちてきた瓦礫に押し潰される。

 

「なんだと!?」

 

サカキが驚いているが、気にしている暇はない。

 

「きらら!用意は!?」

『いつでもいけるよ!』

 

私は上を指差す。狙うのは3体の鳥ポケモンの中心。エネルギーの塊のようなポイント。

 

「核を撃ち抜け!すごいいわおとし!

 

瞬間、空から大量の石がふりそそぐ。

それらは3体の鳥ポケモンとビルに突き刺さり、そのうちの一発は3体の中央、エネルギーの核をを撃ち抜いた。

 

 

 

 

ーブルー視点ー

 

ふぅ、危なかった。

ビルから吹き飛ばされたときはどうなることかと思ったけど、レッドのフシギソウのおかげで助かったわ。

と言っても、あれをどうにかしないとさっきの二の舞になるわね。

アタシはレッドの肩を借りて立ち上がり上を見上げる。

そこには3体の鳥ポケモンをエネルギーで合体させたものが佇む。

 

「もう一度だ!ゴッドバード!」

 

ナツメの指示でもう一度突っ込んでくる。

 

「こっちも3体の攻撃で!ブルー!」

「ええ!」

 

レッドの声に合わせてカメちゃんをだす。

そして、リザードン、カメックス、フシギソウの、3体の攻撃で迎え撃つ!

 

「かえんほうしゃ!」

「ソーラービーム!」

「ハイドロポンプ!」

 

3体の攻撃は、3体の鳥ポケモンとぶつかり合う。拮抗したかに見えたエネルギーの衝突は、少しずつだが確実に押されていく。

 

「ちょっとレッド!?なんでフシギバナになってないのよ?あなたの攻撃だけエネルギーが少ないのよ!」

「文句言うなよ、これでも全力なんだぞ!?」

「言い合いしてる暇があるなら手段を考えろ。このままだと、押し負けるぞ!?」

 

いつの間にか増えていたもう一人の男が叫ぶ。この人、バリアが張ってあったときに上で会ったわね。

 

「これ以上どうしろって言うのよ!?他のポケモンを出しても重量オーバーで蔓がもたないわよ?えっと・・・、あんた誰よ!?」

「それ、今言うことか・・・?」

 

大声で文句を言い合う。名前を呼ぼうとしたがわからないことに気づく。

あぁもう!今は名前なんてどうでもいいのよ!

そんなことよりこの状況をどうにかしないと!

八方塞がりかと思ったその時。

 

 

ズドドドドド!

 

 

と、鳥ポケモンに対して岩がふりそそぐ。

それはさながら流星のようにビルを削り、鳥ポケモンのエネルギーを奪っていく。

 

「これは・・・?」

「ポケモンの技・・・かしら?」

 

名前のわからない男とアタシは周囲を見渡す。

すると、地上にこっちを見上げている女の子が目に映る。

あの子のおかげかしら?

 

「あいつ・・・。チッ、借りができたな。」

「知り合い?」

「・・・少しな。」

 

あまり話したくないのか、それ以上は黙りこむ。

 

「グリーン!ブルー!今はそんな事を言っている場合じゃないだろ!」

「そうね、このタイミングを逃す手はないわよ。」

「あぁ。やるぞ!」

 

 

「「「ビルが崩れる、その前に!」」」

 

 

「いけぇぇぇぇ!!」

 

レッドが叫んだ瞬間、フシギソウの体が光に包まれる。

これって・・・。このタイミングで進化!?

光が収まったときにはフシギソウはフシギバナに姿が変わっていた。

そして、エネルギーの削がれた鳥ポケモンに対して、進化したフシギバナの分のパワーが合わさった結果。

決着は一瞬。

そして、さっきまでの膠着が嘘のようにこっちの3体の攻撃が3体の鳥ポケモンをバラバラに吹き飛ばした。

そして、吹き飛ばされたポケモンはそれぞれ別の方向に飛び去っていった。

 

「解放されたのか・・・。よかった。」

 

レッドが呟いてる。

まったく。よく他人の心配ができるわね・・・。さっきまであれにやられそうだったってのに。

ふふっ。まぁ、レッドらしいか。

 

「なに笑ってんだよ?」

「何でもないわよ。」

「そうか?じゃあ、さっさと降りようぜ。ビルが崩れそうだ。」

「そうね。」

 

そう言って地上に降りる私達。

いつの間にか、空は白くなり始めていた。

 

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