紫電の女王の栄光の道のり   作:雅媛

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ちょっと調整するために、前に出てきたタキオンさんをフライトさんに差し替えました。
今回出てくるタキオンちゃんは、第二子です、たぶん。


【閑話】紫電の女王のチーム作り【引退3年目】

8回生、大学部2年になり、生徒会長をテイオーに引き継いだボクは、トレーナーとしてスピカから独立し、チームを作ることにした。

 

「大丈夫なの? マリーちゃんまだ小さいし、今おなかに次の子いるんでしょ?」

「遠征とかは難しいから、そういうのしないチーム作る予定なんだ」

「どんな感じのになるの?」

 

フローラさんが、娘のヴィオラマリーナと、白井トレーナーの娘のアグネスデジタルちゃんを腕に引っ付けながら、ボクの書いている書類をのぞき込む。

足元にはタキオンちゃんと妹のヴィオラプリンペサもくっつけている。

 

フローラさんは子供たちに大人気である。

最近できた、というか学園と交渉して作らせた、学園内保育園で、いつも子供たちに集られている。

 

フローラさんとは、ボクが交際、結婚を始めた当初少し戸惑っていたみたいだけど、すぐに元に戻った。

最初に告白してくれていたのがフローラさんだから、個人的には結構負い目があったのだが、フローラさんはあまり気にしていないようで助かっている。

ただ、タキオンちゃんとかフライトちゃんに

「ずっとくっついてればほだされるから、押して押して押しまくりなさい」

と仕込むのはちょっとやめてほしい。

その洗脳(教育)のせいか、単に相性がいいからから知らないが、タキオンちゃんはうちのマリーちゃんにべったりである。

マリーちゃん自身、ボクと同じく好きな相手にくっついているのが好きなので、二人していっつも抱き合っている。

二人ともおとなしくなるから助かるのだけれども……

 

そんなフローラさんだが、ボクが生徒会会長の時は副会長で、そのままボクと同時にお役御免になっていた。

終わったら実家に帰ることも考えていたらしいが、保育園で子供が預けられるので、しばらく学園にいて、今後を考えることにしているらしい。

ボクも今後のことを考えることになり、トレーナー免許があるからトレーナーをすることにしていた。

 

「朝練でやってる、トレーナー契約未了の子集めてやってるトレーニングを、もうちょっと拡大しようかなと思って」

「チームに入る前にトレーニングできるチームを作るってこと?」

「そういうこと」

「でも、実績が出ないじゃない」

 

チームの実績はチームメンバーの実績の合計である。

だから、ある程度育てて他のチームに出す、ということをしてしまうと、チームの実績にならない。

 

「一応教官と同じぐらいは評価してもらえるように制度変えてもらう交渉は済んでるから大丈夫。まあ、半分趣味、半分布石だし」

「布石、ね。アルダンさんといろいろやってるのに関係あるの?」

「そそ、いくつか会社作ってるんだ」

 

個人的に、トレセン学園の制度で問題視しているのは未勝利ウマ娘の問題だ。

レースに勝てればその後は引っ張りだこだが、運がなかったり、怪我で未勝利で終わるウマ娘も少なくなく、そういったウマ娘へのフォローが十分ではないのだ。

そもそもウマ娘は、フィジカルが圧倒的に強いし、外見もよいという特徴がある。

だから仕事をさせるにはとても役に立つのである。

 

現在アルダンさんや、ルドルフさんと相談して、会社を作る準備を始めていた。

警備会社ヴィオラセキュリティ、農業をするヴィオラファームにモデル業を合わせたブランドラモーヌなんかも系列に組み込む予定である。

資本になるお金は幸いあるし、借り入れも難しくない。

建築はメジロが、林業はシンボリがやっているのでそことも連携する予定である。

パートなんかしていたうちの母みたいな落ちこぼれた人を、もっとウマ娘の素質を生かせる仕事に回して、どんどん経済に回す予定だ。

そのための布石として、こういうチームを考えていた。レースに勝てなかった子をいち早く見つけやすい。

全国の地方トレセン学園からも人を集める予定であり、オグリさんなんかも巻き込んでいた。

 

「で、フローラさんも噛まない?」

「アグネスの本業は印刷だから、あまり役に立たないわよ」

「フローラさん自身としては?」

「興味あるわね。ウマ娘の神秘に近づくには、データは多いほうが良いもの」

 

大量に人を集めれば、健康管理なども必要になる。

トレセン学園内にもウマ娘医学部は存在し、フローラさんがそこで頑張っているのも知っている。

お家がどう考えているかはわからないが、フローラさんがしたいことができるのではないかと思う。

 

こうして仲間を増やし、徐々に準備はされていくのであった。

 

 

 

こんな経緯で作られたチームポラリスだったが、評判は良かった。

最初から100人以上のウマ娘が集まったが、指導する人手の確保にそう苦労はしなかった。

まず、新人トレーナーが挙って所属し、良さそうなウマ娘がいればポラリス内で仲を深め、その後正式契約して独立する、なんていうことを許したからだ。

新人トレーナーたちは気に入られたいため、みんな一生懸命指導する。

贔屓なんてすればウマ娘たちの横のつながりは強いので、一瞬にして干されるのだ。

だからこそ、目的じゃない子への指導にも熱が入る。

他にも、チームをもっているトレーナーたちも、チーム間協力としてポラリスに協力してくれる。目的はもちろんウマ娘の確保である。

どんどん引き抜いてくれないと数が減らないので、引き抜き自由なものだから、新人たちと同じように、指導して良さそうなウマ娘はどんどんみな引き抜いていった。

 

また、教官たちへの評判もいい。

今まで教官たちの指導が画一的だったのは担当するウマ娘の数が多すぎたからだ。

指導対象が半分程度になった教官たちの指導のレベルも上がったと評判が良かった。

 

もちろんウマ娘側にもメリットは大きい。

なんせ、すでにポラリスというチームの大枠に入っているから、断るデメリットが少なくて、断るのも容易だし、他のトレーナーとの比較も簡単だ。

半年もすれば、100人以上いたウマ娘も、2人まで減ってしまうぐらいの状況だった。

 

ただ、この二人が少し問題があった。

性格が悪いわけではない。二人ともすごいいい子である。

だが、正直、足が遅いのだ。

 

一人はハルウララ。高知からわざわざ転入してきた子だ。

珍しいピンク色の毛色。

明るく天真爛漫な性格。

愛嬌に三重丸ぐらい付けたくなる、かわいい子である。

だが、しかし、足が遅い。

この子を編入させようと決めたのに、責任を持たなかったアホトレーナーは二度とトレセン学園の敷居を跨がせなくしてやると心に決めた。

 

一人はハートランドヒリュ

体格がよく、はたから見るとすごく強そうである。

その一方その中身はまじめで優しくとてもいい子である。

だがやはり足が遅い。

こちらはちゃんと入学してきたのだが、勝ち抜くのは難しそうだ。

 

トレーナーたちもわかるからこそ無責任に引き受けたりしない。

結果、この二人は残ってしまったのだ。

 

そんなこんなで、ポラリスのメンバーはこの二人とボクで、始まることになった。

 

 

 

二人についてのレースプランははただ一つ、とにかく走りまくる、である。

幸い二人とも、走るのは大好きなようで、ずっと走っていても苦でない性格である。

ならばとにかく走って走って走りまくって、ラッキーな感じでも1勝でも確保できればいいな、という戦法を取ることにした。

 

こちらも身重なものだから、そうそう遠征もしにくかった…… なんてことはなく、プリンちゃんやマリーちゃんを連れて日本全国URAの予算で旅をしまくりである。

 

北は帯広のばんえいから、南は高知競馬場、西の佐賀競馬場まで、ローカル含めて周りに回りまくった。

 

さすがに二人目を産んで、三人目がおなかにいる中で乳幼児を連れる頃になると周りがボクのことを止め始めた。

片手にプリンちゃんとマリーちゃん、もう片手には生まれたばかりのヴィオラドンナちゃん、おなかの中には新しい命というフルアーマー状態で全国を飛び回るのはさすがにやばいと判断されたようだ。

最終的には二人とも理解あるトレーナーさんのところに移籍していったが、ウララちゃんは120戦近く、ヒリュちゃんは130戦近く走っていた。

 

全国を飛び回るのを止めたボクだが、その分人材確保に励んでいた。

ケガをしたり、あまり実績が残せない子がうちのチームに戻ってくる、なんてことも少なくない。

そうして不安になった子たちをスカウトするのだ。

 

ウララちゃん経由で各地の農家さんとつながりができ、技術協力のもと、東京の奥地で運営を始めたヴィオラファーム。

ウマ娘のパワーをもってするとすごい勢いで農作業が進んでいき、なんかわけわからないウマ娘力も混じったのか、すさまじい勢いで人参が生産され始めていた。

そんな農作業から、宅配まで、ウマ娘がやるととても効率が良かったりする。

ということでトレセン学園卒業生を大量にスカウトしたのだ。

人参食べ放題付きの雇用条件は、ウマ娘たちにとって好待遇だっただろう。

東京西部の山奥が、どんどんニンジン畑に開墾されていくのだった。

 

ヴィオラセキュリティも人気が高い。

なんせウマ娘が走って駆け付けるのでトラブル時に駆け付けるのがとても早いのだ。

更に相手がヒトならば、ヒトがウマ娘に勝てるはずがないので、簡単に鎮圧ができる。

あとはイベントなどの警備にも引っ張りだこである。

ラモーヌブランド製の制服は、ルドルフさんの勝負服に似た、軍服風のミニスカートなのでとてもかっこいい。

並べば壮観だし、皆かわいいので必要以上に威圧感もない。

で、とても強いのだから警備には最適である。

正直ウマ娘がいくらいても足りない状況だった。

 

チームポラリスは外の会社ともシナジーを産みながら徐々に有名なような、無名なようなチームとして成長していくのであった。

 




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