別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか   作:さすらいの旅人

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少し遅れてしまいました。


IF企画 リューセーVS【フレイヤ・ファミリア】 幹部集結

 フレイヤの神室から飛び出した俺は、【フレイヤ・ファミリア】が普段から訓練(ころしあい)をしている広い庭へと向かっていた。

 

 その後ろから、オッタル達が逃がさないと言わんばかりに追いかけている。フレイヤが封印されてる小瓶を奪い取るまで、地の果てまでも追うと言わんばかりの形相だ。

 

 本気で逃げるのであれば飛翔術を使って大空を舞う、もしくは転移術でオラリオから去れば良いだけの話だが、今回はどちらも使わず跳躍(ジャンプ)疾走(ダッシュ)のみで逃走している。

 

 勿論、ソレ等をやらないのには理由がある。【フレイヤ・ファミリア】を解体させる為、オッタル達を倒さなければならない。その為に、戦いやすい場所である広い庭へ向かっているのだ。

 

 フレイヤを天界送還させ、オッタル達の『神の恩恵(ファルナ)』を切り離して一般人(じゃくたい)化させるのが手っ取り早いが、流石にそれは出来なかった。いくら聖書の神(わたし)が別世界の存在とは言え、万が一に元の世界に戻って別世界の神殺しをやった際の負債を背負いたくない。益してやフレイヤと言う同姓同名の女神を殺したと、向こうのフレイヤに知られたら絶対面倒な事になるのが目に見えているから。故に俺は封印と言う手段を取り、オッタル達と真っ向勝負で勝利してから【フレイヤ・ファミリア】を解体する事を決めた。

 

 今までは都市最大派閥だからと敢えて見逃していたが、今回やらかした愚行に俺も久々にキレそうになった。神としてやってはいけない行為を、フレイヤは見事にやってしまったのだから。加えてオッタル達も主神の我儘(めいれい)に応えようと横暴な振る舞いも目に余る為、徹底的に叩きのめす必要があった。強者が何をしても許されると言う考えならば、俺もお前等の流儀に倣って蹂躙してやるとしよう。

 

 そう考えていると、目的地である庭に辿り着いた。俺が足を止めて、追跡しているオッタル達へ振り向く。

 

 直後、右手の人差し指で自分の正面に光の軌跡を生み出した直後、その軌跡が無数の光の破片を生み出して前方正面に高速連射する。

 

「ッ!」

 

 先頭のオッタルは嫌な予感が過ったのか、俺が放ったオンネンバの光弾技――『シャイニングシャワーレイン』を躱そうと、即座に跳躍した。

 

『グァァァァァ!!』

 

『キャァァアアア!!』

 

 回避したオッタルとは別に、他の団員達は夥しい光の破片を受ける事になった。頭の中が俺に対する怒りと殺意に染まっていた所為で、オッタルみたいに躱す余裕が無かったのだろう。

 

「ヴァン! ヘイズ!」

 

 地面に着地したオッタルは、近くにいた団員達に声を掛けるも、彼等は立ち上がる事が出来ずに倒れていた。

 

 威力を抑えているのとは別に、あの技には聖書の神(わたし)の光も加わっている為、直撃したヴァン達は暫くの間起き上がる事は出来ない。確か『強靭な勇士(エインヘリヤル)』と呼ばれているみたいだが、俺からすれば単なる雑兵に過ぎなかった。

 

「無駄だオッタル。さっきの光を受けた以上、ソイツ等は暫く使いものにならないぞ」

 

「……今のが、報告にあった『魔術』と言う奴か」

 

 オッタルが何やら誤解をしているようだが、敢えて何も指摘しなかった。俺が放った技は魔法じゃないのだが、向こうからすれば魔術のように見えたのだろう。

 

 報告にあったと言ってたけど、恐らくあの時の戦いについてだろう。クノッソス進攻作戦の際、【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】が共闘中に俺もさり気なく混ざっていた。そこには我が弟子(リヴェリア)がいたので、特別サービスとして敵に原初のルーン魔術『死のルーン』を披露した事で、初めて見たリヴェリアが少々暴走しかけて大変だった。その現場には白黒エルフのヘディンとヘグニもいた事も補足しておく。

 

 まぁ、今はそんな事など至極如何でも良い事だから――

 

美神(あのかた)の庭で何してやがる!」

 

 集中しようと考えた矢先、背後から聞き覚えのある声がした。

 

 同時に凄まじい殺気もして、自身の後頭部に襲い掛かるであろう一閃を瞬時に躱して距離を取ろうとする。

 

「よぅアレン、久しぶりだな」

 

「馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇ、クソ人間(ヒューマン)

 

「態度も相変わらず、か」

 

 二年前と言う月日が流れた所為か、今のアレンはまるで忘れているかのようなデカい態度を取っていた。

 

 だが、少しばかり違う点があった。さり気なくオーラを探った際、以前戦った時より少しばかり大きくなっている。

 

「以前より速さが増したな。もしかしてランクアップでもしたか?」

 

「テメェに答える義理はねぇ。さっさと死にやがれ」

 

 即座に返事をすると言う事は、どうやら本当にランクアップしたようだ。

 

 確かアレンは『Lv.6』らしいが、今はオッタルと同じく『Lv.7』になったのだろうか。

 

「だが死ぬ前に確認する事がある。テメエが『フレイヤ様を封印した』と抜かしていたが、あれはどう言う意味だ?」

 

「お前に答える義理はないんだが」

 

「そうか。なら死ね」

 

「待て、アレン」

 

 先程の仕返しも込めて言い返すと、アレンは再び構えて俺に攻撃を仕掛けようとするも、オッタルがすぐに阻止した。

 

「奴の右手に持ってる小瓶を見ろ」

 

「あぁ? アレが何だってんだ?」

 

「あの小瓶の中にフレイヤ様が入っている」

 

「!?」

 

 オッタルがそう言った直後、今までとは違う反応を示すアレン。

 

「俺は直接見てないが、隆誠はフレイヤ様を小瓶に封印したらしい」

 

「何だと!? オッタル、それが本当ならテメエは一体何をしてやがった!?」

 

「……………………」

 

 アレンからの非難に、オッタルは何も言い返そうとせずに無言を貫く。

 

 絶対の忠誠を誓っている主神が封印された事に気付かず、呑気に本拠地(ホーム)内で待機していたオッタルに憤っているってところか。

 

「オッタルだけを責めるのは筋違いだろう。堂々と外から侵入した俺に気付かなかった間抜けなお前達の所為で、フレイヤが封印される結果になったんだから、な」

 

「――ならば猶更、我々がフレイヤ様をお救いせねばならないな」

 

 すると、またしても聞き覚えのある声がした。

 

「【永争(えいそう)せよ、不滅の雷兵(らいへい)】、【カウルス・ヒルド】」

 

「ヘディンか!」

 

 聞き覚えのある声――ヘディンが短い詠唱と魔法名を言った瞬間、俺の頭上から白い雷の弾幕が降ってきた。

 

 超スピードを使って躱すも、未だに白い雷の弾幕が降り止まずに狙い続けている。

 

「その小瓶……頂くよ」

 

「相変わらず小声だな、ヘグニ!」

 

 ヘディンの魔法を躱している最中、いつの間にか俺に接近してきた黒エルフ――ヘグニがボソボソ呟きながら剣を振り翳そうとしていた。

 

 剣があと少しで当たろうとする寸前、俺は咄嗟に遠当てを使おうとキッと睨んだ。

 

「ぐっ!」

 

 突然の衝撃にヘグニは軽く吹っ飛ぶも、威力が弱かった所為か、即座に態勢を立て直していた。

 

 ヘディンが放っていた魔法の雷が降り止んだが、まだ他にも襲撃者がいる。

 

「フレイヤ様を封印するなど、万死に値する」

 

「このままくたばれ、クソ野郎」

 

「前々から気に入らなかったんだよ」

 

「と言うか、その小瓶寄越せ」

 

「今度はお前等か、アルフリッグ達!」

 

 いつの間にか俺を囲んだ小人族(パルゥム)の四つ子兄弟――ガリバー兄弟がそれぞれ持つ得物(槍、大鎚、大斧、大剣)を振るおうとする。

 

 四人からの同時攻撃を並みの冒険者であれば躱すことなど不可能だが――

 

「ばっ!」

 

「「「「!?」」」」

 

 俺は小瓶を持っていない片手を開いて上げた瞬間、自身の周囲から凄まじい衝撃の突風が吹き荒れた。それを受けたアルフリッグ達は威力に耐え切れず吹っ飛んでいく。

 

 これは『ドラグ・ソボール』の極悪人キャラ――フリーズが第二形態の時に使っていた『ソニックボンバー』。オーラを解放して自分の周囲を吹き飛ばす技だが、今回は加減した事で威力が低い。その気になればフレイヤの本拠地(ホーム)ごと吹っ飛ばせるが、流石にそれをやる訳には行かないので手加減する事にした。

 

「くっ、舐めた真似を……!」

 

「おかしな魔法を使いやがって……!」

 

「と言うか、詠唱しないでやらなかったか?」

 

「次は必ず当てる……!」

 

 やはりと言うべきか、アルフリッグ達に大してダメージはないようだ。

 

 それはそうと、【フレイヤ・ファミリア】の第一級冒険者達が勢揃い、か。

 

 普通なら絶体絶命とも言うべき状況かもしれないが、俺としては非常に好都合だった。纏めて片付けてやる。




オッタル、アレン、ヘディン、ヘグニ、アルフリッグ達が集結しました。

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