モンスターハンター 3rd 白黒の渇望   作:カワード

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ベリオロスを大人しくさせるため、大量の小タル爆弾による怪我をさせる作戦を成功させるため火薬草を集めに行ったユウゼン達。途中で出会ったユウゼンの知り合いのアイゴの協力により、火薬草を集めることが出来た。だがカジキと合流する際ベリオロスに気づかれてしまう。ベリオロスと戦いながら何とか爆撃を与え、怪我をして崖下に落ちていくベリオロス。しかし突然現れたアイゴは嘲笑っていた。自分はベリオロスを倒すために協力し、ハゼの相方ハオコゼを殺したのは自分だと語る。怒りに身を任せ殴りかかったハゼだったが、アイゴの後ろに現れたの白黒種のナルガクルガになぎ払われてしまうのであった。


11話「復氷」

 アイゴの前に突然現れたのは白黒種のナルガクルガであった。

「さぁ、ナルガ先輩。邪魔なベリオは消えたっす!ここで大暴れしてください!」

『いちいち細かい事ばっかりやらせて、本当ムカつくんだよな〜。でもまぁいいや、コイツらで全部帳消しできるしね』

 ナルガクルガは片翼脚を前に出し突進の構えをとる。

「コイツが凍土に潜んでいたモンスターだったとはな。ハゼ、大丈夫か?」

「・・・はぁ・・・はぁ・・・許さない、あんな奴らにハオコゼは!」

 過呼吸になりながらも、殴打された腹部を抑え、やっとの思いで立ち上がり涙声で心境を語るハゼ。

 ユウゼンとカジキはそれを心配しながらも、目の前の敵に集中するため、武器を構える。

「ハゼ、無理すんな。こいつは俺達が何とかするから、今は休んでろ」

「嫌よ!アタシも戦う!」

「おい!来るぞ!」

 ナルガクルガは突進しながら刃翼で切り裂いてくる。そのスピードはベリオロスにも劣らないため、避ける余裕はなかった。

 往復しながらその攻撃を何度も繰り返してくる、それを各々の武器でガードするので精一杯のユウゼン達。

 だが剣によるガードなど気休め程度にしかならない、そのためある程度のダメージを受け続けていた。

 それでも何とか防がなければ、どれも致命傷に繋がる強力な攻撃であった。

「ちっ!速くて全然隙がねぇ!」

「一旦距離を取るぞ!動きを見切る!」

 太刀を納刀したユウゼンが一旦距離を取り、様子を伺う。

 突進の攻撃範囲外まで離れて構えを解いた、その瞬間ナルガクルガは尻尾を頭上に垂らしてシュルシュルと音を鳴らし、ピシュッと鞭のようにしならせると、ユウゼン目掛けて無数の白い棘が飛んできた。

「何!?」

 予想外の遠距離攻撃に、油断していたユウゼンは反応が遅れ、右肩に棘が刺さってしまう。

「痛っ!この・・・棘は、あの時ベリオロスの前に飛んで来たやつか!」

 痛々しく表情を歪めながらその棘抜く。その瞬間を隙だと感じたカジキは尻尾に斬りかかっていた。

『遅すぎるんよ』

 だがその手は読まれていた。ナルガクルガは自身の体をスピンさせて尻尾で円を描くように振り、カジキを薙ぎ払った。

 ユウゼンがいる所までぶっ飛ばされる。

「ぐわっ!」

 ナルガクルガの攻撃はスピードに特化していて、避けづらい上に一撃一撃がとても鋭利なので、とにかく防ぐしか手が無かった。

 二人の様子を見ていたハゼも攻撃をしたかったが、不意に与えられた腹部へのダメージが大きかったため、動けずにいた。

「ダメだ、やっぱり速すぎて隙が全然ねぇ!」

 ナルガクルガにユウゼン達が苦戦を強いられる間、アイゴは長老を嘲笑うように語りかける。

「いや〜長老殿、あなたのおかげっすよ。ここまでうまく事が運ぶとは。でもまさか自らの手でベリオロスを崖から突き落とすなんてね。凍土の守り主だかなんだか知らないっすけど、本当恩知らずっすね」

「・・・お主は何も・・・分かっとらんようじゃな」

「今更負け惜しみっすか〜?」

「白夜刀があの程度の怪我で・・・動けぬと思っておるの」

「その通りっしょ。破損したのは翼膜と、翼脚の棘と爪。やつは空も飛べなければ、崖を這い上がることも出来ないっすよ。何も出来ないままそこで死ぬっす」

「・・・なら後悔するぞ・・・お主らは踏み込んではいけない・・・領域に足を入れたのじゃ」

「それは脅しのつもりっすか?」

「まさか・・・情けじゃよ・・・何も知らぬ哀れなお主に対しての」

「ご忠告どうもっす。でもね長老殿、そんな無駄な希望を掲げた所で何も意味は無いっすけどね」

 ナルガクルガに対して反撃の隙を見いだせないまま状況は悪化していく。ユウゼンもカジキもすでにボロボロであった。

『守ってばっかりで全然面白くないや』

「・・・一太刀・・・せめて一太刀浴びせることができるなら。やるしかない!」

「ユウゼン、何をする気だ?」

 ユウゼンは太刀を納刀してゆっくり近づいて行く。

「何やってる!武器を構えろよ!そんなんじゃ切り刻まれちまうぞ!」

 カジキの警告を無視し、そのスタイルを変えずに進み続けるユウゼン。

『潔く殺されに来ちゃった?』

 ナルガクルガは、棘を飛ばしてユウゼンを攻撃する。棘は身体や手足に刺さり、頬を掠める。

 それでもユウゼンはブレることなく歩み続ける。

『いいね、そうこなくっちゃつまらない!』

 ナルガクルガはついに片翼脚を前に出し、刃翼で迎え撃つ。

 だが近づいてくるユウゼンの直前で何を感じたのか、ピタッと動きを止め焦るように後退した。

「ナルガクルガが引いただと!」

「どうしたんすか、ナルガ先輩?何をためらってるっすか?」

『・・・何だ?・・・コイツ!』

 ナルガクルガは酷く恐怖していた。ユウゼンが繰り出そうとしてくる、その一太刀に。

 ナルガクルガが感じたものは確実に斬られる恐怖。

 迷い無きその瞳と、決してブレないその構え。ユウゼンは格上である白黒種相手に自身の気迫だけで圧倒させたのだった。

 それはユウゼンが自ら狙って引き起こした訳では無い。この一太刀を確実に当てるという覚悟から生まれた技のようであった。

 ユウゼンはナルガクルガを追い詰めるようにまたゆっくりと歩み寄る。

「ユウ・・・ゼン」

『弱いくせに威張るんじゃないよ!』

 ナルガクルガも今度は迷いなく突っ込んできた。それに応えるように、太刀を握る手に力が入る。

 ナルガクルガがユウゼンの間合いに入った。

 その瞬間、閃光走る、刃と刃翼が激しくぶつかり火花を散らした。

 実力は互角のように見えたが、実際はナルガクルガの方が速く動ける。だがユウゼンの斬撃の軌道に刃翼をわざと合わせたのだ。

 そう、ナルガクルガの生存本能が自身が斬られると言う恐怖を耐えられなかったのだった。

 お互いが一歩も引かず再び睨み合う。

『やっぱり、こいつやべぇ・・・斬られる!』

「ナルガ先輩と互角だと!そんな力がどこに!」

「凄い!」

 その時、ユウゼンとナルガクルガの間に突如、冷気の竜巻が発生した。

 目の前で発生した冷気の竜巻を見てユウゼンは、ふと我に返った。

「この冷気は、まさか!」

「ベリオロス!生きてたのか!」

「・・・始まったのぉ・・・白夜刀の狩りが」

「何っ!?ベリオロスが這い上がって来ただと!それに、何だあの姿は!」

 その姿は以前より荒々しく、まるで氷の鎧を全身に纏ったかのようであった。破損した爪や翼脚の棘は氷で修復しており、以前よりも長くて鋭い。その強靭な爪を使って崖下から、悠々と登って来たのであったのだろう。

 ベリオロスは咆哮を上げ、冷気の竜巻を連発した。強力な竜巻は氷漬けの大地を穿ち巻き上げ、その残骸を巻き込み巨大化していく。

 やがてそれはユウゼンとナルガクルガを包む程の巨大な反り立つ双璧の形になり、固まった。

「壁が・・・冷気の竜巻で氷の壁を作ったのか!?」

「バカな・・・フィールドを、大地を変動させただと!白黒種でも無いモンスターのどこにそんな力が!?」

『丁度いいや、戦ってみたかったんだよね。こいつと』

「ナルガ先輩、これはまずい!一旦引くっす!」

 ナルガクルガは標的をベリオロスに変え、刃翼で飛びかかってくる。

 赤色の瞳が細い残光を描く。

 だがベリオロスはそれをヒョイっと壁際に避けると、壁にへばりついた状態からすぐに滑空してきた。

 自分の方が速いと思っていたナルガクルガは不意をつかれ、翼脚のスピン攻撃をまともに喰らった。

『僕が追いつけなかっただと!』

 ベリオロスはさらに追い討ちをかける。壁から壁へと移り何度も滑空しながら攻撃し、ナルガクルガを翻弄する。

 スピードではナルガクルガの方が上だが、双璧のある今の状況ではベリオロスの方が有利であった。

『えぇい!焦れったい!』

 ナルガクルガは嫌な流れを断ち切るため、自身のしなる尻尾をビタン!と強烈に地面に叩きつけて無理やり攻撃を当てようとした。

 だがベリオロスは直前にその攻撃を見切って、距離をとったため当たらなかった。

 尻尾が地面にめり込んだため、隙ができる。

『外した!?』

 尻尾を地面から剥がそうと奮起するナルガクルガだったが、思ったよりも強力にはまっており、すぐには剥がれない。

 その隙を逃さなかったのはユウゼンだった。

「隙ありぃ!」

 斬り下したユウゼンの一太刀は、はまった尻尾を一刀両断。切断された尻尾が食う宙を舞う。

「グオォォアァァァァァァ!!」

 感嘆の叫び声を上げ、悶えるナルガクルガ。

『痛ってぇぇぇぇぇぇ!何しがやるクソ人間がぁぁぁぁぁぁ!』

「ナルガ先輩!早く逃げるっす!」

 怒りに身を任せユウゼンに飛びかかる。素直すぎるその攻撃を避けるのは容易であった。

 そしてその焦った攻撃が仇となる。

 壁で待ち構えていたベリオロスが滑空しながら強襲する。

 その翼脚がナルガクルガを確実に捉え、地面を擦りながら壁に激突させる。壁がボロボロと崩れるほどの衝撃を起こした。

 だが白黒種のしぶとさで、すぐに顔を出す。

 切られた尻尾を振り回し、僅かに残った棘を飛散させながら、がむしゃらに突っ込んでくる。

 ベリオロスは冷気の竜巻で飛散した棘を相殺させる。竜巻に阻まれて上手く近づけない中、いつの間にかナルガクルガの正面にいたのはカジキであった。

 竜巻の背に立ち、冷気をその刃で受ける。刃を通じて冷気が直に身体へ伝わってくる。

「あぁぁぁぁ!冷てえぇぇぇ!」

 ナルガクルガは刃翼で簡単に迎撃できる、そう思ったがカジキは想像以上のスピードで斬撃を繰り出した。

「凍乱舞!」

 赤色の瞳もろとも顔面を切り刻み、血飛沫が大地に飛散した。

 そこに追い討ちをかけるように冷気の竜巻が発生し、巻き上げられた大地の残骸が身体中をズタズタにする。

「グ・・・アァ・・・」

 度重なる攻撃で身体は既にボロボロ、流血は止まらず尻尾も斬られた。その瞳は既に赤い残光を失っていた。

 そんなナルガクルガを見て絶望するアイゴ。

「そんな・・・バカな。ナルガ先輩が。こんな筈じゃない」

「お主の・・・負けじゃな」

「何だと!?」

「はぁ!」

 ようやく動けるようなったハゼが渾身で放つ怒りの鉄槌は、小柄なアイルーと言えど人間のアイゴを簡単に殴り飛ばす威力があった。

「痛ぁ!・・・ま、待て僕は人類のために!」

「知るか!ハオコゼを返して!」

 殴られた頬を押さえながら後ずさりして命乞いをする。

「お主から聞きたいことは・・・山ほどある」

「悪ぃ、そいつは渡せねぇんだわ」

「誰じゃ!?」

 その声は空から聞こえた。それと同時にズドンと誰かが落下してきた。

 片膝を着いていたその男はアマエビであった。

「アマエビ!」

 戦闘中のカジキとユウゼンも、気づいて振り返る。

「アマエビ・・・噂には聞いたけど、アンタ本当にモンスターと協力してるの!?」

「だったらどうする?」

「どいて!そいつはハオコゼを殺したやつよ!」

「ダメだ」

「力ずくで・・・うっ!」

 ハゼは殴打された腹部が再び傷んで思うように動けない。ユウゼン達もアマエビをどうにかしたいが、ナルガクルガとベリオロスから目を離すわけにはいかない。

 ならば、やるべき事はひとつ。

「今のうちにナルガクルガを仕留めるぞ、ユウゼン!」

「あぁ!」

 弱っているナルガクルガを優先してトドメを刺そうとしたそのとき、上空から黒い翼を羽ばたかせリオレイア白黒種が降りてきた。

「この翼・・・」

「白黒種!リオレイアだ!」

『何テ酷イ有様ダ、ナルガクルガヨ』

 着陸したリオレイアは、すかさずナルガクルガの胴体を後ろ足で掴んだまま再び上昇した。

「こいつはジエン・モーランの時もいた!」

「ナルガを離しやがれ!」

 カジキが飛びかかりながら攻撃するも、悠々と上空に逃げ身を躱すリオレイア。

「カジキ!後ろ!」

 後方にいたベリオロスが冷気の竜巻でうち落とそうとするも、既に攻撃範囲外に逃れていた。

 その時アマエビはアイゴを抱えて、崖際へ逃げていた。

「俺達は、生命の救世主だ。じゃあな、ハゼ。ハオコゼは気の毒だったが、元気でな」

「待ちなさい!」

 アイゴを抱えたまま崖際から飛び降りた。だがその瞬間、崖下から飛んで来たリオレイアの背に乗り飛び立ってしまった。

「奴らが生命の救世主だと?それにしても、いつの間に来てたんだ」

「・・・お主らご苦労であった」

「長老、奴らはまだ生きてる。逃しちまった」

「・・・お主らが無事で良かったわ・・・白夜刀も手を引いてくれよう」

 ベリオロスは凍土の山奥へ飛び去って行った。

「そういや、何でベリオロスは俺たちを襲ってこねぇんだ?」

「ふぉっふぉ・・・敵意は最初から奴らにしか無かったわい」

「えぇ!?こちとら、殺されかけたんだぞ!」

「手は抜いておったわ」

「マジかよ。まさか長老さん、全部知ってたのか?」

「・・・もちろん、全部知っておったぞ」

「だったら最初から言ってくれよ〜」

「奴らに演技だと・・・バレる可能性があったからの」

「・・・ハオコゼ、どこにいるの?」

「ハゼ、ハオコゼは俺たちが必ず見つける。それまで待っててくれ」

「人間を白黒種にする実験とか言ってやがった。アイツらはイカれてる」

 そこにやって来たのは防寒具をガチガチに着込んで、誰かを背負っているシロギスであった。

「やっぱり、遅かったわね」

「シロギスさん!あぁ、長老さんこの人は・・・」

「・・・知っておる」

「何だよ!」

「うわはっはっはっ!何だよ、シロギスそのモコモコの服はよぉ!」

「寒いんだから仕方ないでしょ!前来た時寒くて堪らなかったのよ!」

「シロちゃん、その背負ってる人って・・・」

「ハゼちゃん、本当に無事でよかったわ。そう、ハオコゼよ。洞窟で倒れてたの。何とか一命は取り留めたわ」

「・・・生きてるの?」

「えぇ、何とかね。幸運だったわ、極寒の凍土の環境で傷口が凍りついて止血されてたの」

 ハゼは感極まって涙を流し、膝から崩れ落ちた。

「良かった、もう会えないかと思ったニャ」

「ニャ?」

「ニャ!あ・・・な、何でもないわ」

「お前もしっかりアイルーだったんだな」

「ところで、シロギスさん。あんたは白黒種を追ってるんだろ?それで奴らを追いかけてここまで来たんすか?」

「その通りよ。そのまま追えば追いつけたかもしれない、でもハオコゼの事はほっとけなかった」

「シロちゃん・・・ありがとう」

「でも、まだ意識が戻らないの。応急処置は施したけど、これ以上は私には対応できないわ」

「・・・見せてみなさい」

 そう言うと長老はハオコゼの顔を覗き込んだ。

「ふむ・・・これは一種の・・・冬眠状態じゃな」

「冬眠状態?」

「生命活動を最小限に抑え・・・辛うじて命を・・・維持しておる・・・じゃが長くは持つまい」

「そんな・・・どうすればいいの?」

「水没林の・・・健磐竜(たけいわたつ)の所へ迎え・・・そこにおる龍仙人はわしの知り合いで・・・初めて秘薬を開発した男じゃ・・・病の治し方を知っておるやもしれん」

「秘薬って、あのどんな傷も治す薬の事!?」

「・・・いかにも」

「水没林の健磐竜?そこに行けばハオコゼは治るのか?」

「可能性はある」

「健磐竜はドボルベルクの事ね。そのモンスターは水没林一の強いと言われてるわ。ハゼちゃん、危険な旅になるわよ」

「それでも、アタシ行くわ!」

「だったら俺も行くぜ」

「カジキ!?」

「ハゼには助けられてばっかりだからな」

「助けてもらったのは、こっちの方よ。それにこれはアタシの問題でもあるの」

「だとしてもだ。お前一人で行かせるわけにいかないだろ?」

「そう言うと思ったわ。でも一旦ギルドに戻って報告しなさい。ハオコゼなら大丈夫よ、ギルドに戻れば多少の延命処置を施してもらえるからね。その後に龍仙人にあって治し方を教えて貰いなさい」

「分かった」

「待った!」

「どうしたの?ユウゼン」

「俺は白黒種とそれに絡んでる人間が許せない!あいつらは人を人だと思ってねぇ!あんたと一緒に俺は、アイツらを追いたい」

「はいはい、分かったわ。話は帰ってからよ。皆ボロボロでしょ?」

「そうね、ここじゃハオコゼが危ないわ」

 

 シロギスの提案でギルドに帰ることになったユウゼン達。帰りの支度をしているユウゼンは、シロギスに対してある疑問が浮かんだ。

「なぁ、シロギスさん」

「何?」

「俺は、ただモンスターを狩っていれば村の人が安心して暮らせると思ってた。だけど白夜刀みたいに、人だけじゃなくて生命を守ってるモンスターもいるんだなって思った。だから白黒種は絶滅させなきゃいけない」

「いい所に気づいたわね。そう、私達狩人は闇雲にモンスターを狩ってればいいって訳じゃないの。本当に狩るべきモンスターを見極めなければいけないわ」

 ユウゼンは深く頷いた。

「話は変わるんすけど、ジエン・モーランのクエストの時、最初あんたは俺達がクエストに行くはあんなに反対してたのに、アマエビから何か聞いた後、まるで人が変わったようにクエストを受けてくれた。一体何を言われたんすか?」

「それは・・・」

「おーい!ユウゼン、終わったか〜?はよ帰るぞ」

「分かってる!」

「・・・騒々しいのぉ」

 答えはカジキの声で遮られた。

 そしてユウゼン達は凍土を後にした。

 シロギスと共に帰ったがこの話はこれ切りで終わり、新たな進展はなかった。

 

 その頃ユクモ村のぎぎの家では、ぎぎの父親ガザミに義足を作ってもらおうとお願いしていた。

 ジエン・モーランとの激戦の後、地面から現れた白黒種のモンスターに足を食われて損失していたからだ。

「お前は、そこまでしてハンターを続けたいのか?」

「はい。僕はまだ答えを見つけてません」

「普通のハンターより過酷な道になるぞ?分かってるのか!?」

「構いません」

「ぎぎ、おるのか?っ!・・・ガザミ」

 そこにドアを開け入ってきたのは竜人考古学者のモクジだった。

「モクジィ、俺が義指作ったこと話したな」

「バレておったか。ぎぎ、ワシが話す前に話しおったな」

「すみません、ユウゼンさん達を思うとどうしても我慢できなくて」

「モクジィ、あんたからも言ってくれ。義足でハンターをやると言ってきかんのだ」

「ガザミ、もうその子の自由にやらせてやってもいいんじゃないかの」

「おいおい、そっちの肩を持つのかよ」

「モンスターの声、それは確かにワシらには理解出来んし、信じ難いものかもしれん。じゃがここまで答えを求めておる。お主の無理難題にも挑戦しておるしの」

「・・・否定はせんが」

「モクジさん・・・」

「無理じゃと感じたらそこで辞めればいい。納得いくまでやってみぃ」

「しかしなぁ!」

「お願いします!パパっ・・・父さん!」

「おいおいパパって・・・はぁ〜。分かった、俺の負けだよ。作ってやるよ」

「本当!?」

「だから、今は怪我を治すことに集中するんだ。そして義足ができたらすぐに走る練習をしろ。一週以内にまともに走れるようになれば、ハンターとしてやっていける望みはある」

「お主何を言っておる!?そんなに早く出来るわけなかろう!」

「やってみせます!既に覚悟は出来てます」

「ぎぎ・・・」

 

 その少し前、アイゴはナルガクルガと共にベリオロスを倒し、凍土を自分達の根城にしようとしていたが、ユウゼン達に阻止されリオレイアとアマエビに救出されたのだった。

 そのリオレイアの背の上、アマエビの横で、殴られた頬を擦(さす)りながら反省していたアイゴ。

「・・・どうして助けたんすか?あっし(一人称)の独断で勝手に行動したのに」

『フン。オ前ハ、マダ死ヌニハ惜シイ。悲シイナ、オ前ヲ信ジテ見守ッテイタガ、結果コノ有リ様だ。ソレニ、オ前ハ我ヲ信ジレナカッタノニナ』

「返す言葉は無いっす。すみませんボス」

「だが、いい経験になったんじゃねぇの?」

『確カニナ』

『・・・殺す・・・殺す・・・』

 ボロボロになっているナルガクルガを見て何かを確信する。

「・・・そうっすよ。原因はあっしにあるっす!ナルガ先輩に頼りきりだった!あっしが、自分の力で倒せるようになるしかない!」

「ほぉ」

「次はしくじらないっす」

『モット学習シロ。オ前ニ足リナイノハ知識ダ。本当ニ科学者ナノカ?今デモ分カラナイダロウ。アノ、ベリオロスガ何故アソコマデ讃エラレテイルカ』

「それは、どういう事っすか?」

『アノ、ベリオロスハ護ッテイルノダ。原初ノ飛竜、崩竜ガ住マウ極圏へト繋ガル道ヲ。崩竜ノ元ニ決シテ何者モ通サヌヨウニ。オ前ハソノ道へ片足ヲ突ッ込ンダ。ソレガ敗因ダ』

「原初の飛竜、崩竜・・・古龍にも匹敵する伝承上のモンスター・・・実在したんすか!?」

「崩竜・・・ウカムルバスか」




毎度閲覧ありがとうございます!これにてベリオロス完結です!でも話はまだまだ続きます、投稿ペースをあげなければ・・・
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