ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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24話

と言う訳で、やってきました石の洞窟。

目の前にはポッカリと口を開けたように洞窟の入口が。

いや、私も早く帰ろうと思ったんだけどね?

船着き場に行ったら

 

「次の便は3日後です。」

 

って言われた以上、仕方ない。

とりあえず、ダイゴさんにおすすめされた石の洞窟の事を思い出して、向かってみようとムロタウンに行って、洞窟の事を聞いてみたら・・・。

 

「町のハズレにあるけど、あんなへんぴなところに行きたがるなんて・・・。変わってるねぇ。」

 

って言われた。

おかしいなぁ、ダイゴさんにはオススメって言われたんだけど・・・。

これは、ダイゴさんが少女を連れ込もうとした変態か、隠れた絶景スポットか、ただの洞窟マニアのどれかかな?あ、石マニアかも。

 

「・・・・・・絶景スポットが待ってますように。」

 

洞窟の入り口で手を合わせる。

せめて変態ではありませんようにと祈りながらきららをボールから出しておく。

 

「きらら、護衛よろしくね?」

『おっけー、まかされたー!』

 

なにかあったら、きららに全部吹き飛ばしてもらおう。

へんぴなところって言ってたし、他の人を巻き込むことはない・・・はず。

 

「それじゃ、中に入ろうか。」

『おー!』

 

ーーーーーーーー

 

洞窟に入るとズバットやイシツブテ、ゴローンといったポケモンとすれ違う。

 

「ふーん。洞窟に生息してるポケモンはどの地方でもあまり変わらない、のかな?」

『ましろー、わかれみちだよー?』

「ん?」

 

きららの声で前を見る。

暗くて気づくのが遅れたけど、左右に枝分かれした道。

さて、どっちに行こうかな。

 

「きららはどっちがいい?」

『まよったらひだりのほうそく!』

「え、なにそれ?」

『しらない!』

「知らないのかー・・・。」

 

まぁ、根拠なんてなくてもいいや。

船が出るまでの暇潰しを兼ねた観光だしね。

別にダイゴさんに会えなくても問題はないし。

あれ?ダイゴさんに会えなくていいなら、わざわざこんな洞窟入らなくてもよかったのでは・・・。

ロリコン変質者の可能性もあるし・・・。

 

「よし!左に行って何もなかったらそのまま帰ろう!」

『りょーかーい。』

 

そうして分かれ道を左に進む。

そのまましばらく進むと小さな湖のような少し開けた場所に出る。

その湖は洞窟の隙間から差し込む光を反射してキラキラと輝き、まさに絶景と呼べるような場所だった。

 

「見てみてきらら!凄いキレイだよ!」

『すごーい!きらきらしてるー!』

 

そう言って湖の水を背中の羽衣で飛ばしてくる。

 

「ちよっと、きらら!冷たい!」

『あははー。』

 

文句を言いつつ、笑いながら水をかけ返す。

最近は戦ってばかりだったから、きららと遊んだのも久しぶりかも。

こういう時間も大事だね。

 

 

ーーーーーーーー

 

きららと水を掛け合ってしばらく。

 

「うへぇ・・・。びしょびしょだよぉ・・・。」

『あはは!びしょびしょだねー!』

「やったのはきららでしょ?もう・・・。」

 

とりあえず、着替えようかな。こんな洞窟に人なんか来ないだろうし、ちゃちゃっと着替えよう。

と言っても、替えがあるのは着物だけなんだよね。洞窟なんかで着たくはないんだけど仕方ない。風邪引くよりましでしょ。

 

 

ということで、着替えました。着ていたやつは絞れるだけ絞ってカバンに突っ込んでおいた。

んー・・・。ヤマブキじゃあんまり歩かなかったから気にならなかったけど、洞窟だと裾とか袖が気になるなぁ・・・。

カントーに戻ったらエリカに頼んで仕立て直してもらおうかな。

今はどうしようもないから、注意して歩こう。

 

「きらら、着物には水をかけるのはなしだよ?」

『はーい!』

 

一応、きららにも注意しておいてと。

それじゃ、どうしようかなぁ・・・。

ここまで来てダイゴさんには会えなかったけど、湖で遊んだし、もう帰ろうかな?

 

「ん?あのポケモンは・・・?」

 

帰ろうと思った矢先、湖に見たことのないポケモンの群れがやってくる。

見た目はかわいいんだけど、頭に大きな顎みたいなのがついてる。

 

「すごいねぇ、あんなポケモンもいるんだ・・・。」

『かたそうなあたまだねぇ。』

 

群れから隠れるように岩影に移動する。

どうや、あのポケモン達は水を飲みにやって来たみたいで、水を飲んだらそのまま来た道を戻っていく。

そうして引き返していく群れの中に、一人だけ遅れて湖にやってくる子がいた。

その子は周りより少しだけ体が小さく、湖に着くと少し咳き込んでいる。

 

「あの子、体調が悪いのかな?」

『んー、かおいろはわるいね。』

 

様子を伺っていると、咳がおさまった様でゆっくり水を飲んでいる。

その間に他の子達は先に行ってしまった。

 

「他の子達は待ってくれないんだね・・・。野生だと、弱いものから切り捨てられていくのかなぁ・・・。」

『なんか、かわいそうだねぇ・・・。』

「ねぇ、きらら?あの子治してあげてもいいかな?」

『うん。まえになおしてからだいぶたってるし、えねるぎーもだいじょうぶだよ。だから、なおしてあげて?』

 

きららも賛成してくれてるし、私も放っておけない。

自然の摂理的にはよくないかもしれないけどね。

とりあえず、あの子の所に行こうか。

岩影から姿を出して、さっきのポケモンの方に歩き出す。

すると、向こうも気づいた様で少し後ずさる。怯えさせたかもしれないから、大体2メートルぐらい手前の所で立ち止まる。

そして、視線が合うようにしゃがみこむ。

 

「体調が悪そうだけど、大丈夫?」

「クチ!」

「うん、警戒されてるねぇ。」

『どうするの?』

「どうしよう?」

「・・・」

 

うーん、あっちも無言で睨んできてるしどうしようか。気を引けるものがあるといいんだけど・・・あ!

がさごそと、博士から貰った木の実を取り出す。

すると、向こうも気になったのか少しずつ近づいてくる。

 

「お腹すいてない?どうぞ。」

 

目の前にまで来たその子に、木の実を手渡す。

その子は木の実を受けとると、少しの間だけ眺めると、少しずつかじりだした。

今なら少しぐらい触っても大丈夫かな?

木の実を食べている頭に手をかざし、そのまま力を使う。少しだけ淡い光を放つと、すぐに消えた。

 

「きらら、どう?」

『もんだいないよ。えねるぎーもぜんぜんへってない。』

「よかった。ただの風邪だったのかな?」

「くち?」

 

きららと話している間に、木の実を食べ終わった子が不思議そうに私を見上げる。

 

「体調はどう?」

 

私はその子のもう一度声をかけると、ピョンとその場で一回ジャンプする。

 

「くちー!」

「よかった。元気そうだね。」

『ましろ!あぶない!』

 

きららの声が聞こえたと思ったら、サイコキネシスで後ろに引っ張られる。

 

「わっ・・・とと。」

 

こけそうになったところをバランスをとる。

そして、さっきまで私が居たところに突っ込んでくるポケモン。

そのポケモンは、さっきまで木の実を食べていた子と同じ種類のポケモンだった。

 

「チー!」

 

突っ込んできた子は、さっきの子を庇うように私の前に立ち威嚇している。

はぐれたこの子を探しに来たのかな?

それなら・・・。

私の前に出るきららを抱え、そのまま来た道に走り出す。

 

「あの子が元気になった以上、長居は不要!帰るよ!」

『わーい、らくちーん!』

 

なんかきららは楽しんでるけど、まぁいいや。

さっきは助けて貰ったし、今は楽させてあげよう。

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