教える前に、ゴールドとシルバーのポケモンを一通り見せてもらった。
ゴールドは、マグマラシ、エイパム、ウソッキー、ヒマナッツ、ニョロトノ、トゲピー。
シルバーは、アリゲイツ、ニューラ、ヤミカラス、リングマ、キングドラ、バンギラス。
らしいと言うべきなのか。
発展途上のゴールドの対して、シルバーはもう完成してる感じ。流石はブルーの義弟ってとこだね。
その時「ギャラドスは、はぐれたのか・・・。」ってシルバーが呟いてたけど、なんの事だろう?
とりあえずシルバーは基礎ができてそうだから、ひたすらグロウとミスタと殴りあってもらおう。ひたすら強い相手と戦ってたら、自分より強い相手との戦い方を掴んでくれる・・・はず。
「シルバーの方は、グロウとミスタが相手だね。最終的にはグロウの守りを崩せるか、ミスタの火力を越えられる事が目標だね。」
「了解した。」
「それじゃ、ミスタ、グロウ、お願いね。」
そう言うと、ミスタとグロウはシルバーと一緒に洞窟の奥に進んでいった。
確かに、ここで2組のトレーナーが特訓するには狭い、か。
で、問題ゴールドの方かな。ゴールドのポケモンって、シルバーと違って全体的に小さいんだよね。全員が進化してる訳じゃないし。
・・・ま、私が言えたことじゃないけど。きららもかぷちーもミスタも大きい方じゃないし、グロウもメタグロスに進化してないし。
「で、オレはどうすればいい?」
「そうだね・・・。ゴールドは基礎からだね。育てや夫婦の所でやってたみたいに戦い方を覚えていこうか。」
「うっす!」
「ゴールドのポケモンはシルバーみたいに育ってないから、基本的な能力の底上げと、後は小さい体なりの戦い方ってのを教えてあげる。」
「小さいなりの戦い方・・・?」
「そ。例えば、かぷちー。」
私はかぷちーをボールから出すと、私と同じぐらいの岩を指差す。
「はたきおとす。」
「クチ!」
指示を出した瞬間かぷちーは飛び上がり、岩に対して大顎を叩きつけると、粉々に砕け散った。
「スゲー・・・。」
ゴールドの台詞に、かぷちーはえっへんと胸を張る。
「で、次はあれね。今度はつるぎのまいからはたきおとす。」
次に指差したのは、バンギラスぐらいの大きさの岩。
かぷちーは踊るようにステップを刻むと大きく飛び上がり、その岩に大顎を振り下ろす。
ドカァンと、さっきとは違う大きな音と共に岩が砕け散り、大顎が地面にめり込んだ。
「おおぅ・・・。」
「まぁ、こんな感じだね。小さくっても工夫すれば大きい相手だって倒せるんだよ。」
「いや・・・。あんたの場合、工夫なんていらないんじゃ・・・。」
何故か驚いたような、あきれたような顔をしている。
「いやいや、そんなことはないよ。それより今はゴールドの話ね。とりあえず、レベルを上げつつ戦い方を考えていこうか。かぷちー、ゴールドの相手お願いね。」
「チー!」
ゴールドの相手は、かぷちーにお願いした。
体が小さいかぷちーの戦い方から、何か掴んでくれるといいな。
ーーーーーあれから1週間ーーーーー
私は岩に腰掛け、きららと話ていた。
「教えたことなんてないから、最初はどうなることかと思ったけど・・・。意外となんとかなるもんだねぇ。」
『だねぇ。』
私ときららの前では、ゴールドとシルバーが戦っていた。
「ニューラ、いわくだき!」
「エーたろう、こうそくいどう!」
ニューラのいわくだきをこうそくいどうで避け、ニューラの爪が地面を抉る。
「追え、でんこうせっか!」
「かげぶんしんだ!」
エイパムのエーたろうの背中に追い付いたと思ったら、次は多数の残像でかわすと、お返しとばかりに多数の分身がニューラを取り囲んだ。
「本体がどれか分かるか?今度はこっちの番だ!みだれひっかき!」
「ちっ!ふぶきだ!」
取り囲んだエーたろうがニューラに飛びかかる瞬間、ニューラから冷気が迸り、周囲の残像を消し飛ばしていく。
「これじゃ、近づけねぇ。・・・なら、エーたろう!」
ふぶきが放たれた時、瞬時に下がってエーたろうはゴールドの声に合わせてバトンを作り出すと、ゴールドに向かって放り投げる。
「タッチだ、ウーたろう!」
それを、新しく出てきたウソッキーのウーたろうがバトンを受けとる。そして・・・。
「ふぶきを貫け、ばくれつパンチ!」
高速の拳がふぶきを貫くと、ニューラを吹き飛ばし壁に叩きつけた。
「ニューラ!?」
壁に叩きつけられたニューラは目を回していた。
「へっ!オレの勝ちだな!」
「・・・そのようだな。」
シルバーはゴールドの声に頷くと、静かにニューラをボールに戻した。
「っても、1勝6敗でようやく初勝利だ。まだまだ仮面の男には届かねぇか。」
「それでも、最初に比べたら大分マシになったんじゃない?」
「お、やっぱり?オレもそう思ってたんだよな!」
ウーたろうとハイタッチしている所に声をかけながら歩いていくと、嬉しそうにこっちに振り返った。
ま、6連敗からの1勝は嬉しいか。
目が覚めてから1週間。1日1回、2人には勝負してもらってる。最初はシルバーに押されっぱなしだったけど、今日ようやく白星を勝ち取った。
「シルバーもお疲れ様。」
「気にするな。オレ自身、仮面の男に敗北した以上もっと力をつける必要がある。」
「確かに今の2人でなら、仮面の男が相手でもいい戦いはできそう。」
「2人で、か。それに、勝てるとは言わないんだな。」
「勝てる・・・かも・・・?」
「ちぇっ、疑問系かよ。取って付けたように言いやがって。」
「気休めを言って、返り討ちにあっても困るからね。」
ま、それでも2人の成長具合を見るにそろそろ私がついてなくてもいいかな?
「それじゃ、そろそろ私は仮面の男を追いかけるから、特訓は2人でやってね。ゴールドの実力もシルバーに並んできてるし、今なら問題ないでしょ。」
最初は実力に差があったから個別でやってたけど、今のなら実力も並んできてるし2人で特訓した方が効率は良さそう。
「うへぇ・・・。こんなところで、シルバーと2人っきりかよ。」
「仮面の男を追うと言っても、手がかりはあるのか?」
文句を言うゴールドと、疑問を口にするシルバー。やっぱり対称的だなぁ・・・。
「とりあえず、全部のジムを回ってくるよ。ジムのチャレンジャーなら、門前払いなんて事はそうそうないと思うし。とりあえず、全部のジムを回るまではここで大人しくしてて。」
「了解した。」
「早くしてくれよ?」
「努力はするよ。」
そう言うと、今度は隣のきららに声をかける。
「きらら、私がいない間2人のことお願いしていい?」
『えー?おるすばん?』
「うん。大丈夫だとは思うけど、一応ね。きららがいればなんとかなるでしょ?」
『むー・・・。わかったー。おみやげわすれないでよー?』
「はいはい、分かった。」
不服そうだけど、仕方ない。きらら以外だと最悪の場合、仮面の男が現れたときに負けるかもしれないし。
その点、きららがいればどうとでもなる。
「ミスタ、出番だよ!」
私はミスタをボールから出し、その背に飛び乗る。
「まずはタンバジムから!」
さて、ミスタの好きな道場破りだ。