ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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31話

イエローとグリーンの特訓に付き合って5日。

見た目通りと言うべきか、グリーンの特訓はスパルタだった。

 

「マシロさ~ん・・・。」

 

って、何度泣きつかれた事か。

それで、1度だけ特訓の相手を変わったんだけど・・・。

 

「グリーンさ~ん・・・。」

 

って今度はグリーンに泣きついてた。

やっぱり、他人を鍛えるのは向いてないみたい。

グリーンの特訓より私とミスタの相手をする方が嫌らしい。

 

・・・それはそれでショックなんだけど。

 

プルルル。

 

少し落ち込んでいると、ポケギアに通信が入る。

相手を見ると、ミカンからだった。

 

「もしもし?」

『あ、マシロですか?かぷちーとグロウ、元気になりましたよ!』

「そっか。ありがと、ミカン。結構時間かかったね。・・・・堪能した?」

『はい!・・・・・・聞こえてたんですか?』

「あはは、まぁね。」

『もう・・・。マシロって結構意地悪ですよね。・・・でも、ありがとうございました。堪能させていただきました。』

「どういたしまして。それじゃ、ポケモンセンターに向かうからちょっと待ってて。」

『分かりました。』

 

ピッ。

 

結構かかったね。

多分、ミカンが堪能してたせいもあるんだろうけど。

まぁ、四天王の相手をする前に皆が揃うのはありがたい。早速向かおうか。

 

「グリーン、イエローのこと任せていい?」

「構わん、と言うか元々押し付けてただろうが・・・。それで、急にどうした?」

「ちょっとポケモンセンターに用事。すぐに戻るよ。」

「そうか、早く戻れよ。1人でイエローの相手をするのは疲れる。」

「分かった。できるだけ早く戻るよ。ミスタ、お願いね。」

 

ミスタをボールから出して、その背に乗る。

さて、それじゃあポケモンセンターに向かおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ポケモンセンターでミカンから送られたかぷちーとグロウを受け取り、フレンドリィショップで少なくなった回復アイテムを補充しておく。

買い足したものを鞄に詰めていると、鞄の中から妙な振動を感じる。

 

「ん?なんだろう?」

 

振動しているものを引っ張り出してみると、いつだったかルビー達の所に導いてくれたスプーン。

懐かしい、すっかり忘れてたよ。

取り出したスプーンは前回と同じようにクイっと曲がり、ある一定の方向を指す。

北の方かな?

北と言えば、この前話題にでてたね。オツキミ山にレッドが居るかもしれないって。

・・・もしかして、この先にレッドがいる?

 

「行くべきか、行かざるべきか・・・。」

 

と言っても、前はルビー達を助けることができたからなぁ・・・。

少し悩んどけど、行かない選択肢はないかな。

よし!そうと決まれば早く向かおう。

ボールを投げ、きららとミスタを出す。

 

「きらら、ミスタ。オツキミ山に向かうよ。」

『はーい!』

「ーーー」

 

前はボーマンダに襲われてたらしいし、今回も何があるのか分からないので、きららとミスタを出して向かう。

まぁ、レッドが居るだけで何事もなければいいんだけど、何があることやら。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

さて、オツキミ山に到着っと。

とりあえず、ミスタはボールに戻して休んでもらって、きららと二人で山の上を歩く。

スプーンは・・・あっちを指してるね。

 

スプーンのナビに従って歩いてしばらくすると、前方に人影が見える。

そして、その人影が誰なのか分かる距離になると向こうもこちらに気づく。

そして、その人物はレッドではなく意外な人物だった。

 

「ハァ・・・。なんでこんなところにいるの?サカキ。」

 

意外すぎて思わずため息が出た。

 

「マシロか。こんなところでピクニックか?」

「違うよ。というか、先に聞いたのは私なんだけど?」

「フッ。なに、お前と同じ目的だろう。」

「私?私はスプーンが指す方に来ただけなんだけど・・・。」

「スプーン?あぁ、ナツメの運命のスプーンか。ということはレッドを助けに来たわけではないのか?」

 

私の手にあるスプーンを見て、何かを察したように言う。

ナツメの運命のスプーン?

いや、それよりもだよ。

 

「レッド?やっぱりオツキミ山にいるの?」

「あぁ。氷漬けだったのは予想外だったがな。お陰で、氷を割る為のポケモンを持ってくるために一度山を降りる羽目になった。」

「え、氷漬け?生きてるのそれ?」

「分からん・・・。が、割ってみれば分かるだろう。気になるなら付いてくるといい。」

 

そう言うとさっさと歩き出そうと踵を返す。

その背中を追おうとしたとき、第三者の声が響いた。

 

「それ、私も混ぜてくださらない?」

 

その人物は、1週間程前にイエローを襲っていた四天王の1人、カンナだった。

 

「誰だ、貴様は?」

「四天王のカンナよ。そこのおチビちゃんを始末しようとしてたら、まさかこんな大物が釣れるとは思ってもになかったわ。」

「何?サカキに用事でもあるの?」

「そうね。だから今回は貴女に用はないから、おとなしく引っ込んでいて下さる?」

 

始末しようとしてたのに、用はないって、ずいぶんとひどい扱いだね。まぁ、放っといてくれるならそれはそれで助かるけど。

 

「あなたが持ってるグリーンバッジ、大人しく渡してくださらないかしら?」

 

グリーンバッジ?

なんでバッジがいるんだろう。バッジ集めが趣味なんて事はないだろうし・・・。

 

「何故バッジを集める?」

「あなたが知る必要はないわ。キクコ、いるんでしょう?やるわよ。」

「フェフェフェ。小娘の相手かと思えばとんだ大物じゃないかえ。」

 

キクコと呼ばれたお婆さんがスッと、霧と共に現れる。

あの人がグリーンの言ってた四天王か。

ゴーストタイプを使うって言ってたっけ。

そのキクコが、指をパチンと鳴らすと岩影からのそりと、上半身裸の大男が現れる。

 

「あら?シバも連れてきたの?」

「レッドと決着をつけると言って、オツキミ山をうろついておったからの。ついでに連れてきたわい。フェフェ。」

「・・・」

 

こんどは3人目かぁ。シバって呼ばれてたけど。さっきから何も喋らないし、目が虚ろなんだけど・・・。

 

「ふむ、3対2か。」

「え?私も頭数に入ってる?」

「なに、レッドを助ける為だ。敵の敵は味方と言うだろう?」

 

まぁ、確かにレッドの居場所を知ってるのはサカキだけだし、私だけで山の中をあてもなく探すのは難しいか。

となると、協力するのが一番良いとは思うんだけど・・・。

 

「でも、レッドは氷漬けなんだよね?」

「ああ。」

「だったら、少しでも急いだ方がいいよね?」

「・・・そうだな。」

 

サカキも私の言いたいことを理解したみたい。私は鞄から3つの石をサカキに投げる。サカキは難なくキャッチすると、そのまま走り出した。

 

「まさか、貴様に背中を預けることになるとはな。」

「同感。それ、クチバ湾の石だから。レッドにちゃんと渡してよ?」

「よかろう。」

 

すれ違いざまに短く言葉を交わすと、サカキは近くの横穴に飛び込んでいく。

たしか、レッドはイーブイを捕まえていたはず。なら四天王と戦う際、あの石は役に立つ・・・かもしれない。

 

「逃がさないわよ!」

 

カンナが叫び、シバが飛び出す。

 

「行かせないよ!きらら、りゅうせいぐん!」

 

シバが横穴に飛び込む前に、サカキの飛び込んだ横穴をりゅうせいぐんで塞ぐ。

これで簡単には追えないでしょう。

 

「チッ・・・。やってくれるわね。」

「仕方ないの。この小娘は放っておいてサカキを探そうかね。バッジの確保は何よりも最優先じゃ。」

 

どうやら、私の事は眼中にないらしい。

けど、レッドを助ける為にも追わせる訳には行かない。

私は鞄から1つのアイテムを取り出す。

 

「放っておいてもいいけど・・・。これ、欲しかったんじゃないの?」

 

そう言って見せつける様に親指で弾き、落ちてきたグリーンバッジをキャッチする。

 

「そいつは・・・グリーンバッジ!?」

「なんであなたがそれを持っているのかは知らないけど、予定変更ね。いえ、当初の予定通りかしら?」

「フェフェ。3対2が3対1になったんだ。こちらとしてもやりやすいねぇ。」

 

レッドを優先的に助ける為とはいえ、3対1は厳しいかもしれない。

けど、やるしかないよね。

相手は右手にカンナ、正面にキクコ、左手にシバといった感じに散開する。

 

「・・・」

 

そのなかで無言の男がエビワラーを繰り出す。

エビワラーで来るなら・・・。

 

「グロウ!コメットパンチ!」

 

エビワラーの左の拳とグロウの右の拳がぶつかり合う。ギリギリと拮抗したかと思えば、今度は反対の拳を繰り出す。

グロウはそれも反対の拳を打ち付けて受け止める。

互いに両腕を封じられた形になったけど、こっちは腕だけじゃないんだよね。

 

「しねんのずつき!」

 

両腕を使えないエビワラーは、しねんのずつきを避けられずにもろに顔で受けると、シバの隣まで吹き飛ばされる。

それを見たシバは顔色1つ変えずに、今度はサワムラー繰り出した。

そして、手足を伸ばしたかと思えば離れているはずのグロウを横から蹴りあげる。

 

「グロウ!?手が伸びるサワムラーは聞いてないんだけど?」

「シバのサワムラーが特訓で身につけた、特別な能力よ。」

 

余裕なのか知らないけど、手を出さずに解説してくれる。

やりやすいから、そのまま静観しててくれないかなぁ・・・?

それより、あの縦横無尽に飛んでくる蹴りはグロウじゃ対応できないね。

 

「グロウ、下がって。かぷちー、あなたの番だよ!」

 

一方的に打ち付けられているグロウを一旦下げて、かぷちーを前に出す。

今度はかぷちーに対して、遠くから脚を伸ばしてくるサワムラー。

でも、かぷちーなら対応できる。

 

「つるぎのまい!」

 

遠くから大振りの技は、かぷちーなら全部避けられる。

つるぎのまいでかわしていると、しびれをきらせたサワムラーが距離を詰めてくる。

そのまま、とびひざげりを放つが・・・。

 

「それ、待ってたよ!ふいうち!」

 

サワムラーの手足が伸びきる前に、サワムラーの体にかぷちーの一撃が炸裂する。

そのままサワムラーはエビワラーと同じく、シバの隣まで吹き飛ばされた。

 

「あらあら、やっぱり1人じゃ駄目ね。」

「フェフェ。そのようじゃのぅ。」

 

カンナはジュゴン、キクコはアーボックを繰り出す。

 

「もう少し様子見しててもいいんだけど?お年寄りはもっと自分の体を労りなよ。」

「フェフェ。なかなか言う小娘じゃの。それだけ余裕がないってことかねぇ?」

 

ばれてるや。

正直、きららがいれば何とかなると思ってたけど、3対1は想定外なんだよね。

私の挑発にものってこないし、キクコが1番厄介かな?

 

「おしゃべりはそこまでよ。ジュゴン、れいとうビーム!」

「ミスタ!れいとうビーム!」

 

ジュゴンのれいとうビームにあわせてミスタのれいとうビームをぶつける。

私とカンナのちょうど真ん中辺りから、一帯の地面が凍りつく。

 

「ミスタ、少ししか休めなかったけど戦える?」

「ーーー」

 

電子音と共にうなずく。大丈夫そう。

と言うより、前回戦えなかったからやる気十分って感じかな?

 

「フェフェ。余所見してる場合じゃないよ!まきつく!」

 

キクコのアーボックがいつの間にかミスタの隣まで迫り、ミスタを拘束しようとする。

 

「きらら!サイコキネシス!」

 

ミスタに巻き付こうとしたアーボックは、そのままキクコの隣まで吹き飛ばして地面に叩きつける。

 

「その子はお返しするね?」

「聞いていた通り、ふざけたパワーじゃの。」

「きららはキクコの相手をお願い。多分、指示を出す余裕はないと思う。」

『わかったー。』

「加減はしなくていいけど、余力は残しておいてほしいかな?」

『んー、むずかしいけどがんばる!』

「ふふっ、お願いね。」

 

こんな時だけど、がんばる!と言って両手を握るきららを見ると、笑みがこぼれる。

 

「笑ってるなんて余裕ね?だったら、これはどうかしら?パルシェン、とげキャノン!」

「ミスタ!ハイドロポンプ!」

 

新しく繰り出したパルシェンのとげキャノンをハイドロポンプで打ち落とすと、それと同時に左からイワークが突っ込んでくる。

 

「グロウ、コメットパンチ!」

 

もう一度グロウを前に出し、イワークの頭にコメットパンチを打ち付ける。

が、イワークの勢いはそれで止まらずグロウを押し潰そうとする。

グロウだけで駄目なら!

 

「かぷちー!はたきおとす!」

「チック!」

 

かぷちーの声と共に、上からイワークの頭を地面に叩きつけると、そこで勢いを止めた。

さすがに正面と上から押さえつけられたら止められた。

イワークに押しつぶされてミンチは遠慮したい。

 

「やるじゃない。私たちの攻撃をここまで受け止めるなんてね。それじゃ、次はどうかしら?パルシェン、とげキャノン!」

 

カンナはパルシェンのとげキャノンをもう一度放つ。

そして同時にイワークの上を高速で駆けてくるエビワラー。

 

「ミスタ、ハイドロポンプ!グロウはバレットパンチ!」

 

エビワラーのマッハパンチとグロウのバレットパンチがぶつかり合う。

 

「次はそれだけじゃないわよ!ジュゴン、れいとうビーム!」

 

カンナは、パルシェンのとげキャノンに、れいとうビームを上乗せする。

れいとうビームでコーティングされたとげキャノンは、ハイドロポンプを凍らせて砕きながら進み、ミスタを直撃した。

 

「ミスタ!?」

 

さっきは打ち落とせたからって油断した。

これは私のミスだね・・・。ごめん、ミスタ。

 

心の中で謝っていても、相手は待ってくれない。

 

グロウとエビワラーの拮抗は一瞬で、エビワラーを吹き飛ばしたが、入れ替わるように上からサワムラーが攻撃を仕掛けてくる。

やっぱり、3対1はズルくない?

 

「くっ!!かぷちー!はたきおとす!」

 

グロウに向かって色々な方向から飛んでくる蹴りは、かぷちーが全て叩き落とした。

そして、エビワラーはそこで尽き、吹き飛ばされた場所で倒れる。

 

やっと1体。

 

チラッとキクコの方を見ると、きららがゴルバット相手にスピードスターを撃ち込んでいた。

・・・こっちと違ってきららは余裕そうだね。

 

「スターミー、大丈夫かしら?あなたも、指示を出すのがいっぱいいっぱいのようね?」

「そうだね。・・・でも、次はないよ?ね、ミスタ?」

 

声をかけると、ミスタがのそりと起き上がる。

 

「ありがとう、ミスタ。もう少しだけ頑張って。」

「そう?なら、もう一度試してみましょうか。パルシェン、ジュゴン!」

 

カンナがさっきの技をもう一度繰り出そうとする。

さっきは私の指示が悪かっただけで、ミスタはあの程度の技に負けないよ。

 

「ミスタ、全力でいいよ。あいつらを見返してやろう。」

「ーーー」

 

うなずいたミスタは力を集め出す。

 

「ッッ!シバ!」

 

カンナの焦った声に反応してサワムラーが飛び出すが、グロウがバレットパンチで吹き飛ばす。

ありがとう、グロウ。

 

「チッ!だったらそのまま撃ち抜くだけよ!」

 

パルシェンとジュゴンの複合とげキャノンが放たれる。

残念だけど、ミスタの準備は終わってるよ!

 

「メテオビーム!」

 

私が叫んだ瞬間、ミスタから放たれた閃光が辺りを照らし、とげキャノンを溶かしながらパルシェンとジュゴンを飲み込む。

 

ドサッと、パルシェンとジュゴンが倒れる。

 

「その技、前に川を砕いたやつね。まさかスターミーも使えるとは思わなかったわ。」

 

倒れた2体をボールに戻しながら、驚いたように言う。

 

「努力の賜物だよ。・・・まぁ、出し惜しみなんてしてる場合じゃなかったみたいだけどね。」

 

おかげでミスタも一撃で戦闘不能近くまでもっていかれたし。

 

「ホント、油断ならないおチビちゃんね。キクコ、そっちはどう?」

 

カンナがキクコに声をかける。

つられて私もそっちを見ると、ゲンガーをサイコキネシスでふっ飛ばしていた所だった。

 

「どうもこうもないわい!なんじゃ、こいつは!?全く歯がたたん!」

「きらら、ありがと。戻ってくれる?」

『わかったー。』

 

焦るキクコとは対象的に、ふわふわとのんびり戻ってくる。

きららが戻ってくると、私はミスタをボールに戻す。

戻す瞬間、え!?私まだ戦えますが?みたいな反応をしていたけど駄目です。休んでください。

 

「あら、やっぱり?凍らせた川ごと砕いたり、ふぶきを丸ごと押し返したりしたから、普通じゃないとは思っていたけれど・・・。」

「カンナが警戒していた理由が分かったわい。」

「仕方ないわね。レッドを始末したあれ、やるわよ。」

 

カンナがそう言うと、シバはサワムラーを前に、キクコはゴース、カンナはルージュラをボールから出す。

この人達、何体連れてるんだろう・・・。

いや、それより何かやろうとしてる・・・?

 

「シバ、キクコ、合わせなさい!」

 

「「氷・闘・霊の陣!!」」

 

カンナの声に合わせて、それぞれのポケモンから眩い光を放ちながら、エネルギーが襲いかかってくる。

これはまずいかも!?

 

「かぷちー!グロウ!下がって!きらら、りゅうせいぐんで全部押し潰すよ!」

『おっけー!』

 

向かってくる3つのエネルギーに対して、きららはりゅうせいぐんで迎え撃つ。

加減はしなくていいと言ったからか、加減する余裕がなかったのかはわからないけど、今まで見た中で最大規模のりゅうせいぐんがエネルギーを押しつぶしていき、そのまま四天王の3人も飲み込んだ

 

 

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