森ノ宮演劇学校の教室にいる、
草薙寧々、花海陽菜、富樫夢葉、小岩井よつば。
厳しい指導に耐えつつ、こなしていった。
そんな中、定期公演の話が合った。
「それでは、定期公演の内容を発表します。
タイトルは「リュカ」今回の公演用に書き下ろされた物です」
(内部様の定期公演のために、わざわざ書き下ろしの脚本を、
すごいな…)
「台本は今から配りますので、軽く目に通してください」
「これが…台本だな…」
「新たなるワンダーランド!」
「なんか、凄いことが書かれているな…」
「また、その際、どの役を希望するか、考えておくように」
「はい!」
(リュカ…どんな話なんだろう…)
寧々、夢葉、よつば、陽菜が四人で読み解くことになった。
夢葉が一句ずつ読んでいた。
「主人公は貴族出身。気弱で心優しき少年。リュカ・ルーセル。
新たなる道への挑戦者」
「夢葉。それは書かれてなかったけど?」
「あっ、ごめんなさい…」
と、夢葉は中二病の癖が出てしまうのだった。
「リュカは薔薇園で出会った、姫君に運命の恋をしたことをきっかけに、
姫君に相応しい王子様になろうと決意した」
「恋の物語か?いつの時代でも恋は尽きない」
「そーなのか?」
「そうみたいだ」
その後、寧々が読むことになった。
「でも、時は争乱の時代。彼は暴動を起こす大衆を鎮圧するため、
暴虐さと残酷さを身に付けてしまい、いつしか、
何万のも大衆を虐げて、消してしまう、残忍冷酷な策士になってしまった。
そして、彼は最年少で軍の参謀長にまで抜擢。
姫君と近づくことが出来たが…」
(悪魔に魂を売った。その代償は…)
と、夢葉は、そう感じずにはいられなかった。
「大規模な大衆弾圧を前に、愛する姫君に殺されてしまう。
姫君は泣きながら、こう言った。
薔薇を慈しむ貴方を愛していた。
これ以上、貴方の手が血に染まるところを見たくない」
夢葉は思わず、こう言った。
「リュカという者は、その時代の堕天使そのもの」
「何故彼は、こんなことをした?」
「悲しいって気持ちが、伝わってくる」
と、陽菜とよつばも続けて言った。
「国家まで巻き込むとは、相当な出来事だね」
「みんな、少しいいかな?」
と、級長の白虎町が4人に話しかける。
「わっ、白虎町さん…」
「よかったら、オーディションの形式説明について、説明しようと思うが、
どうだろうか?」
「そこは、説明されて無いような…」
「聞いてなかったな…」
「それじゃあ、早速、今回のオーディションの形式について説明しよう。
うちのオーデションは少し特殊でね、
2週間の授業の中で、実力が無い者から落とされては、
今回の舞台に立てれなくなる」
「落とされる…?」
「役の希望者が複数いる場合、ワンシーンごとに交代して、
先生が演技を見て判断する。
ただ、そこでダメだと判断されたら、途中で交代されるのはザラだ」
「えっ…」
「もし、全員交代されたら、またもう一度、やり直しだ。
先生は極めて厳しい、半端だったら、すぐに止められるから、
覚悟した方が良い。加えて。
一日の最後に役に挑む実力が無いと判断されたら、
希望する役の資格も失うことになる」
「…!」
四人は覚悟した。
「その後のオーディションは?」
「他の役に挑戦するしかない。それで巻き返すしかない。
臨機応変も、求められている」
と、級長が言いだす。
「よつばは、どの役にするべきか…?」
と、よつばが考え込む。
「4人は、どの役にする?」
級長の問いに、寧々が答えた。
「リュカを狙う」
「ふふ、そうこなくっちゃ!
リュカは演技力と歌唱力が求められる。
だからこそ、やりがいがある」
「じゃあ、やっぱり…」
「私も同じ役を狙う。負ける気は無いよ」
「うん…!」
どこかで、火花が散った。
(もう、リュカを狙う。それだけ)
その後、セリフを覚えるのに、4人はかなり必死で台本を見ていた。
寧々はリュカを狙うことになり、
夢葉、よつば、陽菜は、寧々の演技練習に付き合うことになった。