ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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48話

 

 

 

シルバーにポケギアを渡す。

その後、ポケギアの向こうにいるブルーと話すシルバーを尻目に、私は皆の様子を見る。

 

「みんな、お疲れ様。かぷちーとグロウは、元気そうだね。まぁ、四天王と比べたら大したことないか。・・・バンギラスが出てきたときは驚いたけど。きららも、ありがと。お陰で町に被害が出なかったよ。」

『ふふーん、どんなもんだー!』

 

そう言ってきららは胸をはった。

 

「ふふ、ホントにありがとね。」

 

バンギラスとは、シロガネ山で戦ったことがあるけど、その時は周りが酷いことになったからねぇ・・・。暴れる前に止められて良かったよ。

らきららにお礼を言っていると、何故かしおらしくなったゴールドが近づいてきた。

 

「あんた、強かったんだな。」

「まぁ、ゴールド達よりは強いかな。」

「ぐっ・・・。いちいち癪に障るが、言い返せねぇ。」

 

拳を握りしめてプルプルと震えている。

 

「だから、認めてやるよ。マシロの事を。」

「認めるって、何を?」

「だあぁぁ!お前の方が強いってことだよ!察しろよ!」

 

妙に素直になってるから、少しだけからかってみるとプイっと顔を背けた。照れてるのかな?

 

「あはははは。じゃ、改めてよろしくねゴールド?」

「あぁ。・・・ったく、調子狂うぜ。生まれて11年、ここまで相性の悪いやつは初めてだぜ・・・。」

「そうなの?なら私は14年だね。」

「年上ぇ!?」

 

ゴールドが驚いて飛び上がっていた。

まぁ、私の方が身長は小さいしね。多分、イエローと同じぐらいだし。

・・・いやまぁ、もしかしたらイエローより小さいかもだけど。

 

「ごほん・・・。あー・・・、えっと・・・、いろいろすいませんっした。」

 

そう言って頭を下げる。

調子に乗りやすいけどその反面、ずいぶん素直なんだなぁ。

そう思うとまた笑いがこみ上げる。

 

「なん・・・っ!すか・・・?」

「あははっっ!いいよ、いつも通りで。やりにくくて笑いが・・・!フフフ・・・。」

「くそっ・・・!マジであんたとは相性が悪そうだよっ!!」

 

お腹を抱えて笑っていると、またしても拗ねたようにそっぽを向いてしまった。

でも仕方ないじゃん。年上だと分かると、急に態度が変わるんだもん。そりゃ、笑うって。

 

「でも、マシロのポケモンこの辺りじゃ見かけないやつばかりだな。スターミーは分かるが、他のやつはさっぱりだぜ。」

 

私の後ろでペタんと仰向けになっているミスタに視線を向け、その後かぷちー達の前に屈む。

 

「かぷちーもグロウも、ホウエン地方で出会ったから、ジョウトでは珍しいかも。きららはもっと珍しいみたいだけどね。」

「もっと珍しい?」

 

かぷちー達に、ヨッと片手を上げて挨拶をしていたが、珍しいと聞いてこっちに顔を向ける。

 

「うん。きららは1000年に1度、1週間だけ目覚める、ジラーチってポケモンなんだって。ちなみに、かぷちーはクチートって種類のポケモンで、グロウはメタングって種類のポケモン。」

「はえぇ~~。1000年って、途方もねえなぁ・・・。」

「まぁ、そうは言っても9年ぐらいずっと一緒にいるんだけど。ね、きらら。」

『ねっ!』

「なら、1000年ってのはただの噂とかじゃねぇの?・・・しっかし、9年も一緒にいるからか、仲がいいんだな。本当に話してるみたいだぜ。オレも生まれたときから一緒だが、何を言ってるかは、何となくしか分かんねーからな。」

 

生まれたときから一緒、か。

私は病気だったから、ポケモンと一緒に暮らすこともできなかったけど、生まれたときから一緒っていうのは少しだけ羨ましいね。

ま、代わりといったら変だけど、きららとは実際に話してるんだけど。

 

「おい。」

 

そう思っていると、シルバーの声と同時にポケギアが飛んできた。

笑いをこらえていたせいで、受け取りそこねたポケギアは私の額にコツンとぶつかると、地面に落ちた。

 

「いたっ!・・・ちょっと、投げないでくれる?ブルーから貰ったものなんだから。」

 

文句を言いながらポケギアを拾う。

画面を見ると、・・・うん。まだ通話は続いてるね。

 

「話は終わった?」

『ええ。ありがと、手間かけさせたわね。』

「いいよいいよ。初日から問題が1つ解決したし。」

『・・・そのせいでロケット団を取り逃がしちゃったけどね。』

「そっちはまた追いかけるよ。」

『悪いわね。・・・あたしがさっさと克服できたらいいんだけどね。』

「克服?」

『さっき言ったでしょ?こっちの話って。あたしの恥をさらすみたいであんまり言いたくなかったんだけどね。』

「言いたくないなら、言わなくていいんじゃないの?」

『マシロ達が頑張ってるのに、あたしの事を話さないのは不公平でしょ。』

「別に気にしないけどなぁ。」

『気にしなさい!』

 

何故か怒られた。理不尽だ。

 

『・・・実は、あれから鳥恐怖症を克服しようとしてるんだけど、うまくいかなくてね。』

 

ブルーに言われてポケモンリーグでの出来事を思い出す。

そういやあのとき、鳥ポケモンと対峙しただけで動けなくなってたっけ。確かにそんなんじゃ、鳥ポケモンを操ろうとしている相手に、表だって立ち向かえないよね。

だから、四天王の時も今回も裏で動いてたんだ。

 

「鳥ポケモンは、私が何とかするよ。だから、無理はしないでよ?」

『それだとマシロが無茶をするでしょ?』

「そんな事ないよ?」

『そんな事あったでしょ。腕の事もう忘れたの?』

「いや、あれは無茶じゃないし。」

『なんですって?』

「なんでもないです・・・。」

 

何故かまた私が怒られた。理不尽だ。

 

『そんな訳で、もう少しあなた達で頑張って。あたしも頑張るから。』

「のんびりしててよ。ブルーに頑張らせるぐらいなら、私が全部片付けるから。」

『そういうところよ!・・・はぁ、マシロはいくら言っても聞かないんだから。』

「聞いてる聞いてる。」

『いや、聞いてないでしょ・・・。ま、そういう訳だから、仮面の男も含めてシルバーの事も頼むわね。』

「分かった。任せといて。」

 

こっちでブルーと話している間、ゴールドとシルバーも話をしていた。

 

「次は決着をつけようぜ。」

「ふん。マシロに借りを返すのが先だ。」

「へっ、そうだな。それより、お前は塔で何をやってたんだ?」

「・・・このエンジュの事件は、ホウオウを呼び込もうとするロケット団の計画の1部だ。スズの塔を破壊することで、ホウオウの帰巣本能に訴えることが出来るか、のな。」

「やつらがやっていたことは分かったが、お前の目的はなんなんだよ?」

「・・・言うなれば、やつらを潰すことだ。それとは別にホウオウには因縁があるがな。その因縁を絶ちきるためなら、オレは手段を選ばない。たとえ、非合法と責められようとな。」

 

そして、話が終わったと思ったら、シルバーは駆け出して行ってしまった。

私はポケギアの通信を切ると、シルバーの背中を見送る私とゴールド。

 

「ホウオウに、ロケット団か・・・。相手がなんであれ、1人で戦う必要はねえんじゃねえかなぁ。マシロはどう思う?」

「それはそうだと思うけど、行っちゃったよ?」

「行き先は多分、いかりの湖だからすぐ追い付ける。それより、マシロに頼みがある。」

「ん?」

「マシロも一緒に戦ってくれ!さっきまでさんざん生意気な口を利いて、図々しいのは百も承知だが、マシロの腕を見込んでの事だ!あいつを、シルバーを1人で戦わせる訳にはいかねぇ・・・!」

 

そう言って、綺麗な土下座を披露するゴールド。

 

「なんでシルバーの為にそこまでするの?」

「・・・うまく言えねぇけど、なんかほっとけないんだよな。何故か自分が戦わねぇと、って感じで。多分、今まで他人に頼ることなく生きてきたんじゃねぇかな・・・?」

 

確かに、ブルーと同じでホウオウに連れ去られたのなら、生きていくのに苦労したはず。

 

「それに・・・。さっきあんたがロケット団の連中と話してた時に聞こえたんだ、仮面の男って。」

「・・・!!知ってるの!?」

「・・・ああ。ウバメの森でやつと戦ったけど、まるで歯が立たなかった。さっきのマシロの時みたいに。悔しいが、今のオレとシルバーじゃあいつには勝てないかもしれない。だけど、マシロの力を借りればきっとあの男にも勝てる!」

 

ゴールドが歯が立たなかったって事は、仮面の男は結構強いのかも。

さっき戦った感じだと、ゴールド達もそんなに弱くはないし、ロケット団のしたっぱは、難なく蹴散らしてたしね。

 

「とりあえず、立ってよ。・・・私も、シルバーの事はサポートするつもりだったし、そんな事しなくても手を貸すよ。」

「そうか!ありがとな!」

 

立ち上がると、私の手を取って上下に振り回す。

ゴールドって、良くも悪くも素直で真っ直ぐだなぁ・・・。

 

「落ち着いてよ。」

 

とりあえず、振り回すのを止めさせる。

 

「あ、すまねぇ。」

「とりあえず、ゴールドはシルバーを追って。」

「マシロは?」

「私達の最初の目的を忘れたの?ミカンが先に避難所に行ってるから、様子を見てくるよ。その後は少しだけエンジュの復興を手伝おうかな。さっき追加で暴れちゃったし。だから、しばらくは合流出来そうにないかな。その間シルバーのことよろしくね。」

「そういやそうだったな。一応、ポケギアの番号を登録して、と。それじゃ、その子によろしく言っといてくれ。」

 

互いにポケギアの番号を登録すると、シルバーを追ってゴールドも駆け出した。

 

「待ってろよシルバー。オレ達も一緒にたたかうぜ!」

 

叫びながら走るゴールドを見送る。

 

「ふぅ・・・。なんか、途中から調子が狂わされっぱなしだったなぁ。」

 

バトルに勝って認められたと思ったら、年上だと知って口調がおかしくなるわ、あげくの果てには土下座までされちゃったし。

 

「ホントに、ゴールドとは相性が悪そうだ。」

『でも、うれしそうだよ?』

 

でも私の顔は緩んでいたようで、きららに嬉しそうって言われる。

 

「まぁ、悪いことも悪くない・・・かな?」

『んー?わかんなーい!』

「あはは、わかんないかー。」

『むー!』

 

きららが頬を膨らませると、抗議するかのように私の頭の上に乗る。

 

「それじゃ、ミカンの様子を見に行こうか。」

『わかんなーい!』

 

きららの羽衣に背中をばしばしされながら、ミカンのいる避難所に歩き出した。

 

 

 

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