別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか   作:さすらいの旅人

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台詞についての活動報告にコメントしてくれた方々に感謝します。

色々参考にさせて頂きました。


IF企画 リューセーVS【フレイヤ・ファミリア】 力の差を教えるリューセー

「【フレイヤ・ファミリア】の精鋭達、か」

 

 自身の目の前にいる者達を見た事で思わず呟く隆誠だが、それはある意味当然かもしれない。都市(オラリオ)どころか世界にも轟かすほどの傑物達が勢揃いしているのだ。

 

 猪人(ボアズ)の【猛者(おうじゃ)】オッタル。猫人(キャットピープル)の【女神の戦車(ヴァナ・フレイア)】アレン・フローメル。白妖精(ホワイト・エルフ)の【白妖の魔杖(ヒルドスレイヴ)】ヘディン・セルランド。黒妖精(ダーク・エルフ)の【黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)】ヘグニ・ラグナール。小人族(パルゥム)の四つ子で【炎金の四戦士(ブリンガル)】ガリバー兄弟。

 

 【フレイヤ・ファミリア】が誇る計八人の第一級冒険者が揃えば、如何なる相手であろうと敗北は免れない。例え他国の軍勢が攻め入ろうとも、単なる有象無象に過ぎず蹂躙されてしまう。現に彼等は以前、砂漠の国で多くの軍勢を相手に圧勝していたのだから。

 

 普通ならこんな強者達を目の当たりにすれば恐怖してもおかしくないのだが、隆誠は異なる反応を示していた。恐怖しないどころか、余裕な笑みを浮かべながら彼等を見ている。

 

 短気なアレンならば軽視する相手を容赦無く叩きのめす筈なのに、仕掛けようとする傾向が全く見受けられない。一切の油断をせずに構えながら隆誠を見据えているだけだった。

 

 それはオッタル達も同様だった。当時『Lv.6』だったアレンを無傷で倒した事を覚えており、二年経った今でも警戒を緩めていない。更には彼の右手にフレイヤを封印した小瓶を持っている為、どうやって奪い取ろうかと必死に考えている。

 

 すると、隆誠は何かを思い出したかのように言い放った。

 

「お前達にまだ言ってなかったが、お前たち【フレイヤ・ファミリア】は(一時的に)解体させてもらう」

 

『………は?』

 

 突然の宣言にオッタル達は途端に唖然とした。

 

 だがそれは一瞬で、すぐに抗議の声を上げようとする。

 

「いきなり何寝ぼけたこと言ってやがる。てめえにそんな権限あるわけねぇだろうが」

 

 真っ先に反論してきたのはアレンで、苛立ちながら隆誠に向かってそう言い返した。

 

 この発言にガリバー兄弟ことアルフリッグ達も反論する。

 

「ふざけるなよ、このクソ野郎」

 

「勝手な事を抜かすな、このクソ野郎」

 

「頭に蛆が湧いたみたいだな、このクソ野郎」

 

「寝言は寝て言え、このクソ野郎」

 

 反論しながら罵倒するガリバー兄弟だが、隆誠は全く気にしていなかった。

 

「お前達こそ、よくそんな偉そうな事が言えるものだ。俺がこんな突飛な発言をする理由は既に分かってるだろうに」

 

「……フレイヤ様の魅了で操られていた者ならまだしも、港街(メレン)に居た貴様には無関係の筈だ」

 

 ヘディンも隆誠が女神祭が始まる前から港街(メレン)に向かっている事を知っていた。

 

 彼もオラリオにある『豊饒の女主人』で働いている住民とは言え、美神(フレイヤ)の『魅了』から免れた隆誠は今回の件に無関係な第三者。そんな奴が勝手に【フレイヤ・ファミリア】を解体など出来る訳が無いとヘディンが遠回しに言うも、当の本人は全くお構いなしである。

 

「それ以前の問題だ。お前等、フレイヤの命令で【ヘスティア・ファミリア】を襲撃しただろ」

 

『ッ!』

 

 フレイヤがオラリオ全土に魅了を施す前、自身の眷族達を使って【ヘスティア・ファミリア】を襲撃した事を隆誠はアスフィから聞いている。同時にヘスティアからベル・クラネルを奪おうとした事も含めて。

 

 それを知った隆誠は(この世界の)フレイヤに心底軽蔑した。力付くで他人の眷族を奪うだけでなく、無関係な周囲の人間や神達も平気で巻き込もうとする美神をこれ以上見逃す訳にはいかない。そう決断してしまう程に。

 

「自分より格下の【ファミリア】を甚振っていたお前等こそが真のクソ野郎だよ」

 

「……俺達はフレイヤ様の命に従った。ただそれだけだ」

 

 オッタルは何か思うところがあるも、【フレイヤ・ファミリア】の団長としてそう答えた。

 

 主神のフレイヤに命じられれば、自ら泥を被る覚悟を見せている。それはオッタルだけでなく、全ての【フレイヤ・ファミリア】の眷族達にも言える事だった。

 

「肝心のフレイヤは今この中に封印されてるが、な」

 

「隆誠、今すぐフレイヤ様を解放しろ。如何にお前でも、俺達を相手にすればタダでは済まないと分かっている筈だ」

 

 その発言に隆誠は途端にキョトンとした顔になる。

 

 数秒後には――

 

「く、くく……ははははは………ハハハハハハハハハハハハハハ!」

 

 まるでもう堪えきれないように大爆笑をするのであった。

 

 奇怪とも呼べる行動にオッタルだけでなく、アレン達ですら訝るのは当然だった。

 

「この状況で何笑ってやがる」

 

「ああ、悪い悪い。オッタルが余りにも面白い台詞を言った所為で笑いが堪えきれなくて……ククク……!」

 

 アレンの指摘に隆誠は謝りながらも爆笑した理由を答えるも、オッタル達は益々分からなかった。

 

「確かにお前達はオラリオ最強と呼べる【ファミリア】だ。そこは認めるよ」

 

 だがな、と言いながら隆誠は続ける。

 

「この際だからハッキリ言ってやる。たかが『Lv.7』や『Lv.6』程度の力しかないお前達では俺に勝てない。絶対に、な」

 

「てめえ……!」

 

 俺に勝てないと断言する隆誠に、アレンはキレてしまいそうなほど怒りの表情を露わにした。

 

 彼だけでなくヘディンやヘグニ、アルフリッグ達も同様だった。オッタルだけは未だに表情を変えていないが。

 

「尤も、今のお前達からしたら戯言にしか聞こえないだろうから教えてやるよ。だがその前に――」

 

 そう言いながら隆誠は右手を軽く上げた途端、フレイヤを封印している小瓶が光で覆われると、サイズが更に小さくなっていた。その直後、あろう事か隆誠は、その光を口の中に入れてゴクンと飲み込んでしまった。

 

『ッ!?』

 

「んぐっ………ふぅっ」

 

 光で覆われているとは言え、小瓶を丸ごと飲み込んだ隆誠の行動にオッタル達は信じられないと言わんばかりに驚愕していた。

 

 それを飲み込んだ本人は少々苦しそうな表情を見せるも、僅か数秒で安心したかのように息を漏らす。

 

「お前達の事だから、隙あらば小瓶を奪い取ろうと考えていたんだろう」

 

 隆誠は既に気付いていた。オッタル達が対峙しながらも、彼の右手に持っている小瓶にほんの一瞬だけ視線を向けていた事を。

 

 これから相手をするのに邪魔者(フレイヤ)がいては気が散るだろうから、是非とも自分に意識を向けさせようと小瓶を飲み込む行動に移した。いくら隆誠でも何の施しもせずにやったら色々不味い事になってしまう為、更に小さくさせようと光の膜で覆わせた。

 

 因みにこの行為はドラグ・ソボールにもある。敵対していた頃のピッコルが、(めつ)(ふう)()返しで地球の神を封印した小瓶を、空孫悟達の目の前で飲み込んだシーンがあった。状況は全く違うが、隆誠はそれに倣ってやる事にしたのだ。

 

 だがそれは、この世界では禁忌とも言える行為だった。ただでさえ人間が神を封印するなんてあり得ないのに、更には封印した小瓶ごと飲み込むなど、神に対する冒涜も同然だった。隆誠のやった事は、嘗てアルテミスを食った太古の蠍型魔獣『アンタレス』と似た行為である為に。

 

「絶対に無理だが、俺を殺さない限りフレイヤは――」

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

 突如、咆哮(ハウル)と呼べる声が『戦いの野(フォールクヴァング)』の周囲を響き渡らせた。外で包囲している各ファミリア達も耳にしており、余りの叫びに一部は恐怖している程だ。

 

 その声の主はオッタルだった。今の彼は比喩抜きで両目から真っ赤な眼光を放ちながら、怒りの大咆哮を上げていたのだ。

 

「貴様は我等の崇高なる女神を汚したァ!!」

 

 オッタルだけでなく、アレン達も全く同じ状態と化しており、憤激を爆散させた。

 

「最早貴様の辿る末路はただ一つ!!」

 

『死刑、死刑、死刑!!』

 

 オッタルの大音声に後にアレン達からの死の斉唱が続く。

 

 この光景は、元【イシュタル・ファミリア】の団長フリュネ・ジャミールが体験していた。その時の彼女は狂戦士となったオッタル達から、一方的に蹂躙されると言う悲惨な末路を辿っている。

 

 数秒後にオッタル達は隆誠に迫り、八つの黒い影は隆誠を覆いかぶさろうとする。

 

「ハァッ!!」

 

『ッ!!』

 

 それぞれの得物で攻撃する筈のオッタル達だったが、隆誠の全身から凄まじい突風が吹き荒れた。

 

 予想外な反撃を受けた事で、狂戦士達は吹き飛ばされそうになるも、一旦距離を取ろうと後退する。

 

「崇高なる女神を汚した? 俺の末路は死刑? 何度も笑わせるな、【フレイヤ・ファミリア】」

 

 隆誠は今まで以上に声を低くして言い放っていた。それどころか凄まじい殺気を本拠地(ホーム)全体に放っていた。

 

 まるで身体に重さが圧し掛かったかのような濃厚な殺気に、狂戦士化していたオッタル達の怒りが急激に冷めていく。

 

「気が変わった。このままでもお前達を倒すのは簡単だが、恩恵とは比べ物にならない本当の実力(つよさ)と言うものを見せてやる……!」

 

 そう言いながら隆誠は上着を脱いで放り投げた。それがかなり重い物であるかを証明するように、地面に付いた途端にドスンと激突音を響かせている。その光景にアレンだけ見覚えがあるも、オッタル達は眼を見開いていたが。

 

 そして彼が構えた直後、全身から発しているオーラの色は金色に染まっていく。

 

「ハァァァァァァ……!」

 

「な、何だ……!?」

 

「大地が、揺れてやがる……!」

 

 オラリオ全土を揺るがす地震が起きてる事で、本拠地(ホーム)にいるオッタル達だけでなく、外で包囲している各【ファミリア】、更には住民達も困惑状態に陥り始めていた。

 

 しかし、それはほんの数秒で収まるも――

 

「だぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!!」

 

 隆誠が雄叫びをあげた直後、彼の全身から凄まじい暴風が吹き荒れるだけでなく、地面も抉られるように爆散していく。

 

 暴風と粉塵によってオッタル達は何とか両足で踏ん張りながら、顔を守ろうと腕で覆っていた。

 

 それらが収まり改めて隆誠を見ると、全身から金色のオーラ発しているだけでなく、まるで雷を纏わせているのはないかとバチバチと音を発している。

 

「ふぅぅぅぅ………さぁ、始めようか!」

 

 開始の宣言をする隆誠が途端に姿が消えるも――

 

「がっ!!」

 

 いつの間にかオッタルの懐に入っただけでなく、腹部に強烈なボディブローを食らわせ、本拠地(ホーム)の建物目掛けて吹っ飛ばしていた。




本当なら二話程度で終わるつもりが、書いてる内にまだ続きそうです。

次回はリューセーがオッタル達を蹂躙する話になります。

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