ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

57 / 95
57話

 

エンジュを通り過ぎてコガネシティにやってきた。

ここにはラジオ塔やカジノ等、多種多様な建物が入り交じり、ジョウトでは1番大きい町だと言われている。

まぁ、ラジオもカジノもあまり興味はないしジムに行こう。

周りの建物には目もくれずに、私はジムに入っていった。

 

そして・・・。

 

「ふぅ、大した事なかったね。」

 

ジムから出る私の手には、キラリと光るレギュラーバッジが握られている。

コガネジムのジムリーダーはアカネという女の子。コガネ弁でまくしたてるのが特徴。世間ではダイナマイトプリティギャルって呼ばれてるらしい。・・・悪口かな?

 

そんなアカネの繰り出すミルタンク相手にグロウで殴り合ってあっさり勝利。あまり疲れてないとはいえ、移動やらジム戦やらグロウには頑張ってもらってるから、今日はそろそろ休んで明日ヒワダジムに向かおう。

 

アカネ

ギャルって呼ばれるだけあって、うるさい人だった。性格的にも強さ的にも仮面の男ではなさそう。多分ジョウト地方ジムリーダー最弱。

 

 

ーーーーーーーー

 

次の日、早速ヒワダジムに向かうとジムの前でバッタリとジムリーダーのツクシと遭遇した。

 

「あれ?もしかして、ジムリーダーのツクシ?」

「そうですけど、あなたは?」

「マシロ。ちょうどジムに挑戦しようかと思って来たんだけど、すれ違わなくて良かったよ。」

「ふぅ・・・。さっきも、アルフの遺跡で透き通った四足歩行の大型ポケモンに挑まれたんだけど、今日はそういう日なのかな・・・。いいよ、少しだけ待っててくれるかな?」

「分かった。」

「ありがとう。アルフの遺跡ではこの前もロケット団に襲われたし、あそこには何があるんだろうか・・・。」

 

なにやらブツブツと呟きながらジムの中に入っていく。

透き通った四足歩行の大型ポケモンってスイクンじゃないの?また違う人の腕試しをしてたんだ。そのうち全部のジムを制覇しそう。というかこれ、スイクンと移動ルート被ってない?もしかしたらまた会うんじゃ・・・。

 

「お待たせしました。中にどうぞ。」

「あ、は~い。」

 

声をかけられてジムの中に入る。

ヒワダジムではストライクとかぷちーが火花を散らし、無事にインセクトバッジを手に入れた。

 

それじゃ、この調子でキキョウシティに行こう。

 

 

ツクシ

女の子みたいな見た目だけど男。以前、ロケット団に襲われたことがあるらしいから、仮面の男の可能性は低そう。流石に部下に自分を襲わせるなんて間抜けなことはしないでしょ。

 

 

ーーーーーーーー

 

ヒワダシティを出た私はグロウ、じゃなくてミスタに乗ってキキョウシティに向かっていた。

と言うのも、スイクンとの戦いでボロボロにされたから、ジム戦はかぷちーとグロウにお願いしたんだけど、それが不服だったみたい。

だから、次は自分がやるんだってボールから出てきたと思ったら、私を乗せて意気揚々と次のジムに向かって飛び上がった。次のジム戦は譲らないって意気込みがひしひしと伝わってくるよ。

 

「元気になったのはいいけど、ミスタは相変わらずだねぇ・・・。しかし、ジムリーダーって全員強いと思ってたけどそうでもないのかな?」

 

色んな所を旅してミスタは自分より強い相手に沢山出会った結果、きららに対しての執着は薄くなったけど、強者相手の戦いには貪欲になった気がする。

 

でも、ツクシは強かったけど、アカネは弱かったなぁ。相性の問題なのかもしれないけど。

でも、あれならレッドやグリーンの方が強いや。そんなことを考えていた時だった。

 

「ん?あれ、なんだろう?」

 

視線の先に2体のポケモンに追いかけられるエアームドとそれに乗ったトレーナーの姿。よく見てみると、追いかけいてるポケモンはスイクン以外の焼けた塔から飛び出した2体のポケモン。エンテイと・・・。そういや、もう1体は何て言うんだろう?

追いかけられている2人は真っ直ぐこっちに向かってくる。

 

「っ!そこの君、危ないから退いてくれ!」

「エンテイとライコウとの戦いに巻き込まれんぞ!」

 

2体のポケモンに追いかけられながら、目の前にいる私に叫び声を上げる。

あの黄色い方はライコウっていうんだ。

 

それより、エンテイ達もスイクンと同じで腕試しをしてるのかな?

それなら邪魔しちゃ悪いし、道を開けよう。

そう思ってミスタの背中に声をかける。

 

「ミスタ、道を開けよう?・・・ミスタ?」

 

しかし、ミスタはむしろエアームドに並んでいく。

 

いや、避けようって言ってるのに何で寄っていくの?

・・・もしかして、スイクンに勝てなかったからエンテイとライコウでリベンジしようとしてる?

 

「聞こえなかったのか?何故隣に並ぶんだ!?」

「いや、私もそうしようと思ったんだけどね・・・。」

 

エアームドに乗った青年が叫ぶが、ミスタはもうやる気だし、こうなると話を聞かないから仕方ないじゃん。

 

「2対2だと思ったけど、隣のおじさんはなにもしてなさそうで、実質2対1だよね?それなら片方は私達がもらっていいかな?それに、ほのおもかみなりも苦手でしょ?」

「このハヤト、確かにほのおもかみなりも苦手だが・・・。分かった。君の相棒はスターミーか、それならエンテイを頼む。」

「分かった。」

 

助けてくれたエンテイと戦うのは少しだけ気が引けるけどしょうがない。実際、ハヤトさんが言うように、ライコウとは相性が悪いしね。

 

・・・あれ、()()()

 

名前を聞いて、相手の姿をまじまじと見る。

青い髪で袴姿の青年。この人、最近就任したキキョウシティのジムリーダーじゃ・・・。

 

「・・・どうした?」

「いや、なんでもないよ。」

 

まぁ、後でいっか。それより今はエンテイと、ライコウだね。

話している間に、私達の両隣にエンテイとライコウが追いついている。上には雨雲が広がり、そこから激しい電撃が迸るとハヤトさんの乗ったエアームドを襲った。

 

「ぐああぁぁぁ!」

 

電撃を受けたハヤトさんは悲鳴を上げるが、次はエンテイが休むことなくだいもんじを放つ。

 

「ミスタ、ハイドロポンプ!」

 

だいもんじとハイドロポンプがぶつかり、互いに相殺し、一瞬エンテイと視線が交錯する。

ゴメンね、邪魔するつもりはなかったんだけど成り行きで。とりあえず、心の中で謝っておいた。

 

それより、ほのおでみずを相殺されたかぁ。すごい火力だね。

 

エンテイも相殺したのを見て、さっきよりも大きなエネルギーを溜め始め、エンテイから炎が吹き上がる。

シンプルに威力を上げて押し切ろうってとこかな。

それなら、メテオビームで・・・!と思ったとき。

 

「君!タイミングを合わせろ!」

 

ハヤトさんから声がかかる。そっちを見ると、ライコウもエネルギーを溜めている様でバチバチと帯電している。そんな中、エンテイとライコウの射線が重なるように私達に並ぶ。

 

これは、そういうことかな?

 

「オッケー。そっちもしくじらないでよ!」

 

そして、私達が並んだ直後エンテイとライコウから特大の炎と電撃が放たれる。

 

「今だ!」「今だよ!」

 

瞬間、私達はその場を飛び退き、私達のいた場所で炎と電撃がぶつかりあうと、激しい閃光を放ちながら互いに相殺した。

 

「よく気づいてくれたね。」

「たまたまだよ。」

「謙遜しなくてもいいさ。それより、さっきあれだけのエネルギーを使ったんだ。しばらくは技が打てまい。さあ、ボールに収まれ!」

 

ハヤトさんは2つのボールをエンテイとライコウに向かって投げる。

 

が、その2つのボールは乱入者のバブルこうせんによって受け止められた。

 

「なっ!スイクンだと!?」

 

スイクンが来たことによって、この場に焼けた塔から出てきた3体が勢ぞろいした。

 

「お、おい。流石に逃げようぜ!今のは惜しかったが、焼けた塔から出てきた3体が揃ったんだ、勝ち目はねぇ!」

「いや、スイクンまで現れたんだ。尚の事、諦めるわけにはいかない!名だたるジムリーダーでも力が及ばなかったスイクン、やつも捕獲する!行くぞ、エアームド!」

「まじかよ!」

 

ハヤトさんはエアームドの翼を硬質化させ、スイクンに向かっていく。

 

「受けてみろ、はがねのつばさ!」

 

スイクンの額の水晶とエアームドのはがねのつばさが激突し、ガキィンと鈍い音が鳴り響いた。

 

「嘘だろ、ヒビが!?」

 

おじさんの叫び声でエアームドの翼を見ると、ピキピキとヒビが入っていき、次の瞬間パリンと砕け散った。

あの水晶、はがねのつばさより硬いんだ。すごいね。

 

「まだだ!」

 

そう言うと、ハヤトさんは無造作にボールを周囲に投げ始める。

え、なんかめちゃくちゃだけど大丈夫?

 

「どこ投げてんだよ!」

「黙って見ていろ。」

 

しばらくすると、無造作に投げられたはずのボールが変な軌道を描きスイクンに向かっていく。

何をしたんだろう?・・1個ぐらいいいよね?

 

「ミスタ、れいとうビーム。」

 

ちょうど私の上を飛んでいたボールを撃ち落とすと、手を伸ばしてキャッチする。

 

「冷たっ。」

 

冷たさで危うく落としそうになりながら、凍りついたボールを観察すると、ボールの溝に何かが差し込まれている。これ、ブーメラン?

だから不規則な軌道でボールが飛ぶんだ。面白いね。

 

そんなボールがスイクンに向かって大量に飛んでいく。

 

「不規則に変化するボールの軌道、スイクンでも読み切れまい!」 

 

ハヤトさんの勝ち誇った声と同時にボールがスイクンに当たる瞬間。

エンテイの放った炎とライコウの電撃が、スイクンの周囲のボールをまとめて焼き払った。

 

「なにっ!?」

 

そして、エアームドの体がガクッと傾くと地上に向かって落下していく。羽が砕けたからか、バランスを取れなくなったエアームドが地上に落下していく。

 

「まずっ!グロウ、お願い!」

 

 

地上に真っ逆さまのエアームドをグロウが受け止めると、ゆっくり地上に降ろす。

その様子を確認すると、私も隣に降りる。

 

「ありがとう、助かったよ。」

「気にしないでよ。一緒に戦った仲でしょ。それにしても、色々惜しかったね。」

「そうでもないさ。結局、あの3体に決定打は一撃も入れられなかったんだ。力の差は歴然だった。」

 

そう言われれば、そうなのかな?

 

「だからさっさと逃げようって言ったんだ。」

 

それにしても、さっきから文句しか言わないこのおじさん。ハヤトさんとどんな関係なんだろう?

全然仲良さそうには見えないけど・・・。

 

「その人は・・・。」

 

と私が言いかけたとき、私達の前に3体のポケモンが降り立つ。そして・・・。

 

「さあ、次は君の番だ。」

 

ハヤトさんが静かに告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、私も戦うの?

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。