ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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71話

 

2日間遊び倒した後、ブルーに連れられてセキエイ高原にやってきた。

 

「昨日も楽しかったね!」

「満足したようで、良かったわ・・・。」

 

んー、まだまだ遊び足りないけど仕方ない。

体裁の為やらなにやら言ってたけど、ロケット団幹部がジムリーダーをやってたのに、今更何を取り繕うのやら。

 

「でも、わざわざセキエイまで来てエキシビションマッチかぁ・・・。考えると面倒になってきた。もっとブルーと色んな所に行きたかったなぁ。」

「これが終わったら、また付き合ってあげるから。それに、マシロの晴れ舞台なんだから、そんな事言わないの。」

「やった!!・・・・・・晴れ舞台?」

「ほらほら、早く行きましょ!」

 

なんか、誤魔化された気がするけど、ブルーはそれを隠すように私の背中を押す。

まぁ、これが終わったらまたブルーと一緒だし。サクッと終わらせちゃおう。こういうのはミスタが喜んでやってくれるよ。

そんなこんなで、背中を押されながらリーグ会場を進んでいくと、舞台に繋がる扉が見えてくると、大きな声が聞こえてきた。

 

『それでは第10回、ポケモンリーグ優勝者マシロ選手の入場です!!』

 

・・・・・・今なんて?

 

「タイミングはバッチリみたいね。ほら、行ってきなさい。」

「いや、今変な肩書きがついてなかった?」

「ほらほら、小さいことは気にしない・・・の!」

 

の!と言うと同時に背中を叩き、私を舞台へ押し出す。

 

「えぇ、ちょっとぉおお!?」

 

前にツンのめりながら舞台に出ると、綺麗に整った舞台の上に出る。でも、天井や観客席は変わらずボロボロ。そのせいなのかは分からないけど、観客には誰も居ない。でも、舞台の上に付いている大型スクリーンには舞台に立っている私の映像が映っていた。

 

『今回のポケモンリーグは中止ということでしたが、バッジを8つ集めて予選免除の選手が居た為、特例ですが繰り上がり優勝という形での優勝となります!!あ、MCはこちらコガネラジオのクルミが独占生中継でお送りします!!』

 

「よっ!クルミちゃーーーーーん!!」

「うるさい。」

 

舞台の隅っこには、既に他の図鑑所有者の姿。その中でも、ゴールドのテンションが妙に高い。よっぽどうるさかったのか、隣のシルバーがしかめっ面をしている。・・・いや、シルバーはいつもあんな感じか。

いやいや、そんな事よりエキシビションマッチって話じゃ・・・?それに生中継?

 

「ちょっとブルー!?色々と聞きたいことがあるんどけど!?」

「いやー。繰り上がり優勝なんて言ったら、マシロは辞退しちゃうでしょ?」

「うん。面倒だし。」

「ハァ・・・。だから黙ってたのよ。」

 

ブルーはため息をつきながら、通路から出てくる。

 

「今回の事件を解決した実力も含めての繰り上がり優勝よ。大人しく受け取っときなさい。」

「いらないし。そもそも、そんな事しても他の参加者が納得しないでしょ。」

 

予選免除されても、そもそも大会が中止になっているのに繰り上がり優勝なんて、他の参加者が黙っているはずないと思うんだけど・・・。

 

「その為のエキシビションマッチよ。」

「え、もしかして晴れ舞台って言ったのは・・・。」

 

『えー、現在多数のメールが届いています。中止になった大会に繰り上がり優勝なんて事をしたら、他の参加者が納得しないのでは?といった内容が大多数です。そのような疑問はご尤もかと思われます。なので、中止になったポケモンリーグの代わりと言ってはあれですが、只今より、新チャンピオンのエキシビションマッチを開催します!!対戦相手は、あのオーキド博士に認められポケモン図鑑を託された7人のトレーナー!このトレーナー達との戦いを見れば、繰り上がり優勝にも納得して頂けるはずじゃ!・・・とのオーキド博士の推薦です。』

 

私の疑問を解説するかのように、MCがどんどん話を進めていく。

なるほど、首謀者は博士かぁ・・・。

 

「ま、ここまでお膳立てされたんだから諦めなさい。ここまで大々的に出てるんだもの、今更辞退ってのもクレームものよ?」

「むぅ・・・。でも、なんで博士は私を推したんだろう?」

 

もしかして、手紙に書いてあった自分の為にってやつ?言われなくても、わりと自分勝手にやってきたと思うんだけどなぁ・・・。

 

『では、最初の組み合わせはこちら!皆さんご存知第9回優勝者、レッド選手!!そして、準優勝者グリーン選手VSマシロチャンピオン!!』

「おっし!やるぞグリーン!」

「前もここで、お前と組んで戦ったな・・・。いくぞ。」

 

隅から歩いてくるレッドとグリーン。

あそこにいるメンバーの実力からして、最初からラスボスじゃない?・・・と言うか2人?

 

『今回はエキシビションマッチということで、普段とは違うダブルバトルでお送りします!!互いに交代は禁止、出したポケモンのみで戦ってもらいます。』

 

あぁ、ダブルバトルなのね。交代がないルールは、手持ちが少ない私にはプラスだね。・・・いや、マイナスじゃないだけかな。

・・・え、そんなことより私は?1人?

 

「私は誰と組むの?あ、もしかしてブルー!?」

「そんな嬉しそうに言わないでよ・・・。あなた1人に決まってるでしょ?マシロのお披露目なんだから。」

「不公平!!」

「いや、チャンピオンのお披露目だし、あたしが出しゃばる訳にはいかないでしょ。」

「なら、1対1でよくない?」

「いや、1対1だと時間が・・・ね。生中継だし、それに突貫工事で舞台を直したから、舞台が長時間は耐えられないそうなのよね。」

「なら、もっと期間をあけるとか・・・。」

「博士いわく、こういうのは早いほうがいいんじゃ。だって。」

 

なんというか、ポケモン協会の都合がこれでもかとねじ込まれてるねぇ・・・。これが大人の都合ってやつかぁ・・・・・・。

 

「それでも!1人に対して2人はズルくない?」

「マシロなら大丈夫よ。ほら、行きなさい!」

 

そう言って、また私の背中を押す。

促されるままステージを進み、レッドとグリーンの2人と対峙する。

 

「あの時とは違って、今度はちゃんとした舞台での勝負だな!」

「前も2対1で負けたからな。遠慮はしないぞ。」

「いや、少しは遠慮してよ・・・。」

 

1から10まで初耳とは言わないけどさ、3から10は初耳なんだよ?

・・・まぁ、先に聞いてたらこんな所には来なかったけどさ。

 

「フッシー!」

「リザードン!」

 

『レッド選手はフシギバナ。グリーン選手はリザードンを繰り出しました!チャンピオンは、この2体に対してどのように出るのか!!』

 

あの2体、完全に前の戦いを意識してるね。・・・そうなると、こっちも前と同じメンバーにしたいところだけど、きららは今エネルギーを全部使った反動で寝てるんだよねぇ・・・。どうしたものか。

 

「いや、考えても仕方ないか。ミスタ、グロウお願い。」

 

わざわざ寝てるきららを起こすのも悪いし。と言うか、事件から3日しか経ってないのにまた戦わせるの?

これが大人の都合ってやつか・・・。だんだん腹が立ってきた。

 

「ミスタ、グロウ。遠慮しなくてもいいみたいだから、思いっきりいくよ!」

「そう来なくっちゃな!グリーン、あの日のリベンジだ!」

「いくぞ、レッド。気合いを入れろよ!」

 

『チャンピオンはスターミーと、・・・メタグロス?というポケモン出しました!!このポケモンはこの辺では見たことありませんね。』

『メタグロスは、はがねとエスパーの複合タイプで、ホウエン地方で石マニアから貰ったポケモンが進化したポケモンだそうよ。』

『そうなんですね!あ、いましれっとラジオに入ってきたのはオーキド博士から図鑑を受け取った1人で、ブルーさんです!』

『はぁ〜い、よろしく!!』

 

ブルー、いつの間に解説席に・・・。

 

「リザードン、かえんほうしゃ!」

 

狙いはグロウ。はがねには、ほのお。まぁ、当然だよね。だけど!

 

「ミスタ、ハイドロポンプ!」

 

グロウを庇うように立ち塞がったミスタが、かえんほうしゃを押し返す。ほのおにはみず。これも当然だよね。

 

『リザードンのかえんほうしゃを、スターミーのハイドロポンプが押し返す!少しずつですが、確実にリザードンに迫っています!!』

 

「レッド!」

「分かってる!フッシー、つるのムチ!」

 

押し返されるかえんほうしゃを見て、フッシーがミスタに攻撃を仕掛ける。

 

「グロウ!」

 

つるのムチに割り込んだグロウの腕にフッシーのツルが巻き付く。

 

「フッシー!そのままぶん投げろ!・・・え?」

 

意気込んだのも束の間、レッドは直ぐに困惑の声を漏らした。

 

「ビクともしない・・・!?」

「そりゃ、グロウの重さって500kgを超えてるもん。」

「なんだって!?」

「グロウ、思いっきりぶん投げろ!」

 

『これは驚きです!あの体で重さが500kg!!投げようとしたフシギバナが逆に宙をまっています。そして、かえんほうしゃとハイドロポンプがぶつかり合う中に一直線!』

 

「ちっ!リザードン!」

 

少しづつ押されているからか、フッシーが巻き込まれるのを察したからのか、かえんほうしゃを止めると飛び上がり、ハイドロポンプを躱しながら前に進む。

 

「きりさく!」

 

そして、フッシーのツルをきりさくと、フッシーは舞台を滑りながら着地した。

 

「助かった!」

「気にするな。リザードンそのまま、フレアドライブ!」

 

『おぉーー!リザードンが華麗にハイドロポンプを躱し、フシギバナを助けました!これはファインプレーですね。』

『そうね。レッドは見た目通り考えが浅い時もあるから、ヒヤヒヤさせられる事も多いわ。』

 

「サラッと、貶していくねぇ・・・。っと、来たね。」

 

フッシーのツルをきりさいたリザードンは、そのままスピードをおとさずにほのおを纏って突っ込んでくる。

これ、あの時に使ってた技だよね。フレアドライブ・・・。かっこいいじゃん。

 

「グロウ・・・って、ミスタ!?」

 

グロウに指示を出す直前、グロウに向かってくるリザードンの前にミスタが飛び出し、その体で受け止める。

 

「うわぁ・・・、無茶するねぇ。」

 

『これは、チャンピオンのスターミーが勝手に庇ったように見えましたが、みずタイプの自分が受けたほうがいいと判断したんでしょうか・・・?』

 

いや、あれはお前の相手は自分だ、余所見するなよ。って感じかな?

 

「レッド!」

「分かってる!フッシー、ソーラービーム!」

 

体制を立て直したフッシーから、ソーラービームが放たれる。

狙われたのはミスタ。でも、ミスタが庇ってくれたんだから、こっちも体をはらないとね!

 

「グロウ!」

 

『おおっと!今度はメタグロスがスターミーを庇って、その身でソーラービームを受け止めました!それに、ソーラービームを受けながらもフシギバナに向かって突き進んでいきます!!』

 

「嘘だろ!?ソーラービームを受けながら進んでくるのかよ!!」

「悪いけど、グロウはタフさが売りなんだよね!しねんのずつき!」

 

フッシーの目の前まで突き進んだグロウが、その額に己の額を叩き込むと、フッシーの体が舞台に沈む。そして。

 

「ミスタ、体をはってたんだもん。用意は出来てるよね!」

 

リザードンを受け止めるミスタに視線を向けると、その体にエネルギーが満ちているのが分かる。

 

「ミスタ、メテオビーム!

 

瞬間、閃光がリザードンを飲み込みボロボロの観客席に叩きつけた。

そして、一瞬の静寂の後。

 

『決まりました!フシギバナとリザードンを倒し、勝利を掴んだのはマシロチャンピオンです!まさか、2対1で前回の優勝者と準優勝者を倒すとは驚きです!』

 

「2回目の敗北、かな?」

「そうだな。きらら抜きでの敗北か・・・。言い訳すらできん。」

 

『決着です!激闘を制したのは新チャンピオン、マシロ選手!!2対1をものともせず、前期優勝者と準優勝者を跳ね除けました!!』

 

ふぅ・・・。とりあえず終わりかな?

 

「流石、新チャンピオンだな。強かったぜ!」

「ありがと。ま、飾りのチャンピオンだけどね。」

「くれると言うなら、受け取っておけばいい。マシロにはそれだけの実力がある。」

「いや、本音としてはいらないんだけど・・・。グリーン、いる?」

「受け取れないし、そもそもいらん。」

「ブーメランって言葉、知ってる?」

「知らん。」

「それじゃ、次も頑張れよ!」

 

レッドは応援の言葉を、グリーンは言いたいことだけ言って舞台から降りていく。

 

・・・ん?()?いま次って言った?

 

『では、次の試合にいきましょう!!次の組み合わせは、ジョウト地方の図鑑所有者、ゴールド選手とシルバー選手!!先日の事件の首謀者、仮面の男を止めるために尽力した実力者でもあります。さぁ、この2人に対してチャンピオンはどう出るのか!!2回戦、()()()()()()()()()VSゴールド、シルバー選手です!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・新チャンピオンのエキシビションマッチって、私が他のトレーナーと戦い続けるってこと??

 

 

 

 

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