ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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25話

ポケモンから逃げ出した私は、分岐のあった所で足を止めた。

 

「ふぅ。ここまで来ればさすがに追ってこないでしょ。」

『ましろ、おそーい。』

「そりゃ、きららやミスタと比べたら遅いよ。私はポケモンじゃないし。」

 

笑いながら軽口を言いあう。その間に呼吸を整える。

 

「おや?君は・・・。」

「え?」

 

声をかけられて振り向くと、私が行かなかった方の分かれ道からダイゴさんが出てきた所だった。

 

「来てくれたんだね。どうだい?良いところだろう?綺麗な石も沢山ある。」

「はい。綺麗な湖もありましたし・・・。石?」

「うん、石。」

 

やっぱり石なのか・・・。

 

「石はいいです。というか、石以外になにかないんですか?」

「ん?石以外何か必要なのかい?」

 

懸念してた点は大体あってたみたいだ。まぁ変態は変態でも、石が好きな変態みたいだけど。

 

「いや、大抵の人は石だけじゃ満足しないと思いますが・・・。」

「そうなのかい?でも、これを見てほしい。さっき見つけたやつなんだけと、このツヤといい形といい、美しいとは思わないかい?」

「ないです。」

「そんな・・・!?」

 

言い切ったらこの世の終わりみたいな顔をされた。

なんでそんな顔されなきゃいけないんだろう。むしろ私が洞窟をオススメされたときに、その顔をするべきだった。

 

「まぁ、綺麗な湖を見れたんで良かったです。」

「湖・・・?あぁ、あそこか。あそこも綺麗だよね。」

「知ってたのにそれを差し置いて石を猛プッシュしたんですか?」

「え?石のほうが綺麗だろう?」

 

この流れ、さっきもやったよ・・・。

話が進まないし、とりあえず洞窟を出よう。

 

「話が進まないので、とりあえず先に出ませんか?」

「そうだね。僕も満足したし、出ようか。」

 

そう言って、二人で出口に向かって歩き出す。

 

「そういや、その服似合ってるね。」

「あ、どうも。」

 

そういやって言う辺り、ホントに石以外に興味なさそうだなぁ・・・。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

そんなこんなで出口にたどり着いた。

歩いている時も石のトークで場を繋いでいたダイゴさん。石はもういいって。

 

『ましろ、うしろからついてきてるよ。』

「え?誰?」

『さっきのこ。』

 

後ろを振り返ると、岩影に隠れてこちらを伺っているさっきの子。

 

「ホントだ。どうしたんだろう?」

「ん?どうしたんだい?」

「えっと、野性のポケモンがついてきてるみたいで・・・。」

「ふむ。あのポケモンは、クチートだね。君を追いかけてきたのかい?」

「みたいです。あの子、クチートって言うんだ。」

 

二人で足を止め岩影に隠れたポケモン、クチートを見つめる。

すると、見られていることに気づいたクチートは岩影に引っ込み、出てこなくなってしまった。

 

「きらら、だっこはここまでね。」

『よはまんぞくじゃ。』

「どこでそんな言葉覚えたの?」

 

抱えていたきららを放して、クチートが隠れている岩影に向かう。

そこでは、右往左往しているクチートの姿があった。

クチートが私に気づくと、少し迷ったようなそぶりをしたあと、1つの宝石のようなものを差し出してきた。

 

「これ、くれるの?」

「くち!」

「ありがと!すごいキレイだね。なんか、七色に光ってる・・・。」

 

しゃがんで差し出してきた物を受けとる。

ここじゃ暗くて分かりにくいけど、絶対にキレイなやつだね。

 

「さっきのお礼かな?わざわざありがとね!」

「ちー!」

 

頭を撫でると、嬉しそうになくクチート。

かわいい。

 

「野性のクチートは、油断させてから大顎で噛みつくものなんだが・・・。ずいぶんなつかれてるね。」

 

そうなんだ。きのみをあげたからかな?

でも、こんなにかわいいなら噛まれてもいいかも。

 

「ちなみに、クチートの大顎は鉄骨ぐらいなら軽く噛みきるよ。」

「え?」

 

思わず手を引っ込める。

噛まれてもいい、なんてことはないね。

慢心よくない。

 

「ははは。それだけなつかれてるなら大丈夫だよ。」

「・・・ほんとに?」

「ちっく!」

 

返事はクチートから返ってきた。

どうやら、本当になつかれてるみたい。

という事で、もう一度頭を撫でる。

うん。噛まれない。

 

「そのクチート、連れていってあげたらどうかな?」

「え?この子を?」

 

私は首をかしげる。とりあえず、クチートがどうしたいか、かな。

 

「んー、どうする?一緒に来る?」

「くち!」

「それじゃ、一緒に行こっか!」

 

一緒に来てくれるみたいなので、クチートを抱き上げる。

うん、少し重たい。でもまぁ、新しい仲間が増えたってことで我慢。きららも、わーいわーいと、まわりをくるくる回っている。

 

「ん?ボールにはいれないのかい?」

「空のボール持ってないんですよ。カバンの中には少しの着替えと回復アイテムだけなんで。」

「でも、ポケモントレーナーなんだよね?」

「私としては、そんなつもりはないんですよね。家族とか、友達とか。そんな感じ。」

「やっぱり君は変わったトレーナーだね。」

 

そう言ってボールを差し出してきた。

 

「これを使うといい。空のボールだ。」

「ありがとうございます。後で使わせてもらいます。」

 

受け取ったボールと、宝石のようなものをカバンにしまう。

せっかく新しく増えた仲間だもん。ボールに入れるのは後でいいよね。

 

「ボールの代わりに、と言ってはあれだけど。僕と戦ってくれないかな?」

 

そう思っていたら、ダイゴさんに勝負を挑まれた。

 

 

 

 

 

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