ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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72話

 

「さぁ、行こうぜ!シルバー。」

「足を引っ張るなよ。」

「てめぇこそな!」

 

ゴールドとシルバーが話しながら舞台に上がる。

 

『2人とも、意気揚々と舞台に上がってきました。チャンピオン側は、1戦毎にポケモンを入れ替えることが出来ますが、どう出るのでしょうか!?』

 

ここまで言うと、クルミは一旦マイクのスイッチを切る。

 

「今更ですが、こんな無茶なルールでホントに大丈夫なんですか?オーキド博士は大丈夫って言ってましたけど・・・。」

「大丈夫よ。さっきもちゃんと勝ったでしょ?」

「そうですけど・・・。それでも、普通のトレーナーじゃ連戦は厳しいんじゃ・・・。」

「マシロは普通のトレーナーじゃないわよ。」

 

 

 

「第10回ポケモンリーグ。チャンピオンよ。」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ふむふむ、チャンピオン側はこのタイミングで入れ替えが出来ると。1人ってことに対する救済措置ってところかな?

それにしても、全部初耳なんだけど・・・。ちゃんと説明してくれないかなぁ。・・・まぁ、説明を聞いてたら逃げたけどさ。信用されてない・・・。いや、むしろ信用されてるのか・・・?

 

「入れ替えられるって言っても、実質3体しかいないから、グロウとミスタどっちを引っ込めるか、なんだけど。」

 

相手がゴールドとシルバーなら多分・・・、あの時の2体で来るかな?それなら・・・。

 

「それじゃ、ミスタ下がって。」

 

そう言うと、ミスタはバッとこちらを振り向く。

え、なんで!?みたいに振り返らないでよ。2回戦って言ってたぐらいだし、ミスタの出番はまだあると思うから、今は大人しく休んでてよ。

 

「それじゃ、かぷちー。お願い。」

 

袖から出したボールを投げ、かぷちーがグロウの隣に並ぶ。

 

「へっ、分かってんじゃねぇか。そんじゃシルバー。あの時のリベンジといこうぜ!」

「ふっ。背中は任せたぞ。」

 

「バクたろう!」「オーダイル!」

 

出てきたのは予想通り、あの時の2体。性格的にそう来ると思ったよ。だからあの時と同じ、グロウとかぷちーを出したんだけど・・・。

 

「ミスタ、そんなに拗ねないでよ。」

 

私の隣まで引っ込んだミスタは、ツーンって感じでそっぽを向いてる。まぁ、次出せば機嫌が治るとは思うけど。

 

「相手は両方はがねタイプだ。分かってるな?」

「へっ。両方焼き尽くせばいいってことだろ?任せろ!」

「ふっ・・・。相変わらず、頭の悪い回答だが、今回に限れば満点だ!いくぞ!」

 

『駆け出したのはオーダイル。その後ろをバクフーンがついて行きます!』

 

「かぷちー!迎え撃つよ!」

 

『それに対してチャンピオンはクチートを前に出し、後ろにメタグロスといった並び!』

 

「オーダイル、きりさく!」

 

かぷちーとオーダイルが互いの間合いに入った瞬間、オーダイルがその手の爪を振る。

 

「かぷちー、つるぎのまい!」

 

かぷちーはそれを、舞うように大顎でいなし、火花を散らす。

 

『これは・・・!!オーダイルが繰り出す左右からのきりさく攻撃を、クチートが大顎を使って逸らしています!まるで踊っているかのようです!』

 

「だったら、躱せないぐらいの大技を食らわせてやるぜ!シルバー、下がれ!バクたろう、かえんほうしゃ!」

 

ゴールドの言葉を聞いてオーダイルが飛び退くと、すかさず、かえんほうしゃを放つ。

 

「グロウ、ひかりのかべ!」

 

『オーダイルと入れ替わるようにして前に出たバクフーンのかえんほうしゃを、メタグロスのひかりのかべが受け止めました!ですがはがねタイプにほのおタイプの攻撃はダメージが大きいのか、メタグロスは苦しそうです!』

 

かぷちーを庇うようにかえんほうしゃを受け止めるグロウ。でも、解説の人が言うように苦しそうな表情を浮かべている。

 

「シルバー、今だ!」

「任せろ!オーダイル、おんがえし!」

 

バクたろうを飛び越え、腕を振り上げたオーダイルが飛び込んでくる。

そして、その腕を振り下ろそうとした瞬間。

 

「ふいうち!」

 

グロウの背中を蹴り、飛び上がったかぷちーがオーダイルを吹っ飛ばす。

 

「そのまま、はたきおとす!」

 

そして、勢いを殺さずに空中で回転し、かえんほうしゃを放ち続けるバクたろうに大顎を叩きつける。

 

『チャンピオンのクチートが、オーダイルの攻撃を出す瞬間を狙って吹っ飛ばしたかと思えば、そのままの勢いでバクフーンに大顎を叩きつける!これは、2体とも起き上がれなさそうです!!』

 

お、うまいこと決めてくれたね。さすがかぷちー。

 

「2人とも、うずまき島にいた時より強くなってるね。えらい、えらい!」

「一撃で吹っ飛ばしておいて、よく言う。」

「全くだぜ。と言うか、なんでオレ達が先輩達より後なんだよ。先輩達より後なんてプレッシャーでしかないっての。」

「それは私に言われても分からないんだよねぇ・・・。そもそも私がチャンピオンとかさっき初めて聞いたし。」

「・・・そういや、内緒って言ってたな。」

「・・・やっぱり内緒だったんだ。」

「・・・聞かなかったことにしてくれ。」

 

そう言うと、舞台の隅に引っ込んでいく2人。

・・・って事は、他のメンバーも知ってそうだね。蚊帳の外なのは私だけだったかぁ・・・。レッドとかはオレが1番最初!とか言ってそう。

 

『次の試合は、四天王事件を解決に導いた立役者、イエロー選手!オーキド博士から図鑑のデータ集めを任せれたクリス選手です!・・・・・・・・・・あれ?』

 

早くも次の試合のアナウンスが響くなか、舞台の隅っこにいるイエローとクリスは、舞台に上がらずに2人揃って首を横に振っていた。

 

「何やってんだよ?次はお前らの番だろ?」

「ムリムリムリムリ。」

「せっかくなんだ。思いっきりぶつかって来い!」

「ムリですムリですムリですムリです!」

 

ゴールドがクリスを、レッドがイエローを諌めてるけど完全に萎縮しちゃってるね。

 

「そもそもわたし、捕獲の専門家だし・・・。」

「ボクなんて、四天王の時は無我夢中で・・・。」

「だぁーーーー!!煮えきらねぇな!」

 

ゴールドが頭を掻きむしりながら叫んでるけど、対戦回数が減るならこちらとしてはありがたいんだけどなぁ。

 

『なにかトラブルでしょうか・・・?』

 

アナウンスの声も戸惑っているよ。どうするんだろう?

 

「だったらその対戦カード、私達に譲ってくださるかしら?」

 

そう思っていると、聞きなれた声とともにテレポートで舞台に現れたのは複数のジムリーダー。

 

「エリカ!?それに、ミカンも。・・・後、なんでナツメまでいるの?」

「マシロに縁のあるジムリーダーに声をかけた結果、わたしとエリカさんとナツメさんになったそうです。」

「あー、そうなんだ。」

「私はマシロを合法的に叩きのめせると聞いてきたんだが?」

 

なんか物騒なの混ざってるけど、人選間違ってない?

 

『おおっとぉ!飛び入りでやってきたのは3人のジムリーダー!1人目はエスパータイプの使い手、自分で超能力も使えるナツメさん!2人目は、先日のエキシビションマッチでカントー側の主将を務めたエリカさん!3人目は、はがねタイプの使い手、鉄壁ガードの女の子!ミカンさん!あのー、わたしもこの3人が来るの聞いてないんですが・・・。

ごめんなさいね。サプライズのつもりだったから黙ってたのよ!

 

スピーカーからオホホホホと、ブルーの笑い声が聞こえてくる。声を小さくしても聞こえてるよ、ブルー・・・。

 

「そういう訳だ。」

「あまり嬉しくないサプライズだねぇ・・・。」

「そう言わないで。わたし、進化したグロウと戦ってみたかったの。それに・・・。」

「ポケモンバトルの師匠として立ち塞がるなら、これ程の舞台はないと思いますが?」

「師匠か・・・。うん、そうだね。」

 

初めてバトルに負けた私に戦い方を教えてくれたのはミカンだし、かぷちーにつるぎのまいを教えてくれたのはエリカ。

確かに、私達にとっての師匠といえばこの2人だね。

それに比べてナツメは・・・、特に何も無い。

・・・やっぱり人選間違ってない?

 

「おい、何か失礼なことを考えてないか?」

「気の所為でしょ。」

 

失礼なことじゃなくて真っ当な疑問だし。

 

「誰か知らねぇが、こいつらはビビっちまってるしよ。あんたら、代わりにマシロをぶちのめしてやってくれ!」

「引き受けよう。」

 

ゴールドは焚きつけるし、ナツメは軽く引き受けちゃうし・・・。

 

と言うか、ゴールドは3日前にジムリーダーの顔と名前は見たでしょ。忘れるの早過ぎない?

 

 

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