「古龍ジエン・モーラン。別名峯山龍と言われ、大砂漠を徘徊する超大型のモンスターだ。本来なら上位ハンターが六人係で砂上船に乗り込み、バリスタや大砲などのあらゆる兵器を駆使して撃退に追い込むのが通常の場合だ。ところが今回は上位ハンター二名、下位ハンター四名でチームを編成することになった。今上位ハンターは、白黒種の対応に追われていて人手不足だ。確かに相手は厄災と恐れられる古龍だが上位ハンターを何人も投与する訳にはいかない。そこでだ、お前達ならあの白黒種を相手に一時的とは言え戦うことができたと、アカグツから聞いている。俺は、下位ハンターの中ではもうお前たちに勝るハンターはいないと見た。どうだ?この挑戦を受けるか?もちろんこのクエストをクリアした暁には晴れて上位ハンターの仲間入りが約束される」
「マジでが!」
「・・・・・・少し考えさせてください」
「構わないが、時間はあまり無いぞ。明朝、集会所にいる上位ハンターのアマエビに伝えるんだ。自分たちが受けるのか受けないのか。アマエビに話は通してある。せいぜい悔いのない方を選べよ。じゃあな」
ガザミはゆっくりと温泉場から立ち去った。
「ガザミさんが、ぎぎの父親だったとはな。ぎぎ、大丈夫か?」
「あのおっさん、さらっと言ってさらっと帰ったな」
「古龍ジエン・モーラン。本当に僕達で、敵う相手だと思いますか?」
「・・・・・・・・・」
「そうですよね、分かりきってます」
「いやそうとは限らないんじゃねぇ?」
「ユウゼン・・・こればっかりは洒落じゃ済まねぇぞ。込み入った話になるとりあえず風呂から上がろう」
「そうですね」
三人は風呂から上がり、綺麗な夜景が見える高台に集まった。
「どういう事だシイラ?俺たちは、下位ハンターの中でも強ぇって言わてたじゃねぇか。それにギルドが出した条件だろ?ぎぎが認めてもらうには俺たちでやり遂げるしか無いだろ。それに、古龍討伐は俺がめざしてる目標でもあるんだ」
「確かにそうかもしれない。だが危険すぎる。厄災を相手にしているんだぞ、これまでのモンスターとはレベルが違いすぎる。それに・・・」
「もう大丈夫です・・・」
ぎぎがシイラの話を静止する。
「これは父からの僕の試練です。二人を巻き込む訳にはいきません。僕は一人でも受けるつもりです!危険なのは承知してます、ですが引くわけにはいきません!」
「ぎぎ・・・」
「分かった!だがそれなら、尚更一人で行かすわけにはいかねーな。それに一緒に狩りをした仲じゃねーか、俺たちの命くらい賭けてみせろよ!」
「ユウゼン!・・・ったく、何言っても聞きやしないか。俺も腹をくくるしかねーか。いいぜ!やってやる!」
二人がぎぎに手を伸ばす
「ユウゼンさん!シイラさん!僕は・・・僕は・・・本当に、この手を握ってもいいのでしょうか・・・ありがとうございます」
「おし!んじゃ明日みんなで受けようぜ!古龍ジエン・モーラン!待ってろよ!」
固い握手を交わした三人はそれぞれの家へ帰って行った。
その夜、ユクモ村には綺麗な流星群が流れた。
まるで三人のハンターの新たなる狩猟への旅路を祝福するかのように。それとも、厄災へ飛び込むユウゼン達の無謀さを嘲笑うかのように。
翌朝、三人は集会所の前に集まった。
しかしそこにアマエビの姿はなく、代わりにいたのは口喧嘩をしているカジキと、上位ハンターのシロギスであった。ユクモ村の数少ない女性ハンターである。
「だから!話と違うじゃねーかって!俺はここにジエン・モーランのクエストを受けに来たって言ってるだろ!」
「繰り返すようだけど、あんたらの様な下位ハンターじゃ、勝てないのよ!ギルドの連中がどういう神経してんのか知らないけど、とにかく!あんた達が挑むのは無謀よ!無謀!」
「カジキ?何やってんだ?」
「さぁ帰った帰った。あんた達もジエン・モーランを受けに来たんでしょうけど、残念だけど今回は中止よ」
「えっと、貴方は?それに、いきなり中止と言われても何が何やら。ちょっと事情を聞かせて貰えませんか?」
「やっと話が通じる奴が来たわね。私はシロギス。あなた達より先輩の上位ハンターよ。そして今回のジエン・モーランの狩猟に行く予定だったけど、今回のクエストは下位ハンターには難易度が高すぎるのよ。だからこれからギルドに直接中止を伝えてくるわ」
「だから!何でだよって!お前だってその条件に納得して受けたんだろうがよ!」
「話が違ったのよ!下位ハンターと挑むだなんて聞いてなかった!」
「困りましたね。どうしましょう?」
「おう!初めまして、俺はユウゼンだ。よろしく!シロギスさんよぉ!俺達の腕を甘く見てもらっちゃ困るぜ。そこらのハンターとはひと味違うぜ!だから大船に乗った気でいいぜ!」
ユウゼンがシロギスにニィと笑いながら説得を試みる。
「ユウゼンはともかく。俺は問題ねぇはずだ!こいつより全然強いしな!」
「はぁ〜。一度も挑んだことないのによく言えるわ。全く」
「おっ!全員揃ってんな!」
「ん?あんた前のギルド役員の人じゃねーか!なんで武器なんか背負ってるんだ?」
「出たな諸悪の根源!これは、どういう事か説明しなさい!」
そこにハンマーを背負ったアマエビが現れた。
「俺は元ハンターだ。凄腕のな。話はガザミさんから聞いてると思うが改めて言わせてもらうぜ、俺がアマエビだ、よろしく。まぁ、野暮用でギルド役員をやってた。この前までな」
「何が凄腕よ」
「悪かったってシロギス。ギルドに下位ハンターでのチーム編成を進めたのは俺なんだ。大丈夫大丈夫、俺がなんとかすっからさ」
「はぁ!?マジで何考えんてんの!訳わかんないわ。毎回毎回どっから湧いてくんのよ、その自信。無駄にさ。言っとくけど私は降りるわよ」
「だから〜問題無いって」
「あんた元上位ハンターだったのか!」
「そうだぜ皆の衆、大船に乗った気でいいぜ。んでシロギスちょっと耳貸せ」
「何よ?」
アマエビはシロギスの耳元で何か囁いた。
「・・・・・・あーもう!分かったわよ。やる!やればいいんでしょ!」
シロギスは何を吹き込まれたのか分からなかったが、どうやら行く気になったらしい。
「ただし条件があるわ、危なくなったらすぐ帰還するわよ。いい?」
「恩に着るぜシロギス。どの道お前がいなきゃ船を動かせなかったしな。よし!俺達は、たった今チームになった。すぐに準備に取り掛かるぞ。明日の明朝には出発する!ユウゼン、ぎぎ、シイラ、カジキ、それとシロギス、お前ら気合い入れてけよ!」
「オウ!任せろ!」
「精一杯頑張ります!よろしくお願いします!」
「シイラだ!よろしく。俺も忘れてもらっちゃ困りますよ!(俺今回ほぼ空気だった・・・)」
「ユウゼンと一緒なのはマジで気が乗らねーが、やってやるよ!後シロギス!俺に謝れし!」
「ハイハイ悪かったわよ。でも私達の言うこと聞かないと怪我じゃ済まないかもよ。それじゃ向こうの闘技場の近くに砂上船があるから、武器や道具を運んでちょうだい。日没までに終わらせるわよ」
ユウゼン達は準備に取り掛かった。
そして準備はちょうど日の沈む頃に終わった。
カジキとユウゼンは目が会う度に文句を言い合い、アマエビとシイラは大剣とハンマーのどちらが強いかの議論をしていた。
シロギスはその光景にただイライラしながら大声で指示を出していた。
まともに仕事をしたのは、ぎぎだけであった。
そして翌朝、大砂漠に向けてユクモ村を出発したユウゼン達は村の外れにある砂原へ来ていた。
対ジエン・モーラン用にギルドが開発した砂上船は全長約五十メートルにもなり、文字通り砂上を走行する船である。通常の舟と同じように帆があり、風を受けて走行する。
船の先端には迎撃用に対古龍用の巨大な槍(撃龍槍)が装備しており、正面で対峙した時ジエン・モーランに甚大なダメージを与える事が期待されている。
「ジエン・モーランはこの砂原を抜けた先の大砂漠で確認された。もしユクモ村に接近することがあれば、被害は甚大なものとなるだろう。何度も言うようじゃが相手は厄災と恐れられた古龍じゃ。それにお主は復帰したばかり、ぬかるなよ」
送迎に来た考古学者モクジがアマエビに忠告を促す。
「大丈夫ですよ、モク爺。いや〜ここまでの送迎、マジで感謝致します!」
「行ってくるぜ師匠!」
「ユウゼン、お前はアマエビの足引っ張るなよ!後カジキも!」
「ぎぎ・・・」
モクジと同じくアカグツやガザミも送迎来ていた。
「もういいかしら?それじゃ出航!帆を上げて!」
操舵手のシロギスの合図とともに、砂上船は大海原では無く大砂漠へ出航して行った。
「・・・・・・まさか本当に受けるとはね」
「ガザミ、アイツらの決めたことだ。今更何も言えまい」
「何も起きない・・・と思いたいがね、そうもいかないか。本当に大丈夫かね?」
「アイツらならどんな困難でも乗り越えれるさ。なんてったって俺の弟子だ。お前も信じてやったらどうだ?息子だろ」
「お前みたいに、そう思えたら楽なんだけどな。だが確かにその通りだ。いくら考えても仕方ない。今は信じて待つとしよう」
「お二人さん、弟子も息子も気掛かりだろうが、与太話はその辺にして仕事に取り掛かろうや」
三人は砂上船を見送った後、砂原周辺の調査のため探索を始めた。
無数の砂塵が舞う大砂漠を悠々と進む砂上船。
見渡す限り砂丘が地平線の彼方に続いているように感じた。
照りつける陽光は熱風をもたらし、ユウゼン達の体力をジワジワと削る。
その中で探すのは大陸のようなモンスター。ユウゼン達は双眼鏡を覗き込み周囲をくまなく探していた。
「暑ぃ〜。どこ見ても砂だらけ、何でこんなに見晴らしがいいのに見つからねーのかな〜」
「つべこべ言わずにちゃんと探してくださいよ。先に見つけないと不意をつかれますよ」
「ぎぎ、あんたのその真面目さガザミさんそっくりね。親譲りかしら?」
「そうかもしれませんね〜。・・・まぁ、でも父とは最近まともに話せてませんからね」
「あんただけだよ、サボらずに準備してたのはね。どこぞの大バカとは大違い」
「アマエビさんとは、仲がよろしいのですか?」
「腐れ縁よ。確かによく一緒に狩りには行ってたわ。まぁ、互いの武器の相性がたまたま良かったって理由だけど」
舵を取りながらシロギスは、(弓使いなので近くにあった)矢筒の中の矢を一本取りだした。それを人差し指と中指の間に挟んでクルクルと回しながら話を続ける。
「あいつが前で、私が後。弓使いの私が援護して、あいつは馬鹿力でハンマー振り回す。だけど、私は緻密な作業もこなしてきた。あいつは不器用だったからね。そうね、例えばこんな感じにね」
シロギスは人差し指と中指で矢を挟んで、サボってるカジキとユウゼンの目の前に目掛けて、手首を捻って軽く投げつける。
「おいおい、まだ双剣のままかよカジキ」
「ふん、お前には一生扱えん代物だよユウゼン。何せ・・・ヒェッ!?」
軽々しく放たれたはずの矢は想像以上の威力があり、ユウゼンの目の前の壁に突き刺さり、ユウゼンは驚きのあまり背筋をビシッと伸ばした。近くにいたカジキも冷や汗をかいていた。
「なんて威力だ・・・」
「私は矢一本あれば、戦ってるバカどもの間を抜けてモンスターの急所を確実に射抜ける。ついでに私のこの防具は砂原に生息するハプルボッカの甲殻でできてるの。ハプルボッカはアプトノスの様な大きな草食獣を丸呑みする巨体なのに砂の中を自由自在に移動できるの、まるで魚みたいにね。だからこの大砂漠の中でも防塵、遮光、保冷とか、結構色々な効果があるのよ。おかげで違和感無く狩りができる。そしてあんた達!無駄口叩く暇があったら、血眼になってでも探しな!」
「すまん!」
「探せ〜カジキ〜!死に物狂いで!」
「流石です。やっぱり僕は上位ハンターにはとても敵わないや。ところで、どうして急に引き受ける気になったんですか?せっかく引き受けて貰ったのに、こんなこと聞くのも申し訳無いんですけど」
「あぁ、それはね・・・」
「おーい、あの丘の所行ってみねーか?」
「はぁ?丘?何言ってるんですかユウゼンさん。大砂漠に丘なんてありませんよ〜。『どこ見ても砂しか見えね〜』ってさっき言ってたじゃないですか」
「いや待て、ユウゼンそれはどの方角だ?」
船尾にいたアマエビがユウゼンに近づいて問いかける。
「えーっと、あの辺?」
「・・・何も無いぞ?」
「本当っすか?確かにこの方角に・・・あれ?さっきまであったのに」
「蜃気楼でも見たんじゃないの?」
その時突然、砂上船の真横に背鰭の様な何かが砂の中から飛び出してきた。それと同時に船は大きく揺れ始めた。
「何だ!?」
「クソ!全員何かに掴まれ!衝撃が来るぞ!」
背鰭の主は地鳴りとともに悠然と姿を現した。
概ねクジラと言える外観だが、明らかに違うのはそのサイズである。
山と形容しても違和感がないその巨体がユウゼン達を圧倒する。
そしてユウゼンは気付いた、それが自分が双眼鏡で見た丘の正体、峯山龍ジエン・モーランであることを。
体長は約長約一キロメートル、砂上船の約二十倍の大きさである。さらに特徴的なのは口元から直線に伸びた巨大な二本の牙である。
前脚が発達しているため陸上でも移動できるが後脚が退化してるため這いずって移動する。
砂上船はジエン・モーランの横を並走する。
「な、何じゃこりゃぁぁああああ!」
「これが・・・生き物なのか!?」
「こんなのとやり合おうってのか!?」
「配置につけ!戦闘開始だぁぁ!ビビってる場合じゃねぇ!お前ら!大砲を放て!」
アマエビがハンマー床にダンダンと叩きつけ、全員に呼びかける。
「おし!先手必勝だ、喰らいやがれ!」
シイラが大砲に弾を込め、発射する。ドカンと大きな音を立てジエン・モーランの体に爆発が起こる。
続けてユウゼンやぎぎも大砲を撃ち続ける。ドンドンと、連続で命中した。
「よっしゃ!命中したぜ!こんなデカイ的外すかよ!」
「まだまだよ!もっと撃って!」
しかし大砲の煙が晴れてもその甲殻に大きなダメージは無く、その巨体はびくともしていない。
「オラァ!堅っ!?」
カジキの武器、双剣が巨体を切り刻む事はできなかった。ギンっとただ無惨に弾かれる。
「アマエビさん!武器じゃダメだ!」
アマエビはハンマーを構える。
すると、船首付近にあるジエン・モーランの(身体に対して小さな)目がアマエビをギロっと睨みつけてきた。
「ふん!」
アマエビがハンマーを巨体の前脚に叩きつける。すると、ジエン・モーランは身じろいだ。
ぎぎやシロギスなども各々の遠距離武器で応戦するも全く効いていない中、唯一アマエビの一撃だけにジエン・モーランは反応を示した。
すると、密着するほど接近していた巨体は、徐々に船の反対側へ傾きながら砂上船から離れて行く。
「何をやる気だ?」
「デカいのが来るぞ!シロギス!」
「分かってる!」
一定の距離を置いたところで、巨体の動きがピタッと止まる。
シロギスは旋回しようと大きく舵を切った。そして一気に巨体は砂上船へ押し寄せてきた。
「ぶつける気だ!危ねぇ!」
次の瞬間、巨体は勢いよく砂上船へ衝突した。激しくぶつかった砂上船はドゴォォォン!と言う衝突音と共に大きく揺らぐ。
ユウゼン達は船から振り落とされぬ様、しがみつくので精一杯だ。
衝突の弾みでジエン・モーランから船がある程度離れる。
「痛たたた・・・あ〜避けれなった!みんな大丈夫!?」
「な、何とか・・・」
「今の体当たりは船の位置的に避けれなかったかった。仕方ない、次に備えろ!」
「なんて頑丈な船でなんですか!あの体当たりで殆ど損傷しないなんて!」
「そうね、だけど何発も喰らってたら、持たないかも。だから気を抜かないで」
ユウゼン達はひたすら大砲を打ち続けた。
すると巨体は砂の中に潜り始める。みるみるうちに頭から順に、体、尻尾が完全に砂中に潜り込んだ。
「潜りやがった!今度は何だ?」
「シロギス!次のはマジでやばい!避けるしかねぇ!」
「言われなくてもやってるって!」
先程と同様に舵を切る。船の進路は急速に変わっていく。そして潜りきったジエン・モーランの居た場所に船が着いた。
そしてユウゼン達は驚愕の光景を目にする。
まず最初に出現したのは二本の牙の先端であった、意外にもそれは地面に対して垂直に伸びていく。上へ上へと二本の牙はドンドン昇っていく。
ゴゴゴゴゴと牙に続いて次に現れた顔が上を目指し上昇する。
なんと、巨体は砂中から空中に向かって飛び跳ねていた。体長一キロメートルを誇る巨体は、自力で飛び跳ねることがてきたのだ。
やがて全身が船の真上へ達した。
「バカな!あの巨体であの高さまで飛び跳ねただと!」
反り返った姿勢を保ったまま、船の近くへ落ちていく。
もしそのまま動かなかったら、あの巨体に船は、確実に押し潰されていただろう、とシロギスは心の中で安堵のため息をついた。
着地と同時にジエン・モーランは再び砂中に潜り始めた。
「ふぅ〜、間一髪だったな。チッ!なんでこんな頻繁に潜りやがる。また跳ねるつもりか!」
「いや、それにしては揺れが少なすぎるわ。様子がおかしい、注意して・・・」
潜りきったジエン・モーランはすぐには出現しなかった。ユウゼン達は辺りを見回す。
「何処だ?」
「いました!あそこです!」
ぎぎが指さす方向は船の正面だった。
「おいおいおい、冗談だろ・・・」
「この進路じゃ正面衝突する!」
「避けましょう!ここに居たらまた・・・」
二本の牙はまっすぐこちらに向いている。
大砲が届くか届かないかギリギリの所まで離れたジエン・モーランは、猫背のようにグッと背中を丸め、ビシッと伸ばした。
すると船の上空から直径一メートル程の砂岩が降り注ぐ。
「何か飛ばした?」
「上だ!岩が降ってくるぞ!」
「うわぁぁぁ!?」
ぎぎが間一髪の所で前のめりに滑り込み、砂岩の直撃を免れた。
「こんなもの!オラ!」
「ふん!」
シイラとアマエビは各々の武器(大剣、ハンマー)で降り注ぐ砂岩を砕く。
「ナイスだぜ!シイラ!」
「来た!」
巨体は雄叫びを上げ、船目掛けて猛突進してくる。それを避けるため、シロギスは舵を握りしめ進路変更しようとした。
「待てシロギス!これはチャンスだ!」
「はぁ!?」
しかし何故かアマエビがそれを制止した。
「この位置ならアレを使える!当たれば大ダメージだ!今がチャンスなんだ!」
「リスクが大きすぎる!粉々になりたいの?例え上手く行ったとしても船が持つかどうか分からないのに!」
「アレって?まさか!」
「そうさ、砂上船の秘密兵器『撃龍槍』だ!シロギス、お前の操舵の腕にもかかってる頼むぞ!」
「シロギスさん、俺達なら問題ねぇ。覚悟はできてるぜ!」
「・・・悩んでる暇はなさそうね。それじゃ配置について。タイミングは私が合図する」
シロギスは大きく息を吸い込んだ。
「みんな、覚悟はいいわね!このまま突っ込むわ!」
「おう!」
ジエン・モーラン戦は殴りまくれるから好き