モンスターハンター 3rd 白黒の渇望   作:カワード

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前回の続きです!引き続き
よろしくお願いします!
感想とかも待ってます!


2話「狩仲間」

 ユウゼンがアオアシラのクエストをクリアして二ヶ月の月日が流れた。

 ユウゼンはその調子で次々と大型モンスターを狩猟していった。その活躍ぶりから村で、期待の新狩人として名が広まっていた。

 そんなある日、ユウゼンが家で太刀の素振りをしていると、誰かが訪ねてきた。どんどんとドアを叩く音が聞こえる。

「すみません、ここはユウゼンさんのお宅でしょうか?」

「おう!ドアは開いてるぜ」

 ドアが開き、声の主が入ってくる。

 その人はユウゼンにと初対面のハンターだった。

 その人は純粋な好青年ような顔立ちをしていたため、優しい印象をユウゼンは覚えた。

「失礼します」

「アンタは?俺に何か用か?」

「初めまして、私はぎぎと言います。いきなり押し掛けてすみません。少しでいいので話を聞いて貰えませんか?」

「あぁ、いいぜ」

 そのハンターは背負っていたライトボウガンを下ろすと、自分がここに来た経緯を語り始める。

「僕は今、一緒に狩りに行ける人を探してます。僕一人では太刀打ちできないモンスターがいるのですが、今どうしても、そのモンスターの素材が必要なんです。他のハンターと組んで狩りに行きたいのですが、僕はこの村のハンター達に気味悪がられましてね、声をかけ辛かったんです。そんな時、村長さんの紹介であなたの事を知りました。村長はユウゼンさんなら一緒に行ってくれるのでは?、と言われましたので。差し出がましいお願いですが、どうか一緒に来て貰えませんか?」

「おう!こんな俺なんかで良ければ一緒に行こうぜ!」

「ありがとうございます!報酬は全額、ユウゼンさんにお譲りしますので!」

「いや!それは受け取れねぇ、折半だ。それが一緒に行く条件だ」

「よろしいのですか?」

「おう!」

「ユウゼンさん、ありがとうございます!」

「そう畏まらなくてもいいから、気楽に行こうぜ、ぎぎ!それに、俺に敬語は必要ないぜ」

「分かりました。・・・ですが敬語で話すのは僕の口癖みたいなものでして、それを止めると喋り方がぎこちなくなってしまうので。このままでいいですか?」

「そうか、そっちの方が楽なら構わないぜ。よろしくな!ぎぎ」

 二人は一緒にクエストに行くこととなった。

 その後二人は村長からぎぎが倒したいモンスターが対象のクエストを受けた。

「このクエストです」

「こいつか、まだ倒したことはねぇな。暗闇にうごめく猛毒、ギギネブラ一頭の狩猟か」

「はい、ギギネブラは普段から日の当たらない洞窟に住んでいて、白くて表皮がブヨブヨしたモンスターです。視覚がない代わりに熱知覚が発達しており、生物が持つ体温を探知して認識する事ができます。毒のブレスを吐いてきたり、十字の爪を使って壁や天井を這いずり回りながら、柔軟な首や尻尾を伸ばして攻撃を仕掛けてきます。僕のライトボウガンでは、毒のブレスや伸びてくる攻撃に対応が難しいんです」

「なるほどな、俺が前衛で奴の攻撃を引きつければ、倒しやすいってか」

「ユウゼンさん、無茶はダメですよ。熱感知する奴は僕が引きつけるのでその隙に・・・」

「だぁ!言い合ってもキリがねぇぜ!まぁ、その時の状況で決めようぜ」

 二人は意見を出し合いながらクエストを受け、現地へ向かった。

 

 ギギネブラの生息している地、凍土に向かう途中、ぎぎはユウゼンにある事を尋ねる。

「ユウゼンさんは、どうしてハンターになったんですか?」

「俺の故郷がモンスターに襲われちまってな、そういう事から人を守りたいと思ったんだ。頭の悪い俺に出来る事はこれくらいしかなくてな。お前はどうなんだ?」

「素晴らしい志ですね。僕は、ちょっと複雑な理由がありましてね。子供の頃父と共にモンスターの狩猟について行くことが多かったんですけど」

「すげーな、子供の頃からハンターだったのか!」

「はい、ですがある日僕はモンスターの声が聞こえるようになったんです」

「モンスターの声?」

「信じられないでしょうが、僕には聞こえるんです、モンスター達の声が。ですが、父にその事を話すと父は『それは、モンスターの声でない、お前の幻聴だ。のめり込み過ぎると戻って来れなくなるぞ、もうハンターとして狩りには行かない方がいい』と言ってそれ以来狩りにに連れて行って貰えなくなったんです。でも僕は、確かに聞こえるんです。それでも僕は父の制止を振り切り今も、ハンターとしてモンスターと接し続ければいつかこの声の本当の意味に辿り着ける気がするんです!例え誰も信じなくても僕はこの声の意味を知りたいんです!・・・すみません・・・一人舞い上がってしまって。やっぱり、信じられないですよね」

「俺がどうこう言えたことじゃねぇが、いつかその声の意味に辿り着けるといいな!」

「お気遣いありがとうございます。まぁ、集会所のハンターの人達には否定されちゃったんですけどね・・・」

「本音だぜ。お前のその喋り方は本心を語る喋り方だ。俺には分かるぜ。ひとつ聞いていいか?」

「何でもどうぞ?」

「モンスターの声ってのは、どんな風に聞こえるんだ?」

「様々な声が聞こえるのですが、例えばあそこにいる草食獣のポポは我々に対して不思議そうに『なんだアイツらは?』と疑問を口にしています。疑わしいでしょうが、僕にはこんな風に聞こえています」

「ほ〜、言われてみば理屈は通ってるな。俺は信じるぜ!ぎぎのこと!」

 などと喋ってる内に凍土に着いた二人は、ギギネブラが居そうな洞窟を探す。

 極寒の地であるため、吐き出す息は白く凍てつき、辺りを見渡す限り氷山に覆われている。

 見つけた洞窟に入ってからすぐに二人は暗闇で妖しく光る紫線を目撃した。

 松明の明かりで照らしてみると、その紫線の全貌が見えた、飛竜種であるのに低姿勢で地を這い、ヤモリのような手足をしており、本来の目の位置に二本の細長い紫線が光る。

 白くぶよぶよと身体をくねらせ、首を伸ばしながら顔を近ずける、ヒルのような円状の口には奥までびっしりと無数の鋭い歯が螺旋状に生えているのが分かった。

 二人が武器を構えると同時に、ギギネブラは耳が張り裂けるほど大きな咆哮を上げた。

「グワァァァァァァ!!!」

「くそ!うるせぇ!」

 思わず二人は耳を塞いでいた。咆哮が収まるとまずはユウゼンが、太刀を掲げて一直線に敵へ向かう。

 ぎぎの武器はライトボウガンのためユウゼンの後方から射撃による援護を始めた。

 しかし正直すぎる二人の戦法は仇となった。

 ギギネブラはうねる首を更に引き伸ばし、ユウゼンとぎぎを同時に突き飛ばした。

「うぁぁぁ!」

「くっ!正面からは不味い、足元から崩すぞ!」

「はい!」

 ギギネブラの翼脚を中心に攻撃を始めた。

 ギギネブラも負けじと首を振り続け応戦するも、あまりの痛さにダウン。

 真っ赤な腹部を見せひっくり返った。

 二人は弱点部位である頭へ集中攻撃。

 ダウン復帰後、起き上がったギギネブラは、再び咆哮を上げた。

 鼻息は荒くなり、白い身体を黒く変化させ怒り状態へ突入した。

「気をつけてください!今までとは動きが段違いに速いです!」

 ギギネブラはその場に卵を産卵し始めた。

 卵は、直ぐに孵化しギギネブラの幼体『ギィギ』が這いずり出てきた。

 ギギネブラはその後天井に逆さまにぶら下がり、毒のブレスで遠距離から攻撃してきた。

 ぎぎは辛うじて避けれたが、ユウゼンは地面を這うギィギに気を取られていたので、もろに毒を喰らってしまった。

「ユウゼンさん!早く解毒薬を!」

「うぅ・・・、っ分かってる!」

 ギギネブラとギィギとのコンビネーションに手こずり、攻撃を与えられない二人。

 ユウゼンが太刀の間合いに上手く近づいても、怒り状態で硬化した(本来弱点部位であるはずの)頭にしか当たらず、斬撃を弾かれ隙を作ってしまう。

 ぎぎの銃撃も地上にいるギィギのせいで、上手く狙いが定まらない。毒ブレスとギィギのコンビネーションでじわじわと追い詰められて解毒薬と回復薬の残りは僅かとなっていた。

「畜生!このままじゃマズイぜ!」

「僕が、時間を稼ぎます。その隙に・・・」

「馬鹿野郎!お前一人じゃ太刀打ちできねぇだろ!」

 二人が話をしている隙にギギネブラは天井から飛びかかろうとしていた。

「やべぇ!」

 しかしぶつかる直前で、ギギネブラは地面に撃ち落とされていた。

「今のは!?」

「麻痺弾です!僕を、ガンナーを甘く見ないでください!時間くらいは稼いでみせます。さぁ、はやく!今のうちに!」

「分かった!だが、無茶はするなよ!」

 ユウゼンはぎぎを置いて去っていった。ギギネブラはしばらく痺れていたが、起き上がってもなお、怒りは収まらない。

『仲間を残し一人ノコノコと逃げ出すとは、愚かな者よのぉ。だがこれが運命、妾と我が子の贄となれ!脆弱なニンゲン共が!誰一人として逃しはせんぞ!』

「逃げる気など無い!ユウゼンさんを逃したのは、お前の致命的なミスだ!」

 ぎぎは聴こえてくるその声に、感情的な声で叫ぶ、モンスターの声に惑わされないために、ユウゼンを信じぬくと誓った自分自身を鼓舞するために。

 

 洞窟を出たユウゼンは急いで目当てのある物を探す。

 それは凍土内で手の届く距離にあるものの、ユウゼンのイメージ通りの物は見つからずにいた。

「どこだ!早く戻らねぇと、ぎぎがいつまで耐えられるか分からねぇ!気づけ俺!どこにあるんだ!」

 焦るユウゼンは、ドカンと何かが崩れる音を聴いた。

「今のは?」

 不安を抱えながらも音のした方へ向かって行った。

 

 ぎぎは死闘の末、アイテム類が底を尽きていた。体力も少なくなり今にも倒れそうな様子だった。

 ギギネブラは恐怖心を煽るように、わざとゆっくりと首を近づけて来た。

『案ずることはない、じきににあの男もこうなるさ。まとめて妾の贄としてな』

「くた・・・ばり・・・やがれ!!!」

 懐から取り出したのは剥ぎ取り用のナイフ、ぎぎの執念が編み出した諸刃の一撃はギギネブラの毒々しい紫線をザックリと切り裂いた。

 不意を突かれたギギネブラは、その場で後ずさり。

 その隙をぎぎは逃さなかった、追撃でもう片方の紫線に一撃切り刻んだ。

 ガンナーであるぎぎの斬撃による反撃は、ギギネブラに強烈なダメージを与えたが、すぐさま翼に振り払われてしまう。そのまま壁に激突したぎぎは、その場で吐血し倒れ込む。

 でもぎぎは信じていていた、自分を信じると断言してくれたユウゼンのことを。

『ニ!ン!ゲ!ン!如!キ!ガ!許!サ!ナ!イ!』

 怒りに身を任せ、全力で突進してくるギギネブラに対して、笑みを浮かべるぎぎ。

 それは絶望の表情では無く、今か今かと待ち望んでいた、反撃の狼煙を悟った顔であった。

 その時、突進しているギギネブラの紫線の傷口に鋭い何が突き刺さった。

 それは戻って来たユウゼンの仕業であった。

 ユウゼンは、ギギネブラが怯んでいる隙にもう片方の傷口にも刺した。

 ユウゼンが刺した物、それは凍土のあちらこちらに点在する氷結晶の欠片であった。

「ユウゼンさん!」

「大丈夫か!ぎぎ?」

「何とか大丈夫です!」

「解毒薬と回復薬だ!待たせちまったな!」

「問題ありません。作戦通り奴の目を潰せました!」

 ユウゼンはぎぎが戦っている隙に氷結晶の欠片と回復系のアイテムを取りに行っていた。

 理由はギギネブラの熱知覚を封じるためだ。

 凍土の氷結晶は極度の冷気を放つため、ギギネブラの熱知覚を狂わせると考えた、ぎぎの作戦であった。

 作戦通りギギネブラは、ユウゼン達を探知出来なくなっていた。

「反撃開始だぜ!」

 ギギネブラは体勢を立て直すため攻撃の届かない天井に張り付き、がむしゃらに毒のブレスを撒き散らしていた。

 盲目的な状態なので、怒りと混乱で狂ったような攻撃を繰り返す。

『オノレ!オノレ!許スマジ!ドコダ!?劣等種ガァ!』

 ユウゼンは盲目的な状態で放つ毒ブレスの猛攻を容易に掻い潜り、天井に張り付いたギギネブラの真下に打ち上げタル爆弾(対空中モンスター迎撃用アイテム)を設置。

 打ち上がったダル爆弾の威力は小タル爆弾と大差ないが、ギギネブラを撃ち落とすには十分な威力であった。

 地面に落ちひっくり返ってジタバタともがくギギネブラに、銃撃と斬撃が襲う。

 狙いは頭では無く、ギギネブラの放つ毒ブレスを封じるために腹部にある毒袋であった。

 やっとの思いで立ち上がったギギネブラは腹部から毒液らしきものがドバドバと溢れていた。

 氷結晶を自力で取り除き、視覚を取り戻したが、総ダメージ量が大きかったのか苦しそうに脚を引きずりながら立ち去ろうとしていた。

「逃すか!」

『ヤ・・・バ・い、殺・・・され・・・・・・る!』

 何故かそこでユウゼンは閃光玉を投げた。

「あれ?効かねぇ?」

「熱知覚って言ったじゃないですか!あいつに目はないんですよ!その為に氷結晶を取りに行ったんでしょ!ほら、逃げられますよ!」

 ぎぎの鋭いツッコミが炸裂する中、ギギネブラは洞窟の外へと飛び立って行った。

「悪ぃ!忘れてた!でももう少しで狩れる!」

「しっかりしてください!」

 忙いで後を追い洞窟を出た二人。

 その時二人に凄まじい暴風が襲う。思わず細目になり周囲の様子を伺う。

「!?・・・黒い・・・翼?」

 ユウゼンは視界の端で羽ばたく謎の黒い翼を捉えた。隣りにいたぎぎも、似たような反応をしていたので、今見えたものは幻の類では無いことを確信した。

「僕も見えました・・・翼の様なものが。しかし、近くには居ませんね。すでに飛び立ったのでしょうか?」

「あぁ、にわかに信じ難いぜ、あんなスピードで飛ぶモンスターがいるなんてな」

「今の我々では手に負えませんね。この事は早急にギギネブラを狩猟してギルドに報告しましょう」

「そうだな!」

「恐らくギギネブラは、眠っています。その隙に大タル爆弾で一気に攻めましょう!」

「了解だぜ!」

「もう少しで・・・ジュルリ」

「?」

 二人はギギネブラの元へと向かった。しかし近づく度に強烈な異臭が漂ってくるの感じていた。

 足早にその場所へ向かってみると、そこにはバラバラにされた赤白混じりの肉片が転がっていた。

 恐らくかつてギギネブラだったものであろう、今ではその面影を微塵も感じない。

「何が・・・」

「こいつはどうやら他のモンスターにやられたらしいぞ」

 その死体をよく見るとバラバラの肉片は、それぞれに無数の歯型と火傷痕が残っており、まるでこの悲惨な状況を物語っているように感じた。

「あの黒い翼の奴がやったのか・・・」

「恐らくその通りでしょう・・・どんなモンスターか見当もつきません」

 後に二人はこの事を後にギルトへ報告。そしてこの謎のモンスターの衝撃的な正体を知ることとなる。




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