フェアリーフェンサーエフ~元ドルファ四天王の旅~   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回はハーラーさんとバハスさん登場回になります。

それではどうぞ。



第10話 宿に戻ったら妖聖研究家が来てた

「お帰りー。待ってたよ」

「…………」

 

宿に戻った一同は各々の部屋に戻る。ファングが部屋に入ると見知らぬ黒髪の女性と頭の禿げた中年の男性が居た。

 

「ふーん、キミがファング君か。なかなかモテそうな顔してるじゃないか」

「そうか? 俺の方がイケメンだ」

 

女性の言葉に男性が答える。

 

「おい、あんたらいったい何もんだ? 俺に何か用か?」

「私はハーラー・ハーレィ。こっちは私のパートナー妖聖のバハス。別に怪しい者じゃないさ」

「勝手に部屋に入りやがって、充分怪しいんだよ」

 

ハーラーは何事も無いようにそう言うが、ファングからすれば怪しいし、いい迷惑である。

 

「まあ、細かい事は気にすんなって。()()()()、教えてやっからさ」

「情報……?」

「ねえ、今、女の声が聞こえたんだけど……あっ」

「あら、お客様?」

 

話し声が聞こえたのか、アリンとティアラが部屋に入ってきた。

 

「ちょうどいい。今からティータイムにしようと思ってたんだ。お嬢ちゃん達もおいで」

「オメエら、俺が作ってやったスイーツが食えるなんてありがたく思え」

 

バハスはそう言うと、テーブルに色とりどりなスイーツとティーセットを並べた。

 

「美味しい~! このガトーショコラ、最高~~!!」

「こっちのタルトも初めて経験するお味で、頬っぺたが落ちそうですわ」

「キューイ!」

「な、うめえだろ。俺は料理に関しちゃ嘘は言わねえんだ」

 

アリンとティアラが目を輝かせながらケーキを頬張る。キュイもお気に召したようだ。

 

「うめえ……そういや兄貴は?」

「キューイ」

「……(スヤァ……スピー……)」

 

ファングの疑問に答えたのはキュイだった。よく見るとキュイの背中で、紫地に黄色い水玉模様のナイトキャップを被ったホロンが気持ちよさそうに寝ているではないか。

 

「おや、この子は……」

「おいおい、こいつはレイルのパートナー妖聖のホロンじゃねえか」

 

ホロンの見たハーラーとバハスが驚く。

 

「珍しい事もあるもんだ。この子がこの場に居るって事は……レイル君にティルアちゃん、それにシャルロットちゃんも一緒なのかい?」

「あ、はい。部屋で休んでいらっしゃると思いますけど……」

「ふぁ……にぇむい……あっ」

「レイ、大丈夫? なんか賑やかな声がするけど……あっ」

「そうね。何か楽しい事でも……あら」

 

ティアラがそう答えると同時に、レイルが軽い欠伸をしながら部屋に入ってきた。彼の後ろにはティルアとシャルの姿も。

 

「やあー♪ 3人共、お久しぶりー♪」

「元気そうじゃねえか。オメエらもこっちに来て、スイーツを食え」

 

そしてハーラーとバハスもレイル達に笑顔で言った。

 

 

 

 

「ガトーショコラ、うまうま……」

「タルト美味しい~♪」

「そうね。紅茶にとても合うわ」

「ホロン。うめえか?」

「……(コクコク)」

「そりゃ良かった」

「……(食べた方もそうだけど、ホロンの口ってどこにあるのかしら?)」

 

バハスが作ったスイーツを食べるレイル達。ちなみにホロンに至っては、自身よりも大きいフォークを器用に使ってガトーショコラを食べている。それを見たアリンはホロンの口はどこにあるんだ?と疑問に思った。

 

美味しそうに食べてるのは確かだが。

 

「ところで、()()()()()()()がなんでここに居るの?」

「「「……(((ハーラー、ちゃん……?)))」」」

「いや、最近あちこちでフューリーをゲットしまくってる、イキのいい若手がいるっていう噂を聞いてね」

「ああ、そうなんだ。……ちなみに本音は?」

()()()()()を連れてんのかと思って見に来たのもあるね」

 

ハーラーに対しての呼び方もそうだと思ったファング達だが、少し気になる事が。

 

「妖聖に興味がおありなのですか?」

「まあねー。私ゃ、妖聖研究家をやってんだよ」

「? 妖聖研究家ってなんだ?」

「そんな事も知らないんですか? 妖聖研究家とは、まだ未知の部分の多い妖聖を、生物学的な見地から研究している学者さんの事ですわ」

「?」

「ファング。妖聖研究家っていうのは、分かりやすく例えると、オムライスはどういう経緯で生まれたのかを今でも研究してるって感じ」

「おっ。それなら分かるぞ!」

 

ティアラの説明もよく解ってないファングにレイルが彼にも分かりやすい例えで説明する。

 

「この子がファング君の妖聖かい? ふう~ん……へええ~……」

「うぅ……視線で脱がされそう……というか、絶対脱がされた……」

 

ハーラーの視線に何かを感じ取ったアリンは、彼女から距離を取った。

 

「妖聖ってやつは面白い生き物でね、パートナーの人間と色んな関係性をもったりする。親友とか師弟、()()なんてのもいるんだよ」

「妖聖と人間のカップル!?」

「種族を越えた愛……あぁ……なんてロマンチックなのでしょう……」

「あり得ないし……って、身近な一例が居たわね」

「そういえば確かに居ましたわね」

 

アリンとティアラの視線がレイルに向けられる。そういえば、ファング達には説明してなかった気がするので、彼は一応訂正しておく事に。

 

「ティルアとシャルは僕の大事な人だよ? あとは……「「私達の婚約者よ」」うん。まあ、そんな感じ」

「恋人じゃなくて、婚約者……しかも婚約者が2人も居るって……色々と凄いわね」

「お姉様から昔聞いた事がありますが、この方だったんですね……」

 

そこまで強調しなくてもいいだろうと思ったレイルだが、別に間違ってないのでそう説明しておいた。

 

「ちなみに、このバハスなんか、私にとっちゃ親みたいなもんさ。部屋を片せだの、服を畳めだの、歯を磨けだのって、うるさくてね」

「それはお前が身の回りの事を何ひとつできないからだ。炊事! 洗濯! 掃除! 毎日やってる俺に感謝しろ! 全く……」

「はいはい。感謝してるって」

 

この2人のやり取りを見たレイルは、全然変わってないなと思った。

 

「ところでキミ達は何でフューリーを集めているんだい?」

「はい。女神の封印を解いて、世界を平和にする為ですわ」

「俺はアリンの記憶の手がかりを探してるだけだ」

「ちなみに僕達は気づけば、こんな状況になってた」

 

元々レイルはホロンとティルア、シャルの4人で旅をしていたのだが、ファング達に出会って気づけば、フューリーを集めて女神の封印解放という感じになっていた。

 

「記憶……って事はあれかい。アリンちゃんは記憶喪失ってか!?」

「そ、そうだけど……」

「珍しい……もう何年も妖聖研究家をやってるけど、記憶喪失の妖聖は初めてだよ……おい、ファング君! 私の妖聖と取り替えないか!?」

「は?」

「えっ……!」

 

アリンが記憶喪失と聞いたハーラーは、とんでもない事を言い出した。それを聞いたファングとアリンは首を傾げた。

 

「ハーラー! 無茶を言うな! 大体俺はこんな奴のパートナーになるなんてごめんだ!」

「俺もだ、勘弁してくれ」

「あたしも遠慮しておく……色々調べられそうだし……」

 

満場一致の拒否にレイルはそりゃそうだと頷いた。ハーラーは残念、と肩を落としていたが。

 

「あっ、そうだ! いい情報があったんだ。あんた達が欲しがってるフューリーの1本が、()()()()()()()ってとこにあるのさ」

「ホントに!? 早速行きましょう!」

「情報を提供したんだ。私も同行させてもらうよ。じっくり観察させてほしい」

「えっ……? なんかやだ……」

 

何を企んでいるのか分からないハーラーを見て、嫌そうな顔を浮かべるアリン。

 

「おい、ハーラー……」

「記憶喪失の妖聖なんて、何か秘密があるに違いないからね。研究家として興味がある。それに私はフェンサーでもある」

「ちなみにハーラーちゃんはこう見えて、妖聖の事以外にも詳しいから、仲間にして損はないと思うよ」

 

一応、レイルのフォローもあって、ハーラーが仲間になる事にファング達は納得した。

 

「というか、シュケスーの塔にフューリーなんてあったんだ?」

「そういえば、レイル君達はあの塔付近を拠点にしてるんだっけ? フューリーがあるって知らなかったのかい?」

「何度かシュケスーの塔には入った事はあるけど、フューリーなんて見かけなかったよ? ……そうなると最近の出来事になるよね、その情報」

「あの、お義兄様とハーラーさんはお知り合いなのですか?」

「そういや兄貴だけ、普通に話してたよな」

「確かに。でもなんかレイルだけ、ハーラーと話慣れてるっていう感じがするっていうか……」

 

さっきから気になっていた事をティアラはレイルとハーラーに訊ねる。その疑問はファングとアリンも同じだった。何せ、2人の会話がただの知り合いとは別の感じがしたからだ。

 

「……言ってもいい?」

「私は別に構わないよ? 別に隠す程でもないと思うけどね」

「ま、それもそうだね。ハーラーちゃんとは()()()()()()()()だよ」

「「「え、ええええぇぇぇ!?」」」

 

なんとなく予想してた反応にレイルは、その内話すと言ったのであった。ちなみに3人の反応を見たハーラーは楽しげに笑っていたが。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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