別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか 作:さすらいの旅人
今回はちょっとした気分転換として、活動報告で却下された筈の提案をIF企画として書いてみました。
内容はダンまち原作17巻の終わり間際の話です。
オラリオに住まう住民、もとい各【ファミリア】の主神と冒険者達は怒りを燃やしていた。自分達を魅了するだけでなく、都合の良い
これには一般人達も当然怒りを露わにしている者もいるが、流石に冒険者達と同じく
だが、その一般人の中に例外がいた。『豊饒の女主人』で働いている唯一の男性店員が、フレイヤのやらかしに憤りを感じながら『
「フレイヤ、今度ばかりは絶対許さん……!」
男性店員――兵藤隆誠がそう言いながら、途端に姿を消すのであった。
「ヘスティア――『
『
負けたら何でも受け入れるだけでなく、天界の送還も受け入れる。勝てばベルを貰うとフレイヤが淡々と告げるも、ヘスティアは断ろうとした。
しかし、結局のところ受け入れざるを得なかった。都市最大派閥である【フレイヤ・ファミリア】を解体する事をギルドが容認出来ない上に、フレイヤはほとぼりが冷めた後にまた同じ事を繰り返してしまう。自身の【ファミリア】と地位を持つ彼女だからこそ言える台詞に、ヘスティア達は何も言い返す事が出来なかったのだ。
【ファミリア】の主神や冒険者だからこそ理解出来るが――
「お前は本当に自分勝手な
『!?』
突如、第三者からのフレイヤ達は戸惑う。
誰もが聞き覚えのある声で振り向くと、そこには自分達が知っている人物がフレイヤの神室に佇んでいた。
「リューセーさん!?」
「リューセーくん、どうして君がここに……?」
ベルとヘスティアは隆誠を知っている。詳細については割愛するが、【ヘスティア・ファミリア】は色々な意味で助けられた事で、大変仲が良い知人の関係になっているとだけ言っておく。
少し遡るが、オラリオが女神祭で賑わっている頃に隆誠はいなかった。その時には諸事情があってオラリオから少し離れた
当然、メレンにいた隆誠は異変を感じるも、突如空から【ヘルメス・ファミリア】の団長アスフィ・アル・アンドロメダがリューを抱えながら降ってきた。そして彼女から異変の元凶が【フレイヤ・ファミリア】だと聞き、急いで戻ろうとするも、彼女から渡されたヘルメスからの手紙を見た事で行けなかった。『ヘスティアが合図を出すまでオラリオに戻るな』と書かれていた為に。
手紙を読んだ隆誠は一体どう言う意味なのか全然分からなかったが、あの胡散臭い
そして、
「隆誠、確か貴方メレンにいた筈では?」
「アンドロメダさんを通じて、ヘルメスから一通り事情を聞いたんだ」
隆誠からの返答を聞いた事で、フレイヤは内心「やっぱりあの
ヘルメスは隆誠と面識があるも、実はそんなに仲が良い訳ではない。数ヵ月前にダンジョンで『Lv.2』になったばかりのベルを試そうと、ベルに嫉妬してる冒険者を上手く唆した際、リューと一緒に内緒でダンジョンへ来た隆誠から大変きつい
普通なら平然と神を折檻する
「それはそうと、お前が提案した
「……これは主神の私とヘスティアが決めた事よ。貴方にそんな権利は一切無いわ」
「さっきまで人の権利を平然と奪っていたお前が言うと、滑稽な台詞にしか聞こえないな」
「っ……」
フレイヤは途端に何も言い返せなくなっていた。
ベルを自分の
本来であればフレイヤは戯言のように軽く聞き流せるのだが、隆誠だけは全く別だった。それどころか痛い所を突かれたかのように苦々しい表情になっている。
(ど、どういう事なんだ? あのフレイヤが、
ベルやアスフィと一緒に見ているヘスティアは、二人とは違う意味で内心驚いていた。
天界にいた頃にフレイヤと大して接点のないとは言え、彼女が非常に
「フレイヤ、これ以上お前の
「なっ……」
「「「えっ!?」」」
隆誠の宣言にフレイヤだけでなく、一緒に聞いていたヘスティア達も困惑の声を上げた。
「【
「そこは俺の方で後々考えるから、お前が気にする必要など無い」
ギルドは【フレイヤ・ファミリア】を黒龍を討つ為に必要な戦力と見ている事もあって、中々強気に出れない節がある。オラリオに二年もいる隆誠はソレを知っており、ギルド長を務めるロイマン・マルディールが抗議するだろうと既に予想していた。
『ギルドの豚』と称される彼は仕事面に関して非常に有能かもしれないが、黒龍討伐と言う
「だが解体する前に、先ずお前から退場してもらわないと、な」
「いくら貴方でも、私を
神同士ならともかく、人間がやれば不味い事態に陥ってしまう。人間が神殺しを実行した後、死して魂が天界に還った瞬間に神々から咎を受けてしまう。下手をすれば永遠の責苦を与えられ、二度と転生出来なくなる。
フレイヤとしては、隆誠にそんな罪を背負って欲しくなかった。自分を愛してくれていないとはいえ、今も対等に接してくれる唯一の人間である為に。
「そんな物騒な真似はしない。ただ単にお前を封印するだけだ」
「封印?」
フレイヤが怪訝な様子を見せるも、隆誠は気にせず懐からある物を取り出した。それは小さな小瓶で、表面には『女神封じ』と
「か、神様、人間が神を封印なんて、出来るんですか?」
「さ、さぁ。アスフィ君は何か知ってるかい?」
「私からすれば、神を封印なんて大それたことをする彼が逆に凄いとしか」
小瓶の栓をキュポッと開けてから地面に置く事に、ベル達もフレイヤと同じく疑問視していた。
誰もが不審そうに見ている中、隆誠は途端に構えようとする。
「覚悟は良いか、フレイヤ?」
「ッ!」
隆誠の台詞を聞いた瞬間にフレイヤは本能的に危険と察したのか、強制送還覚悟で『神威』を発動させようとする。
しかし、それをするには少しばかり遅かった。
「
隆誠が両手を前に出しながら技名を言った直後、黄色い大きな渦がフレイヤを包み込もうとする。
「どひゃぁぁぁぁぁぁ!?」
「か、神様!」
「ううっ! な、何なんですかコレは!?」
大きな渦から凄まじい突風が神室全体に吹き荒れてる事で、ヘスティア達は巻き添えを食らっていた。吹き飛ばされそうになるヘスティアをベルが何とか抑え、アスフィは両脚に力を込めながらも何とか踏ん張っている。
「いやぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!」
渦に巻き込まれたフレイヤは両腕を伸ばし始め、そのまま黄色い渦に巻き込まれるようにグルグルと回って光に覆われていく。
隆誠が使った
「フレイヤ! 暫くこの瓶の中に入ってもらうぞ!」
「オッタルゥゥゥ! 助け――」
「でやぁ!」
光に覆われてるフレイヤがこの場にいない眷族に助けを乞う中、隆誠が両腕を小瓶目掛けて振り下ろす。
そして光が小瓶に全て飲み込まれた瞬間、隆誠は即座に置いてる栓を持ち、すぐにそれで小瓶の穴を塞いだ。
フレイヤがなす術も無く封印される光景に、ベル達は唖然としながら見ているだけだった。神室に異変が起きたと気付いたフレイヤの眷族達が駆け付けるまでは。
如何でしたか?
もし皆様が宜しければ、リューセーVS【フレイヤ・ファミリア】の戦闘+その後の展開も書こうと思っています。
感想お待ちしています。