時間は遡り、夏合宿をする前
7月の第一週にメイクデビュー、福島1800メートルを作戦は逃げで7バ身差の逃げきり勝ちをして夏合宿を行った後、合宿から帰ってきて9月の中山、アウター賞に出走
1600メートルは私にとって短かったが、体が出来てなかったり、本格化前のウマ娘達に負けることなく、これも7バ身差の圧勝
そして10月には重賞G3のサウジアラビアロイヤルカップに出走
枠順は1枠1番と最内
ロケットスタートで誰よりも早く先頭に出ると、そのまま大逃げの形になるが、これは私のスピード能力が傑出しているだけであり私は余裕を持って走っていた
東京レース場1600メートル……直線から始まり坂を登った先にある下り坂のカーブが続き、曲がりきった先にある上り坂を越えた先にゴールがある
距離以上にスタミナが要求されるこのコースは私にとって有利に働いた
コーナリングは最内の利を最大限生かしてラチにぶつかるギリギリを通り、坂を登る途中で更に加速してゴール
2位に2秒差つける1分35秒1でフィニッシュ
3戦3勝で重賞制覇
全て逃げきりのマスコミや他のウマのから注目されるようになり、本当にG1に手が届くんじゃないかと思えるようになった
賞金はチームで打ち上げと株に投資して殆ど消えたが特に欲しいものもないので良しとしよう
あ、私が重賞制覇したことで小さいながら部室を借りる事が許されました
「よし! ガイアファースト! このままホープフルステークスを勝ってG1制覇といこうじゃないか」
「はい!!」
この頃先輩方の2人もシニアクラスに向かう前に色々考えた様で、シニアクラス1期が終わったらレパルスベイルノー先輩は母国イタリアに戻り、実家の靴屋を継ぐらしい
バレンティー先輩は川道コーチの教育に感銘を受け、今年いっぱいで現役を引退
トレーナーコースに編入して青森のトレーニングセンターに就職を目指すらしい
「口きいてや! お願い!」
「ま、まぁお母さんの琴線に触れるかで就職決まるからなぁ……まぁ普通の成績ならトレーニングセンターのコーチ不足してるし大丈夫だと思うよ。私もお母さんに一言言うし」
「助かるわぁー!! ありがとうな!! 恩に着るで!!」
まぁ今年いっぱいは併走トレーニングにも付き合うからと言ってもらえたし、私はホープフルステークスに集中するとしよう
今年のシニアクラスはテイエムオペラオー先輩がシニア王道路線を完全制覇
大阪杯を除く天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念を全て制し、重賞8連勝、グランドスラムを達成した
凄すぎて私もああなりたいなと思いながら練習を続ける
年の暮れ今年最後のG1レース
ジュニアG1ホープフルステークス
出走メンバーで注目すべきはジュニア重賞を勝っているクロフネとジャングルポケット、メイクデビューを上がり33秒台で完走したアグネスタキオンの3名
私はこのメンバーで3戦全てに圧勝していることから1番人気となった
「うぉぉぉぉぉ!! ファースト! 僕が一着になるからね! 負けないよ!!」
「相変わらず煩いなジャンポケ」
「あ、ジャングルポケットさんにクロフネさんどうも」
「今日勝つのは私だ。G1のタイトルが欲しいからな」
「私もガイアの名に懸けてG1をとって見せます!」
「いや! 僕だね!!」
「あれ? ……そういえばタキオンさんは?」
「あいつならさっきトレーナーと話していたぞ……あの不良に関わらない方が良いぞファースト」
「いや、なんかお母さんからタキオンに注意するように言われて」
「そんなに凄いか? 確かに切れる脚は持っては居るが……」
「でもマークするのはファーストだね!! 楽に逃げられると思わないでよ!!」
「私だってジャンポケさんには負けませんからね!」
パドックに出ると観客席にお母さんや妹達が居るのが見えた
そっちの方に手を振ってアピールする
『1番人気ガイアファースト観客に手を振っています』
『見るからに仕上げてきてますね、渾身の走りを期待したい所です』
『展開予想としましてはこの子スターリーロマンスが逃げる形になるでしょうか、どちらが先頭に立つか注目です』
実況と解説の人の声が聞こえてくる
さてレースをしよう