自由時間になった。
難しい役だからこそ、やりがいがある。
それが、リュカという、主役の枠。
夢葉とよつばと陽菜は、他の役柄を目指す為、
台本を見ては、イメージを少しずつ膨らませた。
「自由時間だけど、どうする?」
「よつばは、寧々と練習したい!」
「わかった。やってみよう」
夢葉と陽菜も交えて、4人で練習していた。
「よつば。声が大きくて聞き取れるけど、
演技になりきれてない」
「そうかー…役は奥が深い!」
「何やら、騒がしいぞ?」
「えっ?」
向こうで、何やら、言い争いをしていた。
「その解釈は違うでしょう。
ここのリュカは、もっと思い詰めているはずじゃない」
「それは、そっちが読み間違えてるでしょ?
ここは、初めて市民と敵対する事に戸惑っているから、
これでいいの」
「よくない!ちゃんと、文脈を理解してよ!」
「ちょっと、やめて!」
と、遠い所から、4人が観ていた。
「何か妙にモヤっとした」
「この歪な争い…」
「よつばが止める!」
「よつば、今はいいから」
「わかった」
しかし、喧嘩はヒートアップしていく。
「とぼけないで。私の演技プランを覗いたでしょう!?」
「何の話?」
「同じ役を狙っているとはいえ、そんなことしないわ!」
「それより、練習を覗きに来ないで!
この前のオーディション。私の真似をしていたでしょう!?」
「何をそれ!あれは、同じ解釈だっただけで…」
と、周りがあまりにも気になる為…
「どうしよう…練習に集中できない…」
「気になり過ぎる…」
すると、白虎町がやって来た。
「みんな、落ち着いて。言い争ったり、揉めたりする場合じゃない。
それで、時間を浪費する余裕は無いはずだ。
この間にも、他の生徒は役に近づいている。
つまり、君たちは後れを取っている。
それに、万が一、人から奪ったものでも、
先生はすぐに気づくさ」
「そうだね…その通りだね」
「じゃあ、みんなで有意義な時間にしよう。
それでは、また」
白虎町級長が、周りをどうにか丸く収めた。
夢葉は思った。
(何だろう…空気がガラリと変わった気がする…
過去にも厳しい稽古や練習を、陽菜とよつばと共に、
受けていたけど、こんなことは今まで無かったな…)
寧々は思った。
(あの大舞台の裏では、大喧嘩があったんだ…)
「別の部屋でやるか?空き部屋がどこかにあったはずだ」
「わかった。4人でもう一度、練習しよう」
(勝ち取らなくちゃ。リュカの役を)
と、寧々は決意を新たにした。
4人で別の部屋で練習をしていた。
寧々はリュカの役を勝ち取るために、
夢葉と陽菜とよつばが、それを支える事になった。