ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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2.5章
40話


 

スオウ島の戦いから数日。

私はエリカの所にお邪魔していた。

と言うのも、どうやら四天王の手下がジムのある町を襲ってたみたいでタマムシシティも例に漏れず襲撃されてた。

だから、復興を手伝う為にエリカの所に来たんだけど・・・。

 

「なんで部屋に押し込められてるんだろうねぇ・・・。」

「それは、マシロが無茶ばかりしてるからですよ。」

 

以前お世話になった部屋で、私の正面にいるエリカがそんなことを言う。

 

「いやいや、復興の手伝いに無茶もなにもないでしょ?」

「はい。ですから、マシロのポケモン達にはすごく助けられてますよ。でもマシロは怪我をしてて、役に立ちませんよね?」

 

ぐさっ。

 

確かに復興を手伝ってるのはきらら達だし、怪我をしてる私が出来ることなんてないんだけどさ・・・。

 

「なんか、言葉にトゲがある気がするんだけど・・・」

「大丈夫ですよ?実際にトゲがありますから。」

「なんで!?」

「それは、ブルーに釘を刺されたからですね。」

「え?ブルーが来てたの?」

「はい。被害の出た町に飛んで、それぞれの被害状況をまとめていました。1番酷いところにレッドとグリーンの2人を派遣してやるわ!って意気込んでましたよ。」

「あはは・・・。ブルーらしいね。」

 

どうやら、ブルーはブルーで復興に力を貸してるみたい。

でも、私は何も聞いてないんだけど・・・。

もしかして、私が怪我した事気にしてるのかなぁ・・・?

そんなに気にすることないんだけど。

 

「その時に『もしマシロが来たら、怪我してるから無理はさせないで。』って言ってました。」

 

と思ったら、どうやら先回りされてたらしい。

スオウ島から帰る途中に、エリカの所に行くって言わなければよかったかな?

 

「それで、この部屋に押し込まれた訳ね。」

「そういうことです。しばらくはここで大人しくしてください。」

「ハァ・・・。分かった。しばらくは大人しくしてる。」

「そうしてください。」

 

諦めてため息をついたときに、前にお世話になった時の事を思い出す。

 

「そういえば、ヤマブキシティでの戦いの後もこの部屋でお世話になったっけ。」

「そうですね。あの時もこの部屋でした。」

「思えば、なんやかんやでエリカには色々と助けて貰ってるなぁ。」

「私も助けてもらっていますよ?ヤマブキシティでも、理科系の男にだまし討ちされたときも。それに、スオウ島の時もです。私達ジムリーダーが動けないときに戦ってくれました。」

「理科系の男はともかく、他のは成り行きでそうなっただけなんだけどね。」

「それでも、助けてもらったことには変わりません。」

 

ニコッと笑いながら、真っ直ぐにこちらを見つめて言い切ってくるので、少し照れくさい。

 

「あ。それとエリカに聞きたいことがあったんだ。」

 

そんな心情なのを隠すようにエリカに問いかける。

 

「なんですか?」

「元ロケット団の幹部だったジムリーダーって捕まらないの?」

「その事ですか・・・。」

「スオウ島でバッタリ会ってから、気になってね。今もジムリーダーを続けてるの?」

「・・・そうです。ポケモン協会は疑いがあるだけで証拠不十分だ、と。それに、2年前にロケット団が壊滅してからは真面目にジムを守っているし、トキワジムのジムリーダーが行方不明な今、ジムリーダーが不在になる町が増えるのは得策ではない。・・・とのことです。」

「えらく保守的な考え方だねぇ・・・。そんなだからロケット団の人間がジムリーダーなんかになるんだよ。」

「耳が痛いですね。」

 

思わず呟いてしまった声に、そっとエリカは顔を伏せた。

 

「・・・ごめん、言い過ぎた。エリカもジムリーダーだから協会の人間だもんね。」

「いえ、その通りなので・・・。でも、そのお陰でカツラさんもお咎め無しでジムリーダーを続けられている事実もあって、こちらも強く言えないんです。」

「あぁ、そう言えばカツラさんも元ロケット団の研究者だったっけ?もうすっかり正義のジムリーダーって肩書きが似合う人になったよね。」

「ふふ。カツラさんが聞けばきっと喜びます。」

 

そう言って、今度は嬉しそうに笑う。

 

「いやいや、私に言われてもそんなに嬉しくないでしょ?」

「いえいえ、そんなことありませんよ?」

 

むむむ。

このままだと、いやいやいえいえの応酬になりそう。

そう思った時、エリカのうしろの襖が開いた。

 

「お邪魔するわよー?」

「あれ?ブルー?」

 

襖を開けて部屋に入ってきたのはブルー。

なんでここに来たんだろう?復興を手伝ってるんじゃ・・・?

 

「ハァ~~~・・・。エリカからマシロが来てるって連絡があったから飛んできたけど、ホントにいるじゃないの・・・。マシロ、休んでなさいって言ったのになんでここにいるのよ?」

 

盛大なため息をついたと思ったら何故か怒り出した。

 

「いやいや、休もうと思ってエリカの所に遊びに来たんだよ。」

「嘘おっしゃい。外できらら達が復興を手伝ってるの見たわよ?」

 

適当についた嘘はすぐにばれて、顔をしかめる。すると、額をでこぴんで弾かれる。痛い。

 

「そんな顔しないの。別に、怒るために来たんじゃないんだから。スオウ島の帰りにマシロが言ってたシロガネ山について調べてきたわよ?」

「え?ホントに?ありがとう!」

「どうやら、シロガネ山の秘湯には傷ついたポケモンが集まるらしいの。それなら、あなたの怪我も治せると思うわ。・・・それより、こんな話誰から聞いたのよ?あたしは聞いたことなかったわよ?」

「えーっと、それは内緒で。」

 

情報源がロケット団のボスなんて言ったら止められるかもしれない。そもそも信用できるか怪しいからブルーに調べてもらったんだし。

でも、実際にケガを治すことが出来そうなのは驚きだね。てっきり適当な嘘か罠だとおもってたよ。・・・まぁ、その可能性がきえたわけじゃないんだけど。

 

「まぁ、出どころの話はいいわ。マシロの怪我が治せるかが重要だし。ってことでエリカ?」

「はい。」

「マシロ、借りてくわよ?」

「どうぞ♪」

 

何故だろう、すごくいい笑顔。

 

「ほら、きらら達を集めてシロガネ山に行くわよ?あそこの山には手強いポケモンが群れを作ってるんだから。」

「え?ブルーも来るの?」

「麓まではね。マシロを見送ったら町にとんぼ返りで復興の手伝い。」

「そっか。そっちの手伝いができなくてごめんね。」

「なんで謝るのよ?あたしは最初から休めって言ってるでしょ?」

「あはは。そういやそうだっけ?それじゃ、お言葉に甘えて秘湯でゆっくりしてくるよ。」

「そうそう。あなたは大人しくゆっくりしてなさい。」

 

ブルーと話ながら部屋を出る。

それじゃ、町の復興を手伝ってるきらら達を集めてシロガネ山に向かおうか。

 

「あ、そうだ。」

 

私は顔だけを部屋を覗かせる。

 

「また着物の仕立てお願いね、エリカ。それじゃ、行ってくるね。」

 

そう言って最後に手を振り、私達はエリカのジムを後にした。

 

 

 

ーーーシロガネ山ーーー

 

 

グロウに乗った私達は、セキエイへの道の途中で道を逸れて山道に入る。

 

「さっきも言ったけど、シロガネ山は手強いポケモンがたくさん生息しているから、普通のトレーナーはほとんど足を踏み入れないの。」

「そんなに危ないの?」

「ええ。普段から人を見慣れてないポケモン達がいる場所だからね、気の短いポケモンが相手なら問答無用で襲いかかってくるわよ?自分の縄張りに!ってね。」

「なるほど。それが群れを作ってるから、さらに危ないと。」

「そうそう。それに、シロガネ山は気温が低いからよく雪が降ってるのよ。怪我をして動けなくなったら、助けが来る前に凍死しちゃうかもしれないしね。」

 

そう言われると、少し肌寒いような気がする。ポケモンだけじゃなくて、環境にも気を付けないといけないのか。

 

「さて、それじゃあたしはこの辺りで戻りましょうか。」

「分かった。案内ありがとね。」

「いいのよ。それより、早く治しなさいよ?怪我が治ったら、また手伝ってもらうんだから。」

「あはは。うん、その時は任せておいて。」

 

そしてブルーはカメちゃんを出してその背中に乗ると、じゃあね、と手を振って飛んで行った。

 

「それじゃ、みんなよろしく!」

 

私はかぷちーとミスタをボールから出しておく。

きららは・・・、まだお休み中かな?

ワタルとの戦いでエネルギーを使いきったみたいで、ボールの中で眠ってる。

 

「きららがいなくても大丈夫・・・だといいけど。」

「ーーー」

「分かった、分かった。そんなに急かさないでよ。」

 

ミスタが待ちきれないとばかりに訴えてくる。

いやまあ、ミスタの性格だとそうなるよね。

 

 

「それじゃ、秘湯を探す山登りに出発だね!」

 

 

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