別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか 作:さすらいの旅人
(ん? フレイヤが急におかしくなった気が……)
フレイヤの提示する責任の取り方を俺――兵藤隆誠が嫌そうに一蹴すると、何故か分からないが異変が起きていた。余裕な笑みであるにも拘わらず、急に時が止まったかのように固まっているのだ。
余りの姿に突っ込みたい衝動に駆れそうになるも、取り敢えず敢えてスルーしておく。このまま長話をしていたら、この場にいる眷族達がいつ爆発してもおかしくない。先程まで俺がフレイヤを侮辱するように言っていた事で、一瞬ばかりオッタルから凄まじい怒気が溢れそうになっていたのを感じ取ったから。
他に気になる事もあった。俺が来てるにも拘わらず、昼頃に見た(オッタルと気絶してるアレンを除く)白黒エルフの二人と四つ子らしき
オッタルを含めた第一級冒険者達の実力は未だ分からないにしても、アレンの実力だけを参考にすれば梃子摺る事は無いだろう。だが俺の敵じゃないとは言え、下手に油断すれば手痛い目に遭うかもしれないが、な。
「取り敢えず責任を取らせる前に、だ」
早く要件を済ませようと、俺は未だに片手に持ってる今も気絶中のアレンをフレイヤとオッタルの前に出しながら手放す。
「!」
横たわってるアレンを見た事で正気に戻ったのか、フレイヤの表情が途端に変わった。
「……服はボロボロだけど、身体はそこまで酷くないのね」
「死ぬ寸前だったから、そこは俺の方で治療しておいた」
キルビームでアレンの肩を貫いた際、全身に倦怠感が襲われるだけでなく、身体を治癒する為の光も加えておいた。完全回復させる事も勿論可能だが、あくまで応急処置程度までに抑えてる。もしも目覚めて襲い掛かって迎撃すれば、それでまた余計に無駄な時間を掛けてしまうから。
「優しいのね。態々アレンを治してくれるなんて」
「別にそんなんじゃない。死なれたら後で色々面倒事が増えると思っただけだ」
俺の敵じゃないとは言え、アレン・フローメルは【フレイヤ・ファミリア】副団長の肩書きだけでなく、オラリオ最強戦力の一人として扱われている。もし死亡したとなればフレイヤが悲しむとは別に、ギルドも絶対大騒ぎになるのが目に見えている。加えてソイツを殺した犯人が俺だと分かれば、ギルド長のロイマンとか言うヤツが禄でもない事をしそうな気がするから。
「治したとはいえ完全じゃない。後でエリクサーを与えるか、もしくは
昼頃に食事をした際、看護師らしき格好をしたヘイズと言う少女は
「だが引き渡す前に――」
「アレンに何をするつもりなの?」
俺が懐からある物を出そうとしてる最中、フレイヤが訝るように問う。
「心配するな。これは別に相手を殺す武器じゃない」
取り出したのは(この世界には存在しない)漫画やアニメに出てきそうなデザインの不思議な光線銃らしきモノ。
それを手にしてる俺は、銃口をアレンの方へと向けて構える。
「寧ろ、フレイヤにとって嬉しい光景が見れるぞ」
「え?」
不可解な表情をするフレイヤを余所に、俺はアレンにビームを当てた。光に包まれるアレンは、
『!?』
フレイヤだけでなく、一緒に見ているオッタルを含めた眷族達も驚愕を露わにしていた。
俺が使用したのは嘗てアザゼルがおふざけで開発したアイテム――
「う、USOでしょ。アレンが……女の子になってるじゃない! 隆誠、その
美の神とは思えない顔と反応をしてるフレイヤは、色々な意味で錯乱しているようだ。
「女子を男子へ、男子を女子にすると言う性転換用のアイテム、とだけ言っておく」
「そ、そんな凄く面白いアイテムを持ってるなんて……!」
簡単ながらも性転換ビーム銃について教えると、フレイヤは喜色に満ちた表情になっていく。あの様子だとお風呂セットと同様に欲しがっているかもしれない。
「いっそのこと、お前も男になってみるか?」
俺がフレイヤに銃口を向けると、オッタルが即座に前に出て立ち塞がろうとする。それどころか背中に背負っていた大剣を一つ出して、切っ先を俺の方へ向けている。
「そのようなモノをフレイヤ様に向けるな」
「ちょっとオッタル、勝手に前に出ないでよ。私としては男になっても全然構わないんだから」
「なりません。フレイヤ様が何を仰ろうが、こればかりは流石に黙って見過ごす訳にはいきません」
どうやらオッタルは、フレイヤが男になる事に断固反対のようだ。確かに美の神と謳われ、自分達の深く敬愛する主神が男になるのは眷族として嫌なのかもしれない。
他の眷族達も同様なのか、先程まで無言のまま跪いていた連中が途端に立ち上がり、再び武器を構えようとする始末。
「だったら、フレイヤの代わりにオッタルが女になるか? 多分お前の場合その見た目とは裏腹に、凄く小柄で華奢な可愛い女の子に変身するだろうな」
嘗て塔城小猫が性転換した際、二メートルありそうな巨躯の猫耳男性である
「死んでも御免だ!!」
「ちょっと隆誠、それが本当なら是非オッタルにもやってくれないかしら?」
「フレイヤ様!?」
オッタルの性転換に物凄く興味津々なのか、フレイヤがやるように言ってきた。
主神からの手酷い裏切り(?)を受けた事で、【
因みに俺が他の眷族達の方へチラリと向けると、自分達も性転換の標的にされることを察知したのか、絶対目を合わせないよう必死に逸らしていた。
何だか段々おかしな方向へ拗れている。本当は責任を取らせる罰として、フレイヤを男に性転換させた後、女になったアレンを閨で慰めるようにしろと命じるつもりだった。それによって奴は色々な意味で心の傷を負う事になって、暫くの間は再起不能になるだろうと。
だけど俺がオッタルを女にした場合の話をした事で、他の眷族達も性転換させられると危惧して段々腰が引けてる状況に陥っている。恐らく女になった自分を想像でもして、凄く嫌な気持ちになってるかもしれない。
よくよく考えれば、確かフレイヤって相手が
「ふむ、本人が嫌なら仕方ないな」
『……………………』
「え~、私としては是非ともやって欲しいのだけれど」
俺がそう言いながら光線銃をしまう事で、オッタル達は
フレイヤは先程までショックを受けていた感じがしていたけど、今は微塵も無い様子だ。性転換と言う面白い話題に食い付いた事で如何でも良くなったのだろう。
そう考えながら、俺はこう言った。
「主神のフレイヤに責任を取らせる為の
「……本当にそれだけで良いの?」
俺の要求が余りにも軽過ぎると思っているみたいで、フレイヤは何か裏があるんじゃないかと勘繰っていた。
「ああ、やり方は全て任せる。礼節を学ばせるか、もしくは――アレンに女としての快楽を教えても構わん」
「! ………ふぅん」
まるで良い事を聞いたと言わんばかりに、途端にアレンを獲物のように見ながら舌なめずりをしていた。
彼女を見たオッタル達は途端にアレンを心底気の毒そうに見ていた。この後に行われる悲惨とも言える(男として)地獄を経験してしまう事を。
「因みにアレンが元の男に戻る方法は?」
「時間が経てばすぐに戻る。期間は一週間だ」
「一週間、ねぇ」
以前は一時間も経たない内に戻っていたけれど、アザゼルが改良に改良を重ねた結果として、一週間まで保てるようになった。
すぐに戻したい場合は再度ビームを浴びせれば良いのだが、敢えて効力が切れるまで放置する事にした。是非ともフレイヤからの性教育、もとい再教育する為の時間が必要だから。
それは即ち、アレンは一週間もフレイヤに弄ばれてしまう事になる。いくら奴が強靭な精神を持っていたとしても、果たしてどこまで耐えられるか。この世界のフレイヤはロキ曰く『とんでもない色ボケ女神』だから、女の快楽を与える方法を知り尽くしているだろう。
「用件は以上だ。俺はこれで失礼する」
女アレンをフレイヤに引き渡した俺は、【フレイヤ・ファミリア】の
☆
「……ん……」
ゆっくりと双眸を開かせるアレンは、どこかで見た憶えのある天井を目にする。
「やっと目が覚めたのね」
「!」
聞き覚えのある声に反応した瞬間、即座に起き上がるアレンは声の主――フレイヤを見る。
「フレイヤ様、何故……っ!?」
自分の声に違和感があって喉を触れようとする途中、胸の辺りで何か柔らかい感触が当たった。
思わず胸を見ると、男の自分に決して存在しない筈のモノが存在していた。若干大き目に膨らんでいる
「えっ、なっ、俺に、一体何が……なぁっ!?」
声が女みたいに高くなり、女の乳房があるだけでなく、極めつけには己の股間にある筈のモノも無い事で色々な意味でショックを受けているアレン。
「大丈夫よ、アレン。私が後で詳しく教えてあげるわ。だから今は、ねぇ」
「ふ、フレイヤ様……!」
自分を押し倒しながら蠱惑的な笑みを浮かべるフレイヤに、アレンは抵抗出来ずされるがままになっていく。
そして――
「あ、あ……アァァァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!」
女の叫び、もとい喘ぎ声がフレイヤの閨全体に響き渡るのであった。
アレン君がアレンちゃんになると言う話でした!
アレンのお仕置きとして、アザゼルが開発した性転換光線銃を利用させて貰いました。
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