ポケットモンスター 煌   作:うたたねここ

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84話

 

ルビーの壮大な親子喧嘩のあと、海パンさんと別れた私達はダイさんの運転する車に乗ってシダケタウンに向かっていた。

ちなみに、あの後天気研究所は崩壊した。

 

あれ、どうするんだろう?急な集中豪雨で崩れたとか、そういうことにするのかな?

 

「じゃあ、あなたは巻き込まれただけで赤い奴ら・・・、マグマ団の事は詳しく分からないのね?」

「はい。カイナでも巻き込まれただけなので。」

「マリさん、これからどうするんですか?ポワルンもルビー君に懐いちゃって・・・。」

「そうね、このままルビー君に預けちゃいましょうか。」

「えぇ!?いいんですか!?」

「いいんじゃない?これだけポワルンを連れ回しているんだもの、今更でしょ?」

「怒られても知りませんよ・・・。」

 

と、あんな感じで前の席で2人が話し込む。

その隙に、ルビーが私に話しかける。

 

「ありがとうございます、マシロさん。船といいさっきといい、グロウにも助けられっぱなしですね。」

「船・・・?あ!もしかしてすてられ船に居たのってルビーだったの?」

「そうです。・・・気づいてなかったんですか?」

「あー、うん。久しぶりだったし、声だけだったからね。」

 

そっか。あの時きららが言ってたサファイア以外の知り合いの2人は、カガリとルビーのことだったのか。

 

「ってことは、サファイアと言い合いをしてたのもルビーか。相変わらず仲良しなんだねぇ。」

「聞こえてましたか・・・。」

 

恥ずかしそうに視線をそらしたと思えば、不思議そうにこっちを見る。 

 

「あれ?サファイアの事も知ってるんですか?それに、相変わらずって・・・?」

「そりゃ知ってるでしょ。あの時一緒に居たんだから。」

「あの時って・・・?」

「ルビーとサファイアがボーマンダに襲われた時だよ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

そう言うと、何故かすっごい驚いた顔をするルビー。

え、なんか変なこと言った?

 

「どしたの?」

「いえ・・・。なんでも・・・ないです。」

「???」

 

なんでもない様には見えないんどけど、私何か変なこと言ったかな?

何やら俯いたまま考え込んじゃったし・・・。ありゃ、顔の前で手を振っても反応しないや。

 

「疲れたんじゃなですか?派手な親子喧嘩だったし。」

「そうかなぁ・・・。」

 

話しかけるタイミングを伺っていたのか、ルビーが黙り込むと前の席から声をかけられる。

 

「それよりマシロちゃん。あなたが会ったマグマ団は三頭火って言ってたのよね?なら、マグマ団には少なくとも3人のリーダー格がいるってことよね?その3人がリーダーなのか、その上にまだ誰かがいるのか・・・。」

「どうなんだろう?今度会ったら聞きてみるよ。」

「今度って・・・。あんな連中にまた会って無事で済む保証なんて思うんですけど・・・。」

「ま、何とかなるって。」

「軽いわねぇ・・・。」

 

その後、ルビーが会話に混ざらないまま私達を乗せた車はシダケタウンに向かっていった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

そして、シダケについた途端、ルビーはコンテスト会場に飛び込んでいきサラッと全部門を制覇していくのを私達は観客席から眺めていた。

 

「ぶっちぎりですね。」

「流石ね。」

「コンテストに疎い私でも分かるぐらいには圧勝だねぇ・・・、ってあれ?」

 

コンテストが終わった途端、会場の外に走り出したルビー。

なんか、車で話した後から情緒不安定だね。なにかあったんだろうか?

 

「周りの人もほとんど外に出たみたいだし、わたし達も出ましょうか。なにやらルビー君も外に走って行っちゃったし。」

 

そう話しながらコンテスト会場を出ると、ルビーの姿はすぐに見つかったが、何故かルビーはバスに乗り込もうとしていた人をドミノ倒しにしていた。

 

「あぁもう、すみません!!ちょっと、ルビーくん!?何してるの!?」

「ちょっと知り合いがいて。ほら、この人なんです・・・けど・・・。あれ?ミツルくん、そんなに髪長かったっけ?・・・っていうか女の人?」

 

その光景を見た瞬間、謝りながらルビーに駆け寄るマリさん。

そんな中、ルビーはドミノ倒しになった人の中から1人を引っ張り起こして紹介しようとする。

 

が、ルビー本人が何故か困惑していた。

 

「あー・・・。ごめんなさい、人違いでした・・・。」

「いいのよ。あながち、間違いでもないし。あなた、ルビーくんよね?わたし、ミチル。ミツルのいとこでよく似てるっていわれるの。それに、トウカでの出来事聞いてるわ。ミツルも喜んでたもの。」

「いとこでしたか・・・。」

「ま、それでもこれはやり過ぎだと思うけとね。」

 

笑いながらルビーのやった事を許すミチルさん。

心が広いねぇ。・・・っと、それよりも。

 

「とりあえず、話は後にしない?ここじゃ、ドミノにした人の視線が痛いんだけど・・・。」

 

「「あ・・・。」」

 

私の言葉でようやく周囲の視線に気づいたのか、私達はミチルさんを連れてその場を後にした。

 

「あれ、何かあったんですか?」

「いいから、早く車まわして。」

「???」

 

あとからやってきたダイさんは、頭に?マークを浮かべていた。

 

ーーーーーーーーーー

 

「つまりルビー君は、()()()さんを()()()君と間違えたのね?」

「ハイ・・・。あまりにも似てたもので。」

「フフ、よく言われるの。それに、さっきも言ったけどわたしもルビー君のこと、ミツルから聞いてから会えてよかったわ。ミツルも喜んでたし、病気も少しづつ良くなっているの。」

「それで、ミツル君は?」

「検査のために、大きい病院のある町に移ったわ。・・・・・・今日の朝に。」

「えぇ~〜〜〜〜〜〜。」

 

ちょうど今朝に出発したと聞いて、ルビーがヘナヘナと崩れ落ちる。

まぁ、友達と会えると思ったら入れ違いになったって知ったらそうなるか。

 

「まぁ、いいじゃん。友達の病気が少しずつ良くなってるんでしょ?」

「そうてすけど・・・。」

 

『シダケとカナズミを繋ぐために開発されていたカナシダトンネルですが、ただいま建設現場で落盤事故が発生したとのことです。現場は混乱しており、いまだ被害の正確な状況はわかっていません。』

 

そう話していると、車に備え付けられたTVから緊急のニュースが流れる。

 

「カナシダトンネル!?うちの近くです!!」

「ダイ!行くわよ!」

「合点!!」

 

ミチルさんが驚くのと、マリさんが声を上げたのはほぼ同時。そして、すぐさま返事を返すダイさん。

 

「さすが、ジャーナリストだねぇ。行動が早い。」

「あの、ボクは・・・?」

「あなたも来るのよ!ミチルさんも、このまま一緒に行きましょう!」

「はい!」

 

こうしてカナシダトンネルに向かった私達。

 

現場に着くとマリさんとダイさんは車から降りると、取材の準備を始める。それを眺めていた私とルビーとミチルさんはその場にいた作業員に声をかけられる。

いや、私達というかミチルさんにかな。

 

「あ、ミチルさん!!今連絡しようと思ってたんだ。今さっき、またトンネル内の岩盤が崩れて、リュウジさんとの連絡が途絶えた!!」

「え・・・?」

 

聞いた途端、息を呑むミチルさん。

 

「リュウジさん?知り合いかな・・・っとぉお!?」

「ミチルさん!?」

 

そして、後ろの席から運転席に乗り込むと車を急発進させてトンネルを突き進む。が、落盤してたせいで思うように進めず、すぐに車を止めそのまま車を降りて叫びだす。

 

「リュウジさん!!リュウジさぁん!!」

「急にどうしたの?」

「リュウジさんが・・・!?この現場で働いてる私の婚約者が中に!!」

「婚約者!?」

 

あー、婚約者かぁ・・・。婚約者が行方不明になったら、そりゃ慌てるよね。

 

「ちょっと、ミチルさん!?」

「急にどうしたんですか!?」

「婚約者が中に取り残されてるんだって。」

「えぇ!?」

「そりゃ大変だ!」

 

車を追いかけてきたマリさん達と話す間も、ミチルさんは声を上げ岩をどかそうとしている。

 

「ミチルさん、無茶よ!あたし達素人にできることなんて・・・。」

「できます!ZUZU!!」

 

マリさんの声を遮り、ルビーが車から降りるとZUZUを繰り出す。

お、ルビーになにか考えがあるっぽい。

 

「ZUZUの頭のヒレは優秀なレーダーなんです。岩盤を退かせることができなくても、水や空気の流れから人や物の存在を感じ取ることができる。」

 

おお、便利だね。

 

「行け!ZUZU!!」

 

そう言ってZUZUが地面に潜った瞬間、ルビーは一目散に逃げ出す。

そして、他の3人はZUZU掘り起こした泥を頭から被った。

 

「ルビー、1人だけちゃっかり泥が被らないように逃げたね。でも、まぁ・・・。リュウジさんは無事に見つかったみたいだね。」

 

マリさん達は1人だけ逃げたルビーに白い目を向けるが、人を抱えて戻ってきたZUZUを見て顔色を変える。

 

「リュウジさん!!ありがとう、ルビー君!」

「いえいえ。これでバスの件は無かったことにしてください。あ、あとコンテストで審査員をするときはボクに投票してくださいね。」

 

そして、ルビーの言葉を聞いて今度は呆れ顔になるミチルさん。さっきから表情がよく変わるねぇ。

車の中から眺めながら、そんな事を思っている時だった。

 

ドドドドド!!

 

と、轟音をと共に洞窟が崩れだした。

 

「うわぁぁ!!」

「きゃああぁぁ!!」

 

マリさんや他の作業員が悲鳴を上げ、崩れる場所から離れていく。

 

「やれやれ。せっかく人払いもかねてドーンとトンネルを崩してやったのに、紛れ込んだ奴がいるとはねぇ。」

 

そして、崩れた土砂の上に現れたのは赤い装束の集団。カガリとたくさんの下っ端連中。

下っ端達はそこから飛び降りるとマリさん達や作業員を取り囲むと、ポケモンを繰り出していく。

 

崩したってことは、最初の崩落もマグマ団の仕業かぁ。赤いのも青いのもろくなことしないね。おっと、見てる場合じゃないか。

 

「ん・・・?アイツは・・・。予定変更、だね。」

 

車から出ようとした瞬間、オオスバメに掴まれ飛び上がったカガリがルビーに向かって一直線に飛んでいく。

 

「うわぁ!?」

「少し、付き合ってもらうよ!」

 

そして、ルビーを引っ掴むとそのまま洞窟の奥に飛んでいくと、その姿を見たZUZUもその後を追っていく。

 

「ありゃ。ルビーだけ連れてったけど、ファンだったのかなぁ。」

「ちょっとマシロちゃん!?車から出てきて助けてよ!!」

 

窓からルビーの後ろ姿を眺めているとマリさんに急かされて、急いで車から降りる。

 

「まぁ、センリさんと互角に戦ってたし大丈夫だと思うけど、できるだけ早く片付けようか。」

 

 

 

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