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前回までの、ジョジョの奇妙な世界最強は!
透子「実はツェペリの親戚だったのだ〜」
ジョナサン「ストレージ? そんなもの、うちにはないよ」
ハジメ「アーティファクト? 生成魔法? 魔導自動二輪車? 知らない言葉ですね」
それと今回、EoHのネタバレがありますが……もう結構前のゲームですから皆さんご存知でしょう。
ジョナサンからの話を総合して、ハジメ達はそれぞれの行動を決定した。
まずハジメは迷宮で得た情報と自分達の生存を仗助達に伝えるべくハイリヒへ帰還を決め、ユエがその護衛を務める。
ドッピオはジョースター邸の蔵書の調査。
そして透子は、ジョナサンの元で波紋の修行に入る。
全ては、元凶であるカーズを討つ為……と意気込んではみた透子だったが、実のところ対カーズに積極的なのは彼女だったりする。次点でドッピオがトータスに召喚された原因がカーズであれば遅かれ早かれ遭遇するだろう、と気構えがあるぐらいで、ハジメもユエも出来れば関わり合いになりたくなかった。
特にユエは、以前にこっぴどく敗北したのがトラウマとなって根付いているらしく、封印を解いてくれた透子に申し訳なく思いながら、腹を決めかねていたのだった。
「本当にごめんなさい。もう一度アレに挑むには……覚悟が足りないわ」
「そっか〜ならしょォ〜がね〜。達者でな〜」
「………………うん」
どこまでもドライな透子の態度に、ちょっとぐらい引き止めて欲しいユエだった。
「それじゃドッピオさん、ジョナサンさん、ダニー、お世話になりました。透子も修行、頑張って」
「お〜前はせんのか〜い、ってぇツッコむのは野暮だな〜」
「離れている恋人が気掛かりで仕方ないようだからな」
「うるさいな!」
透子とドッピオの二人に茶化されながらも、ハジメはやっと日の当たる場所で香織と会えると浮かれているのが丸分かりだった。
なのでジョースター邸で管理されていた書物にも遺物にも一切興味を示さないのであった。
そして、ハジメ以上に地上に出るのを渇望しているユエは、彼の護衛にかこつけて純粋に外へ出たいだけだ。なにしろジョースター邸には、酒もタバコも置いていない。娯楽と言えばダニーと遊ぶことのみ。
「ションベンは済ませた? 仲間達とお別れは? 日光の下で愉快に跳ね回る準備はオーケイ?」
「あ〜いつもあいつで超〜絶ハイテンションだな〜」
「バウッ!」
こうして、本来の歴史とは多少の差異がありつつも、ハジメとユエは連れ立って大迷宮を後にしたのだった。
余談だが、地上に出た時間帯がちょうど真夜中だったせいで、太陽を非常に楽しみにしていたユエが憂さ晴らしで近くにいた恐竜型の魔物の群れをミンチにする事件が起こったのは、ここだけの話である。
さらなる余談だが、憂さ晴らしとは「ウサギをバラす」行為の暗喩ではないことも付け加えておこう。
一方その頃、仗助達はハイリヒ王国の王都へ帰還していた。
迷宮も攻略し終えたが発見できなかったハジメと透子は、もう成り行きに任せることにしての撤収だった。
行きの時と大きく異なっていたのは、クラスメイトの中心が光輝から仗助達に移っていた事だ。雫や龍太郎ですら、もはや我らのリーダーは仗助以外にありえないという雰囲気である。
これにはワムウ陛下もニッコリ。
そして王都に入るとすぐ、仗助は勇者光輝の負傷と戦線離脱の報告に意気消沈する国民を元気づける為、という名目でシュトロハイムから一方的に勇者代理へ任命されてしまったのだった。
「待て待て待て待て、ちょ〜っと待てェ!! オレがリーダーってガラかよ!?」
「そうは言っても仗助ェ。杜王町でもなんやかや、お前を中心に人が集まってただろォ〜? 案外と持ってるんじゃあねえかな、カリスマってヤツ」
「僕も億泰くんの言う通りだと思うよ。今みたいな状況だったら、みんなを積極的に引っ張って行くよりも、どっしり構えていられるタイプの人の方が望ましいし」
学級委員長だってやりたくない仗助は、心の底から面倒臭そうだった。それを康一と億泰が面白半分、実用性半分でヨイショしている。
仗助が中心となれば、少なくとも積極的に荒事に首を突っ込むような馬鹿を諌められる。クラスメイトの大半はトータスでの訓練で戦闘力こそ身に着けたが、いずれも仗助達であれば容易く鎮圧可能なレベルでしかない。
これはスタンドがどうのこうのではなく、ステータスプレートに出ないだけで本体である仗助達自身もまた、トータスにおいてレベルアップをしているからでは? と康一は分析している。
実際に、レベルが100を超えるとプレートの表示がバグりだすのは、シュトロハイムやヴァレンタインが実証済みだ。
岩を素手で砕いたり、魔法を使ったりは相変わらず出来ないままだ。しかし事実として反射神経や運動能力、または直感を含めた感覚に何割かの向上があるのも確かであった。
だが実力や能力があっても、やりたくないことはやりたくない仗助くんだ。
「オレって結構ォープレッシャーとかに弱いっつーか、みんなを引っ張ってくとかって無理なタイプだぜ?」
「いや、仗助くんはむしろ逆境に強いよ!? 土壇場で爆発するタイプじゃあないかッ!」
「そういう康一も爆発力あるタイプだろ。靴屋で吉良の野郎を追い詰めた時とか、承太郎さんが褒めてたぜ?」
「えっ!? じ、承太郎さんが……? ほ、本当かな〜?」
「康一くん、あっさり話を逸らされないで」
「あ、そう言えば」
不意に、それまで話しに入らずボーッと天井を眺めていた香織が振り向いた。
「唐突に思い出したのだけど。こっち来る二、三日前にNHKの番組で観たわよ、海洋冒険家の空条承太郎さん」
「マジかよ! 承太郎さんがNHK出てたのか!?」
「ええ。娘さんと船に乗ってるのを撮られてた。確か一年前にも杜王町に連れて来てたのよね?」
「徐倫ちゃんな。川尻早人もそうだけど、本当に6歳児かってぐらい肝が座ってたな」
仗助は然りげ無く話を杜王町で起きていた一年前の事件へスライドさせようとしたが、タイミングが良いのか悪いのか、ノックの音が話を遮った。
相手は、誰かがどうぞと言う前に扉を開く。
光輝だった。
「少し良いかな」
「そういう質問はよォ〜、部屋に入る前にするもんじゃあねえのか?」
仗助の棘のある言い方に、光輝は慌てて頭を下げた。
「ご、ごめん! 軽率だった……」
「え……………………っ、えェ!?」
驚愕の声を上げたのは、仗助だけでは無い。ハジメ以外には極度に無関心な香織さえ、光輝の態度に目を丸くしていたのだった。
「……み、みんな、どうしたんだ……?」
逆に光輝も、UMAか幽霊でも視てしまったような一同の視線に困惑している。
康一がわなわなと震えながら、半分悲鳴のように叫んだ。
「あ、天之河くんが……素直に謝っただってぇぇぇぇぇーッ!?!?!?」
「えぇ!? そ、そこってそんなに驚くところ!?」
「当ったり前だろォー!? 人の話を聞かないことで有名だったじゃあねェか、オメェーはよォッ!!」
「そ、そうだったのか!?」
億泰にまでドン引きされ、光輝が目に見えてションボリと肩を落とした。
「た、確かに俺はこう……突っ走ってしまう性格をしている……じ、自覚はあったけど……ううっ」
「嘘でしょう……真面目に凹んでる……ッ!?」
付き合いだけは長く、それなりに光輝を知っている香織の混乱は特に大きい。思わずスタンドを繰り出し、多数の眼球で多角的に光輝を観察してしまうぐらいに。
「くっ! で、でもこんなことで落ち込んでいられない……いや、落ち込んでる暇なんてオレには無いんだ!! 東方、虹村、広瀬、山岸さん、かお……白崎さん!!」
部屋にいた一同の顔を見回した光輝はなんと、床に額を擦り付けるぐらいに深々と土下座してのけたのだ!
「お願いだッ!! 頼めた義理じゃあないけど、俺に力を貸してくれ!!」
「ちょ…………ッ!? ええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーッ!?」
スタンドが月どころか火星辺りまでぶっ飛びそうな衝撃に、仗助も何がなんだか分からない。
光輝は顔を伏せたまま、話し続けた。
「今更だけど、俺は……馬鹿だった! 勇者とか、戦争とか、ちゃんと理解してなかったんだ! でも俺がみんなを巻き込んでしまったようなものだ!! 途中で投げ出すわけにはいかないから……だけど、俺には誰かを守れる力もない……からっ!」
「待て待て待て待てーッ!! 一旦ストップだ、天之河!!」
「? あ、ああ……」
仗助達は、床に正座した光輝をとりあえず放置して相談タイムに入った。
「どうなってんだァ、あいつ!? 本当に
「香織、あなたって一応は幼馴染みでしょ? どういうことか分からない?」
「馴染んでないわよ。幼稚園から因縁的にクラスが被り続けただけ。……まあ他人よりは知ってる程度だけど、あの頑迷な馬鹿が他人に気を使ったり、助力を求めたりなんて見たことないわね。偽物だったりしない、ひょっとして?」
「迷宮で檜山くんにやられて、心境が変わったんじゃあないかな? ほら、玉美さんとか間田くんみたいに」
「確かによォ〜、あの音石だって今は大人しく刑務所で服役してっけど、岸辺露伴みたいに煮ても焼いても食えない奴っているだろ?」
結構好き勝手に言いまくる仗助が、他の四人から「お前が言うな」とツッコまれたのは言うまでもない。
「と、ともかくよォ……どうすりゃいいんだ?」
「どうって言うか……ねえ、天之河くん。力を貸してって、君は具体的にどうするつもりなのかな?」
まず行動方針を確認しようと康一が訪ねる。
「まずは地球に帰還する方法を探そうと思う。そもそも勇者として喚ばれたのは俺だけだったんだ。巻き込まれただけのみんなを、危険に晒すわけにはいかない」
「ま、魔人との戦いは?」
「この世界の人々には申し訳ないけど、そもそも無関係な戦争に首を突っ込む事自体が浅はかだったんだ。せめて俺だけでも残って戦おうとは思うけど、真っ先に考えるべきは無事に帰ることだったんだ。今更だけど……」
「やっぱり
「……広瀬、ひどくないか……?」
さらにその後も、雫や龍太郎を引っ張って来ても口々に「こんなの光輝じゃあないッ!」「あいつに真っ当な判断力なんかない!」「勉強できるだけの非常識な馬鹿だったのに!!」などと、内心で思っていたあんまりな本音をぶつけられ、光輝はますます落ち込むことになるのだった。
「あらあら。光輝ってば、意外と信頼されてなかったんだね〜」
同じくハイリヒ王宮、宰相執務室。
執務机に置かれた水晶玉に映し出されているのは、光輝の五感を通した映像だ。光輝本人は気づいていないが、情報発信用アーティファクトがこっそり仕込まれているのだ。
それをニヤニヤ眺めているのは、中村恵理だった。
部屋の主たるヴァレンタインが普通に椅子に着いているのに対し、恵理は行儀悪く机に腰掛けて、水晶玉を指先でピンと弾く。
「まあでも? あの調子なら東方達も快く迎え入れてくれるんじゃあないでしょうか? だって誰も、天之河光輝の人格が
恵理はまるで、飼い主の投げたボールを咥えて持ってきた犬のような熱視線をヴァレンタインへ注ぐ。
しかし、飼い主の反応は冷めたものだ。
「私にはメチャクチャ怪しまれているようにしか見えないぞ?」
「それはまあ、仕方ありません。元の天之河はサイコパス……えーっと、簡潔に申しますと他者共感性に著しく乏しい、極めて自己中心的な性格です。本人は正義漢のつもりでしょうが、実態は道徳観や倫理観の欠如した人格破綻者。そのうえ生半可優秀なものですから、挫折らしい挫折も知らないまま増長し続けて――」
「あんな若造のキャラクターなどどうでもいい。どうせ捨て駒だ。だが駒として使う以上、こちらの思惑通りに動いてもらわねばならない。私が気にしているのはそこだ」
「はあ。それなら大丈夫です、ボク
恵理は自らの傍らに立つ分身に呼び掛けた。
現れた彼女のスタンドは、一見すると人の型をしている。しかし胸元の大きく開いた紅いジャケット状の胴体内部はがらんどうであり、袖から先にも白い手袋だけが浮いているだけ。下半身もスカート型のパーツだけで、中身は何もない。
頭部も存在せず、代わりに数枚の仮面がてんでんばらばらな方を向いて浮遊している。
人間のようで人間でない、香織のモンフル・パシュートとは別ベクトルで異形のスタンド像だった。
恵理はスタンドの仮面を一枚手に取り、自らの顔に被せた。目尻が下がり、目の下には青いダイヤのマークが入った、白塗りの泣き顔だ。
「天之河光輝の人格は徹底的に調整しています。
「だといいがな」
席を立つヴァレンタインは、振り返ること無く出口へ向かった。彼にはやることが多い。本業だけでなく、手掛けている事業が山程ある。勇者ばかりにかかずらっている暇は無い。
「シュトロハイムには、私からも勇者が心を入れ替えたと伝えておこう。恵理、君は勇者がすぐにでも
「あいあいさー、閣下♪ 中村恵理、身命をとして任務を遂行するであります♪」
調子よく敬礼をして満面に笑みを見せた恵理を、ヴァレンタインは最後まで一瞥をくれることすらせず執務室を後にした。
部屋に一人残された恵理は水晶玉に視線を戻すと、発達した犬歯の隙間から焔のような舌を見せて、不気味に微笑んだ。
「閣下……あなたのような人に、もっと早く出会いたかった……あはッ! あはははははッ!!」
恵理はしばらくの間……それこそ光輝が仗助達の協力を取り付けて部屋を出て行くまで、ニヤニヤと慈しむように水晶玉を眺め続けたのだった。
原作と比べてあらゆる日程が前倒しされています。
奈落からの脱出に二週間ちょっとって、マジでRTAでもやってんのか、コイツら?
という訳でして、オルクス編は終了となります。
次回からは残念なウサギ編ですが……アンケートしておいて何ですが、しばらく透子は出てきません。
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スタンド名:クラウンティアーズ
本体名:中村恵理
分類:近距離パワー型
破壊力:D
スピード:A
射程距離:E
持続力:A
精密動作性:A
成長性:E
透明人間が無理やり服を着たような外見のスタンド……と思わせて、本当に透明人間のスタンド。本体である恵理にすら視えない人間態のスタンドが、ジャケットやスカートを着ている……というのがこのスタンドの正体。
能力は他者の感情を暴走させること。どんなに小さい恐怖や憎悪でも爆発的に増大させてしまえる。一つの激しい感情に振り回された人間は、容易く精神を崩壊させる。
さらに自分に向いている感情限定で減衰させることも可能。つまり、戦闘中に相手の敵意や殺意を弱めて限りなくゼロにしてしまえるということだ。
名前の由来は、忌野清志郎氏のアルバム名から。
オリ主である透子の活躍頻度はこのままで良いでしょうか。
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多すぎるからもっと控え目
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ちょうどいい
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少ない