モンスターハンター 3rd 白黒の渇望   作:カワード

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初投稿です。モンハン好きなので、こういった話を書いてみたいと思いました。素人ですので、誤字脱字や文法的におかしい部分が多々あるかもしれませんが、ご了承ください。
内容はシンプルにハンターの物語です。軽く一読だけして貰えるとめっちゃ励みになります!


1話「モンスターハンター」

  モンスターハンター。それはモンスター狩りを生業とした仕事であり、人々の生活を支える重要な役割であった。

 モンスターは普段村の外に生息しており、村への被害は無いのだが。時折、村にとって被害をもたらすモンスターも存在する。

 村を守り調和を取り戻す。それを目指すのがハンターの務めである。

 そう語ったていたのは、若干シワの多い顔をした強面の男。ハンター達を育てる教官、ユウゼンであった。

「だから、お前たちはただ闇雲にモンスターを狩っていけばいいって訳じゃないんだ。重要なのは・・・」

「はいはい、分かりましたって」

「おい、お前たち!話を最後まで聞けって!」

「大丈夫っすよ。金さえ貰えればね。他は特に興味無いのでね」

 若き教え子らは話を適当に受け流して去っていく。

「はぁ・・・どうも俺は話下手だよな〜」

 自分の演説力の無さに嘆くユウゼン、そこに年端もいかない少年が駆け寄って来た。

「おじさ〜ん、前の昔話の続き聞かせて〜」

「おう!いいぜ。お前だけだよ、下手な俺の話を、まともに聞いてくれるのはな」

「だって、おじさん話す時は真剣に話してるもん」

「ありがとな!」

「みんながデタラメだって言ってるけど、僕は信じてる!」

「そうか、でもみんなが信じなくていいのさ」

「どうして?」

「重要なのは真実かどうかじゃなくて。ただ、この話を知って欲しいんだ」

「でも、みんな信じてくれない。それじゃ、せっかく話したのにおじさんが可哀想だよ!」

「この話を聞いて、どう思ったか。何を感じたか。俺はそれが大切だと思う」

「分かった!」

「それじゃ前回の続きの、初めてクエストに出かけた時にだな・・・」

 ユウゼンは若き自分を思い出しながらその話を続けた。

 蘇る懐かしの日々は決して忘れることの無い、いや、忘れてはいけない驚愕の真実。

 誰も信じなくてもいい。この話を知ってる事こそが重要なのだから。

 

 話はユウゼンの若かりし頃のことである。ハンターとして初めてのクエストの真っ最中だったユウゼンは、草木を掻き分け必死に走る。

 簡単なクエストのはずだった。すぐ終わるはずだった。だが現状、迫り来るモンスターから逃げる事で精一杯だった。

 この日のために新調した武器(太刀)が、走り込む足に余計な負荷をかける。

 それでも走り続けるしかなかった、例え息を切らしてでも。

 大型モンスターに安易に挑んだユウゼンは身をもってその脅威を知った。

 追ってくるモンスターの名はアオアシラ、青毛の大熊で鋭い鉤爪を持つ。今回のユウゼンが受けたクエストはハチミツの採取だったため、それが大好物であるアオアシラと鉢合わせしてしまったのだ。

「はぁ・・・はぁ・・・まだ追ってきやがる」

 必死の逃亡の末、何とかアオアシラを振り切ったユウゼン。しかしハチミツは依頼された量に足りていない。

 だが取りに行った所で、アオアシラに返り討ちにされるだけ。

 仕方なく諦めて帰ることにした。

 

 ユウゼンが住んでいるのはユクモ村。

 温泉が有名で、他にも多くのハンター達が住んでいる。

 村に着くと村長の元へ向かった。本来ならクエスト達成の報酬を受け取りに行くのだが、今回は失敗の報告だったので、気が重い。

 ユクモ村の村長は派手な着物を着た女性で、村をまとめたり、ハンターにクエストを依頼したりしている。

「ユウゼンさん、それは災難やったねぇ〜」

「いや〜面目ない。俺がもっと強ければ、アオアシラなんて余裕だったのに!」

「そんな焦らんでもええよ。まだ最初のクエストですから。無事に帰って来れただけでも、いいじゃないですか。けど、規則は規則やからね。申し訳ないけど報酬は出せれないの。まだまだこれからよ、頑張ってね」

「精進します」

 大したことは言われなかった。村長は寛大な心で新米ハンターのユウゼンに接してくれたが、初めてのクエストでこのザマで、なおかつ内容はハチミツの納品という非常に簡単な仕事。

 それを失敗したという現実にユウゼンは酷く落ち込んだ。

 だが今の自分にあのアオアシラに太刀打ちできる術は無いと思った。

 途方に暮れたまま家に帰る。

「勝てねぇ・・・師匠から教わったことが全く生かせられなかった。一体どうすりゃ、あんな大型モンスターを狩れるってんだ」

 ユウゼンは今一度、教えられたことを思い出してみた。そして自分に問いかける、技術、知識、体力、足りてないのはどれだ?

 確かに相手は自分よりも大きな体格を持ち、力も強い。

 だが自分はそんなモンスターを相手にしていくモンスターハンターである。

 こんな序盤にくじける訳にはいかない。

「考えても仕方ねぇか。大物相手には、やっぱり下準備は必要だよな。よし!」

 ユウゼンは考えるのをやめて、アオアシラに戦いを挑むための、下準備に取り掛かる。

「備えあれば何ちゃららって師匠も言ってたっけか。まずは・・・」

 ユウゼンは傷を癒す回復薬を始め、対大型モンスター用の、罠、爆弾、あらゆる装備をなけなしの金で用意していく。

 そして翌日、ユウゼンは大きな荷物を持って村長の前に現れた。

「村長さん!頼む!俺にアオアシラのクエスト受けさしてくれ!」

「昨日やられたばかりなのに、また挑むのですか?」

「おう!その通りです。あの時はろくな装備じゃなかったんでね。今度は負けませんよ!」

「前にも言いましたが、そんなに焦る必要はありませんよ。まずは小型モンスターから相手にしてみてはいかがですか?」

「いや、アオアシラじゃなきゃダメなんです!」

「まぁ、それはどうして?リベンジを果たしたいのですか?」

「それもありますが、負けっぱなしは納得いかないんでね。それに今回の俺には策があります」

 ユウゼンは背中の荷物に視線を移す。

「その大きな荷物が、あなたの言う策でしょうか?」

「その通りです。大丈夫です!今度は絶対狩ってみせます!」

「分かりました。そこまで言うなら仕方ないですね。ではユウゼンさん、アオアシラ一頭の狩猟を依頼します」

「任せてください!」

「くれぐれも無茶はしないでくださいね〜」

 ユウゼンは喜んでクエストを受けた。

 アオアシラは村外れの渓流にて目撃されたと村長から聞かされていた。

 

 渓流に着いたユウゼンはさっそく狩の準備に取り掛かる。

 まず初めに簡易式の落とし穴を設置。この罠は一時的だが大型モンスターの動きを拘束する事ができる。

 次にアオアシラの大好物ハチミツを塗りたくった大きな生肉を罠の前に置く。

 そしてその周りに大タル爆弾を設置した。肉で誘き寄せ、落とし穴にかかったアオアシラを大タル爆弾で爆破する。

 シンプルだが、我ながら強力な作戦だとユウゼンは思った。近くの茂みに身を潜め、罠を見つめながら獲物が来るのをじっと待つ。

 だがどれだけ入念に計画を立て、罠を張り巡らせた所で、想定外のことは起こりゆる。

 なかなか現れないな。そう思っていると、背後から微かに唸り声が聴こえた。

 振り返って見てみると凶悪な獣眼と目線が合った。

 次の瞬間、鋭くて紅い鉤爪がユウゼンに襲いかかる。ユウゼンは反射的に茂みから飛び出して、何とか攻撃を回避できた。

 だが作戦は失敗に終わったと確信した。

「クソ!どうしてバレちまった!」

茂みからのっそりと姿を現したアオアシラは、二本足で直立して舌をベロンと出し、ヨダレを垂らしながらゆっくりと近づいて来た。

 まるでユウゼンの恐怖心を煽るように。それでもユウゼンは逃げずに体勢を戻すと同時に太刀を持って構える。

「まぁいいぜ!来いや!」

 ユウゼンも負けじと恐怖など微塵も感じないと見せつけるように、獲物(アオアシラ)を睨む。

 そしてアオアシラがユウゼンの間合いに入った瞬間、ユウゼンがアオアシラの全体重を支えてる後脚に斬り掛かる。転倒狙いのようだ。意表を突く攻撃だったが、奇しくもアオアシラの鉤爪に防がれてしまう。ギン!と弾ける音がその鉤爪の硬度を示していた。

 だがユウゼンは怯まずもう一度斬り掛かる、今度は肩口から胸にかけて袈裟斬りだった。ザクっと斬撃が狙った部位にヒットする。

 だが傷口は浅く致命傷には程遠い、それでも確かな傷を与えることができた。

 斬撃傷から少量の鮮血が滴る。その傷を見たアオアシラは両腕を広げ、血走った眼光でユウゼンを睨みつける。

「グォォオオ!」

 そして吠えながら鉤爪を、がむしゃらに振るってきた。

 一発、二発と太刀でなんとか弾くも、その猛攻はユウゼンの右肩を防具ごとサクッと引き裂いた。

「ぐわっ!痛ってぇ!」

 すかさず傷口を抑えながら距離をとるユウゼン。

 だが怒ったアオアシラは待ってはくれない。鼻息を荒くして四つん這いになり、そのまま勢い良く突進してきた。

「ちょっと待・・・」

 ユウゼンは体勢を整える前にふっ飛ばされる。

 派手に地面に転がったため傷口が更に広がり、痛みが増す。屈み込んだまま悲痛な表情で傷口を抑える。

「ぐっ!」

 自分が与えた一撃は確かに奴を傷つけた。

 だがその結果、今自分はその倍以上の傷を負い、追い込まれている。

 一撃の重みが違ったのだ。

 自分の放つ一撃などただ怒らせるだけだったと理解した。ならもっと重い攻撃をしなければ。

 いつまでも悔いている暇があるなら足を動かせ。落とし穴はまだ使えるはず。

 そこでユウゼンは予め設置した落とし穴へ向かって猛ダッシュする。

「来い!」

 アオアシラはユウゼンに誘われるがまま走ってくる。ユウゼンは落とし穴を飛び越え、生肉を置いた所で急停止した。

「かかったな!クマ野郎!」

 ユウゼン目掛けて走り続けるアオアシラ。その目には落とし穴など見えていないと思い、ユウゼンは罠に近づいた。

 だがアオアシラは落とし穴の直前で停止した。

「何!?」

 罠など理解しできるわけが無い。では何故落とし穴の直前で停止できたのか?ユウゼンは焦った。

 それはアオアシラも同様であった、眼下に広がる光景が何かおかしい。アオアシラの野生の本能が危険信号を出していたのだ、これ以上進みたくないと。動揺して回りをキョロキョロと見始めるアオアシラ。

 お互いが状況を把握できていないため、妙な拮抗状態になった。

 そんな時、ユウゼンは師の言葉を思い出していた。

 

『まずは気づく事だ。冷静になって考えるんだ、今どんな状況か、何が重要なのか。そして気づき続けることだ。そうすれば自然と見えてくるはずだ、自分がやるべき事がな』

 

 「気づく事・・・!」

 今は獲物は落ち着かず回りをキョロキョロと見渡している。奴も俺と同じで戸惑っているんだ。気づかなれば、奴より早く。

 ユウゼンは足元に置いてある生肉をアオアシラに向かってぶん投げる。生肉はアオアシラの顔面に命中して、一瞬目をそらした。

 ユウゼンを見失ってさらに慌てる。

 その隙にユウゼンはアオアシラの後ろに回り込む。

 ザクッ!と容赦のない斬撃がアオアシラの後脚を襲う。

 痛みに気づいて振り返るが、斬撃はまだ続く。

 流れるような太刀の連撃がアオアシラのバランスを崩す。

やがてふらつき始めたアオアシラの背中にダメ押しの斬撃を入れ、そのまま落とし穴へ蹴り、落とそうとした。

 これにはたまらず、バランスを崩していまい頭から落とし穴に落下した。

 それを見てユウゼンは後方にある程度、距離をとった。近くにあった石ころを拾い、落とし穴付近に設置した大タル爆弾に投げつけ起爆させる。

 アオアシラは落とし穴にハマったまま爆発をもろに食らったのだ。

 だがまだ仕留めてない。

 追撃を与えるため落とし穴に近づく。

 すると爆発の煙の中、ちらりと見えた鉤爪が眼前に迫る。

「こいつ!」

 

 ユクモ村には村の外から来るモンスターを防ぐため大きな門がある。

 そこで門番をしているのが獣人族のアイルー(喋る人型の猫)である。

 狩りに行くハンターを見送り、モンスターが来ないかどうか見張っている。

 交代を繰り返して、常に二体のアイルーが門番をしている。

「暇ニャ」

「言ったところで何も変わらんニャ」

「今日は後何人帰ってくるのかニャ?」

「確か、後一人ニャ。ほら新米ハンターの」

「あ〜、あの大きな荷物持ってた奴だニャ」

「今思うとアイツ本当成長したと思うニャ〜」

「知ってるのかニャ?」

「初めて会ったのはアイツが子どもの時だニャ」

「そんな昔からニャ!?」

「アイツは、かつて天災と呼ばれたモンスターが暴れて壊滅した村の、唯一の生き残りニャ」

「良く生き残ってたニャ」

「一人のハンターが、そのモンスターを討伐して、幼いアイツを抱えて村に帰ってたニャ。あの怪我をして抱えられた姿は今でも良く覚えてるニャ」

「でもどうしてアイツがその時の子どもだと分かったニャ?」

「声で分かったニャ。怪我が治ってしばらくした後アイツは、この門を開けろと、村はどうなったんだ?と、何度もここへ来たニャ。その時のアイツのうるさい声は、耳にもよく残ってるニャ。アイツがここを出る時、お前も聞いたニャ」

「確かにうるさい奴だったニャ」

「とにかく、毎日ここに来てたニャ。自分の村がどうなったか知りたいとニャ。でもあるハンターがアイツを村に連れてったニャ。それから帰ってきたアイツは、ハンターになると誓ってたニャ」

「村を壊滅させたモンスターに復讐するためかニャ?」

「いいや、アイツはこれ以上自分の村のような被害を少しでも無くそうと、そのためにハンターとして強くなると言っていたニャ」

「そうだったのかニャ。立派な志を持つハンターだニャ。ところで誰が村に連れてったのかニャ?」

「それは…!?」

「どうしたニャ?」

「アレを見るニャ!」

「アレは!」

 

 その頃ユクモ村は夕暮れどき。この時間帯、ハンター達は集会所の前に集まり、世間話をしている。

「ユウゼンはまだ帰って来ねぇな」

「心配か?」

「いや、でも逃げてるんならとっくに帰ってくると思うんだよな」

「根性はありそうな奴だ。まだ戦ってるかもな」

「無事だといいんですけどねぇ」

「村長さん、いらしたんですか」

 集会所に姿を現したのは心配そうな顔をした村長だった。

「クエストを依頼したのは私自身、責任は私にあります」

「もし何かあれば我々が、助けに行きます。ですからご心配なさらず」

「おーい!大変だ!」

「どうした?」

 村人の一人が大声で叫んで来た。

「村にモンスターが出やがった!」

「何!?」

「ハンターさん、すぐに対処してもらえるかい!?」

「任せな!」

「村長さん!早く安全な所へ!」

「分かりました。急で申し訳ないんですがお願いいたします。・・・っ!?」

「アイツか!」

そこに現れたのは一頭のアオアシラであった。

「まさか、ユウゼンさんが殺されて!?」

「村長さん!離れて危険です!」

「たく!こんな時に門番アイルーは何やってるんだ!・・・てか、このアオアシラ・・・変じゃね?」

 そのハンター言う通り、アオアシラの様子は少しおかしかった。

 二本足で立ってはいるものの、異様に前傾姿勢であり、体の至る所に切り傷がある。更には瞬きをせず、口が歪に開いたまま、舌がだらんと垂れている。

「足が動いてないのに前に進んでる?どういう事だ?」

「俺だよ!」

 アオアシラの両手の間からポンっとユウゼンが顔を出した。

「何だよ〜、ユウゼン!脅かしやがって〜」

「ユウゼンさん!無事でしたか!」

「言ったでしょ、策があるって」

「ユウゼン!お前こいつを狩った後ここまで担いで来たってのか!?」

「その通りですよ!」

 集会所は笑いの渦に包まれた。

 苦労しながらもユウゼンは華々しく狩人生活をスタートしたのであった。

 ところで、アオアシラに追い詰められたユウゼンはどうやって反撃したのか?

 そう疑問に思うかもしれない。

 確かに目前に迫る鉤爪の攻撃は避けれなかっただろう。

 だが避ける必要などなかった。

 鉤爪はユウゼンが直前で出した斬撃によって砕け散ったからだ。

 なぜらな爆発の衝撃で鉤爪は脆くなっていたのだ。もはやその鉤爪では、ユウゼンの斬撃を受けることはできなかった。

 強力な武器を失ったアオアシラはそのままユウゼンの斬撃によって力尽きたのだった。

 

 この話はほんの序章に過ぎない。ユウゼンの物語はこれからもまだまだ続いていく。そして村の脅威は意外にもすぐ近くに存在していた。




アオアシラに苦戦する事ある?
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