ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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2話

ブルーが友達になってから1ヶ月。

家をまともに出たことのない、私の話のネタは尽きてしまったので、最近はマサラタウンのことや、ポケモンのこと等、ブルーが話すことのほうが増えてきた。

それに、毎日のように家に来たブルーは、お母さんとも仲良くなり、今では3人で話したりすることもある。

むしろ、私よりお母さんのほうが良く話してる気がする。

そりゃ、まともに外に出ない私の話なんかよりお母さんの話の方が楽しいよね・・・。

それでも私はブルーの友達なんだから、友達らしい事をしたい!

 

「という事で、今日は天気もいいし、体調もヨシ。ブルーのお迎えに行こうかな。」

 

そう呟き、外に出る準備をする。いつもより暖かい格好で、リビングのお母さんに声をかける。

 

「ちょっとブルーを迎えに外に出てくるね。」

「体調は大丈夫?」

「うん!」

「余り遠くには行かないようにね。」

「うん!」

 

そう言って私は家を出る。いつもはブルーが歩いてくる道を今度は私が歩いていく。

友達を迎えにいくのも始めての経験。

このときの私はきっと笑ってたと思う。それぐらい浮かれてた。そして、視界にブルーが映ったときは、それはもう最高潮で、私は嬉しそうに手を振ってブルーに駆け寄った。けど、ブルーは慌てたように私の方に駆け出した。

 

私は、後ろから迫る大きな鳥ポケモンに全く気づいていなかった。

 

「あぶない!」

 

それに気づいたのは私に駆け寄ってきてたブルーが私を突き飛ばし、ブルーが大きな鳥ポケモンに連れて行かれた瞬間だった。

 

「え?」

 

突き飛ばされ、呆然とする私。

今はもう影にしか見えない鳥ポケモンを見る。

 

「待って・・・」

 

震える声で呟く。

私の始めての友達。

体のことを知っても友達になってくれた。

土を握りしめて立ち上がる。

 

「待ってよ・・・」

 

私は走り出した。

影だったものが点になって、私の足じゃ追い付けないこともわかってる。

それでも止まれなかった。

 

 

「返してよ・・・!私の、始めての友達!」

 

 

目の前には森が迫っている。

子供だけで入るのは危険なのはわかってる。

きっと、大人の人を呼ぶのが正解。

自分の体だって、丈夫ではない。

 

 

でも、そんなことは関係なかった。

 

 

私は、ブルーを連れて行った鳥ポケモンを追いかけて、森の中に入っていった。

 

 

 

 

森に入って数時間、あたりは真っ暗になり、月明かりだけでで照らされた森は、とても幻想的だった。

私は方角がわからなくなっても、ブルーを諦めることはなく、ただ闇雲に足を進め続けた。

しかし、マサラタウンに引っ越したことで良くなってきたこの体も、限界が訪れた。

 

「はぁ、はぁ。ゴホッ・・・」

 

口の中に鉄の味がする。私はそばにあった木によりかかり、そのまま座り込む。

思い出すのは、ブルーが連れ去られたときの光景。

 

「私をかばったから、ブルーが代わりに連れて行かれたのかな・・・?」

 

そう思うと、涙が溢れてきた。

 

「私のせい・・・なのかな・・・?ごめんね、ブルー。」

 

ただでさえ病弱な体を酷使し続けた結果、体はもう、動かなかった。

 

(このまま野生のポケモンに襲われて死んじゃうのかな。)

 

それもいいかもしれない。ブルーは私をかばって連れていかれた。お母さんも私のせいでお父さんをおいてマサラタウンに引っ越すことになった。

私はいない方がよかったのかもしれない。

 

でも、それでも。

 

 

もっとブルーとお話したかった

もっと一緒にあそびたかった

元気になって一緒に外に行きたかった

ポケモン、捕まえに行きたかった

ポケモンバトル、してみたかった

 

涙は止まらず、後悔だけが溢れてくる。

歩くことすらままならないまま、木の幹に視線を落とす。

 

「なにこれ、繭?」

 

うっすらと鼓動をするように光を放つそれは、半分ほどを地面にめり込ませていた。

私はそれを、そばにあった石ころで掘り返す。

 

「なんだろう、これ···」

 

そう呟きながらも、小柄な私でも抱きかかえることのできる大きさのそれを抱きあげる。

 

『やっと、あえた。』

「え?今、なにか···」

 

そう言った瞬間、繭のようなものから光が溢れ思わず目をつむる。

そのまま光が消えるまで数秒。気づけば抱えていた重さがなくなり、目の前には星型のような、見たことのないポケモンがいた。

 

『あえた!あえた!』

 

頭に直接響くような、不思議な声が聞こえる。しかし、周囲には星型ののようなポケモンしか見当たらない。まさかとは思いつつ、目の前のポケモンに声をかける。

 

「君が···話しかけてるの?」

『うん!ぼくをおこせるひとを、ずっとまってた!』

「私が、起こしたの?どうやって?」

『わかんない!ただなんとなく、ビビってきた!』

 

よくわからないけど、とりあえず私が起こしたらしい。

しかし、限界の私はとても眠たくなってきた。

 

「そっか。でも・・・私は。とっても眠たい・・・かな。」

『だいじょうぶ?いまねたらきっと、おきられないよ?』

「そうかも・・・ね。でも、友達を・・・助けられないなら。もう・・・いいかな。」

 

そう言うって私は目を閉じる。もう、体は動かない。

意識が薄れていく中、声が聞こえる

 

『ともだち、たすけたい?』

(うん。)

 

もう、自分でも返事ができてるのかも分からない。

 

『だったら、おねがい、して?』

(お願い?そんなの決まってる。)

 

 

 

友達を助けたい。

 

 

(あと、ブルーが怪我してないと、いいな。)

 

私の意識はそこで途切れた。




ちなみに、出てきたのは色違いのジラーチ。
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