ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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7話

降りてきたナツメと対峙する。

さっきは2人を逃しても良いって強がったけど、実際は捕まえておきたかったんだよねぇ・・・。情報は多い方がいいし。

でも、この人相手に隙は見せられそうにないしなぁ・・・。

 

「フーディン!サイケこうせん!」

「きらら、弾いて!」

 

フーディンから放たれたサイケこうせんをきららのサイコキネシスで軌道を反らし、弾く。

 

『このひと、まえにたたかったひとより、つよいよ?』

「えー、そうなの?グリーンより強いのかぁ・・・」

「一人で何を言っている?来ないのならどんどんいくぞ?」

 

フーディンからサイケこうせんが連続で放たれる。

今のところ、きららが全部弾いてるけど、サイコキネシスは互いに干渉して効果は薄そうだし、ここは量で押しきろう。

 

「きらら、たくさんのスピードスター、いける?」

『おっけー!』

 

 

サイケこうせんを全て叩き落とした後、きららの掛け声と共に、目の前を埋め尽くす程の星がナツメとフーディンに押し寄せる。

それらはナツメを中心に渦を巻き、ポケモンと共に身動きがとれないように周りを埋め尽くした。

 

「おぉ、さすがきらら。」

『えっへん!』

「さて、ナツメって人聞こえる?聞こえてたら降参するか、星に埋め尽くされるか選んでほしいんだけど?」

「これで勝ったつもりか?なら、試してみるといい。」

 

うーん、ただの強がりかもしれないけど、遠慮する必要はないかな。

 

「きらら、やっちゃって!」

『おっけー!・・・ん?』

「どうしたの?」

『なんか・・・弾かれてる?』

 

ナツメが何かやってるらしいけど、星に埋め尽くされて何をしているのか全くわからない。

でも、スピードスターを消すと、またフーディンが出てくるし・・・

 

「!?」

 

その時、どこからともなくサイケこうせんが放たれる。威力はさっきのフーディン程でもないけど、確実に私を狙ったもの。

一発目は横っ飛びで回避したけど、流石に2発目は・・・無理!

 

「きらら!」

『うん!』

 

危機一髪な所できららに助けてもらったが、その間にナツメを取り囲む星は、フーディンのサイコキネシスに叩き落とされたのか3分の1ぐらいまで減っていた。

 

「なるほどね、何をしたのかと思ったら。バリヤードのひかりのかべかな?」

 

星の間から見えるシルエットが2つから3つに増えていた。

増えた影はバリヤード。

壁を張るのが得意なポケモン。

 

「ご明察。本当なら、察しのいい子供は嫌いじゃないんだけどね、邪魔者となると話しは別さ。フーディン、残りも叩き落とせ。」

 

残っていたスピードスターもフーディンのサイコキネシスで叩き落とされる。

周囲には姿の見えないポケモンに、正面にはナツメとフーディンとバリヤード。

あまり、よくない状況・・・かな。

スピードスターは壁で防がれ、押しきろうにも周りのポケモンに邪魔をされる、かぁ・・・

 

「仕方ない。きらら、エネルギーは貯まってる?」

『きょうはほしがきれいだから、いっぱいあるよー!』

「危ない技その1、やるよ。出力は30%ぐらい!」

『おっけー!かげんはまかせろー!』

「任せて大丈夫だったことはないんだけど、ね。」

 

私達が話している間、ナツメはじっと待ってくれていた。

 

「それで、待ってるのは余裕ってやつかな?」

「最後ぐらい、花を持たせてやろうという、大人の心遣いさ。最後の作戦会議は終わったか?」

「うん。それじゃ、子供の心遣いを1つ。」

「なんだ?」

「その壁、できるだけ前に重ねておいてね。じゃないと、どうなるかわかんないよ?」

「ほざけ!全方位、一斉掃射!」

 

フーディン、バリヤード、周囲からサイケこうせんが押し寄せてくる。

でも、その程度の威力じゃ、この技はどうしようもないよ!

 

「きらら、すごいはかいこうせん!

 

その瞬間、きららから一筋の極光が放たれる。

その光は周囲のサイケこうせんを弾き飛ばし、目前のサイケこうせんをも飲み込み、地面を抉りながらナツメに迫っていく。

 

「なんだと・・・!?ちっ、バリヤード、フーディン、ひかりのかべだ!」

 

当たる直前に2体がかりで壁を張ったみたいだけど、その程度でこの技は防げないよ?

 

「ぐおおぉおぉぉぉ・・・」

 

歯を食い縛り、ひかりのかべの後ろで耐えているものの、膠着は一瞬。かべは砕け散り、極光はナツメを飲み込む。

 

「ちょっときらら、やり過ぎ!上!残りのエネルギー上に飛ばして!流石に死んじゃうって!」

『はーい。』

 

光が空に昇っていく。夜なのに明るいなぁ・・・。いや、それよりもだよ。

予定では壁を砕いて相手を吹き飛ばすぐらいだと思ってたんだけど、そのまま光に飲み込まれちゃった・・・。

 

「死んでないよね?」

「なん・・・だ。それ・・・は?」

 

砂ぼこりが晴れ、姿が見える。服はぼろぼろだけど、一応生きてるみたい。よかった。

さすがにポケモンは気絶してるみたい。

体を張ってナツメを守ったのかな?

 

「はかいこうせんみたいな技?だと思う。とりあえず、はかいこうせんではない、かな?」

「げほっ。ふざけた・・・威力だ・・・。」

「だから、普段は使わないんだよね。」

「くそ・・・。」

 

倒れたまま、フーディンとバリヤードをボールに戻す。

 

「さて、大人しくなったところで、ボスについて、話してもらおうかな?」

「話すと・・・思っている・・・のか?」

「話さなくても、そのまま警察に突きだすだけだよ。」

「ちっ・・・。」

 

舌打ちをすると体を起こし、その場に座り込む。

 

「何を聞かれようとも、私から教えることは何もない。」

「はぁ・・・。それじゃ、警察に引き渡すから、大人しくしておいてね。」

 

しゃべらないとは思ってたけど、実際にそう言われるとため息が出るねぇ・・・。

 

「それはそれとして、あなたが潜ませてるポケモン、集めてくれる?」

「フッ、断る。」

「そう言うと思った。仕方ないから、こっちで探すよ。きらら、とりあえずこの人拘束しておいて。」

『はーい。』

 

きららに拘束されたナツメがふわふわと浮き上がる。とりあえず、警察に連れていきますか。

 

「いいのか?そのポケモンが私を拘束していると、トレーナーが無防備になるぞ?」

 

ナツメがニヤリと笑った。

その瞬間、私の体を衝撃が襲った。

 

「きゃ!」

 

そのまま私は吹き飛ばされる。

いたた。思ってたより痛くて少し泣きそう。

いや、今はそれよりも。

きららがあわててこっちに飛んできたから、ナツメが!

 

『ましろ、だいじょうぶ!?』

「まさか、子供1人にここまでやられるとはな・・・」

 

傍らにユンゲラーを携え、起き上がるナツメ。私もそのまま起き上がる。

 

「いたたぁ・・・。あなたこそ、大人げないんじゃない?直接私を狙うなんて。ポケモンバトルに勝てないって言ってるようなものでしょ?」

 

ねぇ?ヤマブキシティ、ジムリーダー。ナツメ?

 

 

そう言うと、明らかに顔色が変わる。

 

「人違いじゃないか?」

「そうかな?私、元々ヤマブキシティ出身でね。住んでいた町のジムは多少知っててね。長い髪のナツメって名前の人だって。」

「偶然だろう?」

「それと、ここ数年はいろんな事を調べててね?ジムリーダーも少しかじってるんだ。そしたらさ、ヤマブキシティのジムリーダーはエスパータイプのエキスパートだって?」

「・・・。」

「ほら、口数がへってるよ?」

 

ニヤリと笑う私。

 

「ちっ。あんたのせいで勘のいい子供は嫌いになりそうだ。戻りな、ユンゲラー。」

 

ユンゲラーがさらに2体、ナツメの側に現れる。

 

「文句は名前をばらしたしたっぱに言うことだね。」

「あぁ。そうするよ。今回は私の敗けだ。だが、次会ったときはお前を消す。覚えておけ。」

『ひとりのこってるよ?』

「覚えておくけど、一人に忘れてるよ?」

「まったく。勘のいい子供は嫌いだよ。」

 

そう言うと、ユンゲラーを手元に戻す。そのままナツメはテレポートでこの場から消えていった。

最後の1体はきららに教えてもらっただけなんだよね。

 

「きらら、ケガはない?」

『ぼくはだいじょうぶだけど、ましろがけがしてる・・・』

「これぐらいなら大丈夫。それよりも・・・」

 

周囲の惨状を見渡す。

きららの技で抉れた地面。

サイケこうせんでできた穴。

だいばくはつで吹き飛んだポケモンセンター。

痛む左腕を押さえて思わずつぶやく。

 

「これは・・・。逃げた方がいい・・・かな・・・?」

 

 

 

ーナツメ視点ー

 

(なんなんだ、あの子供は!?)

 

テレポートでヤマブキシティに戻った私は、シルフカンパニーのビルを歩きながら内心で愚痴る。

帰りの遅い手下の様子を見に行けば、白い髪の子供に絡まれ、バカみたいな火力の攻撃にあい、まともな戦いでは勝負にならない。

かと思えば、正体までばれたあげく、最後は数で押しきり逃げ帰ってきた。

ジムリーダーとしても、ロケット団幹部としても、とても許されることではない。

しかし、だからといって報告を怠っていい理由にはならない。

 

「サカキ様、ご報告があります。」

「入れ。」

 

許可をもらい、部屋に入る。サカキ様の前で片膝を突く。そして、さっきの出来事を話す。

 

「白髪の子供か・・・。」

「はい、いかがいたしましょう・・・?」

「今は放っておけ。下手に刺激して被害を増やされても困る。」

「良いのですか?」

「必要ない、今は手を出すな。他のものにもそう伝えろ。いざとなったら・・・、私が消す。」

「はっ。」

 

返事をしてそのまま部屋からでる。

正直、手を出すなと言われてホッとした。

あれを相手に勝てる気が全くしない。

せめて、キョウとマチスの3人がかりなら、なんとかなるかもしれないが・・・。

それに、その1とか、30%とか、あのバカげた威力の技が他にもあって、なおかつ抑えてあの威力。あの子供があの技の向きを空に変えなかったら、死んでいたかもしれん。

そういえば、オツキミ山にはキョウがいたな。

無事に戻れるといいが・・・。




ちなみに、すごいはかいこうせんはメテオビーム。
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