紫電の女王の栄光の道のり   作:雅媛

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10 紫の少女の年末

 GⅠ初勝利をおさめ、ボクの生活は少しだけ変わった。

 

 まず、ボクのグッズができた。

 近くのお菓子屋さんが、ボクをモチーフとしたお饅頭を作ったのだ。ヴィオラ饅頭である。

 ウマ娘向けの大きなお饅頭であるが、丁寧に作られており、ボクの顔をモデルにしたデフォルメの顔が表面に再現された結構かわいらしいものになっていた。

 味も普通に良い。

 

「これ、ちょっとグロくない?」

「じゃあテイオーは食べないの?」

「食べるけど」

 

 モデル料に、毎月饅頭20個もらえる約束になったが、自分では食べきれないのでスピカだけでなくリギルのみんなにも配っている。

 みんな受け取ってくれるのだが、最近リギルに加入したテイオーだけは何か不満そうだ。

 

「テイオー、思春期なんでしょ」

「はぁ!? 何言ってるんだよこのアホルーブル!!」

「え、まんじゅうじゃなくてボクのことを食べたいってこと?」

「うるさい紫まんじゅう!!」

 

 基本テイオーは賢いし口が回るので一対一だと勝てないが、ルーブル姉さんと協力して二対一なら勝てるのを最近学んだ。

 からかったらテイオーは拗ねて、饅頭を顔からかぶりついていた。

 

 

 

 もう一つは、なんと、スピカのチームメンバーが増えたのだ。

 レースの数日後、チームルームに加入希望者が来たのだ。

 

 一人はボクと同学年のプレクラスニーさん。

 デビューを目指してほかのチームで頑張っていたようだが、どうも相性が悪く、うちのチームに見学に来たところを捕まえたのだ。

 真っ白な芦毛で、背が小さくて細くて、とてもかわいい人である。

 

「あ、あの……」

「私のほうが背が高いし!!」

「ボクのほうが高いし!!」

 

 プレクラスニーさんも背が低かったので、チームスピカの最小がだれかというのが問題になり、すぐに身長測定をすることになった。

 結果はルーブル姉さんが140cmで最下位

 プレクラスニーさんが141cmでボクが142cmだったので、どうにかGⅠウマ娘としてのプライドを守ったのであった。

 

「いや、ほとんどみんな変わらないじゃない。はい、牛乳と煮干し」

 

 もう一人加入したのが、1回生のナイスネイチャさん。みんなのお母さんである。

 

「いや、お母さんじゃないし」

「ママー」

「ママー」

「うるせえ集んな!! あ、プレさんの分はヨーグルトドリンクにしてあります。牛乳だとおなか痛くなっちゃうみたいだし」

「ママ力高い!!」

「ネイチャさんは私のママになってくれるウマ娘だったんだ!」

「だー!! だから集んなうっとおしい!!」

 

 ネイチャさんは面倒見がよいのでこうやってかまってくれるしみんなの面倒を見てくれる。

 もっともサポーターとして入ったわけではなく、れっきとしたプレイヤーである。

 一度テイオーが連れてきて併走したことがあるが、実力は高いと思う。

 

「はぁ、チーム選び、間違ったかな……」

「ネイチャさん、移籍しちゃうんですか?」

「いやしないけど……」

「ネイチャさん、逃がしませんよ。クラスメイトに根回ししますからね」

「ネイチャさん、にがしませんよ。生徒会に手をまわしますから」

「急にヤンデレみたいなこと言わない!」

「「はーい」」

 

 最初は、加入希望者が来たとき、白井トレーナーは断ろうとしていたらしい。

 最初、白井トレーナーはボクの専属になるという話だったためだ。

 だが正直スピカには沖野トレーナーまで来てトレーナーが圧倒的に過剰だったし、何より友達が欲しいボクが加入を主張したのだ。

 

 こうして無事メンバーが4人になったスピカは、さらなる成績を求めて活動を続けるのであった。

 

 

 

 あとは、併走を頼まれることが増えた。

 今までは併走なんて、チームメンバー以外は、ラモーヌさんとか、オグリさんとか、ルドルフさんとかそういった人がメインだったが、最近は同級生にお願いされることが増えたのだ。

 

「単に、ヴィオラさん、近寄りがたかっただけで、みんな走りたいと思ってましたよ」

 

 プレクラスニーさんが一緒に行動してくれるようになったらこうなったから、たぶんプレクラスニーさんの人徳だと思うが、謙虚なプレクラスニーさんはこう言ってくれた。

 謙虚だな、憧れちゃうなー

 

 そうしてキャッキャうふふ(主観)しながらクラスメイトと併走する日々を送っていると……

 

「私と、一本走ってもらえないかな」

 

 メジロライアンさんが、ボクに併走を申し込んできた。

 

 いつも目が合うと睨まれるような気がするライアンさんをボクは正直苦手としている。

 だが、クラシック以降、確実にライバルになる相手であり、その実力は知りたいところだ。

 

「いいですよ。明日、夕方からトレーニングコースBが取れてますし、そこでやりましょうか」

「わかった。私はあとはマックイーンを連れて行くよ」

「マックイーンさんが来てくれるなら、ボクはプレクラスニーさんをつれていきます」

「それじゃあよろしく」

 

 メイクデビューぶりだが、どれだけ強くなっているのだろうか。

 期待と不安が頭をよぎった。

 

 

 

 トレーニングコースBは、一周2000mの芝コースだ。

 特にルールもなく、一周を走る、つまり、模擬レースに近い形で併走が行われることになった。

 ライバルとして一番注目するべきはライアンさんだろう。

 マックイーンさんは、まだ脚部不安があり、本格始動は夏ごろからの予定と聞いている。

 プレクラスニーさんも本格化の兆候がようやく見えてきたのもあり、始動は夏ごろ予定だ。

 二人とやりあうときには、今と実力が全く違うだろう。

 だが、クラシックでおそらくやりあうことになるライアンさんは、非常に興味があった。

 

「はい、よーいどん」

 

 ネイチャさんのちょっと気の抜けた合図で、ボクらは走りだすのであった。

 

 淡々と1ハロン12秒のペースを刻むボクに、後ろからついてくるマックイーンさんとプレクラスニーさん、ライアンさんは後ろからつける展開だ。

 

 ボクはとにかく三人を意識しつつも、ペースを守りつつ走り続ける。

 

 トレーナーさんにラップを計測してもらっているが、12秒フラットのペースは守れているはずだ。

 

 プレクラスニーさんは、マックイーンさんの外側にぴったりとつけて、マックイーンさんのペースをなぞるように走っていて、ライアンさんは後ろからにらみつけるような圧を送ってきていた。

 

 最終コーナーを回り、マックイーンさんとプレクラスニーさんが飛び出す。

 マックイーンさんのコーナーからの抜け出しは芸術的といえるほど美しいタイミングだった。

 プレクラスニーさんもそれに合わせてコーナーから抜け出す。

 直線で、ウマなりに走るマックイーンさんに、全力で走っていくプレクラスニーさん。

 ボクはとにかくペースを維持していた。

 ライアンさんは直線に入ってスパートをかけていた。

 すさまじい末脚だが、展開がやはりよくない。

 ボクをきれいにかわして先頭を走っていたプレクラスニーさんを追い抜くことができずにゴールをするのであった。

 

 

 

「……ライアンさん、トレーナーさんとうまくいってます?」

 

 終わったら解散でいいのだが、ボクは思わずライアンさんに声をかけてしまった。

 併走というのはトレーニングなので、通常トレーニングの目的がある。

 今回ボクは、とにかく一定のラップを刻んで走ることを意識した。

 おそらく誤差は0.1秒以下に抑えられていたはずだ。

 

 マックイーンさんなんかも何をトレーナーさんから指示されていたかわかりやすい。

 おそらく、楽しく走ってきなさいぐらいしか言われていない。

 マックイーンさんは脚部不安があるから、満足いくだけ走れる状況ではない。

 だが、走らないというのは非常にフラストレーションが溜まる。

 その解消のため、同期と走りに来たのだろうというのは容易に想像できた。

 だが、それだけでないのがマックイーンさんだ。ベストの先行策の走り方はこうだ、と言わんばかりにきれいな走り方をしていた。あくまで展開チェックのための走りなので、最後は完全に流していたが、正直ボクもビデオで外から見たいと思ったぐらいのきれいな走り方だった。

 

 プレクラスニーさんは、そんなマックイーンさんにぴったりくっついて、そのレース展開を学ぼうとしていた。

 そして、その展開を模倣しながら全力で走り、できるだけ自分のものにしようとしていた。

 マックイーンさんのベスト展開を引き継いで走れば、そりゃなかなか勝つのは難しいだろう。

 

 だが、ライアンさんの目標は正直よくわからなかった。

 勝ちたいという気持ちばかり先行していて、何がしたかったのかよくわからない。

 展開も無茶苦茶だから、本来格下のはずのプレクラスニーさんに追い付けていない。

 トレーナーさんとうまくいってないのではないか、と疑問に思った。

 

 ライアンさんは

 

「そうかも、しれないね」

 

 との一言だけを残して、その場を去っていくのであった。

 

 

 

 ライアンさんとはなんか余計わだかまりを残してしまったが、年末は近づいてきていた。

 年末といえばクリスマスである。

 クリスマス当日は有馬記念開催でもあるため、忙しくしている人も多いが、それはそれで別のイベントなので、クリスマスを祝うこと自体は何ら問題がない。

 

 基本、クリスマスのパーティは友達で集まって行われる。この時期実家に帰る子も少なくないので、個別に祝うのが通常だ。

 だから、生徒会で全体パーティといったイベントをやる必要はないのだが、それは味気ないということで、一つボクはイベントを企画した。

 

 クリスマス用のケーキを作るイベントである。

 クリスマスのケーキというと、各国いろいろあるらしく、今回ボクが準備したのは、ドイツのケーキ、シュトレンである。

 

 イチゴショートケーキなどの生もの系は、おいしいが保存や輸送が難しい。

 中には実家に持って帰りたい人もいるだろうと考えて、また、有馬記念関係で当日食べられない可能性を考えて、保管が容易なものを選んだのだ。

 多分、本物のシュトレンと材料も作り方も違うが、おいしいのでよしとする。

 事前準備が楽なのもある。

 カットのドライフルーツを大量に仕入れ、ドラム缶に全部詰め込んで、ラム酒をそこに注ぎ込む。2日程度置いておけば、中身の完成である。

 砂糖とミックスナッツと小麦粉、あとはドライフルーツがあればできるので、準備は容易であった。

 こうして、学食のキッチンを借りて、有馬記念前日にクリスマスケーキ大制作会を始めるのであった。

 

「おしゃれな料理だなと思ってたけど、簡単に作れるんだね」

「この前ヴィオラさんが作ってくれたの、おいしかったですからねー」

 

 ネイチャさんもプレクラスニーさんも楽しそうに参加してくれている。

 イベント前に何度か、試しに作って寮内で配っていたのだ。

 プレさんも一切れ食べていたようで今回のイベントを楽しみにしていてくれた。

 

 とはいえ参加者はあまり多くない。

 例えばリギルのメンバーは、有馬記念に参加するスルーオダイナ先輩の応援なんかもありみな来ていない。

 オグリさんたちも、有馬記念の準備があるし、マックイーンさんなんかも奈瀬トレーナーのところのスーパークリークさんが有馬記念に参加しているため、参加していなかった。

 

「みんな頑張ってるから、ウチがみんなの分作ったるでー」

 

 その分やる気なのがタマモクロスさんだ。

 去年のURA最優秀ウマ娘に輝いたオグリさんのライバルだが、去年の有馬記念ですでに引退をしていた。

 オグリさん以外にも、今回出場しているスーパークリークさんやイナリワンさんとも仲が良いようで、よく一緒にいるのを見かけるが、今回は有馬記念の応援にはいかず、代わりにケーキを焼くらしい。

 

「コミちゃんは少食だからまあこれくらいでいいやろ。クリークは案外食うから大き目で…… オグリはまあ普通でいいか」

「オグリさん、それで足りますか?」

「最近、昔に比べれば少食になったからな。まあ足りなかったらウチの分わけたるわ」

 

 そんなこと言いながら生地をこね始めるタマモさん。

 オグリさんにも普通のサイズのものを渡すつもりのようだが、とはいえウマ娘数人分に弟さんや妹さんにも送るらしく、こねている生地はかなりの量であった。

 

 ほかに参加している子たちも、思い思いに生地をこねている。

 ほとんどの子が、ほかの子にも上げるために作っているからか、全体的に量が多い。

 

 まあ、シュトレンは比較的簡単なお菓子だ。

 こねて、発酵させて、具を混ぜて、焼く。

 発酵の管理だけ少し大変だが、大勢で一斉にやればそうムラも出ないし、最後に粉砂糖を全面にかけるので多少焦げているのなんかも気にならない。

 

 ボクも、母とイワシミズのお姉さんと、バージちゃんとルーブル姉さんの5人で食べる予定の分を作る。

 あとはリギルのみんなにもお世話になってるし、一人1個で小さいのを作る。

 横で見ているだけのルーブル姉さんの口に、干し果物を時々入れつつ、料理は進んでいった。

 

 ウマ娘以外でも、チームメンバーの分を作っているのだろうかというトレーナーさんが何人も参加していた。

 うちは沖野トレーナーが家族の分だろう物を作っていた。

 そんな中で、ライアンさんのトレーナーさんである波野トレーナーを見かけた。

 

「うまくいってますか?」

 

 思わず声をかけてしまったが、何を話すのかなんてまるで考えていない。

 波野トレーナーというと、いろいろ変な噂がある人だ。

 ドーナツを買い占めしただとか、寮の空き部屋で寝ていたことがあるとか、何かと騒動的な噂を聞く。

 だが、彼が作るシュトレンはとても丁寧で、おいしそうにできていた。

 

「それ、ライアンさんにあげるんですか?」

「そうだ」

「ライアンさん、喜びそうですね」

「どうかな」

 

 粉砂糖を振りかける波野トレーナーに話しかけたが、話が、続かねえ!! 

 周りを見回したが、ライアンさんは見当たらなかった。

 

「ライアンさんと一緒に作ればいいのに」

「いつもトレーナーが一緒じゃうっとおしいだろ」

「そんなことないですよ。ライアンさん、結構そういうの好きそうに思いますが」

 

 なんというか、連想したのは両片思いのじれじれカップルである。

 ライアンさんがトレーナーさんとうまくやれてないのはわかったが、同時にトレーナーさんが好きなんだろうな、とは思っていた。そうでないと、ライアンさんの立場から言って、すぐにトレーナーを変えているはずだ。

 メジロのバックアップもあるだろうから、ラモーヌさんの小内トレーナーのアンタレスだって、アルダンさんの東城トレーナーのリギルだって、入れてもらえるはずだ。

 一方で波野トレーナーも、ライアンさんを思っているのはよくわかる。

 料理に気持ちは現れる。

 ライアンさんのために作られたシュトレンはとてもきれいで、宝石のように輝いていた。

 

 なんでこの二人すれ違ってるんだろう。

 こういう場合はきっと年長者の意見がいいだろう。

 

「沖野トレーナー、沖野トレーナー」

「なんだよ」

「かくかくしかじかで」

「まるまるうまうま、とな。そりゃ構わんが、お前、敵に塩送るのか?」

 

 年齢的に相談に乗るには十分、名声や評価で言えばぴか一なのが沖野トレーナーだ。

 おハナさんを捨てて10年逃げていたという人格的な問題はあるが、トレーナー業においてはこれ以上いい人物はいないだろう。

 なので、沖野トレーナーに波野トレーナーの相談に乗ってあげてほしいといったのだが、沖野トレーナーはちょっと乗り気ではなさそうな態度をとる。

 

 まあ、確かにうまくいってしまうと、ライアンが強くなってしまう。

 この前の併走の末脚は、おそらく全盛期のオグリキャップさんに迫りつつある。僕ではとても出せない速度だ。

 今のままうだうだしていてもらったほうが、しばらくボクとしては安心なのは確かだが……

 

「つまらないことやめてください。そういう試すようなことされるとあまり愉快ではないです」

「はっはっは、悪かった悪かった。お詫びにできたやつの端、やるから」

 

 誰かを不幸にして勝つぐらいなら負けたほうがましである。

 勝ち負け以前の問題であり、そんな当然のことがわからないとでも思っているのか。

 どうせ、ボクが相談した時点どころか、おそらく相談する前から何か動こうと思っていたに違いない。

 じゃないと、おハナさんがふらふらするのを許さないはずだ。

 さっきの質問は単に沖野トレーナーから、からかわれたに過ぎない。

 

「ほら、あーん」

「もぐもぐ」

「まあノリ君も若いからな。そういう迷えるトレーナーを導くのも、先輩トレーナーの役目さ」

「沖野トレーナー」

「なんだ?」

「これ、おハナさんに渡したら怒られますよ。塩と砂糖、間違ったでしょ」

「嘘だろ……」

 

 嘘だろと言いたいのはこちらである。

 どこから塩を持ってきたんだとこちらが聞きたい。

 

 多少トラブルはあったが、おいしいシュトレンがいっぱいできて、イベント自体は成功に終わったのであった。

 

 

 

「タマモさん、片付けまで手伝ってもらってすいません」

「いいんや、こっちもいろいろもらってるからな」

 

 みんなで作った後、器具などは当然各自が片付けてくれたが、材料の一部が余っていた。

 そういった材料は余らせていてもしょうがないので、全部まとめて作って、年末年始の学食などで出してもらう予定だった。

 一人せこせこ焼こうかと思っていたのだが、目ざとく見つけてきたタマモさんが、手伝いを名乗り出てくれたのだ。

 

「ヴィオラのことも少し心配やったからな」

「何がです?」

「そろそろピークきてるやろ。そうなると体調管理が大変なんや」

「? 特に異変はないですが」

 

 ピークになると、体調に変化が出るのは聞いているが、ボクはいつも通りである。

 特に何か変化は感じない。

 

「それならいいんやけどな。大体みんな攻撃的になるし、他にも何か異常が起きたりする。オグリなんかの食欲もその一環やな」

 

 まあ、今でも人並み以上食べるけどな、とタマモさんが笑う。

 

「ヴィオラもこんなイベントやるぐらい働いてると、大変だろうと思うてな」

「心配ありがとうございます」

 

 ピークか、そんなこと考えたことがなかった。

 ウマ娘は、本格化から実力が伸びていく。

 そして、ピークを迎え、ピークを超えると能力が『落ち着いて』しまう。

 100%を安定的に出せるようにはなるが、ピーク時は120%の実力が出るようなものだ。

 だから、ピークを超えると勝てなくなってしまうのだ。衰えているわけではなく、安定したというだけだ。

 

 そうしてピークは大体3パターンある。

 ジュニアから活躍し、クラシック前半までの早熟

 クラシック前半から活躍し始めるのが普通

 そして、クラシック後半から、遅いとシニアになってから活躍する晩成だ。

 

 そう考えると、ボクは典型的な早熟タイプだった。

 

「まあ、つらくなったら誰かに相談するんやで。会長でも寮長でも、うちでもかまわんからな」

「ありがとうございます」

 

 今までいつまででも走れると思っていた。

 だが、現実はそうではないのではないか。

 心が少し沈む気がした。




なお、沖野トレーナーはチームメンバーから(塩ケーキの代わりを)もらいましたが、
白井トレーナーは誰からももらえませんでした。
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