富樫夢葉と草薙寧々の前に、鳳えむがやって来た!
「そろそろ、来るはずだけど…」
「えむちゃんが心配だな…」
「夢葉って心配性なの?」
「う、うん…」
と、寧々の問いに夢葉はそう答えた。
「夢葉ちゃん!寧々ちゃん!遅れてごめん!」
「もう、何をしていたの?」
「えへへ、道に迷っちゃった!」
「まさか、魔物に襲われたのか?」
そう思って尋ねてみると、えむはいつもの愛らしい笑顔で、
こう言い放った。
「違うよ!人助けだよ!」
「人助け?」
「そう!困っていた人を助けてきたの!
どう?戦士みたいだね!」
「えむが、戦士というと事は、我が邪王真眼と、戦う宿命…!」
「えぇ~!夢葉ちゃんと、戦うのは嫌だよ~!」
「えむが、聖なる戦士であれば、
闇の世界の主である、わらわと戦わなければならない!」
「はい、その話は、おしまい」
と、寧々が割り込んできた。
「今日はスイーツの食べ歩きをするんでしょ?」
早くしないと、並ぶお店もあるんでしょ?
と、呆れたように言った、寧々は、
夢葉とえむは、ハッとした表情をする。
「あ~そうだった!」
「闇の世界の住人に食べられてしまう前に、
早く行かなければ!」
よ~いドン!と、いう、子どものような、
えむの掛け声でに合わせて、一目に走った。
その後
「はぁ…はぁ…もう最悪…」
突然走りだした、えむを追いかけてきた、
寧々と夢葉が、しんどそうに、疲れながら、走っていた。
「寧々よ…えむは、戦士だ…勇者だな…」
「まだ、それを言っているの…?」
「ほら、寧々ちゃん!夢葉ちゃん、ファイトだよ!
もうちょっとだよ~!」
「先に行ってて…」
「わ、わらわの魔力が切れる時…
天に召されそう…!」
寧々と夢葉が、そう言うと、えむは楽しそうに、
目当てのクレープ屋さんに並びに行った。
元気な子である。
「寧々は、わらわが、援護する。
ゆっくりで、構わないぞ!」
「あ、ありがとう…」
そっと、寧々の体に手を添えて、えむの後を追いかけるべく、
ゆっくりと、歩き出した。
それなりの人気のある、クレープ屋さんであり、
やっとの思いで手に入れた、それは、
天に昇るような、夢心地な美味しさだった。
それを、三人で公園のベンチに座って、クレープを頬張っていた。
幸せな時間だった。
「うん、美味しいぞ!この感覚は…魔力がみなぎって来るぞ!」
「イチゴも、バナナも、生クリームも、カスタードも、
全部、美味しいね!」
「さっきまでの疲れが、少しだけ取れていく感じがする」
寧々がクレープを食べながら、そう言った。
幸せな時間は、まだまだ続きそうだ。