フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回はキダナル地域のフューリー回になります。

それではどうぞ。


第9話 キダナル地域のフューリー

「へぇー、そんな事があったんだ……」

「そうなの。ピアノを弁償しろって言われるんじゃないかと思ったけど」

 

ドルファ主催の立食パーティが終わって次の日。レイルはアリンから自分達が先に帰った後の出来事を教えてくれた。何でもファングと食べ物の取り合いになってしまい、おまけにエフォールに邪魔をされてしまいピアノにお茶がかかってしまったのだ。

 

「でも結果オーライで良かったじゃん。どの道あのピアノ、修理に出さないといけないくらい、ドの音がズレてたし」

「……それ、結果論にならない?」

「そうかもしれないけど、実はあのピアノって、定期的にメンテナンスしなきゃいけないタイプだから、どの道だよ」

 

だからこの場合は、どっちもどっちだとレイルは言った。

 

「……で、件のファングは?」

「洗面所で寝癖を直してるわ。珍しい事もあるものね」

 

そう言うアリンにレイルがそっか~と言ってると、『だあ~!? 後ろの髪の寝癖が治せねえ!!』と洗面所の方からファングの声が聞こえた。

 

「おはようございます、お義兄様」

「おはよう、ティアラ。昨日は先に帰っちゃってごめんね? 何か気になる話とかあった?」

「いえ、大丈夫です。気になる話といえば……そうですね、噂ですが」

 

食堂に入ってきたティアラがレイルに挨拶をした後、パーティで気になる話……というか噂を聞いたそうだ。

 

「噂?」

「はい。キダナル地域で御神体のように祀られてるというフューリーがあるという噂ですわ」

「キダナル地域かぁ……」

 

キダナル地域は、大都市ゼルウィンズの東に位置する小さな村だ。

 

「じゃあ次の目的地はそこだね。何か明るい情報があるといいんだけど……」

 

嫌な予感がするのは気のせいか?と思うレイルだった。

 

 

 

 

「随分と荒れた街ねぇ。人っ子一人いないじゃない」

「まるでゴーストタウンだな」

 

キダナル地域に着いたレイル達。

そこで見たのは人すらいない、まるでゴーストタウンのような住宅街だった。建物等はヒビが入ってたりと、完全に劣化しているのは明白だった……

 

「キダナル地域は閑静な住宅地の筈……それがどうしてこんな……」

「経済状況が良くないとは聞いてたけど……それにしては……っ!?」

 

しばらく歩いていた時だった。

自身の背後にナニカの僅かな殺気を感じたレイルは咄嗟に殺気をまき散らした。襲ってきたナニカはレイルの殺気をもろに受けパタリと倒れた。

 

「グ、グゲ……ゲ……」

「きゃあ! な、なに、こいつ!?」

「……肉食虫の亜種、グナーダだね。どうやら、キダナル地域がゴーストタウンの理由はこいつらが原因みたい」

 

泡を吹きながら倒れてる寄生虫型モンスター、グナーダを見たレイルが答える。他の場所で倒れてるグナーダを見る限り、どうやらここに住む人達は、このモンスターのせいで犠牲になってしまったのだろうとレイルは付け加えた。

 

「そもそもグナーダに街全体の人間を亜種にできる力なんて、僕は聞いた事ないけど……」

「! ……フューリーですわ。恐らくグナーダがフューリーの力を利用して!」

「なるほどな」

「フューリーの噂は本当だったんだ……」

 

確かにそれなら、大量に潜んでいたグナーダの数も納得がいく。

 

「この街のどこかにフューリーを祀る祭壇がある筈です。それを探しましょう」

 

ティアラの一言で一同は祭壇がある場所に足を進めるのであった。

 

 

 

 

「なあ、さっきから泡を吹いて倒れてるグナーダが多くねえか?」

「そうですわね……何故なのでしょう?」

「……(その原因は僕だなんて言うのなんかやだな。それにしても殺気を飛ばし過ぎたかな……?)」

 

祭壇に着くまでの道のりは比較的に楽だった。

そこら中に居る多くのグナーダ達が何故か泡を吹きながら倒れていたからだ。原因を知ってるレイルは面倒だから黙っておく事にした。

 

「あっ! フューリーよ!」

 

アリンの声に視線を向ける。その先には祭壇に突き刺さったフューリーがあった。

 

「グギョオオオオオオオオ!」

「「「「っ!?」」」」

 

足を踏み入れた瞬間、巨大な物体が上空から雄叫びを上げながら落ちてきた。

その正体は、グナーダの親玉と思われる巨大なモンスターだった。巨大化しているのは、祭壇にあるフューリーが原因だろう。

 

「ボスのお出ましか。フューリーは貰っていくぜ!」

「……よく見れば、周りにも数体のグナーダがいるね」

 

親玉のグナーダはファング達に任せ、レイルは周りのグナーダを片づける事に。

 

「グギョオオオオオオオオ!」

「え? なんで? あー……もしかして、アレかな。他のグナーダ達を殺気で倒しちゃったから、それに怒ってる……とか?」

『いや、なんでそんなに冷静なの!?』

 

……と思ったのだが、何故かグナーダの親玉はレイルに襲いかかってきたのだ。空中に回避しながら、襲いかかってきた原因をポツリと呟くと、アリンに突っ込まれた。

 

「てい!」

「グォォオオオ……」

「……浅いか」

 

レイルは拳を放つ……が鋭利な爪によって防がれてしまう。しかしグナーダの親玉はレイルの拳圧により甲殻にヒビが入った事で呻いている。すると、周りのグナーダ達をチラチラと見始めた。

 

「グォォオオオ……!」

「なっ!? こ、こいつ……」

「私達が倒したグナーダを……食べていますの……!?」

 

なんとグナーダの親玉は、ファングとティアラが倒した他のグナーダを自身の爪で器用に刺し、そのままムシャムシャと食べ始めたではないか。

 

正直言って、見てて気持ちのいい物ではない。

 

「グォォオオオ!!」

「兄貴!」

「お義兄様!」

 

そして捕食して回復したのか、グナーダの親玉はファングとティアラを無視して再びレイルめがけて飛びかかってきた。

 

その時だった。

 

突如、白い閃光のような物がグナーダの親玉の巨体を両断した。

 

「奇遇ですね。まさかこんな所で貴方にお会いするなんて」

「あれ? シャルマン?」

 

その白い閃光の正体は、先日のドルファのパーティでピアノを演奏していた青年、シャルマンだった。

 

「兄貴、大丈夫か……って、お前、フェンサーだったのか。ピアニストかと思ってたぜ」

「ボクの方こそ。君はウェイターだと思ってましたよ」

「……(あ、この2人、お互いに仲良くは程遠そうな気がする……単純に素直じゃないかもだけど)」

 

ファングとシャルマンのやり取りを見て、2人は性格的に馬が合わなさそうだなとレイル思った。

 

「グ……グォォオオオ!!!」

「こいつまだ生きてんのかよ!?」

「しかも気性が荒くなってない!?」

 

奇声に近い鳴き声に振り向くと、シャルマンの攻撃によって、両断された筈グナーダの親玉がそこに居た。自身の片腕の鋏を斬られた事や突然の横槍のせいで明らかに怒り狂っていた。

 

「シャルマン。さっきの攻撃、別に手を抜いてないでしょ?」

「ええ。どのような時も全力を持って当たるのが、ボクの流儀ですので」

「……それはいい心がけだね。昨日のパーティでのピアノ演奏も聴いてて良かったし」

「もしかして義兄(にい)さん、演奏を聴いてたんですか? 完璧な演奏をお聴かせられなくて申し訳ないです」

「いや、元々あのピアノ自体、ちゃんと定期的な修理を出さなかった向こうが悪いんだから、シャルマンがそんな気を落とさないでよ」

「「「え?」」」

 

レイルとシャルマンのやり取りを見たファングとアリン、ティアラは『義兄さん』という単語を聞いて目が点になった。

 

「……これ以上、キダナル地域を殺風景にしたくないんだ。せめてお前には安らかな眠りを与えてあげるよ」

「グォォオオオ!!!」

「……()()()

「ええ」

 

レイルの悲しそうな表情に応えるかのように、167cmの女性がレイルの隣に現れた。その女性の姿を見て驚くファング達。特にシャルマンは目を丸くした。

 

「あ、貴女は……」

「シャルマン。終わったら、その事についてちゃんと話すから。シャル、フェアリンク」

「ええ。フェアリンク」

 

そう呟くと、シャルの身体が輝き出し、レイルの()()に収まる。彼の左手には、光属性の刀身を帯びた刀寄りの片手剣が握られていた。

 

「グォォオオオ!!!」

「シャル」

『アタックエフェクト『サイファーライズ』』

 

レイルがその場で回転攻撃を放つと同時に、たくさんの光の柱が一気にグナーダの親玉に襲いかかった。

 

「グォォオオオア!?」

 

そして断末魔のような雄叫びを上げながら、グナーダの親玉は粒子になりながら消え去った。

 

 

 

 

「……ごめんね、引き止めちゃって」

「いえ、逆に気を遣わせてしまって申し訳ありません」

 

グナーダの親玉を倒したレイルは、ファング達に一旦入口で待っててもらい、自分はシャルマンと話をする事に。ちなみに祭壇のフューリーは譲ってもらい、ファング達に預かってもらっている。

 

「デリケートな話だからね」

「……」

 

話題はもちろん、シャルの事だ。

 

「早速だけど、シャルマンは……シャルの事、憶えてる?」

「はい。……と言っても、知ったのはボクがフェンサーになってから少しなので、具体的な事までは……」

「……シャルマンは、どこまで知ってる?」

()()()()()()()()()()()で、ボクの……生き別れの()という所です」

 

それを聞いたレイルは、やっぱりかと思った。

 

「そっか。それじゃあ、シャルがどうしてこうなったかを話すから、シャルマン、誰にも言わないで聞いてほしい」

「……分かりました」

 

そして誰もいない事を確認したレイルは、自分の知ってる限りの事をシャルマンに話した。

 

「これが僕らがフューリーを探す事を除いての経緯だよ」

「それで義兄さん達は、世界を旅していると……」

 

話を聞いてくれたシャルマンは、時々相槌を打ってくれたり質問をしてきたが、レイルは彼が納得いくまで丁寧に話した。シャルだけではなく、ティルアとの関係も。

 

何故ティルアの事も話したかと言うと、後々ややこしい事になりかねないからだと判断したからだ。

 

「ただどうしてそうなったかはシャル達も分からないみたいだから、シャルマンの方でも情報を見つけてほしいんだ」

「確かにそれは引っかかりますね。分かりました。ボクの方でも少し探してみます」

 

あんまり長話もアレなので、ボクはそろそろ行きますねとレイルに言うシャルマン。

 

「シャルマン、身体には気を付けるのよ?」

「っ! 心配してくれてありがとうございます。姉さんをよろしくお願いしますね……義兄さん」

 

シャルマンはそう言って去っていった。

 

「もし世界が平和になったらさ? キダナル地域に合う花を植えようと思うんだけど、どうかな?」

「ふふ、良いと思うわよ」

 

そしてレイルは大都市ゼルウィンズで偶々花屋で買った花をフューリーがあった祭壇に供えて、ファング達が待つ入口に戻るのであった。




読んでいただきありがとうございます。

次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

最後にシャルロットのフューリー状態での基本形態の紹介になります。

基本形態:『テイルズオブジアビス』の聖剣ロストセレスティ

こんな感じです。
こちらも今後、能力や魔法等も紹介しますので、
次回もよろしくお願いします。
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