ミスタに乗った私は、バクたろうに乗ったゴールドとメガぴょんに乗ったクリスを伴い、セキエイ高原に向かう。
そういや、このメンバーはみんなニックネームをつけてるね。
ゴールドはたろう、クリスはぴょん。それに比べて、私はインスピレーションで決めてるからコンセプト的なものはない。
でも、たろうはゴールドの性格が出てると思うけど、ぴょんって真面目なクリスらしくない気がする。
「ねぇねぇ?ゴールドのつけてるニックネームのたろうはなんとなく分かるけど、クリスはなんでぴょんなの?」
「おぉ、マシロはこのニックネームの良さが分かるか!」
「わたしは結構はずかしいんだけど、ママがぴょんってつけてほしいって・・・。」
「そうなんだ。ってことはクリスのお母さんって可愛いものが好きなの?」
「そうですね、とても好きですよ・・・。」
何故か誇らしげなゴールドとは対象的に、クリスはげんなりしながら答える。
よっぽどはずかしいんだ、私はかわいいと思うけどね。
そんなことを話しているとクリスが思い出したかのように聞いてくる。
「ところで、シルバーのこと放っておいて良かったんですか?単独行動は危険なんじゃ・・・。」
「んー、多分大丈夫じゃないかな?今はジムリーダーに招集がかかって身動きが取りにくいだろうし・・・。それに、いつ帰ってくるか分からないホウオウのことを捕獲するのが目的なら、私達を気にする余裕はないと思う。」
「成る程、ちゃんと考えた結果大丈夫だと思ったんですね。」
私の言葉に納得するクリス。
「でも、少し意外でした。」
「なにが?」
「博士から荒事に強い人だと聞いていたので、てっきりゴールドみたいに物事を深く考えてない人かと。」
「あぁん?どういう意味だよ、クリス?」
「そのままの意味よ。」
そう言ってため息をつくクリス。そして、その様子を見てゴールドがまた文句を言って言い合いを始める。
しかし、博士は私の事をなんて説明したんだろう?今度会ったとき問い詰めないと。
プルルル。
そんなとき私のポケギアが鳴る。
えっと・・・、ブルーからだ。
「もしもし、ブルー?どうしたの?」
『どうしたの?じゃないわよ。さっき、博士からの電話、話の途中で切ったでしょ。』
「あー、それに関しては少々やむを得ない事情が・・・。」
『なによ?煮え切らないわねぇ・・・。』
いや、ブルーの義弟のせいなんだけどね。
『まぁ、いいわ。それより、さっき話せなかった仮面の男の目的についてあたしから話すわね。ジムリーダーのカスミがスイクンから直接聞いたから間違いないはずよ。』
「お、スイクンはちゃんとカスミに会えたんだ。良かった、良かった。」
『・・・マシロ、スイクンともなにかあったの?』
「少しね。」
『ホント毎回、いつの間にかしれっと騒動の中心にいるわね・・・。いや、あたしが頼んだ事なんだけど・・・。』
電話の向こうでため息をついている。
そう言われるとそんな気もしてくる不思議。何故だろう?
「腹減ったな、やきイモでも食うか。ほらよ、クリス。デブらない程度に控えめに食いな。」
「女の子にそんなこと言う!?」
そして、後ろではゴールドとクリスが言い合いをしている。初対面だったはずなのに仲良しだねぇ。
『話がそれたわね。ホウオウが9年前、各地の子供をさらっていったのは知ってるわね?目的は時の支配。その為の駒としてさらった子供を使うつもりだった。でも、ホウオウを使って悪事を働くのを許せないポケモン達がいた。』
「それって・・・。」
私の頭に浮かぶのは、やけた塔から飛び出した3体のポケモン。
『そう、ホウオウに命を救われたポケモン達。スイクン、エンテイ、ライコウの事よ。そして、仮面の男に戦いを挑んだ結果、ホウオウを解放する事には成功したけど、やけた塔に封印されてしまったそうよ。』
「そういうことね。だからエンテイは仮面の男に対してあんなに敵意を出してたんだ。」
『・・・仮面の男に会ったの?』
あ、そう言えば言ってなかったっけ。
あれから、2人を鍛えたりジムを回ったりしててすっかり忘れてたよ。
「仮面の下は氷の人形だったけどね。」
『そういう大事なことはちゃんと言いなさいよ!!』
大声で怒鳴られた。いや、今回ばかりは私が悪い。
「ごめんなさい・・・。」
『いや、そこまでしょんぼりしなくてもいいわよ・・・。あたしも怒鳴って悪かったわ。頼ってばっかりなのに、文句を言うのも筋違いよね。』
「ううん。仮面の男についてはちゃんと言うべきだった。ごめん。」
『もういいわよ。それより、話を戻すわね?』
「うん・・・。」
落ち込んでてもしょうがない、次は怒られないようにしないと。少しだけ目を閉じて深呼吸。
うん。切り替え完了!
『それで・・・。封印されたってことは、3体がかりでも仮面の男には勝てなかったってこと。だから、ジムリーダーを訪ね回って共に戦ってくれる人を探してたのよ。』
「それで、仮面の男と戦った事がある私にも会いに来たんだ。」
『あなたの所にも来たのね。あら?・・・それなら、なんでスイクンはカスミの所に?仮面の男と戦うなら、マシロが1番適任思うんだけど・・・。』
「あー、それは私が断ったからだね。その時は何の目的でジムリーダーを訪ね回ってるのか知らなかったから・・・。とりあえず戦った後、それぞれのタイプのエキスパートを紹介したんだ。」
『カスミの所にスイクンが行ったのは、あなたの差し金だったのね・・・。ん?
「うん。スイクンとエンテイとライコウ。それぞれカスミ、カツラさん、マチスを。」
『マチスって、元ロケット団幹部でしょ・・・?紹介してもよかったのかしら・・・?』
「でも、マチス以外心当たりがなくて、しょうがなく・・・。」
『まぁ、この話はいいわ。それで、この後あたしもセキエイ高原に向かうから。』
「ホント!?久々に会える!?」
『いえ、まだ正体が分かってない以上固まって動いても効率が悪いわ。会えるのは仮面の男を片付けてから、ね。』
「そっか~・・・。」
残念。久しぶりに会えると思ったのに。
『ま、頼りにしてるわよ、マシロ?』
「任せといてよ、ブルー。」
そう言って電話を切る。
さて、そろそろセキエイ高原だね。
「だいたいあなたは!」
「わかったわかったわるかったって!ったくしつけーなー!」
後ろは相変わらず賑やか。
仲良しだねぇ。
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セキエイ高原に着くと、入り口は人で一杯だった。
「うわぁ、人多すぎ・・・」
「なんだぁ?一般入場やら、選手受け付けやらややこしい。・・・よし、先に行くぜ!」
うんざりするほどの人混みに呟く私の隣で、ゴールドはバクたろうから飛び降りると、意気揚々とスケートボードに乗って建物に突撃していってしまった。
人混みであんなことされると凄い迷惑なんだけど、ああいうことはやめてくれないかなぁ・・・。
「ちょっと、ゴールド!?マシロさん、追いかけましょう。」
「そうだね。」
そう言って追いかけようとした時、ふと看板が目に入る。
『バッジを8つ集めた方はこちらで受け付けをお願いします。』
そう言えば、今回のポケモンリーグからバッジを集めた人は予選免除って言ってたっけ。前回のポケモンリーグだと、博士とか本選出場者は控え室が与えられてたっけ?
それなら表はクリス達に任せて、私は裏から見て回ろうかな。
「クリス、ゴールドのこと頼んでいい?」
「え?マシロさんはどうするんですか?」
「私は会場じゃなくて、選手側から探ってみるよ。ちょうどバッジは揃ってるし。」
「すごい・・・。」
持っているバッジを見せると、クリスが感心したような声を出す。
「すごくでしょー。と言っても、バッジはついでなんだけどね。」
「え、ついで・・・?」
今度は驚いた声と、何かすごいものを見たような顔をしてこちらを見る。
人を化け物みたいに見ないでくれないかなぁ・・・。
「クリス、オッケー?」
「ハッ・・・!分かりました、そういうことならゴールドの事は任せてください。」
ハッとしながらそう言うと、クリスはゴールドを追っていく。
さて、私は受け付けを終わらせないとね。
私は人混みを掻き分けて受付に進み始めた。
いや・・・。これ、体が小さい私にはしんどいんだけど・・・。