残党の繰り出すポケモン達を、かぷちー、グロウ、ミスタの3体がなぎ払う。
『ぼくは~?』
「きららは温存。」
『え~?』
「今は我慢してて。」
『はーい・・・。』
かぷちー達が戦っている中、きららは私と後ろで待機している。
と言うのも、仮面の男がルギアとホウオウの2体を従えているから。
どっちか片方だけなら消耗したきららでも勝てると思うんだけど、2体を相手にするならエネルギーは満タンでいきたい。
そう思いながらチラッと会場の方に視線を向けると、そこにはホウオウとルギアに立ち向かうスイクン、エンテイ、ライコウの姿。
そして、その背中にはカスミ、カツラさん、マチスが乗っている。
それぞれパートナーに選ばれたんだね、良かった。
・・・マチスは選ばれて良かったんだろうか?
「よそ見とは余裕ですね。」
「まぁ、それなりにね。」
軽口を叩いていると、かぷちーが戻ってくる。
戻ってきたかぷちーに回復アイテムを使うと、すぐにロケット団の放ったポケモン達に向かっていく。
「既に半数が戦闘不能ですか・・・。凄まじいですね。そっちのポケモンは参加しないのですか?」
「切り札だからね。残党程度にはもったいないよ。」
とは言っても、回復アイテムはさっきので最後なんだよね。
強がっていてもさすがに数が多いや。これでまだ半分なんだって。
アイテムはもうないし、これは温存とか言ってられないかもしれない。
そう考えていたとき、会場の方が静かになった為私とロケット団の男が会場の方に目を向ける。
「む・・・?あれは、水晶壁!」
そこには、水晶壁とそれに挟まれた仮面の男。そして、その男に歩み寄るマチス。
「あれでは、首領は動くことが出来ない!?」
ロケット団のの男が驚いてるが、私はむしろ危機感を抱いた。
「
届かないと分かっていても、叫んでしまう。
そして、私の声は届くことはなく自身の体を引きちぎった仮面の男はマチス共々、エンテイとライコウを吹き飛ばすとホウオウ達と共に飛び上がった。
スイクンは水晶壁の中で身動きが取れないみたいだし、仮面の男を止められる相手がいなくなった。
「不味っ・・・。このまま行かせる訳には・・・!」
「行かせませんよ!」
男の言葉に、周囲のポケモンが一斉に飛びかかってくる。
仕方ない、こうなったら温存なんて言ってられないかな!
「きらら、いける?」
『いけるよ!』
きららが周囲を一掃しようとしたときだった。
「その必要はない。」
「ここは任せて。」
私の前に2人の人影が現れると、周囲のポケモン達が見えない壁にぶつかった様に動きを止める。そして、ハガネールの尻尾がそれらをなぎ払った。
「今の、テレポートとバリアー・・・?。それにハガネールのアイアンテール・・・?」
「なかなか楽しそうな状況じゃないか。これに比べたらリニアなんて、ガラガラだったぞ?」
「そうね。でも、女の子1人にこれはひどいんじゃないかしら?」
「ナツメ!?それにミカンも!」
振り返ったのはジムリーダーのナツメとミカン。
「何故ジムリーダーがここに!?リニアに隔離したはず!」
「そんなもの、全て片付けた。」
「それで反転したリニアで戻ってきたけど、ナツメさんが変な気配がするって言うから、跳んできました。」
「助かったよ!ここ、任せてもいい?」
「いいだろう。こいつらには個人的に思う所もある。」
「2人とも、知り合いだったんですね。」
「まぁ、色々あってね。」
ナツメはロケット団で、戦った事がある。なんて言えないけど。
「かぷちー、グロウ、ミスタ!ここは2人に任せて仮面の男を追うよ!」
かぷちーはグロウに、私はミスタに飛び乗ると急いで仮面の男を追った。
それにしても、マチスがライコウと一緒に戦ってたりナツメが助けてくれたり。元ロケット団が味方として戦ってるのに驚きだね。もしかしたら、キョウもどこかで戦ってるのかもしれない。
いや、四天王の時もロケット団3幹部と共闘したって言ってたっけ・・・?私もサカキと共闘したなぁ。
最後は戦ったけど。
ーーーーーーーーーー
「ジムリーダーが来るとは、計算外ですね。」
「そう思うなら、せっかくのリニアだったんだ。もっと人を乗せておくべきだったな。」
「ジムリーダーを隔離するだけですから、囮となる数だけあればよかったんですよ。それに、首領はあなた達ジムリーダーよりマシロというトレーナーを警戒していました。その為に数を揃えたのですがね・・・。」
大げさに両手を広げて残っている残党達をアピールする。
「ふん。牙を失った獣共か。それに、悪趣味な仮面だ。」
「随分な言い方ですね、獣扱いですか・・・。」
「
そう言ってナツメはフッと笑う。
「そんな連中には、お仕置きが必要だな。」
「あの・・・、何の話でしょうか・・・?」
そんな中、ミカンだけは首を傾げていた。
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私は仮面の男を追いかけるために飛び上がると、下では水晶壁に取り残されたスイクンとカスミが見える。
なんか取り込み中みたいだけど、ゴメンね。今そっちに行くと見失いそうだから、自分で何とかしてね。
前を見ると少し遠くに見える仮面の男とホウオウ達の背中。
このままだと追いつけるか微妙な所かな?それならこっちから打って出ようか。ミカン達のお陰できららのエネルギーは十分だしね。
「きらら、一発やるよ!」
『おっけ〜!』
「メテオビーム!」
きららから放たれた閃光に、仮面の男が振り返る。
「ルギア、エアロブラスト!ホウオウ、せいなるほのお!」
そして、きららのメテオビームをルギアとホウオウの攻撃で相殺させる。
その間に、仮面の男の後ろまで追いつく。
「何故貴様がここにいる?足止めはどうした?」
「さぁね?今頃皆は寝てるかもね。」
「とぼけるのはやめてもらおう。ルギア、エアロブラスト!」
「グロウ、ひかりのカベ!」
ルギアの攻撃をグロウが受け止める。
が、エアロブラストを受けた瞬間、ひかりのかべは見る見るヒビだらけになる。
しかし、ヒビだらけになりながらもエアロブラストを受けきった。
「ほう、あれを受け止めるか。」
仮面の男が称賛の声を上げる。
「ヒビだらけで、ギリギリだけどね!・・・それより、変声機壊れてるよ、
「・・・ッッ!!」
一瞬だけ驚いた声を出すが、直ぐに平静さを取り戻すと。
「すでにバレていたか。それならこれはもう必要ないな。」
仮面とマントを脱ぎ捨てる。その下から現れたのは、郡の人形。そして、頭の部分に車椅子をはめ込み、そこに座った老人。
チョウジジムのジムリーダー、ヤナギだった。
「バレてなかったよ?カマかけただけ。」
「その割には驚いていない様子だが?確信はなかったが、それに足る理由があったんじゃないかのかね?」
「状況的に1番怪しかったから。実は、ジョウトのジムリーダーとは1人以外、全員に会ったことがあってね。それなのに、仮面の男の地声には聞き覚えがない・・・。ってことは、消去法で会ったことのないジムリーダー、ヤナギってことになるよね?」
「成る程・・・。やはり、貴様はもっと早く消しておくべきだった。」
ヤナギはチラッと視線を下に向けると、ウバメの森が見えてくる。
「だが、私のおしゃべりに付き合っていてもいいのか?そこまで知っているんだ、私の目的がウバメの森にあることは気づいているのだろう?」
「まぁね。でも、知っているんだから当然手は打ってあるよ。」
祠にはブルーとシルバーが向かってる。話してるだけで時間が稼げるなら楽だしね。
「ふむ・・・、お主は私の足止めで祠には別の誰かが向かっている。と言ったところか。」
「正解。よく分かったね?」
「なに、私も同じことを考えていたからさ。祠には先に部下を向かわせて、私はジムリーダー達の隔離し、貴様は残りの残党に足止めを任せた、ハズだったのだが・・・。所詮は残党か、使えない奴らだ。」
所詮は残党ってのは同意だけど、使ってた側の人間が言うセリフじゃないよね。
「だが、私にはルギアとホウオウがいる。残党とは違う、圧倒的な駒だが・・・。羽はもう確保した、こいつらはもう必要ない。」
そう言うと、ルギアとホウオウに視線を向ける。
「ルギア、ホウオウ、この場は任せたぞ。」
そう言って先に行くヤナギ。
いや、その2体を足止めに使うのはずるいでしょ!?
「行かせないよ!ミスタ、きらら、メテオビーム!」
追いついた時から力を溜めていたミスタと、きららが同時にメテオビームを放つ。
が、その間に割り込んだルギアとホウオウが翼を折りたたみ体で受け止めると、その間にヤナギの姿は森の中に消えていった。
「逃げられた・・・。」
でも、祠にはブルーが向かってるからなんとかしてくれるはず。ヤナギの手下も祠に向かってるらしいけど、シルバーもいるし大丈夫でしょ。
なら、私がホウオウとルギアを引き連れてブルー達の所に向かう訳にはいかないよね、ブルーは鳥恐怖症だし。
「となると、ここで倒すしかないか。」
目の前の鳥ポケモン達に目を向ける。
ルギアは多分スオウ島にいたやつで、ホウオウは9年前ブルーを攫った張本人、・・・人じゃないけど。
なんか、今までの縁が結び付いたみたいな感じだねぇ。
ま、邪魔するなら押し通るだけかな。特にホウオウには個人的な恨みがあるから、覚悟してよね?
「みんな、いくよ!」