モンスターハンター 3rd 白黒の渇望   作:カワード

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ユウゼンはぎぎとの戦いで戦意を取り戻し、災歌を歌うことで、ぎぎを正気に戻すことができた。だがそこに、改良したザ・モンスターに搭乗したアイゴが現れた。損失した右腕には、イビルジョーの死体をくっつけていた。滅龍ブレスの構えを見せ、ぎぎもろともユウゼン達を葬ろうとした。だが、ぎぎの放つ麻酔弾がアイゴの眉間を瞬時に撃ち抜いた。ザ・モンスターは搭乗主を失い再び機能停止した。
それでも村に現れたのは、ユウゼンただ一人だった。その事にアカグツは失望し、計画を無視してユウゼンを殺そうとしたが、空から太刀を渡されアカグツの攻撃を防いだ。クルペッコに乗ったカジキとシロギスが登場し、ユクモ村の反撃が始まった。
シロギスは村の人達が戦闘に巻き込まれないように、渓流付近へ移動し、そこでアマエビとの戦闘を開始。
村に残って白黒種と戦っていたユウゼン達だが、強化されたディアブロスやナルガクルガに追い詰められてしまう。今度こそやられてしまうと思ったその時、突如、冷気の竜巻がユウゼン達を守った。それは白夜刀(ベリオロス)の仕業だった。


23話「戦友ここに見参」

ユウゼン達がユクモ村で戦っている最中だが、ギルドマスターは砂原にいた。

 ここで発見された、龍脈の穴を目指していたのだ。

 そして今、それは見つかった。直径百メートルの歪な円形の大穴。覗き込むとマグマが絶えず流動している。

「見つけた。これが龍脈の穴じゃな。後はここにアルバトリオンを誘い込めば・・・っ!?」

 マスターが龍脈の穴を見ていると、穴の周囲の壁が崩れてきてどんどんマグマが埋まってきた。

「何故じゃ!」

 龍脈の穴が塞がればアルバトリオンを倒す手段が無くなってしまう。

「待て、待ってくれ!ここはこの場所は、生命の最後の希望なんじゃ!消えるな!」

 止まらない、龍脈の穴はみるみるうちに狭まっていった。

「ど、どうすればいいんじゃ」

 この事を早く他の竜人族に伝えねば。だが伝達をしてくれるニャン二郎は今はいない。マスターはこのまま埋まっていく龍脈の穴を見守ることしかできなかった。

 

 ユウゼンの絶体絶命のピンチを救ったのは、白夜刀とハゼであった。

 ハゼは龍仙人から借りたパチンコで、秘泉水をユウゼンに打ち込み、傷を癒す。

「みんな!起きて!」

 続けて、カジキ、ぎぎにも同様に秘泉水を打ち込んで回復させる。

「傷が!?」

「まだ戦える!」

『ちっ・・・みんな起きちゃった』

 ナルガクルガは、白夜刀に尻尾の棘を飛ばして牽制する。それと同時にディアブロスは既に地中に潜り始めていた。

「白夜刀・・・」

 だが、飛ばされた棘は全て空中で熱線に撃ち落とされた。

『何!?』

『何がいる!』

 ディアブロスが地中から勢いよく飛び出して飛びついたが、それは同じく地中から飛び出してきた赤紅(アグナコトル)に防がれた。

「赤紅・・・強者ダナ」

「みんな無事か!?」

「ハゼ!見事な狙撃じゃったぞ!」

「そうだべ。だがこれだけ多くの竜人族が揃うのは、いつぶりだべかの?」

凍土のメラルー村の長老、

 水没林の龍仙人、

 火山の古代竜人、

 各地の竜人族達が一同にユクモ村に集合していた。

 そして白夜刀や赤紅も共に来ていた。白黒種を討つために。

「竜人族のじぃちゃん達!」

「ユウゼンよ、この村を取り戻すぞ!」

 ウラガンキン、アオアシラが動き出す。転がり始めるウラガンキンと、俊敏な動きでユウゼンに近づくアオアシラ。厄介な相手だ。

 だが突如、転がり出したウラガンキンは横から火球を撃ち込まれ、停止させられた。

 それと同時にアオアシラは電撃を帯びた脚に強く蹴り飛ばされた。

「マダ何カ、イルナ」

「あれは!アイゴが乗ってたやつ!?まだ動いたのか!?」

「よっ!助けに来たぜ、ユウゼン!」

「その声はシイラ!」

 図々しく姿を現したのは、停止したはずのザ・モンスターに乗っていたシイラだった。

「何あれ!?」

「俺にも分からん!けど、強いぜ、戦える!」

「こりゃ頼もしい!」

 睨み合う白黒種とユウゼン達。

 数も戦力も劣っていたが、白夜刀と赤紅、そしてザ・モンスターと竜人族の参戦により、反撃の時が来た。

 

 シロギスとアマエビの戦いは渓流まで及んでいた。

 村人達を巻き込まないように離れて、自分達だけで戦っていた 。

 戦況はアマエビがハンマーの殴打でゴリ押してきたため、シロギスは劣勢を強いられていた。

「いつまで、そうするつもりだ!」

「どうして、どうして私達を裏切ったの!?」

「今更かよ。命乞いの代わりか?まぁいいぜ、答えてやるよ」

 アマエビはハンマーを一旦下ろして、語り始める。

「人類に、いや全生命には、未来が無い。このままいくと必ず滅びる。アルバトリオンによってな」

「あなたは、それを信じたの?」

「最初は信じなかったさ。だがこの事実は、ギルドナイトにいた頃に知ったんだ」

「ギルドナイト!?」

「懐かしいな、昔お前はギルドナイトに入りたがってたよな?でも入れなかった。何故だと思う?実力も充分にあったのに、何がダメだったのか?」

「何よ・・・?」

「それは、ミギマキのせいだ。ギルドナイトの長ミギマキは、お前の実の母親だ」

「え・・・」

 信じ難い事実を明かされたシロギスは、思考が停止した。

「あえて自分の正体を明かさず、お前から離れて暮らすことで、お前の事を守ってたんだ。ギルドナイトの仕事はハンターよりも危険だからな。だからお前はギルドナイトに入れなかった」

「嘘。嘘よ。適当なこと言わないで!」

「だが、それだけが理由じゃねぇ。ミギマキは、終焉の事実を知っていたからな」

 アマエビの話は止まらない。

 ミギマキはギルドナイトの長になり、あらゆる書物を読み漁った。

 その中でにわかに信じ難いものがあった。

 アルバトリオンによる終焉の事実だ。

 人類は終焉を迎える。

 その事実は絶望以外の何物でもない。

 これが例え、おとぎ話だったとしても、誰にも伝えるべきでは無い。そう思っていた。

 アマエビの話は止まらない。ミギマギはギルドナイトの長になり、あらゆる書物を読み漁った。その中でにわかに信じ難いものがあった。アルバトリオンによる終焉の事実だ。人類は終焉を迎える。その事実は絶望以外の何物でもない。これが例え、おとぎ話だったとしても、誰にも伝えるべきでは無い。そう思っていた。だがアマエビは、ミギマギにシロギスが何故ギルドナイトに入れなかったのか、問い続けていた。

 そんなある日、アマエビは呪花の女王リオレイアと出会い、その実力を認められたアマエビは、リオレイアから終焉の事実を聞かされる。

 アマエビはその事をギルドナイトのメンバーには話さず、長のミギマギにのみに話した。

 ミギマギはそれを聞いて酷く動揺した。

 正体不明のモンスターが語ったのは終焉の事実。自分が見た書物に書かれていた内容と酷似していた。

「アマエビ!どこでそれを知った!?」

「俺だって知りたいね。あんたこそ、どこでその事実を知った?知ってたくせに誰にも伝えなかったのはどうしてだ?」

「・・・古い書物に記されていたのを、たまたま目にした。お前は、この事実が恐ろしくないのか!?例えこの話したとしても誰が信じる!」

「事実なんだ!このままでは、人類は確実に滅びる!それなのに何故、人に伝えない!?」

「事実だとすれば、なおさら伝えるわけにはいかない!お前は絶望しかない未来を知って普通に生きれるか!?」

「助かる方法があるはずだ!どうして簡単に諦めてしまう!」

「お前はシロギスと親しかったな。この終焉の事実を、誰にも話さいでくれ。特にシロギスにはな」

「はぁ!?どうして!?」

「いや、誰にも口外するな。それが条件だ」

 その後、ギルドナイトを脱退したアマエビは、ハンターとしてしばらく活動したあと、白黒種の組織の一員として、ギルド役員になり、内部の情報収取をしているうちにミギマギの隠された事実に気づいてしまう。ミギマギはシロギスの実の母親である。ミギマキはこの終焉の事実が人々に知られるのを恐れていた。娘であるシロギスにはギルドナイトの様な危険な仕事をしている自分との関係が、世間にバレる事は娘であるシロギスを危険な事に巻き込んでしまう可能性があるため、秘密にしておいた。そして更に自分の関係を根絶させる(ギルドナイトに入れさせない)ことで、終焉の事実を知ることを極力避けたのだった。アマエビはミギマギを心底嫌いになった。何も知らずに終焉の事実に直面したシロギスは、どれだけ絶望するのか?考えなかったのだろうか。

 その後、ギルドナイトを脱退したアマエビは、ハンターとしてしばらく活動したあと、白黒種の組織の一員として、ギルド役員になり、内部の情報収取をしているうちにミギマキの隠された事実に気づいてしまう。

 ミギマギはシロギスの実の母親である。ミギマギはこの終焉の事実が人々に知られるのを恐れていた。

 娘であるシロギスにはギルドナイトの様な危険な仕事をしている自分との関係が、世間にバレる事は娘であるシロギスを危険な事に巻き込んでしまう可能性があるため、秘密にしておいた。

 そして更に自分の関係を根絶させる(ギルドナイトに入れさせない)ことで、終焉の事実を知ることを極力避けたのだった。

 アマエビはミギマギを心底嫌いになった。

 何も知らずに終焉の事実に直面したシロギスは、どれだけ絶望するのか?考えなかったのだろうか。

 シロギスはアマエビの話を聞いて、困惑し、拒絶し、絶望した。

「信じられない・・・」

「ミギマギは英雄なんかじゃない。終焉を恐れ、死を待つだけの、ただの臆病者だ」

「そんな!」

「だから俺は人間をやめた。白黒種ウイルスを投与したんだ。多くを守るために、化け物になる必要があった。そして俺はボスに誓った!必ずアルバトリオンを討伐し、全ての生命を守ると!だから俺は、全力でお前とぶつかる!それが生きる手段なんだ!半端な気持ちで戦ってんじゃねぇ!止めたきゃ全力で来い!」

「アマエビ・・・」

 アマエビの覚悟を見たシロギスは、決心する。

 戦うしか道はない。彼の覚悟は本物だ、だが間違った道をいってる。

 白黒種になるなんて、絶対ダメだ。ミギマギが自分にしたことを、どう受け止めていいか分からない。でも、今はアマエビを止めるしかない。

「分かった。私も、もう迷わない!」

「そう来なくちゃ、お前じゃねぇよ!黑異天!」

「反音撃!」

 シロギスは武器を狩猟笛に切りかえ、アマエビのハンマーによる強力な叩きつけ(黑異天)を受け流そうとした。

 反音撃は狩猟笛の唯一の近接攻撃だった。

 音の衝撃が黑異天を迎え撃つ。ぐしゃりと、弾ける音が聞こえた。

 それはシロギスの狩猟笛が奏でた音色では無い。狩猟笛が砕けた音だった。

 受け流しは失敗、振り下ろされたハンマーは、シロギスの腕を掠め、地面を穿つ。狩猟笛と地面の破片がシロギスを襲う。

「ぎゃああああ!」

「おらぁ!」

 怯む動作よりも早く、容赦なくハンマーの追撃が来た。

 大型モンスターもダウンするアマエビの攻撃を腹部に、まともに食らってぶっ飛ばされる。

「がはっ!!」

 すぐにアマエビが走ってくる。

 殴打された腹部を押えて立ち上がるが、瀕死であった。

 弓を構える暇は無く、矢筒から取った矢を直接掴んで投げた。その威力はほとんど無く、無意味な攻撃であった。

「だから、威力不足だって言ってんだろぉ!」

 頭部からの流血で片目は閉じていたが、もう一方の目は鋭い眼光を保っていた。まだ諦めていない。

「終わりだっ!」

 だがシロギスは自分の直前まで迫るアマエビに対抗できないように見えた。

 既に体力の限界だったのだ。アマエビがハンマーを振りかぶる。

 その時、シロギスは目を閉じて、アマエビの方に倒れ込む。

 そのまま抱き着かれた。

 虚をつかれたアマエビは一瞬固まる。

「えっ・・・!」

 閉じていた目を見開き、アマエビの背中(正確には右の肩甲骨と背骨の間)に刺さっていた矢を見つけて、握り締めた。

 それをより深くに押し込んだ。 この矢は、この戦闘でシロギスが外したと思われた一矢だったが、それは外れた訳ではなく、背中に命中していたのだった。

 アマエビはそれに気づけなかった。

 「ぅ・・・」

「終わりよ」

 肺にまで到達した矢が、アマエビ致命傷となった。

「・・・やっぱ・・・お前・・器用だな」

「・・・あなたが不器用なだけよ」

 そのまま二人は膝立ちになり、しばらくしてシロギスが離れると、アマエビはその場に倒れ、伏した。

 慈悲も無い、これ以上言葉も必要ない。アマエビを仕留め、村に戻ろうとするシロギスに、声がかかった。

「おい」

「・・・」

「俺は・・・まだ生きてっぞ」

「・・・」

 アマエビの声を無視した。それでも心は騙せなかった。唇をかみしめて、涙をこらえる。歩みを止めず、絶対振り返らないようにした。

 自分の選択は本当に正しかったのだろうか?と葛藤した。

「やっぱお前・・・ギルドナイト向いてねぇな」

「嘘つき。あなたはただの人間よ。どうしてそんな意地を張った!?」

「ははっ・・・気づいてたか」

 我慢できず、喋ってしまった。

 苦しい。だがそれ以降アマエビの声は、聞こえなくなった。

 でもこんな所で立ち止まってられない、村を守るのが私の使命だから。

「私はユクモ村のハンターよ。守らなきゃいけない」

 ひとまず村に行く前に、避難させた村人の元へ向かおうとした。

 その時シロギスの元に、巨体の丸めたウラガンキンがゴロゴロと転がってきた。

 狩猟笛を失い、瀕死のダメージを負ったシロギスにとっては、最悪の相手だ。

「こいつ!」

 

 ユクモ村では、ユウゼン達の猛反撃が白黒種を追い詰める。

『凍土の時みたいに、行くと思うな!』

 ナルガクルガは白夜刀に、対して強い復讐心を抱いていた。

 白夜刀も氷の武装(爪や牙、甲殻に氷の鎧を付けた状態)を纏い、全力モードだ。

 今回は白夜刀が得意とする場所(氷の双璧)を作る隙が無く、地上戦が続いていた。

 双方が同タイプの飛竜種であり戦闘方法は似ているが、ナルガクルガの翼刃の方が固く鋭かった。

 また白夜刀の放つ冷気の竜巻をもってしても、ナルガクルガの突進や棘飛ばしを、完全に防ぐことはできなかった。

 刃翼と氷の武装が交わる度に、武装が破損していった。「いかん!白夜刀が押されておる!秘泉水で回復させたいが、あの戦いでは動き過ぎて狙いが定まらん!」

「長老さん!白夜刀だけを見てちゃダメよ!全体をサポートして!」

 長老はサポートのため来たが、何も出来ずにいた。

 ハゼは戦闘慣れしていない竜人族である長老を、連れてくることに抵抗があったのだ。

 ディアブロスは地中から、赤紅の熱線を何発もくらっていた。

『熱いぜ!こんちきしょう!』

 同じようにディアブロスも地中に潜るが、赤紅の位置が分からないため、地上にいた時と同じように熱線をくらっていた。

 この戦いは赤紅の方が有利であった。それでも負けじと追い続けた。

 一方、ユウゼン、ぎぎ、カジキ、シイラ(ザ・モンスター搭乗中)の四人は、嵐のような猛烈な勢いで圧倒していた。それぞれが三、四頭の白黒種を同時に相手していたのだ。ユウゼンに襲いかかるは、ボルボロス、アオアシラ、リオレウス。それらを一閃で弾き飛ばす。

「はぁあ!」

 カジキに襲いかかるは、ギギネブラ、ロアルドロス、リオレイア。それぞれの属性攻撃を刃で受け、自身の力に変化させる。

「龍双乱舞!」

 双剣の刃はモンスター同士の間を、うねるように切り裂く。それはまるで二頭の凶暴な龍であった。

ぎぎはザ・モンスターの上に乗り、広範囲のブレスを狙った。

「行きますよシイラさん!」

「あぁ!派手にかましてやろうぜ!」

 滅龍ブレスは、カジキとユウゼンが飛ばした白黒種達をまとめて飲み込んだ。

「チッ!マタ、コレカ!」

 アカグツの所までの大きな道ができた。

「カジキ!」

「分かってる!」

「二人とも、来い!」

 ユウゼンとカジキは各々の武器を交差させながら、走り出した。

 アカグツをそれを受けようと武器を構える。

「今ならできるはずだ!」

「叫べ!ユウゼン!」

 その技は以前、孤島でアカグツがリオレイアを、遥か彼方へ見えなくなるまでぶっ飛ばした、大技である。声を合わせて技名を叫ぶ。

「天叢雲剣(アマノムラクモ)!」

「ぐっ!」

 重ねた剣が師を超える。

 二人は剣を振り切った。

 ユクモ村の外へ弧を描きながらアカグツは飛んでいく。まだだ、まだ終わってない。

「行くぞカジキ!俺達で終わらせる!」

「当ったり前ぇよ!ぎぎ!シイラ!リオレイアは任せたぜ!」

「分かりました!」

「ケリつけてこい!」

 戦地を友に託し、ユウゼンとカジキはアカグツを追って村の外へ飛び出した。

「若造共ガ図ニ乗リヤガッテ。ダガ、ソレデイイ!コレハイイ試練ダ!我々ノドチラカガ勝チ残リ、アルバトリオンヲ倒ス!勝ッタ方ガ生命ヲ守ルノダ!」

「あなた達の考えでは何も守れない!」

「そうよ!私達もついている!一緒に村を救いましょう!」

「ダッタラ証明シテ見セロ!ソノ強サデ、自分達ノ方ガ正シイト!」 龍属性やられになったとはいえ、白黒種が怯むことは無い。

 だが迎え撃つためには万全の体制ができていた。それでもシイラには気になる事があった。

「ハゼ、村人達が見当たらない。ガザミさんもだ。どこにいるのか分かるか?」

「大丈夫!村から離れた場所に、シロギスが避難させてたから、今ハオコゼが秘泉水を持って向かってる!」

 ハオコゼはハゼのパートナーハンターで、今は別行動をしていた。

「そりゃいい!最強の援軍が来そうだな」

「?火山でも見た、顎のでかいヤツが居なくなったのぉ?」

「そうですね。怖気づいたのかな?」

「ドウカナ?」

「何にせよ、警戒はしましょう」

 龍仙人は白黒種の数が減っていることに気づいた。

 その通り、ウラガンキンはいつの間にか、ユクモ村から出ていた。勝負は再開する。

「カカレ!同胞達ヨ!」

 リオレイアの号令と共に一斉に襲い掛かってくる。ぎぎはその特有の運動神経を活かして、前線に出た。

 後方からはザ・モンスターからのブレスによる援護。ハゼはぎぎについて行き、秘泉水でサポート。

 前方からアオアシラが一番に走ってきた。

 近接戦では不利だと判断したぎぎは、銃を構える。

 アオアシラを的確に捉えた弾丸だが、俊敏に避けられて当たらない。

 またしても近接戦に持ち込まれる。だが今度は違う、仲間のサポートがあるからだ。

 凶悪な爪による引っかきを、レッグウルフで捉えると、逆立ちをしてアオアシラを宙に掲げる。

「シイラさん!」

「はいよ!」

 ザ・モンスターから火球が飛んできた。アオアシラに命中し、燃えながら苦しんでいたが、容赦は無い。

「まだだ!」

 リオレウス(右手)の火球を何発も食らわせた後、ぎぎは地面にアオアシラを叩きつけた。

 敵側からも火球は飛んでくる、それでも後退はできない。

「仕留めた!」

「はぁぁぁぁ!」

 ぎぎは乱射しながら前進する。

 ぎぎを中心に繰り広げられるバトルは、白黒種にとって不利になっていた。

「いけるぞ!」

「このまま押し切れっ!」

 ユクモ村の村人と村長、ガザミ、ミギマギはシロギスとアマエビの提案で渓流の入口に避難していたが、ハオコゼが持ってきた秘泉水により、負っていた傷を癒していた。

 ガザミとミギマギに関しては意識不明の重体だったが、どうにか一命を取り留めた。

「ハオコゼさん、助かりました。ありがとうございます」

「いえ、当然のことをしたまでです。とにかく無事でよかった。ガザミさんとミギマギさんは、秘泉水で傷を塞ぎましたが、もし新たに傷を負ってしまうと、それがさらに悪化するので、ここに残っててください」

「まだ戦闘は続いているんだろ?体は動く。問題は無い」

「ハオコゼ、お前こそここに残って村人達を守ってくれないか?さっき村長から聞いた話だと、アマエビが渓流にいるらしい。だから私が殺しに行く」

「ハオコゼさん。定例会議で二人とは何度もお話しているのですが、一度決めたらその意見を曲げることは絶対に無いです」

「ですが!今はそれどころじゃ」

「村長、アマエビはどこに?」

「あの方角に・・・あっ!」

 村長が指さした方にゴロゴロと転がっていく巨体は、ユクモ村での戦闘から離脱したウラガンキンであった。

 村人達の前を勢いよく転がってそのまま横切って行った。 ガザミやミギマギの事は完全に無視である。

「まずい!今はシロギスが交戦中と言ったな!?だとしたら追わねば!」

「分かった。行くぞハオコゼ、他の奴らもついて来い!」

「だからなんで仕切るんすか!大人しくしといてください!って、ミギマギさんはもういないし!」

「ごちゃごちゃうるせぇ!行くったら行くぞ!」

 ガザミと村のハンター、それとギルドナイトは武器を取り村へ向かった。今度こそ自分たちの村を取り戻すために。

 ナルガクルガと戦っていた白夜刀は劣勢であった。

 氷の武装のおおよそ半分が、ヒビが入ったり砕けたりしている。

 一方でナルガクルガの方は傷が少なく、余裕じみた態度だった。

『お前とあのハンターにやられた日から僕は強くなった。切られた尻尾も以前より強力に再生した。二度と同じ失敗しないのさっ!』

 互いの両翼脚がとっ組み合う。力比べだ。

 両者はそのまま睨み合い、咆哮した。

 だがやがて白夜刀が力負けしてなぎ倒された。ナルガクルガはそのまま馬乗りになって、勝ち誇ったように咆哮する。

『どうだ!凍土の最強よ!これが白黒種の強さだ!』

 それに対し白夜刀は、苦悶の表情を浮かべるしか無かった。




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