紫電の女王の栄光の道のり   作:雅媛

62 / 62
あくまで独自設定の話です。
カタカナの名前で卒業後も活動していないんじゃないだろうかと思いました。


【閑話】ウマ娘の通名

「そういえば卒業した後の通名、どうしようか」

 

 アルダンさんに抱っこされながら、ボクはそんな話をし始めた。

 

 ウマ娘のカタカナの名前はれっきとした本名である。

 ボクのヴィオラレジーナしかり、アルダンさんのメジロアルダンしかり、ちゃんと戸籍にも住民票にもそう書いてある。

 だが、さすがに日常生活を送るにはいささかいかつすぎる名前でもある。

 だから、人気が出て、タレントになるようなウマ娘でなければ、大体のウマ娘はある程度の時期、遅くとも学園卒業までには、通名を名乗るのだ。

 

「そうですね。メジロは大体北野か岩崎ですね」

「スポンサーがしっかりしているところはいいねぇ」

 

 通名といっても自由に決めるわけではない。いや、自由に決めてもいいのだが、一から名前を考えるのは大変なのだ。だから、基本はメジロ家のようなそれぞれのスポンサーで、どんな名字にするか決めている。メジロなら北野や岩崎、フローラさんところのアグネスなら渡辺だったりする。

 ちなみに名前の方はウマ娘本人が自分で決める。フローラさんなんかは「花子でいいや」とか無茶苦茶雑に決めたので通名「渡辺花子」である。フローラが花とはいえちょっと雑過ぎる気がする。

 

 何にしろ通名である。

 ボクやルーブル姉さんのようにスポンサーがいないウマ娘だと、名字から考えないといけない。アルダンさんと結婚することも考えればアルダンさん側に合わせてもいいのだが……

 

「メジロのみんなは北野や岩崎ですし、できればヴィオラちゃんに合わせたいですね」

 

 と嬉しそうに言うから、名字から考える必要があった。

 とはいえ一から考えるのはなかなか難しい。

 

「そう言えば、お母様はどんな通名を使っているんですか?」

「そう言えばなんだろう……」

 

 親からもらうというのも一つの選択肢であるのは確かだ。だが、母の通名を知らないことに気づいた。

 ボクやルーブル姉さんはお母さんだし、イワシミズ姉さんは姐さんと呼んでいる。よく考えたら名前で呼ばれているのを見たことがない。

 あの人は何と言うか、いろいろ普通ではないからきっと参考にしてはいけないだろう。やっぱり欲しくなったという理由だけで10歳下の妹を産んだ人は伊達ではないのだ。

 

「ひとまず名前から考えよう。苗字はお母さんと揃える方向で検討しよう」

「それもいいですね。それで、どんな名前にするつもりなんです?」

 

 アルダンさんはボクのほっぺをムニムニしながら、興味津々に聞いてくる。

 

「紫って書いてゆかりかなぁ」

 

 安直だが、ボクのトレードマークといえばこの紫色の髪だ。紫に関連したウマ娘なんて多くないだろうし、ちょうどいい名前だと思う。

 

「そう言えば、何で紫ってゆかりって読むんでしょうね?」

「ゆかりの色が紫だっていうのが古今和歌集の和歌由来で信じられているんだって」

「そうなんですね」

「出典はゆかりふりかけを作っている会社のホームページだけど」

「……それでいいんですか?」

 

 ちなみにあとで国語の教官に聞いたが、大本は源氏物語を「紫のゆかりの物語」というところかららしい。

 それで、なんで紫のゆかり、などという理由が、諸説あるが古今和歌集の歌から来ているのではないかという話だとか。

 教養が深くなった。

 

「ということで名前はゆかりで、名字はお母さんに合わせることにするよ」

「わかりました」

 

 最初はゆかりふりかけからの連想だが、おしゃれでありそう悪いとは思わない。

 だが、そうして決めた名前が、後ほど後悔することになる。

 

 この後実家に帰って母に通名を聞いたのだが、母の通名の苗字は紫(むらさき)だったのだ。どうやら母も自分の髪の色を見て、適当に紫という名字にしたらしい。親子であり、思考が似すぎていた。

 この瞬間、漢字で書いて「紫紫」が爆誕したのだった。

 読み方もわかりにくい。むらさきゆかりである。

 

 アルダンさんはやんわりと名前を変えるのを提案してきたが、意地になったボクは結局名前を変えなかったので、こんな変な名前になってしまうのであった。

 

「人の名前安直と言ってたけど、ヴィオラちゃんの名前のほうがよほど安直で変じゃない」

 

 フローラさんの発言がボクの心に突き刺さった。




続編書こうかなと思っていますが、いろいろ紆余曲折した挙句シルクジャスティスちゃんを書きたくなっています。
書くかどうかは未定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ライスシャワーのようでライスシャワーでないちょっとライスシャワーな転生ウマ娘(作者:雅媛)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

ライスシャワーになったのでウマ娘生がとても楽しい。▼多分ライスシャワー、なウマ娘の話。


総合評価:2272/評価:7.56/未完:41話/更新日時:2023年02月12日(日) 06:00 小説情報

酒呑みの鬼神(作者:産地直送の焼き鳥)(原作:呪術廻戦)

 呪術廻戦にFate/の「酒呑童子」突っ込んだn番煎じの特級呪物。▼ pixivで酒呑童子のイラスト見て脳が焼かれて、いつのまにか書いてた。▼ 後悔はしていない。主人公、酒呑童子の容姿は『Fate/、酒呑童子』で調べたら出てくる奴です。ちなみに呪術が主軸で、Fate/のキャラは酒呑童子以外出さん。▼ それと作者のFate/知識はpixivとwikiのみのため…


総合評価:1380/評価:7.63/連載:4話/更新日時:2024年01月16日(火) 21:51 小説情報

あなたはウマ娘である。(作者:サイリウム(夕宙リウム))(原作:ウマ娘プリティーダービー)

あなたはウマ娘である。▼この度書籍化いたしまして、DLサイト様およびBOOTH様にて販売中です。▼DLサイト▼https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ417459.html▼BOOTH▼https://youtyan.booth.pm/items/4153207


総合評価:9690/評価:7.81/連載:89話/更新日時:2025年08月28日(木) 17:00 小説情報

転生したらまた愛馬だった…って、今度は女の子ぉ?!(作者:ミヤセ)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

人から馬へ、馬から人へ…。▼回るよ倫理はぐるぐると…。▼サラリーマン時代にお世話になり、競走馬時代に可愛がってくれたオーナーと同じ魂のこの人に…。▼俺が返せるのは…走り、結果を出すこと!!


総合評価:422/評価:6.58/連載:11話/更新日時:2026年04月16日(木) 17:07 小説情報

今日も楽しく安価だ!(作者:カニ漁船)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

安価大好きな主人公がウマ娘に転生してなんやかんやするお話。


総合評価:11287/評価:8.28/連載:194話/更新日時:2026年02月21日(土) 22:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>