ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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申し訳ありません。

身内の結婚式で投稿遅れました。

週一を目処に投稿してましたが、来週も遅れるかもしれません。




32話

りゅうせいぐんが止み、辺りに静けさが戻る。

 

「ふぅ・・・。あの3人、生きてるかな?」

『たぶんいきてるよー。』

「そっか、それなら良かった。」

 

流石に私のせいで死人が出るのは寝覚めが悪いし。

 

「それより、エネルギーどれぐらい残ってる?」

『んー・・・。さんわりぐらいかなー?』

「結構ぎりぎりだね。疲れてると思うけど、もう少しだけ頑張れる?」

『うん。がんばるよー!』

 

やっぱりきららは頼もしいね。

ミスタがほぼダウンしてる以上、エネルギーが空っぽだと、かぷちーとグロウだけになる。

そうなると3人の相手は正直無理だと思うし。

そう考えていると、がらがらと瓦礫を押し退けて起き上がる人影。

 

「ん?ここは何処だ?」

 

ガラガラと瓦礫を押しのけて起き上がってきたのは、四天王のシバ。

さっきと違って目に生気が宿ってる。

ここは・・・って言ってるあたり、操られてたとかそんな感じかな?

 

「あらあら、シバが正気に戻ってるじゃない。」

「フェフェ、さっきの技がそれ程の威力だったってことさね。」

 

遅れてカンナとキクコも起き上がる。

3人とも傷だらけで、満身創痍って感じだけど・・・。

 

「あれを受けてその程度のケガで済まされるとは思わなかったよ。」

「シバのイワークのお陰ね。」

 

傍らではシバが2体のイワークをボールに戻している。

あ、もう1体いたのね・・・。

 

「それで?その状態でまだやる?」

 

こっちの状態を悟られないように、さも余裕があるように話しかける。

 

「フェフェ。カンナ、流石にこれ以上は無理じゃないかね?」

「そうね。」

 

キクコと話していたカンナがこっちに向く。

 

「決着を付けたければ、スオウ島までいらっしゃい?もてなしてあげるわ。」

「それ、私が行くと思ってるの?」

 

わざわざ敵の懐に飛び込むなんてするわけないでしょ。

 

「来ないなら、来ないで良いわよ?その時は私達にとって邪魔な子達を順番に始末するだけ。イエローと、ブルーと言ったかしら?」

「・・・ブルーをどうするって?」

 

ブルーの名前が出た瞬間、頭に血が昇る。

思わず、口調が荒くなった。

 

「あら?あなたの焦った声初めて聞いたわね?トキワの森で、イエローを助けたタイミングがあまりにもよかったから、何か関係があるかと思ってカマをかけたのだけれど・・・。」

「・・・ッッ!」

 

やられた。

私は唇を噛み締める。

落ち着け。大丈夫。ブルーは用心深いから、簡単にはやられない。

心を落ち着けると、フッと息を吐く。

 

「いいよ、その挑発乗ってあげる。せいぜい首を長くして待っててよ。」

「ふーん、よっぽどブルーって子が大切みたいね。」

 

そう言うと、じっとこちらを見つめる。

 

「まぁ、今はあなたの方ね。厄介なあなたには、プレゼントをあげるわ。ルージュラ!」

 

カンナがルージュラを呼ぶと、瓦礫の下からのそりと起き上がる。

と言っても、イワークに守られた上でかなりボロボロの様子。

そのルージュラが両手をかざすと、手のひらに氷の人形が出来上がる。人形を作り出したルージュラは力尽きたのか、それをカンナに渡すとそのまま倒れた。

 

あれは・・・私の人形?

 

「今度は人形遊び?」

「フフッ、そうね。」

 

私の問いかけに短く返事をする。

・・・なんか、えらく余裕だけど何をする気?

 

「ここを、こうやると・・・。」

 

そう言って口紅を取り出すと、私の人形の右手首にバツ印をつける。

 

「えっ?」

 

その瞬間、私の右手首に氷の結晶のようなものが現れ、手首から先が動かなくなる。

 

「これなら、少しは大人しくなるでしょ?スオウ島に来れなくなっても困るから、もう一箇所だけにしておきましょうか。」

「させるわけ、ないでしょ!きらら、あの人形とって!」

『分かった!』

 

きららは返事を返すと、サイコキネシスでカンナの手から氷の人形を奪い取る。

その瞬間、右腕に激痛が走る。

 

腕を見ると、肘から先が氷に覆われている。

なにこれ、めちゃくちゃ痛いんだけど!?

 

「あらあら。無理矢理持っていくから、手が滑って口紅が肘から先にベッタリついちゃったわね。」

 

きららが手元に持ってきた人形を見ると、肘から手首まで口紅が真っ直ぐについていた。

 

『ごめん、ましろ。しっぱいしちゃった。』

「ううん。よくやってくれたよ。ありがときらら。」

 

申し訳無さそうに、しょぼんとしているきららを励ます。

そして、カンナをキッとにらみつける。

 

「えらく、悪趣味なプレゼントだね?」

「お気に召したようでなによりだわ。それじゃ、キクコ、帰りましょうか。」

「了解だわね。」

 

キクコが返事を返すと、四天王の周りに霧が立ち込る。

そして、霧が晴れたときには3人の姿は消え去っていた。

 

「・・・きらら、周りに誰かいる?」

『う~ん、いない・・・かな?』

 

どうやら、3人とも本当に帰ったみたい。

気が抜けた私はその場にヘタッと座り込む。

そして・・・

 

「いったぁぁぁ!!なにコレ!?あんなの聞いてないよ!」

 

痛さのあまり思いっきり叫んだ。

 

 

 

 

ひとしきり叫んだあと、鞄からこおりなおしを取り出し右腕に吹き付ける。氷の人形は叫んでいる途中で溶けて消えた。

・・・腕の氷は全然溶けないんだけどなんで?

まぁ、溶けないなら仕方ない。私は地面に下ろした鞄からポケギアを取り出す。利き腕が使えないと、道具を取り出すだけで一苦労だよ・・・。

でも、思わぬ所で四天王の拠点が分かった。それに、あの氷の人形のことも伝えとかないと。

あれは初見殺しにも程がある。

そんな事を考えていると、ポケギアの呼び出し音が止まる。

 

『もしもし、マシロ?どうかしたの?』

「いや、ブルーの方は何か変わったことはないかなーって。」

『うーん・・・。こっちは特に変わったことはないわね。』

「そっか。それならよかった。さっき四天王に絡まれてね・・・。ブルーの事気づいてたっぽいから気を付けてね?」

『そう、いつかはバレるものだからしょうがないわね。それは分かったわ。それより・・・、四天王に絡まれたってどういう事よ!?イエローとあなたは大丈夫なの?』

 

ブルーの慌てた声が聞こえる。

とりあえず、私の腕以外は問題ない。

・・・腕は大問題だけども。

 

「うん。イエローとは丁度別行動してたときに絡まれたからね、イエローは無事。今はグリーンと一緒に居るよ。」

『それならいいけど・・・。ん?イエローは・・・?あなたは無事じゃないの?』

 

あ、余計なことを言ったかも。

とりあえず、適当に誤魔化しておこう。

 

「大丈夫大丈夫。あいつらもさっき帰ってったし。それで、スオウ島ってところを拠点にしてるらしいよ。」

『スオウ島ね・・・。戦力が集まるなら、こっちから仕掛けるのもありかしら・・・?ん、あいつら?相手は1人じゃなかったの?』

 

ブルーが目ざといのか、私が抜けてるのか、色々と突っ込まれる。

あまり心配をかけたくはないんだけどなぁ・・・。

 

「3人だったよ。」

『はぁ!?3人?ハァ・・・。トキワの森で目をつけられたんでしょうね。やっぱりあの時、正面からいくべきじゃなかったのよ・・・。ま、無事で何よりだわ。』

「そうそう。無事だから問題なし!あ、それと、カンナの人形には気を付けてね。」

『人形?』

「うん。なんか、相手そっくりの氷人形を作ってその人形の部位に×印をつけると、本人のその部位が凍りついて動かなくなるんだ。」

『えげつないことしてくるわね・・・。わかった、カンナと会ったときは注意しておくわ。』

「うん。気を付けといて。」

 

こんな痛い思いをブルーにさせるわけにはいかないしね。

 

『ところで、えらく詳しいけどマシロ?その凍りつくやつ、受けてないわよね?』

「え?」

『え?じゃないわよ。マシロはあたしの切り札なんだから、いざというときに戦えなくなると困るのよ。』

 

切り札だって!

頼りにされてるみたいですっごく嬉しい!

 

「エヘヘへへ。」

『いや、エヘヘじゃなくて。』

「大丈夫!ブルーの為なら腕の1本ぐらい!」

『はぁ!?まさか、片腕が凍りついてるとかじゃないでしょうね?』

「右腕の肘から先だけだよ!めちゃくちゃ痛いけどね!」

『それは大丈夫じゃないのよ・・・。』

 

向こうでため息をつく声が聞こえる。

なんでだろう?

 

『マシロ。あなたはしばらく休んで、腕を治すことに集中して。』

「え?でも・・・。」

『でもも、きららもない!』

「きららは言ってないよ?」

 

そう言うと、隣のきららが返事をする。

 

『よんだ?』

「呼んでないよ。」

『しょぼん。』

 

今は右手が動かないし、左手はポケギアを持ってて、構ってあげられないから後でね。

 

『いいから!マシロは頼りにしてるけど、ケガを押してまで戦ってほしくはないのよ。分かった?』

「・・・うん。分かった」

『よろしい。それじゃ、後はあたしに任せなさい!じゃね。』

 

そのまま通信が切れる。

そして、会話中は気にしないようにしていた腕の痛みに顔をしかめる。

通話の切れたポケギアを鞄にしまって、もう一度こおりなおしを吹き付ける。

さっきは溶けてない様に見えたけど、少しずつ溶けている・・・気がする。

 

「いたた・・・。ブルーにはああ言ったけど、ブルーが戦ってるのに、私だけが休んでなんかいられないよね。」

 

ブルーがケガをするぐらいなら、私が無茶する方がよっぽどまし。

 

『ましろ。えへへーって、すごいかおになってたよ?』

「え、ホント?」

『うん。にへらーってかんじ。』

 

おとと。

まだ四天王との戦いは終わってないんだから、気を引き締めないと。

気を引き締めると、スッと立ち上がる。

 

『ましろ、休まないの?』

「うん。みんなには無茶させちゃうけど、お願いできるかな?」

 

振り返ってかぷちーとグロウに問いかける。

二人とも私の腕を気にしながらもうなずいてくれた。ありがとね。

お礼を言って、かぷちーとグロウをボールに戻す。

 

「きららもお願い。四天王の事が片付いたらちゃんと休むから。」

『むー・・・。わかったー。』

 

きららもしぶしぶ、頷く。

ミスタはまぁ、聞かなくても大丈夫でしょ。

と言うか、私が行かないと1人でスオウ島に突っ込みそう。

 

「とりあえず、この氷をどうにかしないとねー・・・。」

 

そう、小さく呟く。

ミスタも怪我してるし、早いとこポケモンセンターに戻ろう。

そう思って歩き出したら、ドカァン、ときららが塞いだ横穴の瓦礫が吹き飛ぶ。

 

「やれやれ、無茶をするやつだ。洞窟が崩れたらどうするつもりだ?」

 

瓦礫を吹き飛ばし、砂埃の中から現れたサカキは、開口一番に文句を言ってきた。

 

「何言ってるの?地面のエキスパートでしょ、崩れてもなんとかできるでしょ?」

「まったく・・・。それで、四天王の奴らはどうした?」

「スオウ島に帰ったよ、奴らの本拠地だってさ。」

「スオウ島か・・・。む、その腕はどうした?」

 

サカキの視線は私の右腕に注がれる。

まぁ、肘から先が氷漬けだとそりゃ気になるか。

 

「四天王のカンナにね。まぁ、見た目通りかなり痛いんだよね。だから、あんまりサカキに構ってる余裕はないかな。」

 

ホントならロケット団のボスなんてやすやす見逃したりはしないんだけど、腕がこれじゃあね・・・。

 

「貴様はどうするんだ?」

「とりあえず、腕の氷が溶け次第スオウ島に向かうよ。」

「そうか・・・。なら、2日後だ。」

「え?」

「明日は、腕を治すことに専念しろ。明後日、スオウ島に乗り込む。」

「手伝ってくれるってこと?ロケット団のボスがどういう風の吹き回し?」

 

私が怪訝な目を向けると、サカキは気にすることなく続ける。

 

「なに、さっきの借りとその腕の分は協力してやろうというだけだ。」

「さっき・・・?あぁ、四天王を引き受けたこと?それは単にそっちのほうが良さそうだからそうしただけだよ。というか、レッドは?」

「知らん。氷から助けた後、直ぐに引き返したからな。まぁ、生きてはいたからそのうち会えるだろう。石も渡しておいたぞ。」

「そう。生きてたなら良かった。・・・それで、借りだけで協力なんかしないよね?サカキならそんなもの踏み倒すでしょ?」

「フッ。私が手に入れるこの世界で、好き勝手されるのが気に入らんだけだ。」

 

四天王も滅茶苦茶なことやってるけど、サカキも似たようなものだよねぇ・・・。

でも腕がこんなだし、使えるものは使うべきかな?

 

「・・・分かった。2日後だね、どこで落ち合う?」

「クチバで落ち合おう。」

「おっけー。」

 

落ち合う場所を決めると、サッサと歩いていくサカキ。

その背中が見えなくなったぐらいで私も歩き出す。

 

『よかったの?』

「良くはない・・・かな?でも、戦力としては破格の強さなんだよね。できることはやっておかないと。」

 

きららのエネルギーも半分以上使っちゃったから、天気次第だけど当日は半分のエネルギーでなんとかしないといけないし。

正直、あまり余裕はない。

 

「ま、先のことよりも目先の事だね。とりあえず、山を降りながら腕の氷をどうにかしよう。」

 

ミスタに無茶はさせられないから、徒歩で下山かなぁ・・・。

腕の氷を溶かしながらのんびり戻ろうか。

 

 

 

 

ーーーースオウ島ーーーー

 

スオウ島に戻ってきた四天王のカンナとキクコ。

二人はこれから島に訪れるであろうマシロに対して頭を悩ませていた。

 

「規格外と言うのは、ああいう奴の事を言うのかねぇ・・・。フェフェフェ。」

「笑い話じゃないわよ・・・。マシロって子、どうしましょうか?」

「バッジさえ揃えば、後はワタルがなんとかするじゃろ。」

 

カンナはキクコに問いかけるが、キクコは全部ワタルに丸投げする様に言うので、思わずため息をつく。

 

「はぁ・・・。そう言えばワタルは何処に?」

「サカキが居るという情報が入ったから、クチバに行くと言って出ていったわい。」

「あら?さっきオツキミ山に居たわよね?」

「フェフェ。ガセネタを掴まされたってことさね。」

 

どこもかしこもうまくいかないものね。

 

「仕方ないわね・・・。それじゃ、私達はジムリーダーに邪魔されないように部隊を編成しておきましょうか。」

「了解だの。・・・ところで、シバはどうしたのかえ?」

「それなら、ブルーの方に向かわせたわ。多少なりとも、マシロの弱味になればいいんだけれどね・・・。」

 

人質でもなんでもいい。

少しでもマシロの弱味を握りたいところね。

 

「ブルーには手を出さないんじゃなかったのかえ?」

「あら?そんな事を言った覚えはないわよ?」

「フェフェ。ひどい女だぇ。」

 

ひどい言われようだけど、あのおちびちゃんに関してはいくら警戒しても足りないぐらいだもの。

打てる手は打たせてもらうわ。

 

 

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