ニビシティでの惨状から逃げ出した私達。
ニビシティの外れでキャンプを広げて一晩を過ごした。
さすがにあのままオツキミ山の麓のポケモンセンターまで行くのはしんどい。
撃たれた左腕も痛いし。
「さてと、とりあえずオツキミ山のポケモンセンターまで行こうか。博士にお願いしたいこともあるし。」
『ほんとにだいじょうぶ?』
「大丈夫、大丈夫。問題なし!きららは疲れてない?」
『さくやは、ほしがきれいにみえてたから、げんきいっぱいになったよ!』
「そっか、よかった。」
きららを撫でながら考える。
昨夜の戦闘で思ったこと。
それは、手持ちがきららだけだと、ルール無用の戦いになると圧倒的に不利なこと。
戦闘面では、きららが相手を圧倒してた。
でも、きららがいくら強くても、数で押しきられるんだよね。
実際、昨夜は数で押し負けたし・・・。
だから、手持ちを増やそうと思う。
旅に出たときはこんなにハードな事になるとは思ってなかったからなぁ・・・。
こんなことなら、最初からあの子を連れてくればよかった。戦うこと好きだし。
まぁ、忘れてたんだけどね。
そんなこんなでポケモンセンター。
早速パソコンをかりて、オーキド博士に連絡をとる。
「おぉ、マシロくんか。何かあったのかい?」
「いえ、実は・・・」
かくかくしかじか。
「なるほどのぅ、ロケット団か・・・。なにやら、ポケモンを使って悪どい商売や、生体実験をやっておるらしいが・・・。昨夜の閃光もロケット団の仕業じゃったか・・・。」
ごめんなさい、それはロケット団じゃなくて、きららの仕業です。
「とりあえず、旅のついでに、ロケット団を見かけたら潰していこうと思うんで。」
「お主には危ないことに首を突っ込まずにブルーのことだけを考えてほしいんじゃが・・・。」
「いやー、ポケモンを道具みたいに使ってるのを見て我慢できなくなっちゃって・・・。」
「気持ちは分かるがの・・・。」
あははー、と笑う私に呆れる博士。
「ちなみに、博物館でも特に進展はないです。」
「そうか。次の目的地はタマムシシティかの?」
「はい。それで1つお願いがありまして・・・。」
「なんじゃ?」
「ミスタ、送ってくれませんか?」
「あやつは、まだ帰ってきとらんぞ?」
「えぇ・・・。そろそろ帰ってくる頃だと思うんだけど・・・。」
「お、噂をすれば雨が・・・。少し待っておれ。あのじゃじゃ馬に話をつけてくる。」
30分後
「お主、というか、きららがいないと知って暴れ散らしたわぃ・・・。とりあえず、こやつは送っておくぞ。」
「あははー、ありがとうございます。」
「それじゃぁの。ミスタが散らかした片付けをせにゃあならんのでな。」
通信が切れ、手元に1つのボールが送られてくる。この子はきららに出会ってすぐぐらいかな?
きららの使える技を知りたくて、海に向かってヤバい技を撃ち込んだら、そこに住むポケモン達を怒らせて、大戦争みたいになったんだよね。
その時はきららが全部叩きのめしちゃったんだけど・・・。
この子はそのなかにいた1体で、そのあとからも、定期的にマサラタウンにやって来てはきららに勝負を挑んでくる、すごい根性の子。まぁ、きららが負けるわけないんだけどね。
で、一回研究所にいるときに突撃されて、片付けが大変になったからその時にゲットしたんだけど。
多分、この子は戦いたいのか、強くなりたいかのどっちかだと思うんだよね。
だから、1度捕まえて、研究所では暴れないようにってお話した後、ボールからだして放し飼いみたいな状態。。
そうしたら、どこかで武者修行を積んでから帰ってきて、きららに挑むっていうサイクルが出来上がった。
ちなみに、帰ってきたときは挑戦状のかわりなのか、あまごいをしながらやってくる。
とりあえず、センターの外に出よう。
ミスタが暴れるかもしれないし。
「でておいで、ミスタ。」
ボールから出てくるのは、星形のポケモン。スターミー。
研究所に行ったら、きららがいないと知ったからか大分お怒りのご様子。
「ごめんごめん、うっかりミスタのこと忘れてて。でも、ここなら、きららと戦えるよ?」
ピクッ、と動きが止まる。
すると、だんだんと雲行きが怪しくなり、雨が降ってきた。
「じゃあ、きらら。お願い!」
『えぇ~、またばとる~・・・。』
「帰って来たミスタ、きららと戦わないと落ち着いてくれないからさ、お願い!」
手を合わせてお願いすると、きららもやるきになってくれたみたい。よかった。
そして私は少し離れたところで二人を見守る。
これはミスタときららの戦いだから、指示を出したりはしない。
横槍みたいで嫌だし。
バトルが始まると、先に動くのはいつだってミスタ。
ハイドロポンプを撃つ。おぉ、また強くなってるねぇ。
しかし、小柄なきららはスイスイとハイドロポンプを躱して当たらない。
そして、きららはお返しとばかりにスピードスターを撃つ。
これもミスタは高速で回転して弾き飛ばす。
そしてそのまま電気タイプの技を放つ。
ミスタが使うのを始めて見るけど、10まんボルトかな?
(そういや、ミスタってどこで新しい技覚えてるんだろう?いつの間にかヒトデマンから進化してたし。)
そんなことを考えてるあいだに、きららはサイコキネシスで浮かせたその辺の岩で10まんボルトを防ぐ。
そしてそのまま岩をミスタに投げつける。
電気技を使い慣れてないのかな?技の後にすぐ回避行動に入れなかったみたいで、岩が直撃した。
岩が帯電していたからか、ミスタにかなりダメージが入ったみたい。結構苦しそう。
すると、ダメージをおったミスタはその場で光を集め出した。
(ん?この技って?)
それを見たきららも、多分同じ技を撃とうとしてる。
「いや、なんでミスタが使えるの?というか、それのぶつかり合いはヤバイんじゃ・・・」
そう言った瞬間、昨夜見たものよりも全然規模が小さいものの、ミスタから極光が放たれる。
(やっぱり、すごいはかいこうせんじゃん・・・)
そして、きららからも放たれる極光。こちらも昨夜程の規模じゃないものの、ミスタの極光を軽く飲みこみ、ミスタに襲いかかる。
「ーーー」
機械音的な悲鳴(?)が聞こえ、光の通りすぎた後には倒れてるミスタの姿。その姿を確認して、ミスタに駆け寄る。
「ミスタ、生きてる?」
「ーーー」
「まだ元気そうだね。とりあえず回復しておこうか。」
多分、悔しがってるのかな?苦笑いしながらミスタを起こして傷を治す。
ちなみに、この他人の怪我を治せる能力もきららに会ったあとから使えるようになった。なぜかはわからないけど。
「ーーー」
『えー、またこんどねー。』
もう一回!とか言ってるのかな?
きららが嫌そうな顔をしてる。
6年ぐらいずっと挑まれてるとさすがにうんざりもするよね。
でも、きららには根気よく相手してもらわないと、周囲の被害が大変なことになるし。
「ところでミスタ。私達、ちょっと厄介な集団に会ってね?手を貸してほしいんだけど・・・?」
「ーーー」
多分、修行にでるから無理!って言ってる・・・のかな・・・?
「一緒に来てくれたら、いろんなポケモンと戦えるよ?あときららも。」
『ぼくをつけないでよー。』
「ーーー」
よかろう!って感じかな?よかった。
「よろしくね、ミスタ!」
『ほどほどにしてよー?』
「ーーー」
ミスタが仲間になってオツキミ山に向かうと、早速ロケット団が入り口を見張ってる。
3人かな?ミスタが増えたからなんとかなるでしょ。
そう思いロケット団の方に歩き出す。
「まて、ここは通行禁止だ。」
「いや、こいつは!?」
「引くぞ!報告にあったやつだ!手を出すなよ!」
「え?」
何故か逃げていくロケット団。
報告にあったってことは、昨日のあれのことかな・・・。
情報が回るの早いなぁ。
「とりあえず、追いかけよっか。ミスタ、お願いね。」
私は、ミスタを前に出して洞窟に入った。
そして迷った。
いや、これは私が方向音痴とかそういう感じじゃなくて・・・。
ミスタが好戦的すぎたんだよね。
出会ったポケモン全てに戦いを挑んであっちにいったり、こっちにいったりでいつの間にか現在地がわからなくなった。
でも、ミスタはたくさん戦えたお陰かご機嫌の様子。
そりゃ、逐一回復して好きなだけ戦えたらご機嫌にもなるよね・・・。
私は疲れてくたくたなんだけど・・・。きららも疲れてボールに戻っちゃったし。
そんなこんなで洞窟をさ迷う私達。
意気揚々と進むミスタの後ろをぐったりとしながら追いかける。
そんな時。
ドゴォン!!
ガラガラガラ!!
どこかで洞窟が崩れたような音が聞こえる。
(えぇ・・・?この洞窟大丈夫?途中で崩落しないよね?)
と思っていると、目の前の通路を1人の少年が駆け抜けていく。
人を背負って走っていったけど、今の崩落に巻き込まれたのかな?
「っていうか、今のは、レッド・・・?」
とりあえず、レッドを追いかければ洞窟を抜けられるかも!
レッドが駆け抜けてきた通路にでて、追いかけようとした時。
ドガァン!!
と、私の後ろから岩を砕く音。
「ちっ、逃げたか。おい、3人は奴を追え。他は・・・ん?貴様は・・・。」
砂埃が晴れると、そこにはたくさんのロケット団。
「報告にあった、白髪のガキか・・・。」
「またロケット団・・・。そういえば、オツキミ山で何かしてるって言ってたっけ?」
「手を出すなとの命令だが、自分の目で確かめてみるか・・・。いけっ、サイドン!」
姿を見るや否や、サイドンを突っ込ませてきた。相変わらず、いきなりだね。でも。
「ミスタにはおあつらえ向きだね!ハイドロポンプ!」
向かってくるサイドンにハイドロポンプを浴びせる。きららはお休み中だから、できればミスタだけで倒したいかな。
「つのドリルで巻き返せ!」
サイドンはハイドロポンプにつのドリルをぶつけて、そのまま打ち返してきた。
「れいとうビーム。」
打ち返してきた波はれいとうビームで全て凍らせる。一緒にサイドンの体も氷づけにする。
「ミスタ、このまま押しきるよ!ハイドロポンプ!」
「ぐぉぉぉ・・・。」
氷づけになったサイドンをハイドロポンプで押し流す。余波で周りのロケット団とかが流されてるけど、まぁ死なないでしょ。
(さてと)
サイドンは隅っこで目を回してるし、さっきのロケット団は・・・っと。
「いたいた、1人だけマフラーしてるから見つけやすくて助かるよ。」
「手を出すな、という指示はこういうことか・・・」
え、なに?もしかして、私避けられてる?
「とりあえず、次は逃げられないようにしないとね。ミスタ、れいとうビーム。」
ロケット団の手足を氷づけにする。凍傷になるかもしれないけど、まぁ自業自得ってことで。
「あなたたちは、ここで何をしてたの?」
「つきのいしを探してたのさ。あの石は進化の研究に役立つからな。」
「ふーん、つきのいしねぇ。ま、残念だけど、あなたはこのまま警察に突きだすから。」
あれ、なんかデジャヴ?
「それは、どうかな?ゴルバット、ちょうおんぱ!」
あ、頭ががが。私は両手で耳を押さえる。
その隙に、洞窟の影からゴルバットが飛び出し、ロケット団をつかんで距離を取る。
(くそっ。やられた!)
「サイドン!じしん、いわおとし!」
「ミスタ!」
ちょうおんぱとじしんで脆くなった岩盤をいわおとしで崩していく。
巻き込まれそうになったミスタを急いでボールに戻し、ふらふらしながら巻き込まれない位置まで下がる。
がらがらがら
どっしゃーん
目の前の通路は瓦礫に塞がれてしまった。
「あーあ、また逃げられたかぁ・・・。」
ため息をつきながら呟く。
きららなら、瓦礫を吹き飛ばせるかもしれないけど、最悪洞窟が崩れるかもしれないし・・・。
(仕方ない・・・かな。)
落ち込む私に反して、ボールの中のミスタはご機嫌なご様子。
「ミスタ、おつかれさま。ちゃんと指示を聞いてくれてありがとね?」
ミスタ、他人に指示されるのは好きじゃないと思ってたけど。
多少は認められてるってことかな?
「さっきみたいな人と、これから先たくさん戦うことになると思うから。これからもよろしくね?」
ボールが震える。きっと、まかせろ!とか言ってるんだろうなぁ。心強い。
「でも、レッドはこんな所で、人を背負って何してたんだろう・・・?」
まさか、さっきのロケット団に追われてたりはしない・・・よね
ロケット団視点
「まさか、最初に逃げたガキと同じことを俺がする羽目になるとはな・・・。」
「キョウ様。ご無事ですか?」
部下が、こおりなおしで手足の氷を溶かす。
小娘一人にいいようにやられるとは、3幹部の名折れ。
だが、手を出すなとの指示が出ている以上、俺が何をすることはない・・・が。
「やられっぱなしというのは、嫌なものだな。」
「なにか?」
「なんでもない。」
俺のつぶやきは、幸運にも部下には聞こえなかったようだ。
「改めて伝令だ。あの小娘には手を出すな。何かあれば、ボスが対応する。」
「了解です!」
「さて、ここは引き上げるぞ。小娘が追いかけてきたらたまらん。」
この借りはいつか返すぞ。