Zで暴れる主人公。
ソ連軍サイド
『大尉、現在、どう言うわけかここ一帯のBETA達はあの所属不明機に一斉に群がっており現在我々には眼中が無いようだ。奴らが固まっているこの気に残っている我が軍の全火力でBETAを一気に殲滅する手筈だ。今撤収準備をしていた者達が再配備をしておりその準備に役30分程かかる、それまでに大尉達の隊はあの未確認機を救出、そしてこちらの準備完了までの揺動を頼む。かなり危険だが、此処でやらねば我が祖国にBETAが蹂躙してくる。それをさせる訳にはいかん。頼むぞ大尉』
「了解した。もしいざとなれば我々ごと砲撃をして構わない、何より覚悟の上だ」
イワノフ大尉が司令に返答する。あのBETAの大群に自分を含めた5機の戦術機だけで突撃し、現在孤軍奮闘している未確認機を救出しBETAの群れを味方の攻撃準備の為の揺動をした後、攻撃に巻き込まれる前に脱出しろという作戦だ。ハッキリ言って自殺行為な作戦だと苦笑いする。
「司令、しかしどうやってあの未確認機に接近する為のプランはどうするのかを教えてくれ」
『大尉達は左から迂回する形でこのポイントまで向かえ、そしてポイントに到着し次第砲兵隊が砲撃し、BETAを殲滅し未確認機までの道を切り開く、その手筈だ」
現在地から目的地の最初のポイントまで大体8分ほどかかるのを確認すると了解と司令に返答し移動を始める。移動中にBETAが気づかないように低空で飛行する。その移動中に部隊がお喋りを始めた。
『あの未確認機のお陰でかなり数は減ったとは言え、まだBETAは3万近くは残っている。それをたった5機の戦術機で突破するなんて…死ににいくようなものですぜ隊長』
『大尉の命令でしたら従いますが、ドミトリーの言うとうりです。ハッキリ言って無謀だと進言します大尉』
昔からの付き合いが長い、部下のドミトリー中尉が軽い口調で言い、その言葉にこの隊の副隊長であるカリーナ中尉が同意する。
『やべえよ。俺、家に帰りたくなってきたよ。はぁ、お袋の不味いシチューが食いたくなってくるとはなぁ……死にたくねえよ』
泣き言を言うハイゼン少尉が冗談か分からないが泣き言を言う。これでもこの隊で1番のエースだ。
「泣き言を言うな、まあ、こんな無謀な作戦だ、降りたいのであれば好きにしろ。今回は、特別に見逃してやるぞハイゼン。『えっ?マジですかじゃあ俺は此処でちょっと……』とっ、言っても敵前逃亡したと有ればカリーナがお前を殺すだろうがな」
回れ右をしようとするハイゼンにイワノフがカリーナをけしかける。ハイゼンがモニター越しにドン引きした顔を見せる。
『ウゲェ、マジですか?副隊長、やりませんよね、仲間ですし?」
『気になるなら試してみればいい、運が良ければ助かるかもしれんし、運が悪ければ……』
カリーナが自身の突撃砲をチラつかせる。それを見たハイゼンは『いやー冗談です、冗談。ちゃんと仕事はします』と笑いながら言う。その顔には冷や汗を流しながら。それを見ながら先程から一言も発していない最後の一人にイワノフが声を掛ける。
「エレーナ少尉、大丈夫か?」
最近入ってきたばかりの新人の少尉は先程から青い顔で黙っていたままだったが自分の上官の声を聞きビクッとする。そして震える声で返答をする。
『は、はい……問題ありません大尉。わ、私も覚悟は出来て……ます………』
声が完全に震えていた。気持ちは分かる。まだ訓練を終えたばかりであるこの少尉は足りなくなった補充兵としてほんの数週間前に入って来たばかりだった。まさか、自分の初の実戦がこんなのだとは運が無かったなと大尉は心の中で慰める。まあ、死の8分間を生き延びて、機体も駄目にしていないので実力はあるのだろう。
『いっその事、嬢ちゃんは後方に下がらせて別部隊の指揮下に入れた方がいいんじゃねえか?お嬢ちゃんもその方がいいだろ』
ドミトリーが気を使う。しかし、エレーナは首をぶんぶんと振る。
『いえ!大丈夫です、中尉。私もソ連軍の一員として祖国に忠誠を誓った身です!こ、この程度の覚悟は出来ています!!決して足はッ……!!」
エレーナが叫ぶように言う。興奮しているのかその目からは若干の涙が出ている。少々興奮剤が効きすぎている可能性がある。それにため息を吐き大尉が抑制剤をエレーナに打つよう指示する。
「落ち着け、少尉。だがドミトリーの言う事にも一理ある、どう判断するかはお前に任せる。だが早く決めろ、もうすぐ我々はBETAの群れに突撃するぞ…判断はお前に任せる」
イワノフがエレーナに言う、これは大尉ではなくイワノフとしての情だった。しかし、エレーナ俯いて考えるが暫くして顔をあげた。
『いえ、大丈夫です。ご心配いただき有難うございます。決して足は引っ張りません』
「…………そうか。分かった足は引っ張るなよ」
『了解!!』
そして部隊が目的地に到着し、未確認機を見る、未確認機は未だにBETAの群れ相手に戦闘を繰り広げていた。時折赤い閃光や何かしらの爆発が見える。
『大尉、アレって一体何処が作ったんですかね?なんか明らかに実弾使ってる光じゃないんですけど』
ハイゼンが疑問をぶつける。確かにあの未確認機が使っている武装は自分達が使っている物とは違うようだ。一体何処の国が作ったのかと疑問を浮かべる。
『私はアメリカだと思うね、あの国は、資源に余裕があるからね」
カリーナが皮肉げに言う。それを聞いてイワノフは疑問に思う。アメリカがわざわざこんな最前線に最新型のテストだとしてもわざわざたった1機で送り込むのかと。そんな報告も受けていないし、無断で送ったとなれば無断で領地に侵入したなどと上は騒ぐだろう。最悪、外交問題にもなりそうだと言うのに…いや、あの国なら平然とやりかねない、何せ極東の島国に突然新型爆弾を落とすような国だからなとイワノフは考える。
『大尉、砲撃準備が完了したこれから道を切り開く、準備はいいか?』
司令から連絡がくる、了解と返答しカウントが始まる。
10、9、8、7、6、5、4、3……砲撃音が聞こえ砲撃の光が落ちてくるのが見え、全員突撃準備を始める、そして激しい揺れと共にBETAに砲撃が直撃し砂埃が舞う。センサーで確認、道が切り開けた。
「全員、突撃しろ!!」
「「「「了解!!」」」」
全機が一直線に未確認機に向かって突撃する、途中前にBETAが通せんぼせんと現れるが手際良く片付けて未確認機に近づいていく、未確認機の方を見ると転倒している、その上に複数の戦車級がまとわりついている、このままでは中の衛士の命がっ!!
『離れろ!!』
『くらいなっ!!』
カリーナが的確な射撃で戦車級を撃つ、そしてハイゼンが腕部のモーターブレードで残りの戦車級を切り裂いた。
部隊が未確認機を囲むように展開する。これで互いの背を守る為だ。部下達がBETAに応戦している間、イワノフが転倒している未確認機に近づく、この未確認機は既存のデーターベースに無い機体だ、一体何処で作られてたのかと再び考えていると、未確認機が起き上がる。思ったよりダメージがないようだ。未確認機がこちらをじっと見る、イワノフが未確認機にオープンチャンネルを開き声を掛けた。
「未確認機のパイロットっ私はソ連軍陸軍、第64戦術機構大隊所属、ハーメルン部隊、隊長イワノフ・チェミルスキー大尉だ。我々の任務は貴官の救出、そして揺動が目的だ。貴官は何処の所属か?答えろ」
イワノフが未確認機に所属を聞く、しかし未確認機に反応がない。イワノフが再度目的を聞くが未確認機は何故か首を傾げるジェスチャーをした。
『コイツ首を傾げたぞ、何やってんだ?』
『大尉、オープンチャンネルにしてますがこの戦術機の通信機に繋がりません、もしかして故障しているのでは、無いですか?』
エレーナの言葉を聞き、イワノフが現状使える通信法を試すがまるで反応がない。寧ろ未確認機は文字通り首を傾げるばかりだ。
「色々、試しているが、中のパイロットから返答がないな。わざと通信を切っているのか。それとも故障しているのか…」
交信が出来なければこちらの意図が伝わらないし、作戦の説明も出来ないどうしたものかとイワノフが少し悩む、すると未確認機がずいっとイワノフ機を押し退け前に進み、ドミトリーとエレーナの間を通る。
『おいっ!!貴様一体何をする気だ?』
ドミトリーが未確認機に問うが、未確認機は答えず左腕をBETAに向ける、そして手から炎が噴き出し正面のBETAが焼き尽くされていく。
『スゲェ!!一瞬でBETA共がバーベキューだ!!』
『凄いねぇ!!コッチはやっとこさ数万の群れとやり合ってるって言うのに、出来ればコッチも手を貸してくれないかい』
ハイゼンが感嘆の声を出し、カリーナも同じく感嘆の声と手を貸せと聞こえているかも分からないのに援護をしろと口を開く。するとクイッとカリーナの方に未確認機が顔を向けた、そしてそのままカリーナ機の隣まで行き炎を噴き出しBETAを焼く。
『あの、すみませんこちらの方もお願いします』
『俺の方もしてくれねえか』
エレーナとドミトリーの声に反応したのか未確認機がそちらの方のBETAを焼いた。
『……コイツ本当は俺達の話通じてるんじゃねえのか?』
ドミトリーが怪しむ。
「……何かしらの事情があるのかもな。まあ、一先ずこの件は置いておけ。各機、その未確認機の撃ち漏らしを狙え。大体の敵は未確認機に任せろ」
「「「「了解!!」」」」」
ハーメルン隊が隊長の命令に返答し、未確認機の取りこぼしのBETAを優先して片付けていき大体20分が経った。
『数万のBETAの群れの真ん中で、俺たちたった6機でここまで生きていられるなんてな、奇跡だぜ』
『隊長、そろそろ向こうの攻撃準備は完了したと思いますが司令部から連絡はありましたか?』
「いや、まだ来てはいないが…おそらくそろそろだ。最後まで気を抜くな」
『しかし、隊長、もうそろそろ弾が切れて……』
カリーナが言う。確かにもう弾薬が切れてきた。全機もうそろそろ限界が近い、司令からの連絡はまだかとイワノフが考えていると、連絡がきた。
『大尉、よくやってくれた。こちらは攻撃準備が完了した。直ぐに退避をしろ、今君たちがいる所から8時の方向がBETAの密度が低い、そこから脱出をしろ攻撃は今から3分後に行う』
「了解した、さてお前達、そろそろピクニックは終わりだぞ、全機続け!!」
『『『『了解!!』』』』
『よし、後はこのままギリギリの高度で逃げ切れば俺達の勝ちだ!!』
『まだ、生き延びているとはねぇ…奇跡だよ』
『お前達、ここから脱出してから喜べよ。お嬢ちゃん、あと少しだぞ着いてこいよ』
『は、はい。了解しましたドミトリー中尉』
ハイゼンとカリーナ機から喜びの声が上がり、それをドミトリーが嗜めた。
「未確認機、お前もついてこい」
イワノフがそう言うと未確認機がグッとサムズアップする。先程から人間臭い動きだな、そんなことをやるなんて随分と余裕があると少し呆れるが中々精神が強いに違いないとも思う。
そして全機が一気に駆け抜けていく、途中進行の邪魔になりそうなBETAを排除しつつ駆けて、駆けて、そしてBETAの群れから抜けるまで後、1キロ。幸いな事に光線級は既に品切れとの報告がある。
『やったっ。もう少しで…』
突然、戦車級がエレーナの機体に飛びかかった。機体がバランスを崩しBETAを巻き込みながら地面に叩きつけられた。
『何!?クソッ、お嬢ちゃん!!』
『大尉、少尉が!!』
『ッ今助けに…!!」
「馬鹿者、止まるな!!お前達は先に行け、これは命令だ!!」
部下達が叫ぶのを見てイワノフが怒鳴る。そして急ターンし、急いでエレーナの元に戻る。彼女の機体は多少開けた場所に落ちた、味方の砲撃まで後1分半、ハッキリ言って間に合うのかと僅かに考える……が自分の機体より素早く通りすぎ、エレーナの機体に未確認機が着陸し、イワノフの機体がやや遅れて到着する。
「少尉聞こえるか、今すぐ脱出しろ」
『た、大尉。その、機体が反応しなくて…ってふえぇぇぇぇ!!』
未確認機がグイッとエレーナの機体を所謂お姫様抱っこで持ち上げる。イワノフは思わず目を見開いた。
「貴様、何をやっている!?まさかエレーナ少尉を機体ごと運ぶつもりなのかってうおっ!?」
未確認機の後ろからマントが出てきてそのマントがイワノフの機体に巻きつき機体を持ち上げた。そして未確認機からバチバチと電気が走り始める。
『えっ、えっ?た、大尉一体未確認機は一体何を…』
「貴様、一体何を…」
言葉がいい終わる前に突然周りにBETAがいた風景から突然、場所が変わる。周りに先に退避した部下達がいた。
『しているんで……アレっ?』
「する気だ……何?」
周りを思わずキョロキョロしてしまう。エレーナは、「えっなんで?」「私、一体どうやって此処に?えっ?」と完全に困惑していた。
『た、大尉!?一体どうやって此処に?ご無事でしたか?』
『……と、言うか…文字通り抱えられて、どう言う状況なの?』
『瞬間移動でもしたのかよ!?今、来るの全然見えなかったぞ!!』
部下達も当然困惑している。それはそうだろう密度が低かったとはいえ、数千規模のBETAの群れを、本来、1機でも抱える事など無理があるのだが、ましてや2機の戦術機を抱えて来るなど不可能だ。
『大尉脱出したのを確認した、これより攻撃を開始する』
司令の声が通信で鳴り響き此処にいる全員が(未確認機は除く)ハッとなる。現在この位置は攻撃の範囲外だが、衝撃はくる。
「各機、衝撃に備えよ!!」
イワノフが命令の言葉を発した数秒後、味方からの激しい攻撃が炸裂した。
ソ連軍サイドアウト
主人公が使った技
手から炎を出す技
パイロキネシスです、イメージとしてはDCの映画スースクに出ていたエル・ディアブロが劇中で使用していたものと同じです。
Zから電気がバチバチ流れてからあっという間に別の場所に移動した技
霹靂一閃では無いです。同じくDCのキャラクターのフラッシュの能力と同じイメージです。
主人公以外とアメコミの映画とかドラマが好きな設定です。