その様子を見ていたのは、火山に住んでいる古代竜人であった。そしてその情報をニャン二郎へ伝えて、ギルドに速達を任せたのであった。
ギルドに届いた速達は火山からだった。大量の異なる鳥竜種(白黒種)の群れの目撃情報である。
ギルドはこの群れをドス軍団と命名し、白黒種の調査をしているシロギスと、それについて行くと宣言したユウゼンの二人に調査を依頼。
それを受け火山に向かったのであった。
そして今、ユウゼン達は火山へ行く道中の林を通っていた。
「こんな熱い環境なのに、木々が生い茂ってて、思ってたのより面倒な道ね」
「元よりそういう所ばっかりじゃないっすか。俺らが行く所は」
「ここは活火山の近くなのよ。植物が生えてること自体が不自然だわ」
「なるほど。にしてもシロギスさんは自然とか環境に詳しいっすよね?」
「そうかしら?」
「普通のハンターより、よっぽど語ってくれますから」
「・・・昔の癖かしらね」
「昔?」
「私は昔ギルドナイトになりたかったの。それで必死に勉強したわ。今でも時々覚えた事を忘れないように、説明しようとしてしまうの」
「ギルドナイト・・・罪人を裁くのに特化したギルドの一団と聞きました」
「幼い頃助けて貰ってね、それ以来ずっと憧れだった。そういえば前に何故私が急にジエン・モーラン討伐作戦に参加する気になったのか聞いてきたわよね?」
「あ、そうですね、まだ答えを聞いてませんでした。最初は真っ向から反対してましたよね?カジキと口論しながら」
「そうだったわね。でもアマエビがあの時『このクエストが終わったらギルドナイトの、リーダーに合わせてやる』って言ってきたの。それで私は参加する気になった」
シロギスは自分の過去を語りながら思い出していた。
シロギスがまだ幼い頃、密猟をしていたハンターをたまたま目撃してしまった。
それがバレてハンターたちに誘拐された時、口封じのために殺されそうになった所を颯爽と現れたギルドナイトのリーダー(ミギマギ)がそのハンターを一瞬で拘束しシロギスを救助した。
ハンターの恐怖に脅えていたシロギスはこの時何も喋れなかった。
だが命の恩人に対して、ありがとうの一言も言えなかったことが心残りであった。
だがギルドナイトは常に仕事で忙しく、単なる村人のシロギスには話すどころか会うの難しい人物だ。
この事を幼なじみのアマエビに話すと、ならば一緒にギルドナイトにならないか?と諭され、ギルドナイトを目指すと志す。
その日以降、地学や生物学などを学び、体術の修練に励む日々が始まった。そして長い年月が流れ、二人はギルドナイトの採用試験に望んだ。
この日のために何年も費やしてきた、絶対にギルドナイトに入ってみせる。
そして試験を受け、その結果が帰ってきた。
「・・・不合格ね」
「何故だ!どうしてお前だけ!?」
「悔しいけど事実よ。受け止めるしかない」
「そんなはずあるもんか!お前は俺より頭が良くて優秀だ!俺が入れてお前が入れないはずないだろ!」
アマエビは酷く感嘆していた。
元々シロギスが目指していたギルドナイトに自分だけ入れた事に納得がいかない。
「もっと勉強すれば良かったわ。やっぱりちょっと悔しいかな」
「だったら・・・だったら俺が立派なギルドナイトになって、お前の実力を認めさせてやる!」
「そ、そこまでしなくてもいいわよ!」
「いや、約束だ!お前を絶対ギルドナイトに入れさしてやる!」
「アマエビ・・・全く勝手なんだから。でも嬉しかった、ありがと。期待してるわ」
アマエビはギルドナイトに入り、シロギスはそのギルドナイトになるために学んだ技術を生かし、ハンターとなった。
だが、その後アマエビからのギルドナイトに関する話は一切無かった。
更にその三年後、アマエビは突然ギルドナイトを辞めた。
シロギスが、その理由を聞いてもアマエビは答えてくれなかった。
「どうして、急に辞めたの?」
「・・・別にあんな組織、最初から気に入らなかったんだ」
「あの日の約束はどうなったの?」
「・・・」
「答えて!何があったの!?」
「これもお前のためだよ!」
「私の?どういう事よ!?」
「もういいだろ、終わった事だ」
その後二人はハンターとしてよくコンビでクエストに行っていた。
だがシロギスの憧れていたギルドナイトには会うことはこれ以降、一度も無かった。
話している内に二人は林を抜け火山前の開けた土地に着いた。
周囲の至る所に溶岩の崖があり、非常に危険な場所でもある。
「ふぅ。やっと林を抜けたわね」
「そうっすね・・・っ!あれは」
「いたわね、報告にあった白黒種のジャギィ」
火山から走ってきたのは一体のジャギィであった。
だがそれはユウゼン達を見つけたから寄ってきたのでは無く、何かから逃げてるようだった。ユウゼン達を前にしても、後ろばかりを気にしていた。
「何かに怯えてる?」
「待って、様子がおかしい」
「逃げんじゃねーよ、全く」
「!」
ジャギィは次の瞬間、ハンマーによって無惨にも叩き潰された。
突如現れたその声に二人は聞き覚えがあった。
「アマエビ!」
アマエビは二人に気づくと、笑みを浮かべ親しそうに話しかけてくる。
「よぉ。また会ったなユウゼン。相変わらずギルドの情報網は早ぇな」
「あんたはもう信用出来ない!ここで何して・・・」
シロギスは言葉を遮るように手をかざし、前に出る。
「アマエビ、ギルドの命令により私があなたを、拘束または射殺する。ユウゼン武器を取りなさい、相手は元ギルドナイト、対人戦においてはハンターより強いわ。情けは無用よ」
「・・・分かった!」
シロギスはそう言いながら弓を構えるも、微かに手が震えていた。
「シロギス、何だその喋り方は?もしかして、ギルドナイトの真似事か〜?」
「黙れ!ギルドナイトを自分勝手に辞めたお前にシロギスさんの何が分かるんだ!」
「ユウゼン、今はそんな事どうでもいい。敵に集中しなさい」
「お前だって震えてんぞ、シロギス」
アマエビ言った通り、確かにその手は震えていた、だがそれでも矢を放つ。
ユウゼンの放つ言葉に動揺し、かつての仲間を打つことに躊躇いが生じたのか、矢先の角度は明らかにズレていた。
その先にアマエビは居ない。
戦闘は開始しているのだか、アマエビはその矢が命中することは無いと思ったのか、笑みは崩れない。
だが放たれた矢は途中で直線の軌道をそれ、途中で湾曲しアマエビの方へ飛んできた。
余裕ぶっていたアマエビはとっさの出来事に反応が遅れ、矢が肩に命中する。
「やっぱり器用だよな、お前」
シロギスは動揺などしていなかった。手の震えも矢先の角度も、アマエビを油断させるための作戦だった。
「ここで捕える!」
再び矢を構える。
だがユウゼンはシロギスの前を走り、射角を塞いだ。
それに気づかないのか太刀を握りしめ、眼前のアマエビに斬りかかっていく。
シロギスは矢を放てないように見えた。
しかし矢は飛んできた。
ユウゼンがシロギスの前に出たのはアマエビに矢の発射角度を見極められないようにするためだった。
この戦法をシロギスは事前にユウゼンに話していた。
もしアマエビと戦闘になることがあったら、私の前に出て剣を振るえ、私は矢の軌道を曲げることが出来る。
アマエビは飛んでくる矢にかまってられず、一番の驚異であるユウゼンの斬撃を防ぐ。二撃、三撃と繰り出される太刀の剣戟をそれより重いハンマーで防ぐ、元ギルドナイトであるアマエビの技量と力業であった。
それでも矢は左肩から腕にかけて五、六本は確実に当たっている、見るからに痛々しいダメージであった。
「ちっ」
だが一時的に矢が飛んで来なくなった、その瞬間ユウゼンの斬撃を受け流し、力任せで無理やり地面を叩き、距離を取らせた。
そしてハンマーを空中で投げるような動作を取り、その遠心力を利用して、人間とは思えない跳躍力を発揮させ、ユウゼンの頭上を飛び越る。
アマエビは直接、空中からシロギスを叩きにいった。
「飛んだだと!シロギスさん!」
だがシロギスは既に弓矢を持っていなかった。
その手にはハンマーと同じ打撃武器である狩猟笛を構えていた。まるでここに攻撃が来るのが分かっているようだった。
アマエビは矢が刺さってない右腕のみで、天に自身の武器を掲げ叫ぶ。
「黑異天!」
片手とはいえ、あの古龍ジエン・モーランを地面に屈服させた強力な叩きつけの大技だ。
たかだか上位ハンターのシロギスが狩猟笛を構えたところで、とても心もとない。
ガシン!と鈍い衝突音が響く。
シロギスは何とか攻撃を受け流そうと角度をずらすが、それでも身体にかかる負担は相当なものだった。
「くっ!」
受け流しは成功し、アマエビの攻撃はシロギスの直下の地面を抉る。しかしその反動で倒れそうなシロギスに対して、すぐに追撃しようとハンマーを構える。
「そこまでっすよ!」
聞き覚えのある声、独特な喋り方、その戦いを抑止に来たのはアイゴであった。
「同種同士の争いなんて見るに堪えないっすよ、アマエビ」
「アイゴお前、今までどこで油売ってた?」
「アイゴ!何しに来やがった!?」
「あ、無駄な抵抗はやめて欲しいっすね。君達は既に囲まれてるっすから」
「何?」
アマエビが周囲を確認すると、大量のドス軍団が三人を取り囲んでいた。
「シロギスさん!こいつらいつの間に!」
「この数は・・・とりあえず下手に動かない方がいいわね」
「んで、お前は何でそいつらの群れの中にいる?」
「あくまで公平な関係を保つため、ドスジャギィ達の意見を伝えるためっす。ボスの元から逃げ出した彼らは、あっしを人質にすることによって、ギルドともボスとも対等な関係を築けるっすからね」
「お前の事だ、どうせ自分からついていったんだろ?」
「そこは言えないっすね。でも彼らの願いは自分たちの安全っす。他種族の身勝手な思惑に振り回せるくらいなら、あっしは喜んで協力するっすよ!平和が一番っすからね!そうっすよね?ユウゼン!」
「こいつ!」
「まぁまぁまぁ、でも君たちが無駄な抵抗をしない限り彼らもまた何もしないっす。どうっすか?大人しくしてて貰えるっすか?彼らはここ火山の環境では暮らすことは出来ない。あっしはね、彼らから聞いたっす。自分たちの平和のためなら、人間に危害を与えないってね。それを無視して彼らを一方的に惨殺するつもりっすか?」
「ふん、信用できねぇな。ボスの管理下でもない白黒種を統制できるわけないだろう?それに、いくら白黒種でもそいつらは所詮鳥竜種の集まりだ、古龍の血を取り込み、強化された打地殻雄には敵わない。それに、火山から逃げれたとして打地殻雄からは逃がれられないだろう。生かした所で意味なんかねぇぞ」
「その打地殻雄なら、もう既に溶岩の底に沈んだっすよ。彼らの手によってね」
「何?」
余裕ぶっていたアマエビだったか、その言葉を聞いた途端、真顔になった。
「実力は白黒種の中でも群を抜いてるっす。だからユウゼン達もそのまま何もしない方がいいっすよ。あっしも凍土での出来事は水に流すんでね」
「あれは、お前が原因だろうが!」
「ユウゼン!今は抑えて」
「くっ・・・!」
ユウゼンは今にもジャギィ達に襲いかかっていきそうな程、力が入っていたのか、太刀を握り締め震えていた。
「まぁ、それが嘘でも真実でも今は何もできねぇけどな」
「どうしたっすか?ドスジャギィ殿?」
ドスジャギィが近付いてきて、アイゴの側でヒソヒソと鳴いていた。
『木の影・・・誰かいる』
「あそこっすね。おーい、そこの陰に隠れてる御仁、早く出てきた方がいいっすよ〜」
「木の影?何を言って・・・」
「近づきすたべか、まぁ仕方ない」
アイゴが指さす木の影からひょっこりと顔を出したのは、古代竜人だった。
「竜人族!いつの間に!」
「おらは火山の竜人だべ、ここで赤紅の監視をしとる」
「あなただったのね。ニャン二郎を通じてギルドに連絡をしたのは」
「そうだべ」
「そうだったんすか!だからギルドが情報を掴むのが、妙に早かったわけっすね」
「そいつのゆう通りだべ、この鳥竜種達が確かにティガレックスを溶岩に誘導して、上手いこと突き落とした所をおらは見てたべ」
「何と!?そんな前からっすか〜。いやでも、丁度いいっすね。これで証人が揃ったのでね。皆さんも彼らの実力を信用するでしょう」
「ユウゼン、お前が変に暴れる前に忠告してやる。打地殻雄はお前が凍土でやりあったあの白夜刀と互角だった。こいつらはそれ以上強い。そんなやつらだぜ、今俺たちを包囲してんのはよ」
「本当ですか?シロギスさん」
「分からないわ。でも今は待つのよ」
「そうっすよ、何もしなければいいっすからね。今ユウゼン達は彼らに生かされてるっすからね」
「生かされてるのはお前らの方だべ」
「何?」
「赤紅は今お前らに構ってるほど暇じゃないべ」
「赤紅?」
「炎戈竜アグナコトル、名を赤紅と呼ぶ。火山活動の管理をする海竜種のモンスターたべ。赤紅が地上に出れば鳥竜種の軍勢などたかが知れてるべ。熱線で大量の焼き鳥ができるべ」
「何故、火山活動の管理をしてるっすか?」
「火山の奥地、その中心部に眠る覇竜アカムトルムを目覚めさせないためだべ。火山が活発になれば目覚めるが高くなるべ。アカムトルムが万が一でも目覚めるような事があれば行く先々、世界各地で災いがもたらされる、古龍にも匹敵する恐ろしいモンスターだべ」
「古龍級のモンスターが、こんな所に潜んでいるとは」
「なるほど。彼らよりもその覇竜の方がよっぽど危険っすか?」
「そうだべ。だから念を押して言っておくが、大人しくするのはそっちの方だべ」
「でもこのままこいつらが逃げたら、危険すぎる。俺はそんな事認めたくない!」
「ユウゼン!話を聞いてたの!?」
「大人しくしろとか!手を出すなとか!いちいち聞いてられっか!勝てるかどうかなんてやってみなきゃ分かんねぇだろ!」
ユウゼンが我慢の限界に達したその時、奇妙な地震が起きた。それは火山の噴火の兆候ではなく、震源地は地上にあった。
「ガァァァァァァァ!!」
咆哮を上げたのは、溶岩によって溶けたドロドロの皮膚と、剥き出しの骨を晒した、打地殻雄だった。
顔の半分以上の皮膚が焼け爛れ、剥き出しになった眼球がギョロギョロと辺りを見渡している。
にわかには信じがたいが、その目を見てると打地殻雄に生命が宿っているような印象を与えた。
「この揺れは!?」
「何だ!?アイツは!」
「ほぉ、なるほどな。打地殻雄は溶岩に落とされたのは事実だったが、その程度じゃ、くたばらないのも事実だったな!」
『・・・あれだけの傷で・・・ありえない』
「はっはっはっ!凄い、素晴らしいっす!なんという生命力!あれが古龍の力っすか!」
打地殻雄はフラフラとよろめきながらも、力強い歩みで何故か火山の頂上へ向かっていた。
「何でだべ・・・おら達でなく火山方へ?このままじゃまずいべ」
「何が?」
「もしあの状態で暴れられたら・・・赤紅!頂上を守るべ!」
古代竜人の叫び声は火山の頂上付近まで届いたのか、それとも自らの防衛本能が呼びかけたのか、火山の中から細長いくちばしを回転させ、溶岩を纏う海竜種、赤紅(アグナコトル)が飛び出してきた。
炎戈竜の名の如くマグマの熱さをものともせずその中を自在に移動し、口から放たられる熱線は相手を跡形もなく消し去る。
飛び出した勢いを利用し打地殻雄の前に君臨する赤紅。
「あれが火山最強のモンスター、赤紅。多くの生物にとって厄介な物でしかない溶岩を纏うなんてね」
「こうなった以上仕方ないべ。ここであのティガレックスを討伐するべ!」
「悲しいっすね。これじゃあっし達はただの傍観者じゃないっすか」
『古龍の血・・・強いね』
地震の音を聞いて、駆けつけたのはドスフロギィとドスバギィだった。
『おい、何事だ!?』
『打地殻雄、しぶとい奴ですね』
「ドスフロギィとドスバギィ!こいつらもいたのか!」
火山の支配者で覇竜の監視者でもある赤紅と、地震と溶岩からの復活者である打地殻雄、人間もモンスターも皆、打地殻雄と赤紅の戦いが始まるのを見つめていた。
そして両者が睨み合うまもなく開戦した。
打地殻雄は赤紅が現れても突進の勢いは変わらなかった。
赤紅のくちばしがバチバチと音を立て火を漏らす。
次の瞬間、そこから打地殻雄に向かって一直線に熱線が放たれた。
打地殻雄の片翼脚に直撃する。
これには堪らず進行も止まった。
「あれが赤紅の熱線・・・これだけ離れているのに熱波がここまで来るとは」
熱線は片翼脚を重点的に当てていた。溶岩よりも高熱な熱線に、思わず甲高い叫び声が上がる。
それでも必死に耐えれていたのは白黒種の力のおかげだろう。
叫びながらも残った翼脚を動かし、その爪を地面に突き立てて前に押し、巨岩を抉りだして赤紅に向かって飛ばした。
赤紅は急遽熱線を中断し、首を曲げて巨岩を身体で受けた。
避ける隙が無かったし、反撃するとも予想してなかったのだろう。
その間に打地殻雄はどんどん近づいてくる。
熱線を受けてた片翼脚は骨が剥き出しなっていたにもかかわらず、その脚を動かし前へ進んだ。
懲りずに向かってくる打地殻雄に対して、またしても熱線を放つ。
「さっきより威力が強いぞ!」
『あれほどの傷を負って何故動けるんだ?』
『・・・古龍の力』
『俺たちが逆に強化させちまったのか?溶岩に落としたから』
『欲しい・・・』
熱線が効いてない訳では無いが、離れていたその距離を確実に縮めていく。そして気がつくと赤紅に打地殻雄は飛びかかっていた。
二体はそのまま、がんじがらめに組み合い、火山を転がりながら激しい攻防を続けた。
赤紅の身体は非常に高温なので、耐熱性に優れた表皮を持つモンスターでなければ、こんな状況にはならない。
「赤紅が接近戦に持ち越されるなんて、初めて見たべ」
「何でティガレックスがあそこまで熱に耐えられるの?ありえないわ」
「白黒種特有の進化っすよ。熱の攻撃を受けることにより、耐熱性が上がる仕組みっす。凄いでしょ!」
「お前、余計なこと言うんじゃねーよ」
『欲しい欲しい・・・あの力!』
『は?』
海竜種でもある赤紅の方が体格が長くて大きいため、組み合いでの戦いは有利に思えた。
だが打地殻雄の強靭無比な力がその幻想を壊す。
その戦いでは打地殻雄が有利であった。相手を押さえ込み、噛みつき、引っ掻く、飛ぶのが苦手とはいえ飛竜とは思えない戦法であった。
「おい、古代竜人!このままじゃ、あのアグナコトルやられちまうぞ!」
「こんなモンスターありえないべ!」
『決めた・・・あれを喰らう』
「ドスジャギィ殿?何を言って・・・」
『命あるものが手にするべきは、圧倒的な力。だれも手が出せないほどの力が必要だ!古龍の血はあの能無しには余る力だ!ならば我々が持つ事でその真価を発揮する!』
『おい、正気か?あの戦いに割って入るってのか?』
『正気ではこの世は生きられない。我々には知恵と数がある。あと必要なのはあの力だ!行くぞ!』
ドスジャギィは急に饒舌になり、困惑する仲間を連れて戦いへ向かおうとした。
「何!?どうして、ジャギィ達が火山の方へ行ってるの!?」
「まさか、打地殻雄を喰らおうとしてる!?」
それでもドスジャギィに続いて火山を続々と登り始めるジャギィ達。
それはユウゼン達を包囲していた陣形が崩れても関係なかった。
『どうするつもりだ!?』
『二体同時に相手するだけ。それだけだ』
「ほらな、アイゴ面倒な事になったぞ。どうしてくれる?」
「いや〜そこまでは考えてなかったっすね〜(棒読み)」
「ユウゼン!こうなったら私達も黙ってられないわ!」
「おう!その言葉待ってました!」
欲が出たドス軍団は、全て打地殻雄の元へ向かっていた。
自分達が強くなれば全ての問題が解決すると思ったからだ。
『足を崩せ、全てに噛みつけ、古龍の血は我々にこそ相応しい!』
話の展開が早いのは仕方ない