真剣で私に恋しなさいとか言われてもな   作:怜哉

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一晩で何があったってくらいお気に入り数とか増えてたので、文字数少ないけど投稿します。
雨西さん、gattinさん、柊飛鳥さん、わけみたまさん、柿鰹さん、高評価ありがとうございました。


思春期はいろいろと複雑怪奇

 

 

 

 

 

 和樹らは小学校を卒業し、中学生になった。

 一年だけ上級生の百代は一足先に中学生になっており、和樹らの入学を心待ちにしていた。

 

 そんな、和樹たちの中学校入学式の日。

 大事な日だというのに、今日も今日とて和樹と百代は朝から激闘っていた。

 せっかくの入学式なのだから和樹に花を持たせる。そんな考えなど微塵もない百代が、最近和樹に隠れて覚えた川神流奥義・星砕きを「入学祝いだ」などと言いながら数発ブッパなし、もろに打ち込まれた和樹は気を失ってしまった。

 

 かく言う百代も、和樹の蹴りを受けただけの左腕があらぬ方向を向いてしまっている。瞬間回復を使おうにも、未だ慣れない星砕きの連発による気の消耗で使用出来ずにいた。

 これでは和樹を担いで学校に行くこともできない。百代は大人しく遅刻を受け入れた。目を覚まさない和樹も道連れだ。

 

 

 こうして、入学式から大遅刻した挙句、ボロっカスの雑巾のようなナリをして式典に現れた和樹は、新しい学友たちに本気でドン引かれた。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

「最近、姉さんと和樹の戦闘が激化してきてるよな」

 

 風間ファミリー、金曜集会。

 特段やることが決まっているわけではないが、とりあえず集まって遊ぼうという定期会である。

 隣県に引っ越してしまった京も、毎週金、土、日は川神に戻ってきて、ファミリーと遊んでいた。

 

 転校つっても隣県だと会うの楽だなぁ。俺の時は京都だったから気軽に帰れもしなかったし。

 

 そんな事をボケっと考えていた和樹は、急に名前を呼ばれて思考を切り替える。

 

「そう? まぁ、俺らも成長期だしなぁ」

 

 今朝の戦闘を思い出す。

 そう言えば、今日は近くの橋が崩れてしまったなと思い出した。

 最近は二人の激突の余波を恐れて、観客もあまり来なくなった。むしろ、決闘の場に居合わせたらそそくさと逃げていく者もいるほどだ。

 

 それに、最近は和樹の傷が深くなってきた。

 気で身体能力を向上させた上で防御力も底上げしているので、まだ骨折などの完治に時間がかかる傷こそ負っていないが、大事に至るのも時間の問題だろう。

 早々に瞬間回復を覚える必要があると、和樹は今後の鍛錬の方針を決める。

 

「成長期ってだけで説明されちゃ、私たちの立つ瀬がない」

 

 本(官能小説)を読んでいた京が、呆れたように呟く。

 

「でも、京だって最近はメキメキ弓の腕が上がってきてるじゃないか。成長期なんだよ、みんな」

 

 真面目に弓道部に通っているわけでもないという京の弓は、それでも急激に上達してきていた。これを成長期と言わずしてなんと言う(才能)

 

「そうだね。第二次性徴期で胸も膨らんできたよ大和。結婚しよ」

「字が違う。それとお友達で」

 

 もはや恒例と化した日常会話。

 小学校の頃から続く大和へのアプローチは、中学生になってから求婚へと変わってきた。

 法律的に中学生では結婚できないことくらい京も理解している。だからこそ周りも冗談だと、行き過ぎた愛情表現なのだと思っているが、京であれば既成事実の一つや二つ、勢いだけで作りそうだなと大和は内心ヒヤヒヤしていた。

 

「お前らはほんと、仲が良いよね」

 

 大和と京に向けて、和樹が何となしに言う。

 

「私と大和が仲良しだから寂しいの? 俺にも構ってって? 可哀想だけど、ごめんなさい。私には大和がいるから和樹の気持ちには応えられない」

 

「そこまでは言ってない」

 

 和樹が辟易しているのがこれだ。

 ただ普通に話していただけなのに、なぜか恋愛に絡んだ捉え方をされ、なぜかフラれるという一連の流れ。

 京に、思い込み癖というか、少々電波なところがあることは知っていたが、まさかここまでとは予想していなかった。

 

 そしてこれが、和樹は京を諦めていないと言われている所以でもある。

 火のないところに煙は立たないというが、未だフラれ続けているという事実がある以上、諦めていないという噂が流れるのも無理はなかった。

 

 だが、京の件に関して完全に「諦める」と割り切った和樹は、軽く訂正するだけでそれ以上は語らない。

 

 

 しかし最近、それが面白くないと思い始めた者が二人ほどいた。

 

 

 片や、和樹が以前否定していた通り、本当は京のことが好きじゃないのではないかと思った者。

 

 片や、和樹が以前否定していた時とは違い、今は本当に京のことが好きなのではないかと思った者。

 

 

 そんな考えを持つ者が二人もいるなど露知らず、和樹は呑気にその場の思い付きで界王拳の練習を始めていた。

 

 

 

 

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