ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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64話

 

「きららはホウオウをお願い、出来るだけ引き付けて!」

『わかった!』

「グロウ、かぷちー、ミスタと私でルギアの相手!」

「グォゥ!」

「チー!」

「ーーー」

 

皆は三者三様の返事を返すと、それぞれの相手に向かっていく。

 

「グロウ、ラスターカノン!ミスタ、10まんボルト!かぷちーはつるぎのまい!」

 

かぷちーはグロウの背中で舞を踊り、グロウからはラスターカノン、ミスタから10まんボルトが放たれルギアに向かっていく。

が、ルギアはそれを身を翻してかわすと、そのまま森の上を滑空する。

 

「やっぱり飛んでる相手はやりづらいね。翼をどうにかしないとまともに攻撃が当たらないかも。」

 

私は呟きながらルギアの背中を追う。

 

「なら、出来るだけ近づいて避けられない距離で戦うしかないかな?グロウ、かぷちー!」

 

私の声に合わせて、グロウがかぷちーを乗せたままルギアに接近する。

 

「バレットパンチ!」

 

そして、その背中にグロウがバレットパンチを叩き込む。が、ルギアは意に介す事なく飛び続ける。

はがねタイプは相性が悪いのか、はたまたルギアがタフなのか・・・。

 

「かぷちー、はたきおとす!」

 

ルギアの後ろにつけたままのグロウから飛び降り、かぷちーの大顎がルギアの背中に叩きつけられる。

すると、ルギアは苦しそうな叫び声をあげながら振り返ると翼を羽ばたかせてグロウとかぷちーを吹き飛ばした。

 

「かぜおこし・・・と言うより、ここまでの威力だとぼうふうだね。・・・ッッ、まずい、かぷちーが!」

 

吹き飛ばされたかぷちーがそのまま森に向かって一直線に落下していく。

 

「グロウ、かぷちーをお願い!」

 

グロウはかぷちーに向かって飛んで行くが、ルギアはグロウとかぷちーの方を向くと、大きく息を吸い込む。

 

あれは、ヤナギがエアロブラストって言ってた技かな?

でも、グロウもかぷちーもやらせない!

 

「ミスタ、準備はできてるよね?援護に行くよ!」

 

ミスタは直ぐにグロウとルギアの間に割り込む。それと同時に、森に突っ込みかけたかぷちーをグロウが受け止める。

そして、ルギアからエアロブラストが放たれた。

 

「メテオビーム!」

 

それを迎え撃つミスタのメテオビームがエアロブラストとぶつかり合い、私達の間で爆発をおこす。その爆風に煽られたミスタと私はその場から吹き飛ばされる。

 

「きゃっっっ!!」

 

振り落とされないように私はミスタにしがみつく。

が、ルギアは爆風をものともせずにそのままグロウ達を追いかけ、エアロブラストを乱射する。

グロウは右に左にと動き、エアロブラストを回避し、外れたエアロブラストが森を穿っていく。

 

「まずい、後ろを取られた!ミスタ、早く戻るよ!」

 

ようやく体勢を立て直したミスタがもう一度ルギアに向かっていく。

その間にも、エアロブラストを乱射し森に穴を空けていく。

そして、乱射されるエアロブラストの1つがグロウに向かった。

 

「グロウ、ひかりのかべ!」

 

グロウは私の声で後ろを向くと、エアロブラストをひかりのかべで受け止める。

が、今度は一瞬でひかりのかべが砕け散り、グロウ達が弾き飛ばさる。そんな中で、かぷちーはその背中にしがみついている。

そして、バランスを崩したグロウ達にルギアがエアロブラストを放とうとする。

 

「ミスタ、メテオビーム!」

 

ルギアの後ろに戻ってきたミスタのメテオビームがルギアに放つが、ルギアはエアロブラストを撃つのを止め、メテオビームを躱すし上空に飛び上がる。

その間に、体勢を立て直したグロウがかぷちーを乗せて戻ってくる。

 

「グロウ、かぷちー大丈夫?まだやれる?」

「グォォ!」

「チー!」

 

グロウとかぷちーは頷く。その間もかぷちーは、つるぎのまいを舞っている。

ルギアの方を見ると、最初にメテオビームを受けてるはずなのに未だに健在。

 

大きいだけあって、タフだねぇ。

そんな事を思っていたら、ルギアがもう一度大きく羽ばたき、突風を巻き起こす。

 

「ミスタ、グロウ、堪えて!」

 

今度はこらえて吹き飛ばされる事はなかったけど、このぼうふうの中じゃまともに動けない。

そんな中で、ルキアは大きく息を吸い込んだ。

 

「ちょっ!今はまずいって!」

 

そして、ルギアがエアロブラストを放とうとした瞬間。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「誰!?・・・がやったかは後でいいか!グロウ、かぷちー!」

 

グロウはかぷちーを乗せてルギアに突っ込んでいく。それを見たルギアは動けない状態でもグロウ達にエアロブラストを放つ。

 

「ミスタ、メテオビーム!」

 

それをミスタのメテオビームが相殺させ、爆風が巻き起こる。

グロウ達の目の前で爆発し、グロウは爆風に煽られる中でグロウは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「かぷちー!この一撃に全力を込めて!」

 

かぷちーがエアロブラストを放ったルギアの額に大顎を叩き込もうとした瞬間、かぷちーの体を光が包む。

それと同時に、私の鞄からも光がこぼれるが私はその事に気づかなかった。

そして、ルギアの額に大顎を叩きつけたかぷちーの大顎は2つに見えた・・・気がした。

 

そして、かぷちーの大顎を額に受けたルギアは轟音をたてて、ウバメの森に沈んだ。

 

 

「え、すごい・・・。メテオビームを受けてもあんなに元気だったルギアを一撃で沈めちゃったよ。・・・って、かぷちーは!?」

 

落っこちてると思い慌ててかぷちーの方を見ると、サンダーの背中に乗って私達の方に戻ってきていた。その両隣にはファイヤーとフリーザー。

 

さっきの援護はこの3体だったんだ。でも、誰が連れてきたんだろう?私は首を傾げる。

 

「まぁ、誰が連れてきたかは置いておこう。それよりきららの方は?」

 

周囲を見渡すと、きららがホウオウに向かってメテオビーム放つ所だった。

しかし、ホウオウはそれをひらりと躱すしメテオビームは森に吸い込まれていく。

やっぱり、飛んでる相手はやりづらいね。

 

そして、お返しとばかりにホウオウがせいなるほのおを吐き出す。が、きららはサイコキネシスでその炎を全て弾き返すが、ホウオウはそれを予想していたのか、ゴッドバードでほのおを突き破り、きららに向かって突進する。が、きららもそれをひらりと躱す。

空中戦だと、互いに決め手に欠ける・・・か。

 

私は振り返って、声をかけようとした。

 

「援護に・・・。」

 

けど、行かないと、とは言えなかった。

見渡すと、かなりダメージを受けたグロウ。サンダーの背中に乗ったかぷちーは肩を大きく動かし呼吸が荒く、かなり消耗してる。

さっきの進化みたいなやつのせい・・・?でも、かぷちーの大顎も1つに戻ってるし、進化ではない・・・?なんだったんだろう、気のせい?

でも、ルギアを一撃で沈めた一撃だもんね、かぷちーの負担が大きかったのは間違いない。

 

・・・こんな状態でホウオウと戦って、なんて言えないか。

 

「グロウとかぷちーは戻って。ミスタはもう少しだけ頑張ってくれる?」

 

グロウとかぷちーをボールに戻しながらミスタに問いかけると、ミスタは静かに頷いてくれる。ありがと、もう少しだけ力を貸してね。

 

「それで、君達も力を貸してくれるの?」

 

そう言うと、ファイヤー達は頷いてくれた。

こっちの戦力は半減してるから助かるよ。

 

「それじゃ、きららの援護に・・・。」

『も〜!ちょこまかするな〜!』

 

行こう、と口にしようとした瞬間だった。

 

きららの叫び声が聞こえたと思ったら、空を覆い尽くす隕石。

それも、前にデルビルを追い払った時みたいに小さいのをたくさん。それが、ホウオウに向かって降り注いでいく。

ホウオウは、翼を折りたたみりゅうせいぐんを受けるが、あの弾幕ではまともに動けないみたい。

そして、動けないホウオウに向かってきららが特大のメテオビームを放つ。その閃光は、夕暮れ時の空を一瞬だけ真昼かと思わせるほどの輝きだった。

 

「ちょっと、きらら!?」

 

あまりの眩しさで手で顔を覆った私は、ホウオウがどうなったか見えなかったけど、すぐあとに響いた何かが墜落するような音でどうなったかを察する。

 

閃光が収まると、ルギアの隣で倒れているホウオウの姿が見えた。

・・・うん、とりあえずきららに援護は必要なさそうだね。

 

「きらら、大丈夫・・・に決まってるか・・・。」

『だいじょーぶ!』

 

私達の所に飛んできたきららは、軽快に答える。

 

「だよね・・・。でも、今までで1番強い相手だと思うんだけど、ホウオウ相手でも勝てちゃうんだ・・・。」

 

やっぱりきららだけ、強さのレベルが違う気がする。

 

『いちばんじゃないかなー?』

「え?ホウオウより強い相手なんていたっけ?」

 

私にはそんな覚えはないけど・・・。

 

『んーっとね、ましろにあうまえ、かな。たいようとつきのけもの?ってよばれてたよ。そっちのほうがつよかったなー。』

「太陽と月の獣?なんか、凄い名前だねぇ・・・。」

『しまのまもりがみといっしょにたたかったけど、かてなかったんだー。』

「そっか、勝てな・・・え?勝てなかったの?」

 

きららが・・・勝てなかった・・・!?

 

『うん!でも、ひきわけみたいなかんじになってね!そのときにぴかぴかしたえねるぎーをもらったよ!』

「ピカピカしたエネルギーねぇ・・・。」

 

きららが強いのはそのエネルギーのせいなのかな?

・・・っと、考えるのは後にしよう。一応、ルギアとホウオウの様子を見とかないと。あれを受けてホウオウが動けるとは思わないけど、ルギアはまだ動けるかもしれない。

 

 

ーーーーーー

 

 

 

私達はルギアとホウオウの所に向かうと、2体とも森の中で倒れこんでいた。私が近づいても動く様子はない。

 

「これなら、しばらくは起き上がれないでしょ。それにしても・・・。」

 

かぷちーの姿を思い出す。

一瞬だけ2つに見えた大顎に、ルギアを一撃で沈めるパワー。スゴかったねぇ・・・。

でも、かぷちーもスゴく消耗してた・・・。

どうやったかはわかんないんだけど、あれに頼る戦いは勘弁してほしいなぁ。

 

「さて、きららはエネルギーどれぐらい残ってる?」

『んー、めておびーむいっかいぐらいかな?』

「おおぅ、結構ギリギリだったんだねぇ・・・。ミスタは・・・。」

 

そう言って隣のミスタに声をかけた瞬間、ミスタの体がポテッと倒れた。

 

「ちょっと、ミスタ!?」

 

慌ててミスタに駆け寄ると、ミスタの体がすごい熱をもっていた。

メテオビーム連発させちゃったし、そりゃそうなるよね。

でも、さっき乗ってた時は全然気づかなかったんだけど・・・。もしかして、無理矢理冷やしてた?

無茶するねぇ・・・。いや、無茶しないと勝てなかったよね・・・。

 

「気づかなくてごめんね。ミスタも休んでて。」

 

ミスタもボールに戻す。

結局、ホウオウとルギアを倒すことは出来たけど、戦えるのはメテオビーム1発のきららだけ。

・・・後は、サンダー、ファイヤー、フリーザーだけど、誰が連れてきたんだろう?

 

そう思った時だった。

どこからともなく大量のポケモン達が現れて、倒れたルギアとホウオウを取り囲んでいく。

 

「こんなにたくさんのポケモン、どこから・・・?」

 

マシロは知らなかったが転送システムの不調。それが復旧し、ジョウト、カントーのトレーナーがポケモン達を送ることが出来るようになった事で、戦いを止めようとしたトレーナー達ががポケモンを送った。そして、その思いがポケモンを伝わり、ルギアとホウオウを解放する大きな力となった。

 

「なんか、あったかいね。」

『ぽかぽかだねぇ~。』

 

その思いが伝わったのか、ルギアとホウオウは目を開けると体を起こす。

そして、周囲のポケモンと私を一瞥すると翼を広げて飛び去っていった。

そして、目の前にフワリと落ちてきたのは1対の、銀と虹の輝きを放つ羽。それを手のひらで受けとる。

 

「おぉ、キレイだね。」

 

目の前にかざすと、キラリと輝く。

 

「・・・さて、これでルギアとホウオウは大丈夫・・・かな?後は祠の方だけど、ヤナギはどうなったんだろう?」

 

私は祠がある場所を知らないし、闇雲に森を走り回るのも効率が悪い。どうしたものかなぁ・・・。

 

プルルル。

 

「お、噂をすればブルーから。祠の方も片付いたかな?もしもし?」

 

ポケギアを取り出し、相手を確認すると電話に出る。

 

『ごめん、マシロ!ヤナギに逃げられた!』

 

電話の向こうから、ブルーの焦った声が響いた。

 

 

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