ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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43話

 

 

 

 

ーーーー1年後ーーーー

 

 

腕の療養の為にシロガネ山に通いながら、カントーの復興の手伝いをしていたら、いつの間にか1年が過ぎた。

その間に、レッドはジムリーダー試験に向けて勉強したりトレーニングに励んだり。

グリーンはよく知らないけど、どこかで修行とか言ってレッドに差をつけられないようにトレーニングをしてそう。

ブルーは、ワタルと西に飛んでいったポケモンについて調ながら、なにかやってたみたい。おかげで、電話だけで顔を合わせる事はなかった。

それに、手伝おうと思っても・・・。

 

「大丈夫よ。今回は協力者が他にもいるから。」

 

ってあまり詳しく教えてくれなかったし。

まぁ、そのお陰で右手は完治したかな。

 

右腕を伸ばして、手を握ったり開いたりする。・・・うん、問題ないね。

 

「さて、それじゃ私はどうしようか。カントーの復興も概ね終わったし・・・。仮面の男を探しにジョウトに向かおうかな。あの後、大型のポケモンも西に飛んで行ったらしいし。」

 

とりあえず右腕は治ったしね。温泉の横で身だしなみを整える。

 

「髪よし、着物よし、ミスタよし。」

 

一通りチェックした後、ミスタが居るかも確認しておく。

ミスタは温泉にプカプカと浮いていた。

シロガネ山にくると、すぐに野生のポケモンに向かって飛び出して行っちゃうから今日は大人しくしててくれて助かったよ。

もしかしたら、今日でシロガネ山に通うのは最後になるって気づいてたのかな?

だからか、いつも付いていくかぷちーとグロウもボールの中。

 

『つぎは、じょうとにいくの?』

「うん。とりあえず、仮面の男と鳥ポケモンを追おうかなって。」

 

きららは私の護衛ってことで、ボールから出てずっとそばにいてくれた。

まぁ、野生のポケモンに襲われることはなかったんだけどね。

・・・多分ミスタが好き勝手に暴れてたからだと思うけど。

ここのポケモン達に警戒されてたんだろうなぁ・・・。

 

「一応、ブルーにも連絡しておこうか。何か他にも変わったことがあるかもしれないし。」

 

私はポケギアを取り出しブルーに電話をかけると、ブルーはすぐに電話に出た。

 

『もしもし、マシロ?腕の調子はどう?』

「おかげさまで、もう大丈夫だよ。」

『そう、それはよかったわ。それで、今日も手伝いをしてくれるって話?』

「そうそう。とりあえず、私もジョウトに向かおうかなって。それで一応連絡してみたんだ。」

『完治したなら、もう少しゆっくりしてても良いと思うんだけど?』

「1年ぐらいゆっくりしたから大丈夫だよ。」

『そう言いながら、あなた復興の手伝いをしてたじゃないの。』

「・・・なんで知ってるの?」

『あたしの情報網、甘く見ないでよね。』

「ブルーに隠し事はできないなぁ・・・。」

 

ブルーとは通話だけで、顔を合わせてはないはずなんだけどな。

そういえば、ブルーは何してたんだろうか?

レッドとは、たまに会ったけど。

・・・ん?そう言えば。

 

「ところでレッドって今、元気?」

『最近会ってないけど、殺しても死なないような奴だから、元気なんじゃないの?急にどうしたの?』

「いや、レッドって氷づけになってたけどなんともないのかなって思って。」

『ハァ?氷づけってどういうこと?』

「あれ、ブルーは知らなかったっけ?四天王に襲われてたとき、行方不明になってた間、氷づけになってたんだよ。」

『・・・成る程。だからなんともないのかって聞いてきたのね。あいつ、ポケギア持ってないからグリーンにでも聞いてみるわ。マシロと同じ症状がでてるなら、シロガネ山の事も話しておく。』

「ありがと。何ともないならそれで良いんだけどね。それじゃ、私はそろそろ行こうかな。」

 

そう言って電話を切ろうと思ったら、ブルーから待ったをかけられる。

 

『あ、ちょっと待って。それならもうひとつ頼まれてもらえる?』

「いいけど、何かあったの?」

『半年ぐらい前から、あたしの協力者と連絡がとれなくなっててね。その協力者も一緒に探してほしいのよ。シルバーって男の子なんだけど。』

 

ふーん、男の子ね。私の知らない名前が出てきたなぁ。

 

「そのシルバーって子と、どんな関係なの?」

『ただの協力者・・・と言いたい所なんだけど、鳥ポケモンに連れ去られた先で出会った子でね。あたしが年上だったから、義理の弟って感じかしら?』

 

そっか、ブルーと同じ境遇の子なんだ。それなら、連絡が取れなくなると不安にもなるよね。

 

「オッケー、シルバーね。容姿はどんな感じ?」

『容姿は・・・って、説明するよりは写真を見た方が分かりやすいわよね。後で送るから、確認しておいて。』

「分かった。シルバーの事も、飛び立ったポケモンの事も、仮面の男も全部引っくるめて追いかけてみるよ。」

『とりあえず、シルバーの事を最優先で良いわよ。その次に仮面の男で、鳥ポケモンはついでに、ぐらいの感じでよろしく。』

「うん。結局スオウ島ではあんまり役に立たなかったしね。次は頑張るよ。」

『そんなことないわよ。だから、あなたまで連絡が取れなくなるなんて事にならないでね。』

「分かった。それじゃね。」

 

ピッ、と通話を切ると、私の背中に声がかかった。

 

「行くのか。」

 

温泉に浸かって背中を向けたまま、ナツメが話しかけてきた。

 

「うん。腕も治ったし、もうここにいる理由はないしね。ナツメはのんびりしなよ。」

「ああ、そうさせてもらう。まぁ、私の方ももうすぐ完治しそうだがな。」

 

そう言うと、一呼吸入れて続ける。

 

「・・・それよりも。1つだけ忠告だ。」

「忠告?ナツメがそんな事を言うのは珍しいね。」

「なんだかんだ、ここで長い付き合いになったからな。」

「確かにね。・・・それで?」

 

少し苦笑いしながら、話の続きを促す。

 

「マシロ。お前のその割りきった性格は、お前が一緒にいる図鑑所有者や、正義のジムリーダーと言われる者達の側ではない。どちらかと言うと私達、悪の組織と呼ばれる側のスタンスだ。」

「・・・だから?」

「状況次第でこちら側に転がり込んでくるようなことになりかねん。せいぜい、こちら側に来ないように気を付ける事だ。・・・個人的には大歓迎だがな。」

 

ナツメはそれ以上言うことはないと言うように、黙りこんだ。

 

「・・・そうならないように、気を付けるよ。」

 

小さく呟くように返す。

若干、自覚はあるしね。もし、さらわれたブルーを助ける為の手段があったらロケット団にだって入ってただろうし。

 

『んー、むずかしいはなしはおわった?』

「終わったよ。ミスタも待たせちゃったね。それじゃ、行こうか。」

 

私はミスタに乗ってシロガネ山を後にすると、ポケギアを取り出した。

 

『またでんわー?』

「うん。とりあえず、ジョウトの事を聞いておこうと思ってね。」

 

そう言って、ポケギアを操作する。

呼び出すのは私の数少ない、友達の1人。

・・・最近はいろんな人と知り合ったけど、友達って呼べる人は増えてない気がするなぁ。

 

『もしもし、マシロですか?お久しぶりです!』

「あ、ミカン?久しぶり、元気だった?」

『はい。わたしの方は元気ですよ。マシロの方は色々と大変だったみたいですね。』

「あー、やっぱりジョウトの方でも有名になってるんだ・・・。」

『そうですね。町が襲撃されたけど、それを阻止したのが図鑑所有者の少年少女達だって。』

 

ロケット団が関わってるのは伏せられたってことかな?

まぁ、悪の組織に助けられたって言うより、オーキド博士に認められた子供達に救われたって言う方が、世間的にも評判的にも良いか。

・・・そう言えば、博士が新型のポケモン図鑑を作ったって言ってたっけ。博士にデータ収集を手伝ってくれんか?って言われたけど、要らないって突き返したらしょんぼりしてた。

 

「概ねそんな感じだよ。まぁ、復興もほとんど終わってるからもう心配は要らないかな?」

『概ね、って言うことはマシロも関わってたんですね。カントーに戻ったタイミングからして、何かしら関与しているとは思いましたけど。』

「少しだけね。1番頑張ったのは図鑑所有者だから、ミカンが聞いた話で間違ってないよ。それより、1年ぐらい療養でジョウトに行けなかったけど、その間に変わったことはない?」

『変わったこと、ですか。それなら1つだけありますけど・・・。』

 

お、あるんだ。前みたいに手がかりなしで探す事にならなくてすみそう。

 

「それ、教えてくれない?」

『その前に、療養って何があったんですか?』

 

ミカンのトーンが少しだけ下がる。あ、口が滑った。

 

「大丈夫大丈夫。もう完治したから。」

『完治ってことは、怪我してたってことですよね?』

 

さらに墓穴を掘ったかもしれない。

 

「あ、えっと、はい。怪我してました。」

『ハァ・・・。だから1年ぐらい連絡がなかったんですね。』

「ゴメンナサイ。」

『まぁ、完治してるならよかったです。元気そうな声を聞けて安心しました。』

 

電話の向こうでホッとする声が聞こえる。

心配をかけないようにって連絡しなかったけど、余計に心配をかけちゃったかな。

 

「それで、今ジョウトに向かってるんだけどお邪魔してもいいかな?さっき言ってた変わったことも聞きたいし。」

『うーん・・・。今回も船ですか?』

「ううん。今回はポケモンに乗って向かってるよ。何か問題?」

『いえ。さっき育て屋のおじいちゃんから、わたしが預けてたポケモンが持ってたタマゴがかえったって電話があって。』

「タマゴって、ポケモンの?」

『はい。かえるまでは本当にポケモンのタマゴかはわからなかったけど、中からポケモンが出てきたって。』

「へぇ~、タマゴからかえったばかりのポケモンねぇ。」

 

博士が聞いたら飛んでいきそうな話だね。

 

『それで、今からコガネシティの外れにある育て屋さんの所に行くところだったんで、空路ならちょうどよかったです。そのまま育て屋さんの所で落ち合いませんか?』

 

どうやら、ミカンの方でも用事があったみたい。アサギまで行くよりも近いし、こちらとしても助かるね。

 

「いいよ。コガネシティの外れだね。多分、私の方が先に着くと思うから待ってるよ。」

『わかりました。それなら、育て屋さんの方には私から話しておきますね。わたしもすぐに向かいます。』

 

通話を切ると、すぐにミスタに声をかける。

 

「アサギシティに行くつもりだったけど、予定変更。コガネシティに向かってくれる?」

「ーーーー」

 

ミスタは聞き慣れた電子音で返事を返す。そして。

 

『れっつごー!』

 

と、きららの掛け声とともに育て屋さんに向かった。

 

 

 

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