別世界の元神がオラリオに来たのは間違ってるだろうか   作:さすらいの旅人

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今回は短いです。


メイド服を着たアレンちゃん

 ヘディンのお陰で漸くフレイヤのいる部屋へ行く事が出来た。

 

 俺が来た事に彼女は嬉しそうに歓迎した後――

 

「どうかしら、リューセー。アレンの姿を見ての感想を是非とも聞きたいわ」

 

「まぁ、何と言うか……随分変わったな」

 

 再教育された女アレンを見て、思ったままの感想を口にした。

 

 フレイヤが用意したのかは分からないが、今の女アレンはフリルがふんだんについた可愛らしいメイド服を身に纏っている。男が着れば喜色悪いが、今は女になってるアレンは物凄く似合っていた。

 

「………いらっしゃいませ」

 

 そして肝心の女アレンは殆ど虚ろ目状態で、俺を見ても大した反応を示さずペコリと頭を下げて挨拶をしていた。

 

 もしこれで男に戻れば元に戻るのかが気になるけど、そうなったら面倒な事になりそうだから、此方の用件を早く済ませておくとしよう。

 

 因みにフレイヤの後ろには、いつもの幹部勢が揃っている。相も変わらず仏頂面をしてるオッタル、忌々しそうに睨む小人族(パルゥム)四兄弟、白エルフのヘディンと黒エルフの男。俺が来たら警戒するのは分からなくもないが、少しくらいは信用してくれても良いんじゃないかと思う。フレイヤやお前達が手を出さない限り、俺からは何もしないのだから。まぁコイツ等に言ったところで無意味だから、敢えて放置するしかない。

 

「貴方が此処へ来たのは、ただ単にアレンの経過を見に来た訳ではないのでしょう?」

 

「ご明察。ヘディンに話したが、今日はコレを返しに来たんだ」

 

 俺が布に包まれてる物を露わにすると、ソレからアレンの得物である銀の長槍が出てくる。

 

『!』

 

 女アレンは自身の得物を見た事で目を見開いているとは別に、オッタル達は途端に警戒するように見ていた。まるで何か起きればいつでも動けるように、な。

 

「その槍、もしかしてアレンの?」

 

「ああ。この前の戦いで壊れたから、俺の方で修理したんだ。結構大変だったよ」

 

「……リューセーって随分と多芸なのね」

 

 俺が修理したと聞いたフレイヤは、少々驚きながらも意外そうに言った。

 

 確かに聖書の神(わたし)らしくないと自分でも理解してる。けど、人間に転生してから色々な事に興味を抱いて挑戦した結果、こうして身に付いてしまったのだ。

 

「ほらアレン、返すから受け取りな」

 

「………申し訳ありませんが、その必要はありません。貴方がお使いください」

 

 そう言いながら槍を差し出すが、当の持ち主は受け取ろうとする気配を見せないどころか拒否してきた。

 

「一応理由を聞いても良いか? まさかとは思うが、俺からの施しなんか死んでも御免だからか?」

 

「そうです」

 

 大当たりかよ。

 

「その槍は言うなれば私の誇りでした。なのでソレを壊された以上、私が持っていても何の意味もありません。益してや貴方がそれを直して返すなど……これ以上私に恥を掻かせないで下さい」

 

 ……成程。そういう考えもあったか。

 

 どうやらアレンは性格が最悪でも、武人として誇りを持っているようだ。

 

 己の得物に絶対の自信を持って俺に挑んで壊された事で、今まで培ってきた誇りが粉々に壊された。にも拘らず、それを俺が無かったかのように槍を直して返される等、コイツにとっては屈辱極まりないのだろう。

 

 アレンの理由を聞いていたオッタルも、何やら共感するように小さく頷いているが、そこは敢えて気にしないでおく。

 

「ふ~ん、まぁそう言う理由があるなら仕方ない、か」

 

 アレンの言い分に取り敢えず納得した俺は、差し出した槍を戻して再び布に包もうとする。

 

「だったらこの槍は俺が頂くよ。構わないよな、フレイヤ?」

 

「ええ。本人がそう言ってるのだから、私が反対する理由は無いわ」

 

 一応主神であるフレイヤに確認を取ってみると、彼女もアレンの意見を尊重するように頷いていた。

 

 となれば、用件は済んだから帰るか。下手に居座ってるとフレイヤが何を言い出すか分からない。

 

 俺がそう考えた直後、異変が起きた。女アレンが突如ボンッと爆発したかのように白い煙を発していたから。

 

「フレイヤ様!」

 

 オッタルが先ず動き出した。フレイヤの安全を守ろうと、瞬時に彼女と女アレンの間に立って身構えている。他の眷族達も同様に動いて取り囲んでおり、いつでも得物を抜ける状態だった。

 

 俺とフレイヤだけは呆然とするように白い煙が晴れるのを見守ってると……アレンが男に戻っていた。どうやら性転換ビームの効果が切れたようだ。

 

「あら、もう元に戻ったのね」

 

「意外と早かったが……ちょっと不味いな」

 

 アレンが元の男に戻った事で残念そうに呟くフレイヤとは別に、俺はこの後の展開を不安そうに危惧していた。

 

 想像して欲しい。先程まで女アレンは可愛らしいメイド服を着ていたのだから、それが突然男に戻ればどうなるだろうか。

 

「ア、アレン、戻ったみたいだが……っ」

 

 オッタルは仏頂面を維持してても途中で吹いており――

 

「……ブフッ!」

 

「さ、さっきまで気の毒に見てたが……ブッ!」

 

「元に戻っても、男のままでメイド服着てるから……プッ!」

 

「でも、意外と似合ってて……ププッ!」

 

 小人族(パルゥム)の四兄弟は口元に手を当てながらも目が完全に笑ってて――

 

「……アレン、私は何も見なかった事にしておく……」

 

「ブッ……ク、ククク……わ、我が暗黒の眼は……暗闇に覆われてて……」

 

 ヘディンと男性黒エルフは目を逸らしてても笑いを堪えているのであった。

 

 そして――

 

「テメェ等ァァァァァァ!!!」

 

 女の時は虚ろ目で物静かだったが、男に戻ったアレンはフレイヤがいながらも一気に感情が爆発するのであった。




ラウル「はぁっ……今年の遠征も大変だったっす」

アキ「ソレとは別に、リューセーから貰った携帯食を美味しく食べてたじゃない」

ラウル「まだ根に持ってるんすね、アキ」


ベート「…………クソが」

クルス「なぁアリシア、何でベートさんはあんなに機嫌が悪いんだ?」

アリシア「放っておきましょう」


ティオナ「あ~、早くリューセーに会いたいな~」

ティオネ「本の続きを読みたいだけでしょうに」


アイズ「(戻った後の宴会で、あの人に絶対聞かないと……)」

レフィーヤ「アイズさん、一体何を考えてるんだろう?」


フィン「何だか皆、宴会の事を考えてるみたいだね」

ガレス「大方、あの店にいる小僧の事を考えておるのだろう」

リヴェリア「(事務処理が終わり次第、魔術講座の遅れを取り戻さなければ……!)」
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